翌日の教室
翌日の朝の教室で冬田さん、みぎわさん、それに退院したばかりの前田さんがあるものを読んでいる。それは、望月が昨晩置いていったオカルト大全である。
「みてみてこれ!」
冬田はみぎわと前田に見せびらかす。そのマクドナルドのピエロのような顔をした冬田が面白そうにオカルトのあるページを二人に見せる。
その本の中には両手では数えきれないほどのおまじないや占いが書かれていた。その中の一節である。緩そうな内容から本格的な怪しい術までいろいろである。
ー憑依術ー
こっくりさん
キューピット様
etc...
想ひ人と結ばれる方法
ー霊能力開発ー
霊を見る方法
霊を呼び出す方法
ー對魔術ー
護符の書き方
禹歩
ー弓道ー
ー念写術ー
ー邪視ー
ー占星術ー
ー経済学ー
などなどあらゆる項目が書き込まれている。
「なにこれすごいわ!」
みぎわはその本の内容に食いついた。
「でしょ?この机の上におきっぱなしだったの!」
冬田はそう言うと本を置いた。
以前起こした事件のせいなのか前田はその本に近寄ろうとしない。
「あたしそれ知ってる」
前田は口を開くとオカルト大全を指さす。
「あっこの前の事件まさか!?」
そのまさかである。前田はこっくりさんをやったのだ。
「そのまさかよ!私はその本に書いてあるこっくりさんの簡略版を・・・」
前田はそう言おうとしたとき急に苦しくなり洗面台へ向かうと激しく嘔吐を始めた。
「前田さん大丈夫?」
冬田はそう言うと前田に近寄って背中をさする。
前田は鼻を真っ赤にさせながら泣き顔になっていた。
「そう言えばあの後からこっくりさんはやったわよね・・・」
みぎわがぼそりとつぶやく。
「前田さん保健室に行きましょう?」
冬田は前田の背中をさすりながら保健室へと向かう。
そんな二人にかまうことなくみぎわはオカルト大全を夢中になって読み進めていた。
その後
望月と山田が教室に来る頃にはみぎわはオカルト大全を読み終えていた。
「このオカルト大全っていろんなことが書かれるわよ」
望月はそう言うとオカルト大全の目次を山田に見せる。
「経済学ってwwwオカルトなのに?」
山田はそう言うと腹を抱えて笑う。
「どうやらお金を貯める方法が書かれてるみたい」
望月はそう言うとオカルト大全を机の中にしまう。
少し離れた席で永沢はそのオカルト本の話をする女子らを眺めながら水筒からお茶を飲んでいた。
「フンくだらない」
彼はぼそりとつぶやくと図書室で借りたニーチェというタイトルの伝記をよみはじめた。
前日の巴川周辺
小川まち子は塾の帰りで会った巴川沿いの坂道を少し上った所にある地区に彼女の家がある。
「遅くなっちゃった」
彼女はそう言いながら足早に帰宅する。
スタスタ
その時後方から車が接近する。
「おや?まち子ちゃん」
「あっ!●●さん」
どうやら知り合いのようである。
「のってく?送っていくよ!」
「それじゃあお願いします」
どうやら知り合いなのか気を許したのか小川はその男が運転する車に乗り込んだ。
ブロロロ
車は暗い坂道を登って行った。
ホームルーム
ホームルームが始まると戸川先生が教室に入ってきた。
「皆さん落ち着いて聞いてください昨晩から小川まち子さんが、帰宅していないという通知をご両親から受けました!すでに行方不明として警察に届け出していますので不自然な人についていかないようにしてくださいね!」
戸川はそう言うと出席を取り始める。クラスは静かであったそれもそのはずクラスメイトが次々といなくなっているので当然であろう。
「みなさん嬉しいお知らせがありますよ!前田さんが退院なさりました!まだ病み上がりなので優しくしてあげてくださいね」
そいう言うと彼はホームルームを終えて教室から出ていった。
「ざわざわ・・・」
「まるちゃん前田さん帰ってきたみたいだね」
「そうだねあたしゃあの人は苦手だよ」
まる子はそう言うと手を縦に振りながら答える。
それもそのはず以前の事件以来前田にはよくないうわさが流れていた。
彼女の異名はバーサーカーソウルである。クラスの男子たちは陰で彼女をそう呼んでいた。
「バーサーカーソウル発動だブー」
豚のブー太郎がそう言うとはまじは大笑いをしていた。
「前田のバーサーカーソウルは次いつみられるんだろうなw」
彼らはそう言うと丸尾を見る。
「ズバリ怒ったときでしょう!」
「ハハハ違いねえや!」
「まったくだブーこのクラスは碌な奴がいないブー」
お前が言うなという言葉がブー太郎にはふさわしいのだがこのクラスにそれをつっこむ者もいない。
クラスの男子の笑い声を聞きながらまる子はつぶやいた。
「こんな平穏な日常が続けばいいのに」
「ん?まるちゃん何か言った?」
たまえはまる子を見る。
「いや別に何もそれよりたまちゃん一限目は体育だから体育館に急ごうよ」
まる子はそう言うと体育着を抱える。
「そうだね急ごう」
クラスの女子は更衣室で着替え男子は教室で着替えることになっているのである。
平穏な日々に新たな行方不明者まる子は妙な胸騒ぎを覚えながらも更衣室へ向かうのであった。
早速行方不明者が出ましたが小川まち子行方不明に関する話は第三部になります。
第二部ではオカルト大全の内容を使った事件が起こります。