ギルドは阿鼻叫喚に包まれた。
盃はひっくり返り、オブジェとして置かれていた樽は割られ、窓からは禍々しいほどの茜色の夕日が差し込み、まるでこの世の終焉のような雰囲気を醸し出す。
造花が叩き割られ、受付に机にあったインクが絨毯へぶちまけられていた。
突然の出来事であった。
強い冒険者は大抵出払っており、冒険者の数が少ない時間帯を狙ってか、偶然か、それは分からないが窓を打ち破っていきなり侵入してきた緑色の小さな影。
それは彼らからすればよく見覚えのある姿であった。
ゴブリン。
人に害を為す悪鬼として知られる怪物。
そして、同時に数多いる怪物の中でも最も貧弱な存在としても知られる。
故に卑劣で卑怯な事を好む。
だが、まさかそんなゴブリンが冒険者ギルドにまで侵入してくるとは…前代未聞の出来事であった。
不意をつかれた冒険者達は慌てふためき、ギルドには不似合いな真っ赤な鮮血と臓物とが飛び散る。
ほろ酔いの頭に棍棒の一撃を受け、防具の着けていない体を粗末な刃で傷つけられる。
男は虐殺され、女は―――
「嫌ぁああああああああっっっっ!!!」
女性の冒険者が一人、ゴブリンの毒牙にかけられる。
机の上に寝かされた彼女は四肢を抑えつけられ、鋭い爪で衣服を引き裂かれる。
これから何をされるのか悟った彼女は、目に涙を浮かばせながら甲高い悲鳴を響かせる。
その声をゴブリン共は心地よさそうに聞いていた。
平穏ないつもの光景が、一瞬で阿鼻叫喚の生き地獄へと変わる様を、彼女は物陰から見ていた。
「あ…、あ…」
声を出す事はおろか、その場から立ち上がる事さえままならない。
受付嬢は物陰でへたり込んだまま、そこから動けずにいた。
(嘘…でしょう…?)
一人心に問いかける。
当然その答えは返ってこない。
眼前に広がる光景全てがその問いの答えであった。
日頃からゴブリンはじめ数多くの怪物の討伐を斡旋してきた彼女。
『ゴブリン退治は初心者向け』
その言葉に間違いはない。
だが、油断をすれば死以上に惨い目に遭わされる存在である事。
それを弁えて冒険者達の実力を見極めた上、ゴブリン退治のクエストを斡旋してきた。
しかし、こうして目の前で見てみるのは初めての事であった。
悪辣そうにぎらりと光る眼。
淀んだ緑色に節くれ立った体。
手足が大きく、鋭い爪が錆びた包丁のように見える。
初めて見るゴブリンを、彼女は震えながら隠れて見る事しかできなかった。
ゴブリンは女の匂いに敏感だ。
その嗅覚は、飛び散る血潮や並べられていた料理の匂いの中からそれを嗅ぎ分け、探し当てる。
彼らからすれば男なぞ殺して玩具にするか食うかしか価値の無い存在だ。
凶暴で少しでも目を離せば暴れ回るし、肉も硬くて薄い事が多い。
それに比べて女の存在の有難みといったら…
少し殴れば大人しくなるし、食べるにしても肉が柔らかくて美味だ。
それに何と言っても"孕み袋"にできるのだ。
欲望の丈を挿入し、至福の瞬間を迎えた後は、仲間が増える。
その時の女の絶望に暮れた表情と声と言ったら…これほどまでに甘美なものはないだろう。
舌なめずりをしながら匂いのする先へ、向かうと"孕み袋"が、いた。
「ひッ…!」
のそっと視界から現れたその姿に、受付嬢は息を呑み、両手で口元を覆う。
欲望を滾らせた瞳で彼女を見つめ、情けなく開いた口からは涎がぼたぼたと滴り落ちる。
「…っ!…!!」
声を発さぬまま、立ち上がろうとする受付嬢。
しかし、初めて目の当たりにしたその恐怖に足がすくんで言う事を聞かない。
冒険者さん達はこんな怪物を相手にしていたのか…
ふとそんな気持ちがよぎる。
だが彼女に残された余裕はない。
ゴブリンは小鹿のようにへたり込む彼女を見て勝利を確信した笑みを浮かべたままゆっくりと近寄ってくる。
もしこのまま逃げられなかったら…?
