※この作品はR-18です。

この素晴らしい「お願いカード」でいちゃラブを!   作:GA 飛びイカ

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4話目です。

1~3話までよりも4話単体の方が長いのでお気を付け下さい。


4枚目

 

「めぐみん!大好きだ!ずっと傍にいてくれ!」

 

俺はこのどうしようもない気持ちを少しでも伝えたくて、大声でめぐみんへの愛を叫ぶ。

その度に周りの連中がヒューヒューとはやしててくるが、そんな冷やかしもこの気持ちの前には何の障害にもなりゃしない。

 

当のめぐみんは困ったような、それでいて嬉しいような複雑な表情を浮かべながらも、最後には笑って俺の気持ちに応えた。

 

「私も、カズマのことが大好きですよ!言われなくともずっと傍にいます」

 

めぐみんの返答に周りの連中もおおおお!という盛り上がりを見せる。

めぐみんはその声に合わせるように両手を広げていく。最近お馴染みのハグのポーズだ。

俺はめぐみんに飛びつき、きつくきつくハグをした。

 

「あぁ、めぐみん!好きだ!大好きだ!」

「はい、私も大好きですよカズマ!」

 

俺達の熱い抱擁にその場は、ギルド内は今日一番の歓声と拍手に見舞われた。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

風呂から上がり脱衣所で服を着ようと思ったが、パジャマ代わりのジャージを用意してなかったし、まだ時間も夕飯前ということでいつもの冒険者服をもう一度着る事にした。

汗かいたから風呂に入ったってのに、同じ服を着るんじゃ本末転倒だな。

めぐみんの方はちゃんと私服を持ってきたのかそちらに着替えるようだ。

ちなみに、着替えは俺が先に着替え、脱衣所の外で待ち、その後めぐみんが着替えた。

・・・もう一緒に着替えたっていいと思うんだが、めぐみんの中でそこは越えてはいけないラインのようだ。

 

めぐみんの着替えが済み一緒に広間へ向かう。

まだ誰も帰ってきていないなら二人で少しイチャつきたい。

先程のめぐみんの態度に当てられたのか、少々めぐみん欠乏症だ。

 

広間に向かうと、仁王立ちのダクネスが出迎えてきた。

あぁ・・・これは言い逃れできない奴だ。

 

「二人ともお帰り。私に何か言う事はあるか?」

ダクネスがジロリと睨んでくる。

 

「俺は特にないかな。めぐみんは?」

「私も特には」

「おい!そこは少しでも狼狽える場面だろう!どうして二人ともそんなに落ち着いているんだ!」

 

俺達のそっけない態度にダクネスが騒ぎたてる。

 

「いや、もちろんその様子で俺とめぐみんが風呂に入ったのがバレたってのは察してる。それを踏まえた上で特にないと言ったんだ」

「なんだと!?」

「よくよく考えてみてくれ、俺は女の子とお風呂に入りたいと思っていた。そしてめぐみんは俺と入るのに抵抗がない。ならば何の問題もないじゃないか」

「私が怒っているのは二人で風呂に入っていることを秘密にして、誤魔化していたことだ!・・・私に一言あってもいいじゃないか」

 

そう言ってダクネスは寂しそうに目を伏せた。

ダクネスもめぐみん程ではないが仲間想いだ。

それなのに自分に内緒で俺達二人が秘密を共有していることに疎外感を覚えたのだろう。

 

「ダクネスすみません。秘密にしようって言ったのは私の方なのです。」

 

めぐみんがそうフォローしつつ、ダクネスに向けて頭を下げた。

 

「カズマがお風呂に入りたいといい、私もそれに了承しました。その際にダクネスに打ち明けることも考えましたが・・・、ダクネスの気持ちを考えたのと、私の嫉妬心で言えませんでした。本当に申し訳ありません」

 

そもそもみんなに内緒で、てのを言い出したのは俺の方だったはずだ。

めぐみんはそのことを言及せずに、自分ひとりが悪い方向にかばいたててくれた。

本当に頭が下がる。

 

「あ、いや!めぐみんそんなに謝らないでくれ!確かに私のことを考えるなら秘密にしていた方が良かったと思う。自分で言うのは何だが、私は・・・面倒くさい女だからな」

 

めぐみんが頭を下げてまで謝罪したのを見てダクネスは慌てた様子でめぐみんの肩に手をかけ、謝らせるのを止めると、はにかんで笑った。

 

「原因はそこの男が女と風呂に入りたいと言い出したからだしな」

 

あ、あれ?何だか雲行きが・・・

 

「まぁ、確かにそうですね」

 

めぐみんも笑いながらそう同意した。

おい!

