この素晴らしい「お願いカード」でいちゃラブを! 作:GA 飛びイカ
ここからが本編となります。
アクセルの街に爆音がこだまする。
今日は風向きの影響でいつもよりも音が大きめだ。
音だけなので精密な採点は出来ないが、90点以上は確実だろう。
「ふぁあああ」
時刻は昼過ぎといったところか。
ベットから起き上がり簡単な身支度をして広間へと顔を出した。
「あ、ひきニートが今ごろ起きてきた。ゼル帝だめよ、あんな風になっちゃ」
広間ではソファーに座ったアクアがゼル帝を膝に乗せ、ブラッシングをしていた。
「俺がひきニートならお前はごくつぶし女神だろ。おい!ブラッシングで抜けた羽毛をそこら辺に置くな!」
俺の抗議を無視してブラッシングを続けるアクアを横目に、朝食兼昼食を食べることにした。
飯を食べ終わって少し経つと、ダクネスがめぐみんを抱えて帰ってきた。
めぐみんの身体をソファーの空いたスペースに横たわらせながら、ダクネスが言う。
「カズマ、お前今ごろ起きてきたのか。いい加減昼夜逆転の生活は止めて冒険者らしく摂生に努めろ!」
「うるさい!俺は金があるんだし誰にも迷惑かけていないんだから別にいいだろ!」
「いいわけあるか!金があるからといって労働しなくていい道理などない!」
「まぁまぁ、いいじゃないですかダクネス。カズマ~、ドレインタッチお願いします」
「めぐみんはこの男に甘すぎる!」
ぎゃあぎゃあとうるさいダクネスを躱しつつソファーでぐったりとしているめぐみんにいつもより多めに魔力を分け与える。
「ふぅ、落ち着きました。ですがまだ少しふらつきますのでしばらく部屋で休んでいますね」
そう言ってめぐみんは自分の部屋に引き上げていった。
「そんじゃ俺も夕飯まで部屋でごろごろしてるか」
俺も部屋に向かおうと歩き出す。
「おい!話は終わってない!というか散々寝てたのにまだごろごろするのか!?」
「もういいじゃないダクネス。カズマがダメなのは今に始まったことでもないし」
「それもそうだが・・・。ってアクアもブラッシングした羽毛をそこらに置くんじゃない!」
ダクネスにも怒られて両手で耳をふさいでいるアクアを見ながら、俺は広間を後にした。
部屋の前に立った俺はコンコンコンコンと連続で4回ノックした。
自分の部屋ならノックなんて必要ない。
自分の部屋なら。
中の相手の了承もなくドアを開けて中に入る。
このノックの仕方は事前に決めておいたので中の人物も俺が来たと分かっているだろう。
了承は必要ない。
部屋に入ると中の人物、めぐみんは悪戯が成功したからか、待ち人が現れたからなのか、嬉しそうな微笑みを浮かべた。
そのまま無言で腰かけていたベットから立ち上がり、両手を広げた。
俺はそのままめぐみんに近づき、ぎゅっとハグをしたのだった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「それで、2枚目のカードはどんな願いごとにするか決まりましたか?」
1枚目のカードから数日後、再び俺の部屋を訪ねためぐみんがそう切り出した。
1枚目のハグをした次の日に2枚目のつもりだったが、毎日毎日めぐみんが俺の部屋に来るのを誰かに見られると面倒になりそうだと、少し時間を空けたのだ。
「もちろん決まっている。めぐみんは?」
「私も、決まっています」
そういうめぐみんの顔に朱が射すのを俺は見逃さなかった。
どうやらめぐみんは1枚目の「好きな所を言う」よりも過激なものを選んだようだ。
無意識にだがお願いが過激になっていくのも、このカードの利点なのだ。
「それじゃ見せ合うか。先に言っとくと俺のお願いは今日はもう無理だと思う」
「そうなんですか?私のは今からでも大丈夫ですよ」
いっせーのーせで互いのカードを開く。そこにはこう書かれてあった。
「一緒にお風呂」
「毎日ハグしてください」
・・・・・・・・
めぐみんはハグが相当お気に召したようだ。
「ハグは・・・素晴らしいものでした。あれこそ私の求めるスキンシップと愛情表現です」
そういうめぐみんの顔は前回のハグを想いだしているのだろう。
しまりのないだらしない感じの顔になっていた。
擬音でいうならふへへって感じだ。
「お、おう、そうか」
「む、カズマはハグでは嫌ですか?」
「いや、全然嫌じゃない。むしろ大好物だ。」
「そ、そうですか」
自分でも少し喰い気味だったのを自覚したのだろう。めぐみんは赤くなりながら目を伏せた。
「ところで、カズマの願いごとですが・・・どれだけ女の子と一緒にお風呂入りたいんですか」
「いやいや!男にとって女の子との混浴は夢だからな!それに何だかんだ混浴の回数は多いけどお前との混浴は互いを意識する前の1回きりだけだったしな。ダクネスとは2回も入ってるのに」
ダクネスと2回も入っている、という言葉にめぐみんがぴくりと反応した。
「この状況でダクネスの話を持ち出すなんて、本当に女心を分かってない人ですね」
「いや、でもダクネスの場合事故だったりあいつの策略だったりだから俺は被害者みたいなものだからな!」
「あんまりふざけたこと言ってるとはっ倒しますよ!」
めぐみんの眼が赤く光る。ヤバい!攻撃色だ!