ゴブリンに捕らえられた人間がどういう目に遭うのか。
それは彼女がよく知っていた。
あまりに忍びないその惨状に彼女は同情する事しかできなかったが、まさか自分が"そうなる"とは思いもしない。
現にこのまま時が流れたらどうなる?
手に付いた鋭い爪が鈍い光を放ったように見えた。
殺されるのか…?
そうだったらまだマシだったかもしれない。
統計上、ゴブリンの巣穴から生還する冒険者は女性が過半数だ。
それはいかなる形であっても。
醜く歪んだゴブリンの顔が近づいてくる。
その顔はとても何かを殺すような表情には見えなかった。
どこか愉悦に浸るようなだらしなく弛んだその表情に、受付嬢は自分の行く末を見てしまったような気がしていた。
「…っ」
下半身に生温かなものが拡がっていく感触を覚えた。
一度緩んだ堰は止め処もなく溜まっていたものを出してしまう。
(やだ…!お願い、止まって…っ)
受付嬢の願いもむなしく、"それ"はタイトスカートの股の部分を濡らしていく。
ジョジョジョ…
そんな情けない音が聞こえてきそうな勢いで受付嬢のスカートは濡れていく。
恥じらうあまり下半身をもじもじとさせるも、それは逆効果でスカートから染みた黄尿が床へ池のように広がっていく。
ゴブリンはその様子を見て、辛抱しきれない様子で受付嬢へ跳びかかった。
「きゃあああああっっっ!!!!」
非力な受付嬢は抗う事さえできずに、緑色の小さな怪物に組み伏せられる。
受付嬢の尿の香りで興奮が限界まで達してしまったゴブリンは、彼女に跨ったままおもむろに性器を見せつけた。
「…!?」
おぞましさのあまり声さえ出なかった。
ゴブリンの股に付いていたのは、人間のソレとは似て非なるもの。
小さな身体に比例せず逞しく反り勃った緑色のソレには、小さなイボのような凹凸が付いていた。
青ざめた表情で息を呑む受付嬢。
流石の彼女もゴブリンの性器を見るのは初めてだろう。
「やっ…!嫌ぁあああああーーーーーーーーっっっ!!!!」
その悲鳴で他のゴブリンが寄ってくる事さえ厭わず、受付嬢は叫んだ。
我慢できなかったおしっこではないが、張り詰めた恐怖が留まる所を知らずに溢れ出てしまったのだ。
青ざめた表情で目に涙を浮かばせた彼女を見て、ゴブリンは実に満足そうにその豊満な乳房を揉みしだく。
「嫌ぁっ!!」
あまりの気持ち悪さにのしかかっているゴブリンを両手でぐっと軽く押す。
一瞬怯んだ隙に逃げようと試みるも、今度は後ろから捕まえられてしまう。
「ゴブーーーーッ」
ビリビリビリーッ!
濡れてしまったタイトスカートを引きちぎられると、黒ストッキングとランジェリーに包まれた美しい下肢が露わになった。
スカートの中で立ち込めていた尿の臭いがゴブリンの鼻をつき、興奮をより煽ってしまう。
黒ストッキングごと黒いランジェリーもずり下され、いよいよ受付嬢の形の良い美尻がぷりん、とゴブリンの眼前に現れる。
途端にその白く美しい尻へ汚臭を放つ涎がぼたりと一筋垂れ落ちる。
「や、だ…」
掠れたような声を出しながら、両手で水を掻くようにばたばたとさせる受付嬢。
たわわな乳房も美しい金髪も、ゴブリンからすれば弄び甲斐のある良い"玩具"であった。
しかし、ゴブリンからすればこの溜まりに溜まった性欲を満たす事が最優先。
尻や局部だけ露出させるような格好にして、その美尻を突き出させるような体勢をとらせると、自らの欲望の象徴を受付嬢の股へ押し付けた。
「…あっ!」
ぬるりとした感触がぞくりと受付嬢の背筋に悪寒を走らせる。
形の良いお尻にへばりつくような体勢で挿入しようとするゴブリン。
受付嬢の頭の中には、"あの男"の鉄兜がいっぱいに広がっていた。
(助けて…っ!)
言葉にならない祈りは霧のように消え失せてしまいそうだ。
だが、彼女は希望を捨てなかった。
と、言うよりも、彼に助けに来てほしかったのだ。
いつもは無骨でなんだか近寄りがたい雰囲気を醸し出している彼。
でも根は真面目で、硬派で、本当は頼り甲斐のあるあの人…
恋慕の情を抱いている事は身内の中ではよく知れ渡っている事実であった。
だからこそ、彼の姿を…
ズププッ…グチュウウウウッッッ!!!