 

「ちょっと待て!俺を貶めるという安易な解決策を選ぶんじゃない!」

 

俺の抗議を無視してダクネスが話を続ける。

 

「というか、二人はどうして当たり前のように風呂に入る仲になったのだ?この間までは、こう、一線を越えそうで越えないギリギリの間柄で、私にも付け入る隙がありそうだったのに・・・」

「む、この娘はそんなことを考えていたのですね!甘い顔をすればすぐにこれです!」

 

めぐみんがダクネスの胸倉をつかんでがくがくと揺らす。

 

「ち、ちがー!私は振られた身として潔く身を引くが、あわよくば後釜に座ろうとしただけで・・・」

「全然潔くないじゃないですか!私たちの仲は盤石なので後釜になんて座らせませんよ!」

「なぁ、もう面倒になってきたし3人で仲良く風呂に入ればいいんじゃないか?」

「カズマは黙っていてください!」

「・・・それは名案かもしれないな」

「ダクネスも同意しないでください!本気で怒りますよ!」

 

何の話をしていたか分からなくなってきたな。

というかもう終わりでいいんじゃないか?

 

しばらくぎゃあぎゃあと騒いでいたが、怒りつかれたのか、はぁと溜息をついてめぐみんがソファーに座った。

 

「それで、どうしてお風呂に一緒に入るようになったか、でしたっけ?」

 

めぐみんが疲れたような声で話を再開した。

そういえばそんな話だった気もする。

ダクネスはめぐみんの剣幕に圧倒されたのか、こくこくと頷きだけを返した。

どっちが年上か分かったもんじゃないな。

 

「話してもいいのですが・・・。カズマ、ダクネスにカードのことを話してもいいですか?」

 

めぐみんが「お願いカード」のことをバラして良いか確認してくる。

ダクネスは「カード?」と不思議がっている。

 

「俺は別にかまわないぞ。ここまで来たら隠す方が難しいし」

 

俺の了承を受け、めぐみんは「お願いカード」のことをダクネスに説明した。

 

俺が「お願いカード」なるものを作ったことを。

それは相手にお願いが出来るカードであることを。

2枚目のお願いで「お風呂に一緒に入る」を俺がお願いし、その後の流れで極力一緒に風呂に入ろうと約束したことを語った。

 

「つまりめぐみんはそのカードによって無理やり風呂に同伴させられたということか!?この鬼畜男め!私にも卑猥なお願いをしろ!いやして下さい!」

「黙れ変態。そんなんじゃない。カードのお願いは本当に嫌なことは出来ないようになっているから無理やりじゃなく合意の上の行為だ」

「同伴とか無理やりだとか合意だとか、卑猥な感じに言うのは止めてもらいたいのですが!」

 

めぐみんの説明に勘違いした変態が何か言っているがカードはもう3枚使って後2枚だ。

ここまで来たのだから途中でやめるという選択肢はない。

 

「さっきの風呂だって3枚目のカードを使って汗をかいたから一緒に入っただけで、何もやましいことはないぞ」

 

俺はそう言って説明を終了しようとしたのだが・・・

 

「汗をかいた?おい、いったいどんな願いごとをしたのだ!汗をかくようなこととは一体ナニをした!?」

 

まずったぁぁー!余計な事を言っちまったー!

めぐみんの方を見るとやれやれと呆れている感じだ。

 

「な、何もやましいことはしていないと言ったろ。一緒に爆裂散歩に行った後にデートして、部屋でゲームをしただけだって!なあ?めぐみん」

「まあ、間違いではありません」

 

おい!なんでそんな含みのある言い方をするんだこいつは!