俺は素早くDO・GE・ZAを敢行した。
俺のいさぎよい謝罪に気が抜けたのか、溜息を吐いて怒気を散らすめぐみん。
「はぁ、それで、一緒にお風呂ですがいつにしますか?今日はもうお風呂に入ってしまったので明日以降になりますけど。」
「それなら明日の爆裂散歩の後なんてどうだ?外から帰ってきた後で埃っぽくなったって感じでいけばいいだろ」
「それでいいですけどアクアやダクネスにばれませんか?」
「何を言ってるんだめぐみん!二人にばれないように一緒にお風呂に入っていちゃいちゃする!それがいいんじゃないか!」
俺の力説に驚くめぐみんだが、少し考えると小さい声で「確かに…」とうなづいてきた。
この間の紅魔の里でも思ったが、こいつってムッツリの才能があるよな。
「それでは明日は久しぶりにカズマと爆裂散歩に行って、帰ってきたら一緒にお風呂ですね」
久しぶりに一緒に爆裂散歩に行くのが楽しみなのだろう。
明るい声でそう宣言するめぐみん。
「いや、面倒だし爆裂散歩はダクネスとでも行ってこいよ。俺は昼まで寝てるから」
「この男!」
そういって激昂するめぐみん。
「いやだって爆裂散歩も一緒に行って、その後お風呂も一緒ってどう考えたってダクネス辺りに怪しまれるだろ?なら爆裂散歩は行かないで行動した方がカモフラージュになるじゃん!」
「確かにそうですが色々台無しですよ!そういうことなら明日のお風呂は楽しみにしていてください!私にも考えがあります!」
「えっ、一緒に入ってくれないとかか?すいません何でもするから許してください」
「何でもするのハードルが低すぎますよ。大丈夫です心配せずともお風呂には一緒に入りますよ、ええ・・・」
そう言って不敵に笑うめぐみん。
これは何か良からぬことを企んでいる目だ。
「じゃあ明日は約束だからな」
「はい、分かってますよ」
これで今日の話はおしまいだ。
ワクワクしながら明日を待つとしよう。
そんなことを考えていたが、いつまでたってもめぐみんが部屋から出ていかない。
「どうした?いくら恋しくなったとはいえ朝まで一緒に居たらみんなにバレるぞ?」
「さすがに朝まではいませんよ。ただ、日課を済ませていないので」
そう言ってめぐみんは両手を広げる。
あっ、そういえば
「日課の毎日ハグする。しましょう」
「えっ、この流れですんの?なんかもっといい雰囲気になってからした方がそれこそ朝までコースになるんじゃないか?」
「だから私は責任とってくれるなら朝までコースでいいと言っているではないですか。それにこういうことは毎日やることに意味があるんです」
そんな継続は力なりみたいな言い方しなくても。
めぐみんは両手を広げたまま動かない。ハグをしないと終わらないのだろう。
俺としてもハグをすること自体は嫌じゃないので素直に応じることにした。
ぎゅ。
めぐみんの身体を抱きしめる。
少し体が硬くなっていたが、どうやら言葉にしないだけで緊張していたようだ。
腕に力を込めるとめぐみんが「んっ」と小さくうめいた。
もうそれだけでお腹いっぱいです。
「やっぱり・・・願いごとを毎日ハグにしたのは正解でした・・・」
俺の胸の中でめぐみんが幸せいっぱいといった感じにつぶやいた。
「・・・やっぱりめぐみんも女の子なんだよな。やわらかい」
「私は生まれつき女の子ですよ」
「いや、出会ったころは女として見てなかったけど」
「おい」
ふざけ合いながらケンカみたいな会話をするが、口調自体は穏やかなままだ。
