恋姫転生 作:kuzuaki
気が付いたら俺は恋姫の袁術(男)だった。
何を言っているかは俺と同じ趣味のやつならわかるだろう。
俺も自分がどうなったかはだいたいわかる。
いや最初は混乱したが、数ヶ月したころには流石にどんな状況かは把握できた。どうやら二次キャラに転生憑依の類の様だ。
生まれた瞬間に意識があるタイプではなく、物心つくころに自然と前世の意識が戻っていくタイプだ。それまでもぼんやりと既視感の様に思い出したりはしていたが、完全に前世の意識を取り戻したのは8歳になる頃だった。
原因は不明だ。
トラックに跳ねられたりあの世で神様に会ったりした記憶はない。
そもそも前世で最後に何をしていたかすら覚えていない。
自分が目立つところのない単なるオタの大学生でしかなく、普通の日常を送っていたと言うことは覚えている。だが何かの原因で死んだと言うような記憶はない。本当に、いつのまにかこの世界で袁術になっていた事に気付いたのだ。
はっきり言って異様だ。
その事に悩みもしたが、それも長くは続かなかった。
もしかしたら神とか悪魔とかに弄ばれていて最後に「いい夢は見れましたか?」みたいな感じで破滅させられるのかもしれない。しかし目の前に圧倒的なリアリティを持った現実の様々な苦労がありながら、いつまでも予兆のない不安に怯え続けることは出来なかった。
俺はそこまで慎重とか臆病にはなれない。
凡庸なのだ。
前世でだってそうだ。
普通に考えたら遊んでないで勉強した方が良いことはわかる。だらけていないで運動したほうが良いこともわかる。食事の好き嫌いをせず、むやみな間食も避け、早寝早起きをした方が良いこともわかる。
だが、それをしたからと言ってすぐにどうこうなるわけじゃない。
10年後、20年後……あるいは更に後に困るだけだ。
そうなるとどうしても目先の快楽を優先しがちになってしまう。あまりに遠い将来は現実感が薄いからだ。
とはいえ将来の事をまったく考えないで刹那的に生きるということもできない。
それなりの努力、そこそこの我慢。何もかもが中途半端。
それが凡人と言うものだと俺は思っている。
そう言うわけで俺は転生そのものについて悩み続ける事はできなかったし、努力もまた同じだ。
楽しんでやれることならともかく、すぐに成果は現れない遠い将来に備えて地道に積み重ねるような種類のもの。
目が出るかどうかわからないが一応やっておいたほうが良いと言うような努力を我慢して延々続けるような精神力は俺にはない。
そんなこんなで今生でも凡庸でしかなかった俺も、いつの間にやらもう18歳だ。
前世ならエロ解禁の年である。
元服し、南袁家の当主の座にもついた……そんな俺がこれまで何をやって来たか。
ひたすら張勲……つまり七乃とパコパコしていた。
今もしている。
毎日している。
「く……出すぞ! 七乃っ!」
「はいっ、七乃の中に好きなだけお出し下さい
椅子に座った姿勢で膝の上に抱きかかえた七乃を揺らし、振り向いた彼女に舌を出させてベロチューしながら無遠慮に
七乃はとろけた瞳で必死に俺の舌を舐め回し、射精に反応して絶頂しながら膣肉をうねらせる。
その締め付けと痙攣に精液を搾り取られながらの甘々射精は何度やってもちんぽが溶けるんじゃないかと言うほど気持ちいい。
開発されきった身体で、それでも射精されるまで本イキはしないよう必死で我慢していた彼女を、自分の射精でいかせながらプリプリのオマンコを震えさせてチンポをしごかせる。
最高だ。
俺が気持ち良い様に。
俺が満足する様に。
俺好みの反応をするよう好き放題に仕込んだ七乃の体を貪る。
真っ昼間っから執務室でこれだ。
いやだって仕方ないだろ?
七乃は俺と同い年だ。乳兄弟であり学友であり腹心でありお側役でもある。
物心ついた時から常に自分の側にいて、しかも自分に絶対服従の美少女なのだ。
我慢できるわけがない。
それでも彼女が自分を嫌っていたら。
いや、嫌わないにしてもあくまで忠義、忠節という感情で俺に仕えていたら、もっと抑制できたかもしれない。
だが彼女は袁術である自分に対する原作補正なのかなんなのか、俺にベタ惚れなのだ。
小さな頃から彼女の態度はとても単に家同士の主従関係と言うだけでは収まらないものだった。
それを訝しんでもっと自由にして良いとか試すようなことを言ったり、俺のどこがそんなに良いのかと直接に聞いてみたりもしたが、彼女にしてみると俺のそう言うところが良いのだとか。
とにかく七乃は俺が大好きらしい。
しかもヤンデレの様な嫉妬深かったり束縛する感じではなく、俺の幸福こそが第一でそれが自分の幸せなのだという。
だからなのか幼い頃から彼女は全力で俺を甘やかしてきた。
俺からの我儘は言われれば言われるほど喜んだ。
そしてすくすくと成長して、どんどん魅力的な美少女になっていった。
これで手を出さないなんて無理だし、一度手を出したら歯止めなんて効かないだろ?
