学芸会後に関口は秋休みを利用して家族で韓国旅行に行く予定であった。
同じく佐々木も秋休みに上海に行く予定である。
鳴った電話
山根宅では、葬儀を済ませた山根の父が一人で酒を飲んでいた。
山根の母は息子の葬儀の後からこの家には帰ってきていない。
「畜生!強のやつなんで虐め程度で自殺なんてしたんだ!」
男は愚痴をこぼすとグラスの焼酎を一気飲みした。
「ひっくあいつも出ていきやがったどいつもこいつも・・・」
妻が出て行った山根宅に残されたのは彼と息子の遺骨だけであった。
ピロピロピロピロピロピロ♪
「んっ?電話か!」
非通知からの電話である。
「はいもしもし山根です!」
電話の向こうからはヘリウムガスを吸いながらしゃべったような声が聞こえる。
「コンニチハ私ハ山根強クンガ殺サレタ真相ヲ知ル者デス」
「私ノ事ハウリニダトオヨビクダサイ」
「だれだ!あんたは?いたずらはやめてくれ!」
電話の人物は話を続ける。
「犯人ハクラスメイトノ関口ト佐々木デス」
それを聞くと山根の父親は態度を軟化させてウリニダにつめかける。
「それはどういうことだ!詳しく教えろ!」
ウリニダは、山根の父親に息子の死の原因を宣告された。
「山根君ハ彼ラに暴行サレ気絶シタ後線路ニ放置サレマシタ」
山根の父親は、激しく激昂するとクラスメイトについて気になり始めた。
「あの悪ガキども生かしちゃおけない!」
「山根強クンノ体ガドコニ有ルカヲ彼ラハ知ッテイマスヨ」
「学芸会後ニハ彼ラハ海外ヘ行キマスノデ復讐ノチャンスハ今シカアリマセンゴ検討クダサイ」
ブツッツーッツーッ
電話が切れると山根の父は激しく怒り狂いビール瓶を壁に投げつける。
「あいつら殺す!」
ピーンポーン
チャイムが鳴る。
「宅配便です!」
「ん?」
表に出ると何某急便から小包みが届いていた。
非情に汚い文字でご依頼主のところにウリニダと書かれている。
小包みを受け取った山根の父はその後中身を確認する。
「なんだこれは注射器と薬?」
中に入っていたものは昆虫採集セットであった。
手紙には汚い文字で自白剤と書かれていた。
「これを使えば・・・」
山根の父親に狂気が宿った瞬間である。
山根の父親にはウリニダの話の疑問点や矛盾などに考えが回らないほど怒り心頭となっていた。
非行少年吉田
まる子のクラスメイトの吉田は関口ほどではないが悪ガキ男子の一人である。彼は暗い夜道をダラダラと歩いていた。
「佐々木の家でゲームしてたら遅くなっちまった」
時刻は深夜零時を過ぎていた彼は子供ビールを佐々木の家で飲みながらファミコンをしていたのである。
そこにあの男が現れる。
「君は佐々木君の友達かね?」
男が吉田に話しかける。
「ん?そうだけど」
背後にはサングラスとマスクをかぶった黒服の男が立っていた。
「そうかい」
男は吉田につかみかかると首筋に自白剤を注射する。
「いってえな!なにしががが」
少年は急にろれつが回らなくなると座り込んだ。
「佐々木君は元気だったかね?」
吉田はうなずくが反応が鈍いようである。
「お薬が足りないのかな?」
男は吉田にさらに自白剤を注射する。
「がはあ!」
吉田は苦しむが、しばらくすると薬の効果が表れ始めた。
「ファミコンやってたちょうどキン〇マンのゲーム買ったばかりでさ・・・」
少年は激しく痙攣をしながらゲームの話を始める。
「そうかいそうかい」
男はうなずくと自白剤の効能を実感していた。
しばらくすると少年の痙攣は激しくなり尿を漏らし脱糞していた。
「そろそろ潮時か!」
男はそう言うとその場を立ち去る。
あとに残されたのは変わり果てた吉田の姿のみである。
早朝にジョギングをしていた住民に発見される。
そのご彼は衰弱した状態で病院に搬送されたのである。
後半へつづく
翌日
まる子とたまえは教室でホームルームを待っていた。そこに戸川先生が、入出してきた手には名簿帳を持っており、普段通りの冷静な顔で教壇に立つと挨拶をする。
「皆さんおはようございます」
「今日もまた残念なお知らせがあります」
「今朝清水市の路上でクラスメイトの吉田君が心神耗弱状態で発見されました」
「ざわざわ・・・」
一同に緊張が走る。
「やだねぇ!たまちゃん怖いねえ」
「そうだね最近不可解な事件が続いてるからね」
二人は一連の不可解な事件の不気味さに同感していた。
不気味さといえば元の教室とは別の校舎でホームルームが始まっているのだが、もともとの教室は立ち入り禁止となり開かずの教室と化していた。
当然その原因は数日前に前田がこっくりさんをやった後に発狂したのが原因である。
「皆さんには今日からこの特別棟で授業を行ってもらいます」
戸川の言う技術棟とは小学校の学生棟の隣にある特別教室がある校舎である。
その校舎にはクラブ活動に使う部室、理科室、図工室、家庭科室、特別学級教室も設置されており使わない特別教室が開いているのでそこを使うことになった。
