恋姫転生 作:kuzuaki
雪蓮と再会したあの日から、また幾許かの月日がたった。
なのに、俺は未だに迷ったままだ。
「はぁ……」
最近、七乃が居ない時はため息が多くなっている気がする。
良くない傾向だ。
これは逃避かもしれないが、とりあえずもっと建設的な事を考えよう。
俺もあれから孫家のことを悩んで唸っていただけってわけじゃなく、やるべき事はやっていたつもりだ。ちょっとそれについて振り返って整理しよう。
人材登用について。
三国志といえばこれだよな。曹操さんもそう言っている。
人は城、人は石垣、人は堀ってな……これは武田信玄だが。
だが、結果は芳しくない。
理由は色々あるが、ちょっと言い訳させてくれ。まず、この世界では人材の青田買いがとても難しい。それは恋姫というサザエさん時空にヒロインを詰め込んだ結果、主だった将の年齢が出揃っているからだ。
例えば今、黄巾の乱がおこるとする。
そこで活躍するのが孫堅や黄蓋であり、劉備三兄弟や、曹操、夏侯兄弟達なんかだ。
今上げたような人物が、そこで新しく世に出る
それに対するベテラン枠が、皇甫嵩なんかを筆頭とする漢正規軍の将軍たちだ。
父にあたる人物がこの時点で新鋭ってことで、孫策なんかはまだ生まれた直後な筈だった。
当然彼女と同世代以下の将達。周瑜、陸遜、甘寧、呂蒙等々、今孫家一党の中核となっている人員は本当なら赤ん坊か生まれて居ないかだ。だから家同士が密接な関係にある場合などを除けば将来の所属など決まっている筈がなく、青田買いというのが成立する。
だが、この世界ではそれができない。
それでも所属はフリーのキャラだっているだろうと言っても、そう簡単にはいかない。
今現在無所属だとしても、この年代にそのまま登場して活躍できるのだから殆どは既に自己を確立させていて、どのような相手に仕えるかというビジョンを持っている段階だ。簡単に靡かせることはできない。
そもそも、袁家でもどこでも有力な勢力は常に人材の収集は行っている。
勿論選り好みをしたり見る目がなかったりすることもあるだろうが、恋姫武将のように明らかに隔絶した力を持っていればもうそう言うレベルの話じゃない。つまり、もう勧誘済みで彼女達は圧倒的に選ぶ側なのだ。
伏龍、鳳雛の噂だって既に知っている人は知っている。
もっと言うと水鏡女学院は優秀な人材を排出すると高名な私塾なので、有力勢力は当然皆アプローチはかけている。そしてあそこの指導者である司馬徽は世俗から距離を置いているので、それ以上に過度な干渉をするとそもそも女学院そのものを敵に回してしまうのだ。
だから当然三顧の礼のような真似もできない。
まぁあの私塾は俺達と敵対関係にある劉表の土地にあるので、俺が行くことはそもそもできないのだが……。
それをやるとすれば諸葛亮が卒業し市中で無聊を託つた時なのだが、恋姫の諸葛亮であれば卒業後即座に主君探しの旅に出てしまうのでそんな機会は訪れない。勿論旅に出た事がわかったらその時点で勧誘はするつもりだが、おそらく難しいだろう。
水鏡女学院に、優秀な人材はきちんと遇する。人材の紹介は歓迎すると既に伝えてある中で、わざわざこちらへの士官の道を蹴って旅立つのだ。
彼女達を登用するには、その時点でむこうからこちらに仕えたいと思わせるぐらいの魅力が必要になるだろう。
内政の話と混ざってしまうが、俺も俺なりに内政チート的な事をやろうとはしている。
不正を正し、賄賂を減らし、税を搾取ではなく国(自勢力)に還元するものを目指し、民の安寧と生産力の向上、活発な商取引と技術の奨励。富国強兵路線を目指して舵取りをしている。
……まぁ実行しているのは七乃だが。