ただただじゃれ合っているだけだ。
「んふふ、ハグっていいですね。いつもと変わらない会話だけどハグしているだけで特別な感じがします」
「そうだな、そんじゃ明日は無理だけどいつか一緒に爆裂散歩をした時はハグしながら採点してみるか?」
「!それは名案ですね。爆裂魔法の後のハグだなんてモチベーションが上がりますよ」
ひとしきり雑談をしたあと、互いに身体を離した。
少し名残惜しい感じもするが、めぐみんも同じようで残念そうに微笑む。
「それでは、明日爆裂散歩が終わったら私の部屋に来てください。ノックを4回してもらえばカズマだって分かりますから。そしたらまたハグをしましょう」
「わかった。じゃあ、おやすみ」
「はい、おやすみなさいカズマ」
部屋から退出するめぐみんを見送り、ベットに突っ伏した俺は
「あああああ!ヤバいヤバい!なんかすげー恋人みたいだった!なんだこれ!なんだこれ!」
うおおおと叫び、一人ばたばたとベットの上で悶えていた。
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爆裂散歩から帰ってきためぐみんと秘密の逢瀬。
当のめぐみんは俺の腕の中で悪戯が成功した子供のように笑っていた。
「ふふ。アクアやダクネスには申し訳ないですね」
そう言いながらも頭をぐりぐりと擦りつけ甘えてくるめぐみん。
「だろ?別にやましいことはないんだけど、誰かに秘密でってのがミソなんだよ」
元の世界にいたときはクラスメイト同士で付き合ってるのに秘密にしてる、なんて奴らがいっぱいいたっけな。
俺はてっきり恥ずかしいから秘密にしてるんだと思ってたが、案外秘密で付き合うってのが楽しいのかもしれないな。
「この後一緒にお風呂ですが、ダクネスあたりには言っておいた方がいいかもしれません」
「え?一緒に風呂入ることを?」
まさかそんな大胆なことを。
ダクネスと風呂に入ったことを根に持ってるのか?
「違いますよ。一応私は部屋で休むって言ってたのにお風呂なんて入ってたら怪しまれるじゃないですか。だからダクネスに埃っぽいから入ってきますって言っといた方がいいのではと思いまして」
それもそうか。
めぐみんはダクネスの部屋に向かい、俺は一足先に脱衣所へと向かった。
どの道一緒に入るって言っても着替えは別々になるのだろうし、俺は着ている服を脱ぎ棄てて風呂場で待つことにした。
風呂場に備え付けの魔道具に魔力を注ぎ水をお湯に変えていく。
大きな浴槽だが、屋敷に備え付けの魔道具も大きなものなので15分程度でお湯が沸き終わった。
すると脱衣所の方からごそごそとした物音がし、誰かが入ってくる気配を感じた。
「カズマ、もう先に入ってますか?」
「あぁ、お前も早くこいよ。はようはよう」
「どんだけ待ち焦がれてるんですか。今行きますよ」
そういって脱衣所と風呂場のドアが開き、恥ずかしげな表情のめぐみんが現れた。
めぐみんは以前のように胸の高さでタオルを巻いているが、以前よりも大人びえて見えた。
まず、背が少しだけ伸びているし髪も前より伸びた。
胸も尻もアクアやダクネスと比べると悲しいが大きくなっているように思える。
というか胸は大きくなっている。
爆裂散歩のおんぶと毎日のハグでそこは確認済みだ。
なによりその表情は恥ずかしいような嬉しいような、どこか期待しているような色気を感じるものだった。
お風呂って、いいな!