「ん……れろっ……」
七乃が俺の足元に跪き、股間に顔をうずめて丁寧にちんぽをしゃぶってくれる。
彼女は尿道に残っていた精液までジュルジュル吸い出してから、こちらを見て上目遣いでにっこりと笑った。
たまらない。
ちんぽが疼くが流石にもう勃たない。
もう連続で3発な上に、朝起きた直後にもヤってる。
俺は体を崩して椅子にどっかりとよりかかった。
賢者タイムだ。
そうなると元々の心配事だとか罪悪感だとか、ネガティブな事を考えてしまうのも男の生理現象だ。
いや七乃との関係に罪悪感とかはない。彼女とは完全にラブラブの同意ックスだ。
だが、こんなことをしている場合ではないと言う思いはある。
凡人たるものやはり見えている将来の不安というものを払拭することはできないのだ。
何しろおそらくこれから、三国志の時代が始まるのだから。
袁家は今もっとも隆盛している名門だ。
今は南北の2つに勢力が別れてしまっているが、別れてなお国内の勢力図でそれぞれ一位、二位と言える程力がある。
だが国が安定していればともかく乱世となれば現時点での力はなんの保証にもならない。単に有利な材料があるというだけだ。
じゃあ国を安定させればいいじゃんという考えもあるがそれは無理だ。
漢は俺が生まれるずっと前から既に腐敗しきっていた。そもそも、袁家の様な一族一門が分を超えて大きな力を持っていること自体が腐敗の一部なのだ。本来の職分を越えて影響力を行使し権勢を振るって来た一族が、突然逆走など出来るはずが無い。
当主と言ったって組織に属する個々人の利益や感情を無視して動かせるわけじゃあないのだ。その当主にすらつい先日なったばかりだしな。
じゃあ三国志時代がくることを前提に準備するのかというとそれも色々と難しい。
まずこの世界は一体何なのかという話があるからだ。
最初に便宜的に恋姫と言ったが、実際にはゲームの世界とは様々な差異がある。と言うよりもゲームの世界をそのまま再現することは出来るはずがないのだ。
一例をあげると恋姫は時間の流れがめちゃくちゃだ。
三国志は100年近く続く長い戦乱で戦死しなかった人物でもどんどん代替わりしていくのに、恋姫ではそれはなく主要なキャラクターは基本的に最初から最後まで固定されていて年齢差も殆どない。
まぁエロゲーのヒロインが婆さんになっていくのなんて誰も見たくないからそれで良いのだが、俺が今いる世界ではそんなことはない。
俺も七乃も、周りの人物も皆普通に年をとっていく。
これから突然サザエさん現象がおこりでもしないかぎり、恋姫と同じ様に話を展開させるというのは無理がある。
かと言って現実化したことで歴史上の三国志と同じになるということも言えない。
主要な人物が女性になっている時点でもう無理があるし、その年齢も無茶苦茶なのだ。正史ではまだ生まれてすら居ないはずの人物もいるし、まだ生きている筈の人物がもう死んでいたりする。
とても正史を鵜呑みにできる状況ではない。
「理羽様、考え事ですか?」
ぼんやりと天井を見上げていた俺を、立ち上がった七乃が覗き込んでいる。
「ああ、まぁ……これからどうすべきかってな……」
「これから……ですか? 万事七乃にお任せくだされば理羽様の為に恙無く動かせて頂きますけれど……」
そう困惑気味の七乃。
まぁ無理もない。現状この南袁家……ひいては俺の周囲に大きな問題はない。あったものは七乃が片付けた。
跡目争いだとか、それを担ぎ出そうとするものとか、逆に俺に取り入ろうとするものとか……諸々全ては七乃が綺麗さっぱり始末してしまった。
有能すぎて恐ろし……くはないが流石にその時は驚いた。
控えめに言っても色ボケの俺がこうして当主面してふんぞり返っていられるのも、全て七乃のおかげなのは間違いない。
「っていうか七乃、口元にまだ付いてるぞ」
「あら」
俺がそう指摘すると、彼女は口元を指で拭い、小さく舌なめずりした後精液のついた指をゆっくりとしゃぶった。
そして俺に流し目を送りながら指を引き抜いて、恍惚とした吐息を漏らす。
「はぁ……理羽様の、美味しいです」
疲れ切った筈の股間が疼く。
だがここで彼女を押し倒すとまたそれに溺れて逃避してしまう。