しかしそのどれもが、限定的でゆっくりとしたものに留まっているし、俺も強行に進めようとは思っていなかった。
例えば賄賂だが、この時代はあまりに官憲の腐敗が進みすぎてもうそれが当たり前の物になってしまっている。そうなると、ただ単に悪いことだから処断するというわけには行かなくなってくるのだ。
考えても見てくれ。特に悪人でもない普通の人物が勉強し官使になるとして、その就職は基本給幾らに加えて賄賂が幾ら幾らだからこの職を目指そう、などと考えているのだ。
はっきり言ってもう役職手当とか欧米サービス業におけるチップの様な側面を持ってしまっている。それを突然元々は禁止されていたことだから、などと言って全てを処断するととんでもないことになるだろう。
おそらく強行すれば組織がガタガタになるし……というか俺も当主の座を追われるだろう。
そしてそう言う事をまじにやっているのが曹操だ。
だからこそ彼女は既存の組織などから蛇蝎のごとく嫌われている。既に悪名だけなら全国に轟いているぐらいだからな。
それでもその道を進み続け、折れず、実行することができ、それを魅力に思う人が付いていく。それはまさに彼女の才覚、覚悟、器、人的魅力の為せる業だ。とても俺が真似できるようなことではない。
実際、あんなやり方では割を食って犠牲になる人間も相当数出ているはずだ。
それを飲み込んで抜本的な改革を果断に推し進める。それが曹操と言う人間の覚悟だろう。
劉備と曹操が相容れないとしたら、そう言う部分が原因なのかもしれない。
曹操の様な果断さもなく、劉備の様に新しく組織を一から立ち上げるわけでもない。
既得権益の代表のような立場にあり、それを捨てることも出来ない俺では、おそらく理想に燃える若い英傑を引き止めることはできないだろう。
それを無理に勧誘すれば逆に獅子身中の虫にもなりかねない。
三顧の礼のように誠意をつくすという手も考えたが、やめておいた。
例えば趙雲の居所を掴んだとして、俺が会いに言って……そこでなんと言えばいい?
理想も野望も持っていない俺が、一体何のためにと言って彼女を勧誘すれば良いのか。
上っ面の嘘を重ねて嫌悪される様な事になるぐらいなら、やらないほうがマシだ。
あるいは俺が北郷の如くこの世界に一人投げ出された立場だったのなら、彼女に縋り付き、守って欲しいと言えたかもしれない。他に頼れる相手がいないのだと、理想も何もないけれど見捨てないで欲しいと心から懇願できたかもしれない。
だが、俺はそうはならなかった。
今の俺にとって優秀な人材は欲しいが、心の底から必要だと言えるものではない。
人を集めて目指すような夢も理想も持っていない俺にとって、人材はただの駒……俺と七乃の為の盾にすぎない。
絶対に必要な相手ではない。
どうしても共に来て欲しい相手でもない。
ただ優秀だというだけの相手を、七乃に対する様に求めることは俺にはできない。
待遇で釣ることができない相手を、動かすような熱を発することができない。
まぁ、ぐだぐだ言ったが全部俺の考え過ぎってこともあるかもしれないから、常識的な程度の勧誘はし続けているけどな。
特に、そこまで思想や立場があるわけじゃない北郷警備隊三人娘や許褚と典韋なんかは是非登用したい。成功すればついでに魏の戦力を削れるところも最高だ。
だが彼女達は逆に無名すぎて探すのが大変だ。
この国は名前のバリエーションなんてそんなにないので、庶民の名前はダダ被りしまくりなんだ……。まさか真名で探すわけにもいかんし。手がかりも出身が魏周辺の村ってことしかわからないしなぁ。
あ~なんかの間違いで趙雲と郭嘉と程昱が諸葛亮と龐統をつれてうちに来ねぇかなぁ?