「ど、どうしましたカズマ?何だか目にうっすらと涙が見えますけど」
「いや、女の子と合意の上で混浴だなんて。日本にいた時は考えられなかったからなぁ・・・」
しみじみと言う俺に対し、めぐみんはふふっと笑って返す。
「お風呂ぐらいで泣かないでください。それなら一緒にお風呂に入るのも日課にしますか?お願いカードには書きませんが」
「ほんと!ほんとか!あぁ、めぐみんが女神に見える!」
俺の喜びようにまんざらでもない笑みを浮かべるめぐみん。
その顔が悪戯っぽい形に変わってこんなことを言い出した。
「毎日・・・はみんなの目があるので無理ですが、可能なら一緒にお風呂に入りましょう。でも、何度も一緒にお風呂に入るのにタオルを巻いてだなんて良くないですよね。いっそのことタオルを外しましょうか?」
「えっ!」
めぐみんは上目使いに俺を見つめながらタオルを外すそぶりを見せる。
え?え!!?マジか!まさかこんな場面でめぐみんの裸体を拝めるのか!?
幸運に生んでくれたお母さんありがとう!
マジマジと見つめる俺に恥ずかしそうなめぐみん。
意を決したのか身体のタオルを勢いよく取り外した。
そこには・・・
「じゃーん!実は下には水着を着ているのでした!昨日私にも考えがあると言ったでしょう!」
ふふんとドヤ顔で水着を披露するめぐみん。
水着はあれだ、14巻のカラーピンナップの奴と言えば分かりやすいだろう。
「え?あれ?カズマ?何か反応して貰わないと困るんですが・・・」
タオルを取り水着を披露してからも俺はマジマジとめぐみんを凝視し続けていた。無言で見続ける俺を不思議に思ったのだろう。
「前から思ってたんだけど、水着ってその下は裸なわけだから下着と変わらなくないか?裸じゃないのは残念だが、下着姿の女の子が目の前にいるって状況は素晴らしい」
「ちょ!」
俺のそんな言葉に恥ずかしさを覚えたのか、めぐみんは両手で胸や股間部分を隠すように覆った。
バカめ!そういう風に恥ずかしがる姿もこちらの思うつぼだ。
「めぐみん恥ずかしがる必要はないぞ。水着は下着ではないからな。ただ俺は下着だと思っているだけだ」
「何のフォローにもなってませんよそれ!」
「ほらほらそんな恥ずかしがってたらいつまでたっても先に進まないだろ?あんまり長湯だとダクネスが来ちゃうぞ」
「む~」だの「んん~」だの唸っていためぐみんだが観念したらしい。
両手で隠すのをやめ、俺に向き直った。
「はぁ、カズマは本当に変態ですね。普通そう思っていても言いませんよ」
「ちなみに「タオルの下は水着でした!」をやった場合、次の機会では水着を着ないでタオルを外して「水着を着てると思いましたか?今日は着てませんよ♡」ってのが基本コンボだ」
「やりません!やりませんからね!」
ふーふー唸って抗議するめぐみんだが、先程のダクネスが来てしまうという言葉を思い出したのか、おとなしく話を進めだした。
「それで、一緒にお風呂とのことでしたが何をしますか?」
一緒にお風呂に入るだけならこの後湯船につかって上がっておしまいだが、それだけではないと思ったのだろう。実際味気ないし。
「やっぱりここは背中の流しあいだろう」
「いや、当たりまえだろ?みたいに言われても知りませんよ」
「これは男女に限らずに複数人で風呂に入ったら背中を互いに洗って親睦を深める伝統的な手法だ」
「ふむ、裸の付き合いという奴ですね」
「そうだ。今回は背中だけでなく頭も一緒に洗いっこしよう。そうすれば別個にやるより時間短縮にもなるし何よりめぐみんの髪に触りたい」
「本音が出ましたね。…そんなに私の髪が好きですか?」
ニヤニヤとからかうように聞いてくるめぐみん。
「めぐみんの髪は好きだぞ。サラサラだし綺麗だし」
「え!?そ、そうですか・・・」
そう聞き返されるのも予測済みだし、回答も事前に用意していたからすんなり言えた。
でもやっぱり少し恥ずかしいのでめぐみん同様顔は赤くなっているかもしれない。
「そんじゃまずはめぐみんが俺の頭と背中を洗ってくれ」
「分かりました」
