恋姫転生 作:kuzuaki
一つの甕に満たされた酒を交互に掬い、お互いの手にある酒器に注いでいく。
この世界において、酒とは特別な意味を持っている。
現代日本に置いても盃を交わす、盃を受ける、神前式における三ツ組盃を用いた三三九度など、酒に関する風習や言葉は残っているが、古代においてはそれはもっと顕著かつ日常的なものだったと言える。
三国志に置いては有名な桃園の誓いなんかが有名だ。
劉備、関羽、張飛。意気投合した三人の男は桃園で盃を交わし、義兄弟となる誓いを結んだそのエピソードは演義の創作と言われるが、そこに描かれた話が当時の文化風俗を表していることには違いない。
争い事を収める時、死者を弔う時、勝利や収穫を喜ぶ時、神に祈りを捧げる時。
そして大切な誓いもまた、人は盃と共に交わすのだ。
約定の誓いと共に、俺と孫策が酒盃を飲み干す。
この場にいる両陣営の主だった面々もそれに倣った。ちなみにこちらからは俺と七乃の他に、今現在南袁家を運営している実体となる七乃の直轄の部下達。余計なしがらみを持たず七乃の指示に従うよう徹底された官や将の面々も参加している。
当初は代表者の熱の無さが伝播したかのように空気は白け気味だったが、それでもだんだんと両家の陣営が少しずつ言葉を交わし始めて場は酒宴のていを成していく。これで孫家は俺の身内……内縁の妻のような扱いとし、またその一党の主だった者を新たにうちの幕僚として迎えた事を周知することになる。
実際には孫家が主側なのだが、そんなことは言わなきゃ外からはわからない。
と言うかぶっちゃけ今までも七乃が俺を傀儡にしてると言われても反論できないぐらいに全て任せていたから部下達からしたら今更だろう。むしろ代表的な軍師将軍となるものが増えて健全化されたとすら思っているかもしれないな。
孫家側もこの成り行きに思うことはあろうだろうが、彼等はこれから自分の部下になる者たちなのだから、そう無碍にするわけにもいかないだろう。
なんとか穏やかな空気が漂い始めた事に安堵しながら、俺は隣にいる人物へ話しかけた。
「改めて、話を受けてくれて感謝する」
「感謝なんていらないわ」
「おいおい、辛辣だな」
「だって断れるわけ無いでしょ? 蹴れば、余りにも無意味に将兵を死なせる事と同じだもの」
「そうかもしれないが……罠じゃないかって話はでなかったのか?」
「当然出たけど……でも、罠だとしたら意味不明すぎるでしょ」
「まぁ、そりゃそうか」
「とにかくこの話はこちらが一方的に得をするだけだもの。受ける他に無いわ……感情的にはどうあれね」
「やっぱりお前は嫌だったか?」
「……それを聞いてどうするわけ?」
「……すまん」
「謝るぐらいならこんな話しなきゃ良かったじゃない」
「そうだな」
「私にとって貴方は……」
「……」
「ううん、今更だわ。こうなった以上は私達も貴方を……ついでにあの陰険女も、受け入れるわよ」
「……そうか」
「裏切られないぐらいには信用してるんだから、頼むわよ」
「わかってるさ、孫策」
「よろしく、袁術」
こうして俺達は、盟を結んだのだった。
宴は深夜に至るまで行われる。
ちなみにこの時代の酒は醸造技術の未熟さなどから、主に飲まれるものはにごり酒の類……言ってしまえばちょっと酒精の強い甘酒の様な物で急性アルコール中毒だとかの心配はあまりない。そういう弱い酒だからこそ、当時の酒豪が酒樽をまるまる飲み干したなどという話が残って居たりするわけだ。
だから余程暴飲しなければ長時間の酒宴でもそこまで深酔いはしないで済む。
特に俺はこの後の事を考えると酔い潰れるわけには行かないので酒量には気をつけた。
酒宴の騒ぎもすっかり落ち着いた頃俺は七乃の合図で宴を退出し、彼女と共に廊下を歩きながらぼんやりと考え事をする。
孫策からは別に真名を返してくれなどと言われたわけではない。
険悪になったわけでも、信用を失った感じでもない。……ただ、彼女は俺のことを真名で呼ぶ気持ちにはなれないようだった。