まぁ俺がやってたのはこんな感じだ。
普通に自領を収めつつ、無理のないペースでゆっくり改革を進めながら、ごく普通の人材収集を続けているだけ。そして眼前の最大の問題は先送りにし続けているわけだ。
「はぁぁぁぁ……」
これじゃネガティブにもなるわな。
「あんっ 理羽様、理羽様ぁっ!」
夜の寝室。
寝台に横たわった俺の上に、七乃が跨って腰を振る。悦びに溶け崩れた顔をしながら彼女は俺と見つめ合う。お互いの両手の指を絡ませて、しっかりと握り合いながら七乃が腰を震わせる。
小柄な顔を包む切り揃った美しい青髪。
武将とは思えないほど傷一つない美しく張りのある肌が、俺の身体の上で跳ねる
女性らしい丸みを帯びて柔らかく膨らんだ彼女の尻が、俺の腰にパンパンと音を立てながら押し付けられて、いやらしく潰れその形を崩していく。
そして何より、その顔が。
まだ幼さを残す可愛らしく整った顔立ち。その上に描かれる幸せの笑みと、紫の瞳から溢れる俺への情愛が、たまらないほど俺を惹きつける。
「理羽様ぁ。大好きです。愛してます理羽様っ!」
「七乃、俺もだ……俺もお前を愛してる!」
「あぁっ! 嬉しいです理羽様っ。理羽様ぁぁ!」
「く……だすぞ、七乃っ!」
俺の上に跨る彼女としっかりと繋がったまま、彼女の子宮めがけてどくどくと精液を出し切る。
ぶるぶると絶頂に振るえる七乃の子宮の入口が、ぴったりと俺のちんぽの鈴口に吸い付きちゅうちゅうと精液を吸い出すように搾り取っていく。
法悦の吐息を漏らしながら、彼女はゆっくりと上半身を倒して俺の上にしなだれかかった。
「んちゅ……れろっ……」
互いの首にしっかりと腕を回して、お互いの口を吸い合うように舌を絡める。
適度な大きさの、張りのある美しい七乃の乳房が、俺の胸に押し付けられて潰れ、そのしっかりとした弾力を俺の肌に嫌と言うほど伝えてくる。
その感触が、精を出し切って柔らかくなった筈の俺のチンポをぴくりと震わせる。
「んっ……んんっ……」
抱き合い、舌を絡めたまま……七乃がゆっくりと腰をグラインドさせはじめる。
逸物が柔らかい肉に包まれたまま優しく刺激され、じんわりとした快感を体中に感じさせながら、金玉の奥をじわじわと煮立たせるように精がこみ上げ始めるのがわかる。
夜に寝台で交わる時、俺と七乃は一度繋がれば滅多にそれを引き抜かない。
体位を変える時も、可能な限りお互いの腰を押し付けあったまま体を捻っていく。
どちらから示し合わせたわけでもなく、毎夜体を重ねる内にいつのまにかお互いがそうして居た事に気付いた。
一度射精しても、今のように彼女の中に挿入したまま睦み合い続ける。
そうして精が出尽くした後も、繋がったまましっかりと抱き合って眠りに落ちる。
ほんの僅かな時間でも、この繋がりが解けるのを惜しむように。
そんないつもの、柔らかく甘い時間。
だが今日は、七乃の言葉が俺達の時間に水を刺した
彼女は俺の上にしなだれかかったまま、その柔らかな唇を動かし声を言葉に変えていく。
「そう言えば理羽様。ご報告することがあったのを忘れていました」
「ん、なんだ?」
「はい。大きな乱が、起きる予兆を掴みました」
「…………そうか」
ついに、か。
来て欲しくなかったものが、ついに来てしまった。
「どうも妙な旅芸人の姉妹がいて、異常な人気で人を集めているみたいなんです」
「旅芸人が、乱を起こすのか」
「いえ、彼女達にはそんなつもりは無いみたいですけどね」
「それなのに、乱がおきるのか?」
俺が疑問を発すると、七乃はそれを面白がるようにくすりと笑った。
「集まった理由なんて関係ありませんよ。この国の下層民の間では、不幸と不満はもう限界に達してますから。
七乃はそう語りながら、その内容を嘲笑うように笑みを浮かべている。
彼女にとって、民草がどれほど苦しもうとどれほど愚かな行動にでようとそうやって嘲笑う程度の対象でしかない。だがそんな彼女を、俺は嫌悪する気にはなれない。
俺としては人が無闇に不幸な目にあうのは心苦しくもあるし、それを嘲笑うような相手には基本的に好感を持てないが……それでも七乃だけは別なのだ。