誰だよ七乃をこんなにエロくした奴は。出て来て責任とれよ。
「お前なぁ……」
「……?」
ため息を付く俺を見て七乃は笑顔のまま首を傾げた。
彼女に危機感が無いのはしょうがない。
当面の問題は片付いており、当主の俺に表立って逆らうような奴は居ない。北袁家とは関係が良くないが全面的に敵対しているというわけでもない。むしろ共通の敵がいれば手を結ぶぐらいには親交があると言える。
そして袁家は大陸一の勢力を誇る名門であり、しかもこの南袁家は中央のゴタゴタともあまり関係がない。
これじゃあ将来の不安なんて持てるはずがない。
だがそれじゃあダメなのだ。
俺だってひたすら贅沢暮らしをしながら全てを七乃に任せ、彼女を抱いてバブバブ甘えていて良いならそうする。
しかしそれで俺達が滅びる時が来たら、後悔することになるだろう。
ここが恋姫準拠の世界で、ただ追放されるだけだったりその後統一政府に拾われたりする優しい世界ならそれでも良い。
だがとてもそんな風には思えない。
今までに初陣も済ませたし、色々と見たくないものも見てきた。
庶民は貧しく苦しい生活をしているし、飢えて死んだり人を売り買いするようなこともある。
盗賊だっていくらでもいるし、小競り合いのような戦も国中で慢性的に起こっている。
敵に捕らえられ酷い目に……女武将が辱められて殺されることもある。
それが三国志に名前が残っているような人物でも、だ。
……俺達は安泰じゃない。
原作キャラだから、などと安穏としていられる世界ではないのだ。
そして俺は七乃がそんな事になるのは絶対に受け入れられない。
七乃は俺のものだ。
俺だけの女だ。
「理羽様?」
気付けば俺は七乃をじっと見つめてしまっていた。
無言で自分を見つめる俺を見て、彼女は俺の心中を感じたのか真剣な表情になりどうしたのかと視線で問いかけてくる。
……南袁家が戦乱に飲み込まれ没落するような未来は受け入れられない。
かと言って、どうしたらいいのかもわからない。
転生し、子供の頃から努力と実績を積み上げ準備万端、俺が天下をとってやる……なんてことはとても無理だった。
先代当主である父が病没するまで、俺はただの跡取り候補にすぎなかったのだ。とてもそこまで自由に動ける立場ではない。
かといって何か妨害されたり縛られていたとも言えない。むしろ積極的に養育されていた。
政治、教養、礼儀、統治術、人心掌握術、兵士の統率方、戦術、戦略、武術から何から何まで。何でも学ばされたしそれを発揮する場も設けられた。
次代の当主として実績作りのため、仕事を任されることもあったし兵を率いる事もあった。
はっきり言って独自の活動をするどころか、それをこなすだけで精一杯だった。しかもその全てにおいて七乃は俺を遥かに上回っていた……外からはそう見えないよう彼女は俺を立ててくれていたが。
前世の知識や経験から、独創性や着眼点を評価されることもあったが総合的に見れば優秀の端に引っかかるのが俺の限界だ。
むしろ全て自分にお任せくださいと全力で俺を甘やかす七乃を侍らせながらも、最低限の努力や行動はしてきた自分を褒めたいぐらいだ。
前世からの引き継ぎがなかったら完全なバカ殿になってもおかしくなかったと思っている。
だが自分なりに頑張ったからそれで良いと言える状況ではない。
なんとかしなくてはならない。
当主として全権が振るえる状況が来たのだ。
導いてくれる先達はもういなくなったのだ。
七乃は信じられないほど優秀で全てを任せてしまいたくなるが……今の世代に恋姫準拠のキャラ達がいるのだとすると、彼女一人で数々の英雄・英傑を相手取って乱世を泳ぎきれと言うのは無理があるんだ。
俺も、出来ることはしなくてはならない。
「七乃、相談がある」
だからこそ、まずは彼女に頼ろう。
俺という人間はどこまで言っても彼女無しでは立ち行かない。
ずっと脇に置いて目をそらし続けてきた不安を打ち明けて、彼女と相談をする。
それが最初に俺がするべきことだろうと思った。
「はい理羽様。なんなりとこの七乃に」
彼女は僅かの迷いもなく胸に手を当てて完璧な臣下の礼を取り、そして笑顔で俺に頷いたのだった。