他の面子にしても、思っていたよりは受け入れて貰える様子だった。仲良しこよしができるわけではないが、強くこちらを敵視していると言う風にも見えない。本当の内心がどうかは分かる筈も無いが、それでも彼女達はこの話を自分達なりに受け入れようとしている様だった。
それはあの時荒れた様子を見せた周瑜も同じで、個人的にどう思うかは別として自分達が約を結ぶと決めたのであれば割り切ると言う姿勢になれるのは流石だ。
この分なら、まぁそれなりにうまくやっていけそうだ。
最初から話が一度決まったなら裏切られる様な心配はしていないが、それでも感情的な事は別だ。俺だって針のむしろのような環境は避けたいし、なにより嫌々ながら結んだ盟の上で戦うのでは本当の実力は発揮出来ないだろうという心配があったので、まずは一安心と言える。
孫策とのことを寂しく思う気持ちはあるが、彼女は彼女で割り切ろうとしてくれているのだ。俺も女々しく執着するのはやめてもっと別のことを考えよう。
俺は隣を歩いていた七乃を抱き寄せる。
小さく声をあげる彼女の髪から、なんとも言えない甘い体臭がふわりと俺の鼻孔に香った。
胸と下履きの隙間に無理やり腕をねじ込んで七乃の体をまさぐる。
「もう、理羽様ったらぁ」
七乃が甘えた声色を出しながら、その手でゆっくりと俺の股間を撫でる。
痺れるような快感と共にちんぽが硬く膨らんでゆく。
そして七乃はもう片方の手を、まるで俺を使ってオナニーするように下着に潜り込んだ俺の掌に重ねてぐちゅぐちゅと自分の股間を弄る。
「んっ……ふぅ……」
七乃の押し殺した声と、ますます甘く匂い立つ体臭が俺の頭を痺れさせる。
「七乃……」
「全く……意地悪ですね、理羽様は」
七乃はそう言いながら、俺の手をつまんで自分の体からゆっくりと引き剥がす。
その頬は赤く上気し、彼女の下着から引き抜かれた俺の右手は白く粘つく粘液が指の間で糸を引いていた。
「今日は私だって我慢しなきゃいけないのに、こんなの酷いです……」
「あ~……すまん」
「しょうがない方ですねぇ……れろっ……ちゅぶっ……」
俺の指についた自分の愛液を、一本一本丁寧にしゃぶりながら舐め取ってゆく七乃。
彼女に手を引かれて自分の寝室の前に立った時、俺のちんぽはガチガチに勃起していた。
「それじゃあ、たっぷりお楽しみ下さいね♪」
囁きながら、唇の端を掠めるような七乃のキス。
彼女は手を振りながら通路の暗がりに消えて行く。
俺は性欲を滾らせながら扉を開けた。
どうせ今更無かったことには出来ないし、相手に体を差し出させておきながらこっちがぐだぐだと悩んで勃たないなんて事になったら馬鹿馬鹿しすぎる。どうせだったら楽しむべきだ……なんて言うのは自分への言い訳だな。
何しろ、そこにいる彼女を見た瞬間から俺の下種な獣欲はだらだらと涎を垂らしている。
仕方ないから楽しむ?
バカを言うな、良い女を抱く快感はどんな時でも最高でしかない。
それも―――
「お待ちしておりました、袁術殿」
――この孫権のような極上の美少女が相手なら、尚更だ。
「……では私がお相手を努めさせて頂きますが、よろしいでしょうか?」
「あぁ、頼む」
まどろっこしいその問いに被せ気味に答えを返す。
こっちはもう、目の前の少女にちんぽを突っ込むことで頭がいっぱいなのだ。
「……はい」
そう小さく首肯した孫権の、身につけた衣服を脱いでゆく衣擦れの音が俺の興奮を煽る。孫策に良く似た顔立ちと褐色の肌。だが彼女と比較すると真っ先に思うのは
女性にしては身長が高くほぼ俺と同じ目線の孫策と違って、孫権はそこから頭一つ分小さい。そしてどこか鋭い印象を与える孫策と比べると、その顔つきは似通っていながらも柔らかく落ち着いている。
どちらも甲乙つけ難い美貌だが、比べると孫権はどうしようもない程に幼く、女の子だった。
それもその筈で彼女は俺の3つ下……現代ならまだ高校に入学したばかりという年齢なのだ。そのくせプロポーションはもう姉に劣らない程育ちきっていて、男の劣情を煽ってくる。
そんな彼女を孕ませて俺の子供を産ませるのだと考えると背徳感に背筋がしびれそうで、それだけで先走りがぬるぬると溢れてくる。
俺は緩みきった顔で自分の帯を解き、下履きを脱ぎ捨てた。
「……ぁ」