「止められないか」
「はい。私としても旅芸人なんかがきっかけに成るなんて予想外ですけど……もう、止まりませんね」
「そうか」
返事をしながら、俺は考え込む。
流石にこんな重要な報告を忘れていた、と言うのは嘘だろう。
七乃は俺に忠実だし騙すようなこともしないが、からかったり蔑んだり貶めたり、と言うようなことは割と平気で……というか頻繁にやってくる。
勿論親愛の範疇でだが、今日のはそのなかでもかなり意地悪だ。
いい加減に決断しろと言う彼女の意図を感じる。
そう考えて憂鬱になりそうになったその時、七乃が顔を寄せ、俺の耳元に甘い声で囁いた。
「私思ったんです、理羽様。孫策さん達は何も殺すまでも無いんじゃないかって」
「……なんだって?」
一瞬、理解が遅れる。
俺が混乱の内にある間に、七乃は俺の耳をねぶるように舌で舐め上げた。
俺の逸物を飲み込んだ彼女の腰がゆっくりと揺さぶられる。
「適当な理由をつけて、少人数ずつ呼び出して捕まえちゃいましょうよ理羽様」
彼女の囁きが俺の耳にそっと流し込まれる。
「一番やっかいな孫策さんを最初に捕まえて……それから不審に思われるまで出来るだけ削っていって、最後は館を包囲して根こそぎにしちゃいましょう♪」
彼女のぴんと硬く勃った乳首が、俺の肌をくすぐるようになぞっていく。
「二度と出られない特別な牢仕立ての離れ中庭に作りましょう。そこでたっぷりと、孫策さん達を可愛がってあげましょうよ」
「七乃、お前……」
「大丈夫ですよ理羽様。孫家の女に理羽様の血を引いた子供を産ませてしまえば、そのあとで腹を壊してしまえば、もうその子供を旗印にするしかないんですから、簡単に取り込めますよ」
「お前、そんなことが出来ると……」
「出来ますって。そりゃ兵にも多少犠牲は出るでしょうし、何人かは相手も死んじゃうと思います。それに最後までどうしても従わないって人もいるでしょうけど……半分も手に入れば十分じゃないですか?」
そう言って瞳を爛々と輝かせながら、にんまりと笑う七乃を見て俺は息を飲んだ。
「お気に入りの孫策さんはだめかもしれませんけれど、妹の孫権さんだってお美しいですよ? 他の方々も皆さん綺麗どころですし……」
「七乃……あのな……」
「理羽様はあの人達の事、抱きたくないんですか?」
彼女を諌めようとした俺の言葉を遮るように、七乃は俺の顔を覗き込みながら言葉を被せる。
「そんなこと、ないですよねぇ?」
彼女の細くたおやかな指が、俺の股間をなで上げた。
つつつ、と裏筋をなぞるように遡り、尻穴に隣接する根本の根本。
その奥にある前立腺をノックするように、彼女の指がこりこりと俺の陰茎の生えどころをひっかく。そのしびれるような快感に俺はたまらず七乃の中で硬く勃起してしまう。
あは、と笑いながら七乃は俺の金玉を、袋ごと優しく揉み込んで刺激していく。
「想像して下さい理羽様」
七乃が俺の全身に絡みつき、肢体をくねらせて肉体を愛撫しながら言う。
「彼女達を一人ずつ、寝台に縛り付けて組み伏せるんです」
その刺激と相まって、俺は否応なしに彼女の言う情景を想像してしまう。
「嫌がる彼女達の体を思う存分貪って、蹂躙して、孕ませちゃいましょうよ」
急に、いきりたったチンポを柔らかな膣肉が扱き始める。思わず腰を浮かせてしまうほどの快感が、股間から流し込まれてくる。
七乃が腰を振る度に、寝台がぎしぎしと音を立てる。
「このっ! ちんぽでっ! 屈服させちゃいましょう! ねっ?」
ぱん、ぱん、ぱん。
「女なんて! 孕ませちゃえば! どうにでもなります!」
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ。
「綺麗で! 強くて! 賢くて! そんな相手を組み伏せて!」
ぎし、ぎし、ぎし。
「うっ……ぐっ!」
「気持ちよ~く、種付け……したいですよね、理羽様?」
熱い精が迸る。
気が遠くなりそうなほどの快感。
一度目より確実に多い精液が、どばどばと七乃の中に出され結合部の隙間から溢れだす。