めぐみんに髪を洗ってもらうため、鏡の前に椅子をだして座る。
めぐみんは俺の髪を洗うために膝立ちをして俺の後ろに付いた。
風呂場に備え付けのシャンプーを泡立たせて俺の髪をしゃかしゃかと洗っていく。
「カズマの髪って不思議ですよね。黒髪ですけど少しだけ茶髪っぽくもありますし」
「あーそうなんだよなぁ、昔学校で教師に染めるなって怒られたんだけど、地毛なんだよな。めぐみんの髪は黒いよな、それってええーと濡羽色っていうんだっけ?」
「紅魔族の髪は真っ黒ですからね。なんでも紅魔族を作るための改造手術の際に科学者の人の出身にちなんで黒髪になるよう調整したそうですよ」
その人、同郷です。
「紅魔族的にも黒い色はカッコイイ色ですからね。私はこの髪で良かったです。・・・カズマにも褒めてもらえましたし」
最後の言葉は小さく嬉しさをにじませた音色だった。
「お、おう…」
こいつは髪を洗いながらもぶっこんでくるなぁ。
桶にお湯を溜めて洗い流してもらう。
誰かに髪を洗ってもらうなんて元の世界での床屋以来だからか思いのほかサッパリした。
「次は背中を流しますね」
タオルに石鹸をこすりつけて泡立たせ背中をごしごしと洗い出す。
「カズマの背中って意外に広いんですよね。おんぶをしている時も思いましたが」
「そうなのか?」
「ええ、まぁ私は男性の背中の広さの比較対象がいませんがね」
「え?でもひょいざぶろーさんにおんぶされたこととかあるだろ?」
「カズマも知っての通りうちは貧乏でしたからね。貧乏ヒマなしで、あんまり家族総出で遊んだことなどなかったのです。少なくとも物心ついたころから両親におんぶされた記憶はありませんね。両親は売れない魔道具を作り、私は遊びながらその日の夕飯を探すって感じでした。」
・・・やっべー、地雷踏み抜いたかもしれない。
「だからこそ今のパーティは本当に大事な・・・家族の様な感じなのです。もちろん本当の家族も大事ですが、アクアもダクネスも仲間以上に家族に近いと思っています」
「え?あれ?俺は?」
「カズマは・・・いつか家族になって欲しい人です」
「・・・・・・・」
「そこで黙らないでくださいよ!」
「いやお前何言ってんの!なんでそんな情熱的に求愛できんの!?鳥か?鳥なのか!?」
「馬鹿な事言わないでください!はい!終わりましたよ!」
そう言って背中にお湯をかけて泡を洗い流すめぐみん。
くそ、ただ背中を流してもらうだけで何でこんなに顔が熱くならなきゃいけないんだ。
「おら、次はめぐみんの番だぞ、覚悟しろ!」
「どんなテンションですか。優しくお願いしますよ?」
俺とめぐみんは場所を入れ替わり、めぐみんは椅子に腰かけた。
うっ、さっきまでは水着の前部分しか見えなかったけど、後ろ姿の方が俺は好みだ。思いのほか色っぽくてクラクラするし・・・めちゃくちゃ興奮する。
めぐみんは確かに胸なんかは控え目ではあるがくびれだってあるし、何より肌がきめ細やかで綺麗だ。
そんな綺麗な肌が全開の背中、そしてその背中からお尻への流曲線は十分魅力的だった。
「カズマ?」
「あぁ、わり」
まさか見惚れてたとは言えず、慌ててシャンプーを泡立たせて髪を洗おうとするが・・
「そういえばめぐみんは備え付けのシャンプーを使ってるのか?自分専用のやつとか使ってないのか?」
「?いえ、使ってませんよ。みんなと同じシャンプーを使っています。どうしてですか?」
「いや、その、めぐみんとハグしてるといい匂いがするから、何か良いシャンプーを使ってるのかな、って」
「そ、そうですか。ありがとうございます・・・」
互いに赤くなりながらめぐみんの髪にシャンプーの泡を付けていく。
・・・・・・・。
「自慢じゃないが俺は女の子の髪を洗うなんて人生初だ。だから洗い方が分からん!」
「自信満々で言う事じゃないですよ。色々やり方はありますが乱暴にしなければ良いですよ。洗い方に関してはまた今度教えますよ」
シャンプーの泡が目に入らないようにつぶって、上機嫌に言うめぐみん。
「私だって誰かに髪を洗ってもらうなんて本当に久しぶりですよ。それこそ小さいころに母に洗ってもらって以来でしょうか」