ごくり、と唾を飲みながら孫権が俺のそそり立った股間を凝視し、下着から足を引き抜く動きが思わずとまってしまっている。
俺が待ちきれないという思いで近付くと、孫権が僅かに身体を振るわれながら俺の目を見た。
「あ、あの……本当に私が相手で、よろしいのですか?」
「なんだ、やっぱり俺の相手は嫌か?」
ここまできて嫌だと言われても今更止められない……止められないが、それでも本当に嫌がるようなら流石に考えなくてはならない。力づくで犯してしまえるならそうするが、素手で戦ったとすると負けるどころか最悪殺される可能性もあるからだ。
「そうではなく……袁術殿は、姉様と結ばれたくて孫家と約定を結んで下さったのでは?」
「……は?」
しかし予想を全く外れていた孫権のその言葉に、俺は思わず呆気にとられてしまう。
「……違うのですか?」
「違う……と言うかなんでそんな風に考えたんだ」
「だって姉様と袁術殿は昔から真名を交わしておられましたし、姉様も袁術殿のことを話す時は楽しそうにしていましたから……それに袁術殿も私達のことを気にかけて下さいましたし、当主に付かれた後も良くして下さったでしょう?」
確かに孫権の言う通りだが、別にそれは俺が孫策に惚れていたからとかそう言う理由ではまるでない。潜在的に危険な敵である孫家一党を飼い殺しにする、と言う方針と関わりのない生活面などで無意味に彼女達を苦しめたり、卑劣な裏切りまで疑って過剰に行動を制限する必要はないと判断していただけだ。
「そうだが、俺が孫家を抑えつけていた事実は変わらないだろう」
「それはお互いの家の為には仕方のないことです。私達もいずれは袁家を打倒するのだと考えていましたし、雪蓮姉様の意気込みなんて特にこちらが当てられる程でしたから」
「だったら……」
「でも袁術殿が当主に代わってから少しずつ善政を敷かれたり、兵を良く慰撫されるようになられたりされるのを見て……姉様はやっぱり貴方は強敵だって、それでも必ず乗り越えてみせるっていつも楽しそうでした」
「そ、そうか……」
え、なにそれ怖い。
乗り越えるって言うけど、そうなった時ってこっちを殺してる可能性高いよね? そんなこと楽しそうに妹と話をしてるとかヤンデレか。
……いや、薄々察してはいたのだ。勿論ヤンデレとかではなく、俺が孫堅の教え子ということもあってどうも好敵手的な好意を孫策から向けている事は。
しかしこちらが勝つ場合はひたすら孫家の拡大を抑えつけて、どこかで無理に蜂起したところを叩き潰すやり方になるし、そんな事をしても俺は全然嬉しくない。戦になっても実際に指揮を取るのは七乃だしな。
逆に負けたとしてもあの孫策と良い勝負が出来た、とかそう言うことを悦に浸れる感性も俺は持っていないわけで……繰り返すがどうせ実務を取るのは七乃だし。
「ですから今回のお話で、やはり袁術殿はそこまで姉様のことを想っていらしたのかと……」
「……いや、違う」
「……そうでしょうか」
疑わしそうに言う孫権の目線の先にあるのは、力なく垂れ下がってしまった俺の逸物だった。
「やはり私などではなく、本当は姉様をお求めになりたいのでは……」
「いや、違う! 違うからちょっと待て!」
慌てて彼女の言葉を制止する。せっかく七乃にあそこまで滾らせて貰った性欲が妙な話のせいで萎えてしまった。このままではいけない。俺は頭を振って雑念を追い払おうとした。
孫権の両肩を掴んで寝台に押し倒す。急な事に驚いたのか幸いに抵抗はされなかった。
「きゃあっ……あ、あの……袁術殿?」
困惑する孫権に構わずに、そのはだけた胸元に顔を押し付けながら身体をまさぐる。
瑞々しく張りのある褐色の肌、柔らかそうに大きく膨らみながらも、揉みしだくとまだ硬く芯の残る未成熟な乳房。ぴっちりと閉じた股ぐらのすじをなぞる指の感触。
むくり、と股間に力が戻るのを感じる。
この無垢な褐色美少女の処女を奪う。犯して孕ませて、二度と取り返しの付かない行為を刻み込む。孫権の身体をまさぐりながらそう考えれば、すぐにちんぽがばきばきに勃起する。
「どうしても嫌なら言え」
俺はそう言いながら下着を強引に剥ぎ取る。
その腕に、彼女は抵抗しなかった。