「今日から年度末までこの教室を使うことになります」
そう言うと戸川は廊下の方へ声をかける。
教室に入ってきたのは少々変な生徒たちであった。
「たまちゃんなんだろうねえ」
まる子はそう言うとたまえに声をかける。
「さあ?」
教室の中には障害をもった特殊学級の生徒たちが数名入ってきた。戸川先生は、彼らを招き入れると説明を始める。
「今日から特殊学級の皆さんとの合同学級になりますので仲良くしてくださいね」
一同「はーい」
なんとも嫌そうな声がクラスから聞こえる。
教室に4人の生徒が入ってきた。
左の方から自己紹介が始まる。
まず声を上げたのは小杉の倍はある太った巨漢の声である。
「おはよーございます!石橋毛留男でーす!」
どもったような大声が教室に響く
「ざわざわ・・・」
一同に緊張が走る。
正面に座っている永沢は彼を見ないようにグランドを見て頬杖をついている。
「よろしく!」
石橋が、大声で叫ぶとまる子のクラスメイト達は無言になった。
「はい石橋君ですねよろしくお願いします」
戸川は平静とした顔で次の人に自己紹介をさせる。
二人目は全身真っ赤な服を着た女子である。
正面のみぎわ花子は彼女をにらみつけている。
「・・・」
戸川の話を無視しているのかみぎわとにらみ合いを続けている。
「みなさん彼女は精神分裂病で自己紹介ができないので代わりに私が紹介します」
戸川は赤い物体の横に並ぶと病気について話した後名前を告げる。
「彼女の名前は南野良子さんですよろしくお願いしますね」
戸川はそう言うと南野の方を見る。
しかし彼女はそれに気づいていないのか不気味な声でみぎわを指さす。
「こいつきらいこいつきらいこいつきらいこいつきら・・・」
南野はみぎわを指さすと何を思ったのか喋りはじめる。
みぎわは立ち上がると怒鳴る。
「何なのこの女!ふざけるんじゃないわよ!失礼しちゃうわ!」
「みぎわさん落ち着いてくださいね」
そう言うと戸川先生は南野さんを廊下に控えていた保健室の先生に引き渡すと教室へ戻った来た。
「それでは次の生徒よろしくお願いします」
ひょろひょろの少年はそれに反応するとニヤニヤしている。
どうやら山田と同調しているようで同じように彼もにニヤニヤしている。
「ひひっ川堀伐人だよーよろしくだよー」
そう言うと彼は山田に手を振る。
「ざわざわ・・・」
関口はそれを見ると佐々木と指さし笑う。
「新しいカモが来たぜw」
「まったくだ」
彼らがひそひそ話すのに気もとめず山田は話を続ける。
「おいらは山田だじょー」
そう言うと彼も手を振る。
戸川はしゃべる。
「どうやら友達ができたようですねそれでは最後のお友達よろしくお願いします」
四人目は車いすに座った女子だった。
「美和瑠香ですよろしくお願いします」
そう言うと笑顔で笑う。
藤木は彼女と目線が合うとすぐにそれをそらした。
ほかの人に比べてまともな受け答えにほかのクラスの女子たちは安心していた。
「見ての通り彼女は車いすなので瑠香さんが困っていることがあったら手伝ってくださいね」
「はーい」
戸川はそう言うと四人を席へ案内する。
美和以外は自分で歩けるので席へ向かう。
石橋は小杉の隣である。
「俺小杉よろしくな」
「あー?」
内容が聞き取れなかったのか彼は疑問の顔をしている。
一方川堀の方は、スタスタと自分の席へ歩いていくのだが関口が彼の足を引っかけるために足を出している。
「ガタン」
川堀は勢いよく倒れる。
「こいつコケてるぜーぎゃはははは」
佐々木はそう言うと彼を見て笑う。
「ひひひっ」
川堀は笑いながら立ち上がると席へ着席する。
「大丈夫ですか川堀君?」
戸川は涼しそうな顔で彼に尋ねる。
「はーい」
関口と佐々木はそれを見てニヤニヤしている。
川堀が座っている場所にはもともと吉田が座るはずだった場所である。
「はい最後に不登校ですが川上君の紹介をしてホームルームは終わりです」
戸川はそう言うと川上秀(かわかみすぐる)という名前を書くとホームルームを終わらせた。
今までにない異様なホームルームは終了し戸川は教室から出ていった。
「ざわざわ・・・」
クラスは緊張でざわめいている。
「ねえたまちゃんなんかすごいことになったね」
「そうだよね前田さんや石原さんが休学したとたんにこれだからね」
まる子とたまえは一連の不幸な事故について思い返していた。
離れた席の方で美和にほかの女子が群がっていた。
髪は栗毛でかわいいとほかの女子からモテモテである。
はまじとブー太郎は、何か不満そうな顔で関口たちと話していたのであった。
第五話へつづく
ロストした山根強、佐々木洋子に加え入院中の、内田恵子、吉田、石原ヤスコ、前田ひろ美らの代わりにオリジナル新キャラとして石橋毛留男、南野良子、川堀伐人、美和瑠香、川上秀を追加しました。これでクラスの頭数は揃いました。みぎわさんや冬田さんなどの狂キャラなども後々活躍します。