「まぁ、そうだろうな。あ、痒いとこありますかー?」
「ふふ、一体誰のものまねですか?」
異世界というかアクセルの街には床屋や美容院がなかった。基本的に髪は自分で切るか、知り合いに切ってもらう。なので俺の美容院の店員ものまねは伝わらなかったようだ。
めぐみんの髪はしっとりとしていて、細く荒れていないためか俺の時よりも泡立ちが良く洗いやすかった。
「カズマに髪を洗ってもらうなんて不思議な感じですね」
「どうだ?親睦を深める伝統的な手法ってのもあながち間違いじゃないだろ?」
「ええ、そうですね。目をつぶって無防備に頭をさらすって行為が信頼がないと出来ませんからね。」
そんなことをしゃべりながらめぐみんの髪を洗い終わり、お湯で流していく。
「次は背中だな」
そう言ってタオルに石鹸を擦りつけようと思ったが・・・。
このタオル、はっきりいって安物だ。
ごわごわなおかげで泡立ちはいいが、肌をこするとなると少し痛い。
めぐみんの肌はきめが細かい。他の女の人の肌なんてじっくり見た事ないが綺麗な方だと思う。
そんな肌を安いタオルで洗っていいのか?いやダメだろ。
自分で洗う分には加減も効くが、他人の、しかも男の力で洗った日には荒れてしまうかもしれない。
一連の思考回路を元に、俺は最適な洗い方を実行した。
「ひゃ!?ちょ、ちょカズマなに素手で洗ってるんですか!?タオルで洗ってください!」
「いや!違うんだめぐみん!これには深いわけがある!少なくともいやらしい気持ちは微塵もない!!」
「まずはその訳を言ってくださいよ!いきなりじゃ困惑するでしょうが!」
俺はめぐみんに説明した。
いかにめぐみんの肌が綺麗なことを。
そんな柔肌をごわごわのタオルで洗っていいわけがないことを。
しかも男の力で雑に洗う事はできないことを。
そして、素手で洗うのがいかに適した洗い方かを。
「と、いう訳なんだ!」
「いや、理屈はわかりましたが・・・。素手は・・・。」
あ、折れかかってる!もうひと押しな感じだ。
「何度も言うがめぐみんの肌はすげー綺麗だし、その、俺は好きだから傷つけたくない」
この言葉が決め手だった。
めぐみんはまんざらでもない顔をして、素手で洗う事に了承してくれた。
「その、変な所は触らないでくださいよ?」
「善処する」
「誓ってくださいよ!」
恥ずかしさの性か大きな声を出すめぐみんも、俺の意志が変わらないことを察するとそれっきりだまってしまった。
さて、手に石鹸でもこもこの泡を立てめぐみんの背中の中央になすりつけた。
「ん・・・」
手が触れた瞬間めぐみんがぴくんと震える。
その泡を広げるように背中全体に泡を塗りたくっていく。
「ふぅ・・ん・・・」
俺の手が背中全体を撫でていくたびにめぐみんは悩ましげな声をあげた。
しばらく背中全体を優しく優しく撫でるように洗っていく。
その度にめぐみんのくぐもった声は頻度を上げて、くねくねと身体をよじらせていた。
「かずま・・・もう・・」
めぐみんが根を上げるが俺はまだ満足していない。
今の俺にはめぐみんの身体を綺麗にしなければいけない使命がある。
めぐみん本人がいいと言っても、十分でないなら続けるまでだ。
俺は再び泡を手に溜めると、両手でめぐみんのウエストを掴んだ。
「ふぇ!?」
そしてそのまま上下に動かしてめぐみんの脇腹を洗っていく。
「ひゃあ!ちょ、かずま!ひ、ひぃん!あぁあぁぁ!」
めぐみんが声にならない喘ぎ声をもらす。
相当気持ちが良いのだろう。
背中を丸めて身をよじっているが俺の手ががっしりと掴んでいるので動けない。
にゅるにゅるの手で高速に動かすとめぐみんの声もどんどんと大きくなっていく。
「あぁぁー!ひぃぃん!うひっ!ああぁ!んあぁ!」
お風呂場にめぐみんの声が反響している。
手を動かすたびにめぐみんの声が響く。そのことが楽しいし、何だか言いようのない征服感も相まって手が止まらない。
めぐみんのつややかな声に反応して、俺の股間の息子も自己主張をしていた。
というか結構大きな声だが大丈夫だろうか?