 

「今のめぐみんの言い方で何もないはずがないだろう!言え、今までのカードの願いごとの詳細と汗をかくようなこととは何なのかをな!」

 

汗をかいた理由を話したら本気で怒られそうなので、俺は今までのカードの願いごとを正直にしゃべった。

俺の1枚目が「ハグがしたい」でめぐみんが「好きな所を言う」

2枚目が「風呂に入りたい」で「毎日ハグ」

3枚目がさっきも言ったように「家でゲーム」と「デート」だ。

 

「毎日ハグ」のところでダクネスはめぐみんの方をバッと振り返ったが、めぐみんはふいっと視線をそらした。

貴族はチート日本人と関わりが深くなりやすいからか、ダクネスはハグが何だか知っているみたいだった。

 

「・・・なんだそれは。なんだそのただれた生活は!毎日ハグだと!?じゃあ何か、もう何日も前から毎日ハグをしていたということか!けしからん!でも羨ましい!」

 

ダクネスは怒っているのか、羨ましがっているのか分からないことを叫んだ。

いや、これは羨ましくてしょうがない感じだな。

 

「まぁそんな感じで俺達は着実にステップアップしている訳だ。カードは残り2枚だからここで止めるつもりはない。邪魔するなよ」

 

俺にはっきりと言われてしまったからか、ダクネスは「うぐっ」とうめき、それ以上文句は言ってこなかった。

 

「・・・分かった。お前たちは好き同士なのだし私はこれ以上とやかく言わないようにする。ただし!節度をもった付き合いをするように!」

 

ダクネスは年上としての矜持なのか、まるで父親みたいなことを言って話を終わりにした。

 

「えぇ分かっていますよ。この男が暴走しないように私も注意しますから大丈夫ですよ」

 

ダクネスを安心させるように優しく微笑むめぐみんに、ダクネスが「頼んだぞ…!」

とすがるように頷いている。

いや、暴走することに関してめぐみんに何か言われたくないのだが。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

話もひと段落して、夕飯のメニューを考えることになったのだが、「それで…汗をかくようなこととは一体…」と小さく聞いてくる。

しつこいぞ変態令嬢。

 

そんなやり取りをしていると玄関の扉が勢いよく開き、一番の問題児が飛び込んできた。

 

「大変よ大変!今そこですっごい噂を聞いちゃったのよ!」

 

アクアがまくしたてる様な勢いでそう叫びながら現れた。

もう嫌な予感しかしない。

 

「噂?とうとう国がアクシズ教の弾圧に乗り出したっていうやつか?」

「ちっがうわよ!え!?ていうか何その話!初耳なんですけど!?」

 

俺の嘘に顔面を蒼白にするアクア。

 

「分かりにくい嘘を付くなカズマ。それで、噂とは一体なんなのだ?」

 

嘘と気づいたアクアが俺の胸倉をつかんで暴れて来る。

いいからさっさと噂の詳細を言え!

 

「ギルドを中心として広まった噂らしいんだけど、何でも男が小さい女の子に愛の告白をして、あまつさえその女の子を抱きかかえて拉致・誘拐したらしいの!しかもその男ってのがカズマさんだって話よ!」

 

なんだその根も葉もない噂は!!

俺の憤りに気付かないのか、アクアは噂の内容を語って見せたあと、自信満々な表情でこう言った。

 

「私も付いて行ってあげるから一緒にごめんなさいしましょ!」

「くそったりゃあああああああ!」

 

俺はねつ造を広めたギルドにカチコミを仕掛けるため、屋敷を飛び出していた。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「誰だーッ!あんなほとんど嘘の噂を広めた奴はッ!でてこいはっ倒してやる!!」

 

ギルドに付くと夕飯時ということもあり、あちこちで騒ぎながら飲み会が始まっていた。

 

「お!噂をすれば何とやらだな!みんな!カズマが来たぞ!」

 