だが、残念ながら彼が現れる事はなかった。
下腹部に異物が入ってくる感触が、彼女の恋心を押し潰すかのように拡がっていく。
全く濡れていない乾いた膣に、ゴブリンのイボの付いた逞しい肉棒が侵入していき、受付嬢の大事なものを汚していく。
「ああああああああああーーーーーーーーーッッッ!!!!!!」
それは美しい悲鳴であった。
ゴブリン達を悦ばせるつもりはなかった。
だが、雌としての彼女の本能が雄を悦ばせようとなんとも美しくも儚い声を出してしまったのだ。
ギルドの中は既に乱交パーティーと化していたが、その中でも場を一瞬静まり返らせるほど受付嬢の悲鳴は美しかった。
『美』というものを全く理解しないゴブリン達ですら耳をそばだてるほどに。
グチュウウウッ…
受付嬢の尻にへばりついたゴブリンが腰をせり出すと、最奥まで届いたのが分かった。
脚が短いせいで、つま先で背伸びをするようなかっこうで腰を突き出した姿勢はなんとも無様だ。
そしてそんな無様なかっこうで犯されている受付嬢はもっと無様であろう。
びっしりとイボの付いたソレが自分の体の最も大切な場所に入っているのは、虫唾が走るほど気持ちが悪かった。
元来、彼女はしっかりとした貞操観念を持つ女性だった。
都では何人もの異性から誘いを受けたが、そのほとんどを断っており、彼女自身は硬派な男を好んだ。
だからこそ、知性の欠片もないゴブリンの性欲がままに自らの貞操を踏みにじられている事が何よりも屈辱で、何よりも不快であった。
「ゴブゥッ…!」
ゴブリンは情けないかっこうのまま腰をヘコヘコ振って、受付嬢の大切なものを穿っていく。
彼女が誰を好きだったとか、彼女が人間界の中ではどれだけ優秀かとか、彼女の漂わせる気品だとか、そんなものはゴブリンの前では何にもならない。
ただ欲望を垂れ流す穴があるから突っ込んだだけだ。
そしてそこからは新たな生命が産まれてくる事をゴブリン達は知っている。
相手がどう思っていようがお構いなしに。
受付嬢の柔らかく温かい膣にきゅうきゅう締め付けられたゴブリンの性器はもう限界を迎えようとしていた。
ソレはいっそう膨らみ、生命の源を作り上げる精巣では受付嬢を妊娠させるべくゴブリンの精子が活発に動き回っていた。
子宮にまで自らの種が届くように太く長く勃起したソレがビクビクと脈動し始める。
「ゴブッ!?ゴブゥゥゥッ!!」
快楽に歪んだゴブリンの表情。
受付嬢のくびれた腰を両手で掴んだまま、腰をピクピクと痙攣させると、尿道を火照った精子が一気に駆け上がってくる。
股間が火傷するかのような感覚を味わいながら、ゴブリンは受付嬢の胎内へ精を放った。
ブピューッ!!!ビュルビュルビュルビュルッ!!!
「い、嫌っ…こんなの…いやぁああああっっっ!!!」
下腹に拡がるじんわりとした熱。
それがどういう意味なのか、受付嬢は理解できてしまった。
ゴブリンの活発な精子が彼女の子宮で駆け巡り、受付嬢の女性として優秀な遺伝子を無慈悲にも汚していく。
人間以上に生殖能力に長けたゴブリンの精子は瞬く間に受付嬢の卵子を蹂躙し、そして新たな生命を誕生させる準備を整える。
(私…もう…)
ずっと好きだった彼の顔が一瞬脳裏に浮かんでから、すぐに霧消する。
緑色の影が山のようにつらなって、自分の方へ向かってくるのを視界に収めながら、彼女の意識は深淵へと堕ちていった。
一週間後、惨状を聞きつけ都から派遣された軍隊が街を占領したゴブリン達を討伐。
受付嬢も命を取り留めた状態で救助され、今は心身ともに回復に努めているとの事。
しかし、助けに入った兵士からの噂話では彼女が発見された時、全裸の彼女が股から一本の管で緑色の生命体とつながれた見るも無残な姿であったという。
ゴブリン達の性欲によって抉り壊された受付嬢の精神は、もう二度と戻る事がなかった…