あいつの能力のせいだと解っていても、愛することを止められない。 作:ゲルパンマン♥山崎
「眠った?」
「うん、やっと」
「お疲れ様。お茶を淹れよう」
「ありがとー。お茶菓子ある?私甘いものが食べたい」
私は無事、第一子を産んだ。
元気な男の子だ。
まぁあれだけの無茶をやって無事に産まれたんだ。そりゃ元気だろう。
パパそっくりのかっこいい男になるぞ。
宣言通り、その後すぐに孕まされた。
いや、身軽になってタガが外れちゃってどこでも求めてしまったのは私だけど。
第二子は女の子だ。
肌は私と同じ茶色だけど、髪の毛は彼と同じ黒。
まさに私と彼の混合じゃないか。かわいい。
その後も、またすぐ孕んだ。
セックス中は彼の子供を孕めると思うとテンション上がってしまうのだ。しょうがない。
次の子も女の子だった。
大丈夫かな?彼、娘に欲情したりしないかな?
長女もかわいいし、この子も目と鼻なんか私そっくりだし、私も娘に嫉妬したくない。
そんな事を話したら、彼は笑いながら「大丈夫だよ。俺はもうキミ一筋だから」と言われた。
その日のセックスは燃えた。
あのちょっと無茶したボテ腹セックスの後、私達は話し合った。
彼に隷属する私ではなく、彼のパートナーの私として話し合った。
彼は少し面食らっていたが、ちゃんと聞いてくれた。
あれ以降、妊娠中にお腹に負担がかかるようなセックスはしていない。
それ以外のセックスはバンバンやっている。お尻も気持ちいい。
幸いにも、私の身体から産まれた子は普通の子だ。
元気にすくすくと育っている。
私の肌の色や髪の色等もちゃんと遺伝している。よかった。
私のように、彼の能力の影響を受けている様子もない。
私は、彼の能力に囚われて幸せだ。
囚われているという自覚の上で、心から幸せだ。断言できる。
彼と一緒に暮らせて幸せだし、彼と肌を重ねるのも幸せだし、彼に尽くすのも幸せだし、彼の子供を産めたのも幸せだ。
それが能力のせいだとかなんだとか、一切どうでもいい。
私が今幸せであるということが重要なのだ。
彼は、昔ちょっとグレててちょっと特殊な能力持ちだっただけで、中身はいたって普通の人だ。そこがまた愛おしいんだけど。
彼は私と出会った頃よりも前のことを話そうとしない。
私も聞かない。彼が言いたくないのならそれでいい。
今が幸せだから。
たまに、すごくつらそうに私を見る。たぶん罪悪感を感じているんだろう。
だから私は言ってやる。
私は幸せだって。
あなたと出会えて、あなたとの今があって最高に幸せだと。
目一杯抱きしめてやる。メガネも掛けてやる。
私が代わりに笑ってやる。
そうしたら彼も笑ってくれる。
そんでキスをしてセックスする。
私の指名手配はいつの間にか解かれていた。
しかし彼の指名手配は一向に解かれない。
彼は私にも子供にもあんなに優しいし、街でも普通のイケメンパパだ。
ちょっとしたことで貴族の反感でも買ってしまったのだろう。気にしないに限る。
この街にはもう4年ほどいるけど、一度も疑われてないしね。
近頃彼は、もっぱら常識人だ。
子供の教育に悪いとか、子供のためにとか、子供が危ないとか、子供子供子供。
まず子供が最優先。私は二の次。
そりゃ、私だって彼との子は可愛いけど、もうちょっと私も見て欲しい。
子供に嫉妬するなんてみっともないってわかってる。
それでも愛しい人からはいつだって見ててもらいたい。
あと避妊も徹底してる。ひどい。
3人も作れば十分だろって。
この前なんか、勝手に精子殺す薬飲んでた。
たっぷり中に注いでもらって、また孕めるって喜んでたら、
「これ飲んでるから出来ないよ。これで安心してこれからも中出しできるぞ」
って言われて、すごく裏切られたって感じて、本気で泣いてしまった。
すぐ謝ってくれて今は飲んでないけど、彼の口から「安心して中出しできる」だなんて聞きたくなかった。
彼の子を孕みたい、孕めるって意識が重要なの。
孕む見込みのない中出しは種付けとは言えない。
……まぁ、それはそれとして、中に出されるのは大好きだけど。
……昔の、彼と出会う前の私の関係者たちには申し訳なく思う。
唐突に裏切ってしまって。
彼の毒牙にかかってしまったと思われてるだろう。
それは実際その通りなんだけど。
たとえ始まりがそうだとしても、私はそれに納得し、それで良かったと確信している。
むしろ、今までの人生すべてが、今この瞬間のための布石だったんだとすら思っている。
何度でも言う。
私は今、幸せだ。
いつか絶対、彼の憂いも晴らしてやる。
私が笑わせてやるんだ。
愛しい彼を。
……興奮してきた。
「ねえ、しようよ」
「……避妊はしようね」
「いいじゃない、もう一人くらい」
「金はともかく、俺たちの負担を考えようね。三人で手一杯だ」
「フツーのこと言うようになっちゃって、こーの指名手配犯が」
「キミが後先考えないから、俺がそっちの役回りになったんだよ」
「私は、ずっとあなたのことだけを考えてるよ?」
「……そういうのは卑怯だ」
「……ねえ」
「わかったよ」
「メガネ、掛けたげよっか」
「……お願いします」
「今日も、いっぱい、そそいで?」
下腹部がうずいてくる。
私は今も、あの棒を中に入れている。