硬さを失っていくちんぽをなぶる様に、膣肉がきゅうきゅうと締め上げて快楽を流し込み続ける。七乃はぐりぐりと腰を押し付けるように左右に振り続けながら俺を誘惑する。
「ね、やっちゃいましょうよ理羽様。きっと最高に気持ちいいですよ~。心配いりません、全てこの七乃にお任せくだされば、きちんと仕上げて見せますからっ♪」
朦朧とする意識のなかに、七乃の声がこだまする。
与えられるその快楽に、何も考えず頷いてしまいたい。
だがそんなまどろみの中でも、はっきりとわかることがある。
この誘惑は、俺の欲望そのものだ。
雪蓮には友誼も情も感じている。
彼女達を不当な目にあわせることには、抵抗を感じる。
栄枯盛衰は世の習い。民ではなく、己の旗を掲げる者が相手なら、力で勝る側が弱者を押さえつけることは何も恥じるようなことじゃあない。
雪蓮だって、その機会があればいつでも俺達の首を取るだろうとわかっている。
それでも、そのことに抵抗を感じてしまう……それなのに。
気高く美しい彼女達を、組み伏せ汚したいと、思ってしまう。
どうしようもない、下劣な欲望。
俺という人間を、七乃は誰よりも良くわかっているのだ。
そして、もう一つ。
そんな下種な欲望に火を付け、煽り、そんな事を喜ぶ七乃。
彼女は間違いなく悪人で、俺さえその気になればどこどこまでも非道を働き嘲笑うだろう。
俺は、そんな七乃が……大好きなのだ。
彼女の歪なあり方が、どうしようもなく愛おしく、惹かれる。
だから俺は……。
「そうだな、そうしたらきっと気持ち良いだろうけど……それはだめだ」
俺ははっきりと宣言する。
「……理羽様?」
七乃は腰を揺らしたまま、きょとんとした顔で首を傾げた。
「孫策達は、殺す」
どんな欲望も、七乃とは天秤に掛けられない。
それをはっきりと自覚する。
「良いんですか、理羽様?」
「良いんだ……無用な危険は犯したくない」
雪蓮とは、元々重ならない道を歩いていたのだ。
それが早いか遅いか、それだけだ。
心のなかでそう割り切ろうとする俺の肩を、七乃がのしかかるように両手で掴む。
「理羽様がそう決断されたのって、私の為ですか?」
「別にそういうわけじゃ……」
「そうですよね?」
「だから、総合的に状況を判断して……」
「私の為ですよね?」
「いや、そもそもこれは俺達二人の為で……」
「この、七乃の、為に決断してくださった! そうですよね、理羽様?」
埒が明かない七乃に、俺はしぶしぶ頷いた。
「まぁ、そうだ」
「そんな! この七乃なんかの為に! 恐れ多いですぅ!」
「……なんだこいつ」
眉根を寄せる俺を笑顔で見下ろしながら七乃の暴走は続く。
「それってつまり孫策さんより七乃を選んだってことですよね?」
「いや、どっちを選ぶとかそういう話じゃ……」
「そういうことですよね!?」
「あーもう。わかったわかった。そうだよ、七乃を選んだんだよ。七乃が世界で一番大事。そういうこと!」
「そんなぁっ!? 七乃なんかが理羽様にそこまで想って頂けるなんて、光栄ですぅ!」
「いやほんと、なんだこいつ……」
突然の豹変にどっと疲れを感じる俺を見て、七乃がぺろりと舌を出す。
「ごめんなさい、理羽様。実は私、最初から孫策さんたちを始末する気は殆ど無かったんです」
「…………は?」
こいつ 今 なんて言った。
「七乃のために……大切な相手に非道を働くかどうか、悩む理羽様があまりにも可愛らしくて……抱いて頂く時も良い薬味になってとっても気持ちよくて、言い出せなかったんです」
「…………」
「あ、さっきのお話は本気ですよ? 理羽様がお望みなら、すぐにあの方たちを捕まえて来ちゃいますからっ♪」
「お前……」
「でも、そうじゃないならもうちょっと穏便で良い手があるんです。普通なら絶対実行できないような手段ですけれど、七乃の為ならなんでもしてくださる理羽様だけが取れる奇策です」
「……まぁ、言ってみろよ。とりあえず」
「それはですねぇ~」
七乃は俺に甘えるように身を預け、耳元でその案を囁いた。
それを聞いた俺は、ここしばらくの無用なストレスを抱えさせられた怒りに、彼女がイキ果てるまで抱きまくって出しまくったのだった。