「か、カズマ・・・?」
俺は唐突に手を止めた。
めぐみんはようやく終わったのだと思ったのだろうか。安堵の息を吐くが、俺がこんなところで終わっていたら鬼畜のカズマさんなどと呼ばれていない。
「めぐみん、上の方も洗うから手を上げて」
「えっ?あ、あぁ・・・」
まさかまだ続くとは思ってなかったのだろう。
めぐみんが困惑の声をあげるがこれは身体を洗うためなので妥協は出来ない。
ここまで来たのだから限界までいく!
「手を上げないと良く洗えないだろ?手を上げて」
鏡越しにめぐみんと目が合う。その眼は紅く光っており顔も真赤だ。そしてどこか期待しているような表情だった。
そして、こくりと小さくうなずくと手を万歳のように上に挙げた。
「んんおおぉ!くはぁ!ひゃん!ああああ!」
俺は脇腹の手をさらに上へスライドして、めぐみんの脇を洗い出した。
さらに脇から脇腹へ降ろしてそのまま背中を洗い、背から再び脇を重点的に洗っていた。
「ひいぃぃ!んんああああ!ほぁぁああ!」
めぐみんは獣のような声をあげてなすがままになっていた。
もう正直これ以上は俺の理性がもちそうにないので、脇を洗っていた手を勢いよく引き抜いた。
「!!?んひぃぃぃぃい!!」
その衝撃でめぐみんが一際甲高い声を出してびくびくと身を震わせた。
洗うのを止めた後も、一定間隔でびくっと震えているのが最高にエロい。
しばらくして、ようやく落ち着いためぐみんが俺に非難めいた目を向けた。
「もう・・・調子に・・乗りすぎですよ・・」
まだ呼吸が安定しないので途切れ途切れだが、そこまで怒ってないようだった。
でも確かにやりすぎだったかも。
「ごめん、なんか自分でも抑えきれなくなって止まらなかった。」
素直に謝るとめぐみんは「しょうがないですね」と笑い俺の手をペシリと叩いたのだった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
無事?身体を洗い終わった俺たちは湯船の中に沈んだ。
じんわりと温かいお湯でほっとひと心地をつく。
「・・・なんだか、どっと疲れました」
「まぁ、あんだけ声出せばそりゃ疲れるだろ」
「誰のせいだと思ってるんですか!」
めぐみんのぐーぱんが俺の脇腹に突き刺さった。
水中なので威力はないけど、それでも不意打ちなのでそれなりに痛い。
「悪い、悪かったって。でもめぐみんも、その、良かっただろ?」
「う、まぁ、その。悪くはありませんでした」
身体を洗っている最中のめぐみんは、まるで獣のように快楽に身をまかせているようだったしな。
やっぱりこいつムッツリの気質十分にあるな。
そんな感じにしゃべっていると、お湯で体が温まってきたからか、それとも先ほどの行為での疲れなのか、ぼーとどちらもしゃべらなくなっていった。
普段はどちらともなく会話が続くが、ぼーと何をするでもなく湯船につかっている。
気まずい雰囲気はなく、何だか安心感を覚える空気だ。
すると、めぐみんの方から俺の手に手を重ねて、俺の肩に頭を乗せてきた。
いつもだったら、ドキマキしてしまう状況だが、頭がぼーとして働かないせいか、言葉は一言しか出てこなかった。
「幸せだな」
「そうですね・・・」
ちなみに夕飯の時にめぐみんだけでなく、俺まで髪が塗れていることをダクネスに指摘されたことは言うまでもない。