俺の姿を確認した冒険者の一人が他の連中に大声で俺の登場を叫ぶ。

すると、あちこちから「待ってたぜカズマ!」だの「やるじゃないか!」だの「めぐみんとどこまでいったのか教えなさいよ!」と言った声があがった。

 

そこからは怒涛の展開だった。

怒り心頭の俺に対して周りの連中は酔っ払いだ。

話しにならないどころか、俺が何か言うたびに「まま、呑め呑め、話はそれからだ」と酒を勧められ駆け付け3杯どころか、かなりの量のアルコールを身体に入れられてしまった。

さらに、めぐみんとの関係の進捗を聞き出そうと女冒険者たちが集まってきて、俺が返答を渋るとまた酒を注がれてしまった。

 

そんなこんなで俺はギルドに到着してものの30分でへべれけになってしまったのだ。

 

そこへアクアとダクネスが到着し、アクアはギルド全体を巻き込んだ飲み会に自慢の宴会芸を披露し喝采を浴び、ダクネスは俺から目ぼしい話を聞いた女連中に囲まれて、俺を落とす作戦会議と称して弄られまくっていた。

 

そしてアクアとダクネスに遅れて、最後にめぐみんが登場したことで、場の盛り上がりが一段と大きくなった。

 

「みんな!めぐみんも来たぞー!おい、カズマ結婚式はいつやるんだ!?」

 

めぐみんは予想以上の盛り上がりを見せるギルドに驚いているようだった。

あ~、そんな顔も可愛いなー。

 

「結婚はまだはやいって・・・。でも、子どもはいっぱい欲しいなぁ」

 

俺のそんな言葉にやいのやいの囃し立てる面々。

普段じゃ絶対言わないような俺の発言に、めぐみんは戸惑いの表情を浮かべた。

 

「カズマ!?どうしたのです!?・・・って、これは相当呑まされましたね、大丈夫ですか?」

「だいじょうぶじゃないけど、めぐみんが10人に増えてくれたから大丈夫!」

「それ全然大丈夫じゃないですよね!?」

 

ふらふらの俺を支えるように肩を貸すめぐみん。

だが、酒の席で話題の2人が揃って立ち上がったことで、一段と注目を集めてしまったようだ。

 

「どうした!何か言いたい事でもあんのかカズマ!」

 

近くの冒険者が立ち上がった俺にでけー声で呼びかける。

言いたい事?いいたいこと・・・

何かあった気もするしない気もする。あたまが回らない。

なんかもう考えないで思った事を言えばいいか。

 

「めぐみんは、可愛いなぁ」

「そこで惚気かよ!」

 

俺の発言にギルド内がドッと沸きあがる。

 

「それでぇ、抱きしめると柔らかくていい匂いがするんだ」

 

周りからは「いいぞ~!」と声があがる。

俺が何か言うたびに周りが反応することが楽しくなってくる。

隣のめぐみんを見ると、酒も呑んでいないってのに顔を真っ赤にしてうつむいてしまっていた。

そんなめぐみんの姿を見ていると、俺の言いたい事ってのはめぐみんのことの様な気がしてきた。

いやそうだ!俺はめぐみんに何か言おうとしていたんだろう、多分。

 

謎の確信と共に俺はめぐみんの支えを外し、自分の力で立つと、めぐみんに向き直った。

 

「カズマ?」

 

支えを振り切り、自分の方を見る俺を不思議に思ったのだろう。めぐみんが俺の名前を呼ぶ。それだけで何だか無敵になったような気がしてくる。いや、今の俺は無敵だ。

 

「めぐみん!大好きだ!ずっと傍にいてくれ!」

 

めぐみんを見ていると湧き上がってくる苦しくて切なくて、それでいて愛おしい無限の気持ち。

この気持ちが愛なのかと思うと、胸の奥にすとんと腑に落ちた。

そうか!これが愛なんだ!

 

俺の突然の告白に周りの連中がヒューヒューとはやし立ててくる。

でも俺は気にならない。めぐみんだけを見ていたからだ。

 

「か、カズマ大丈夫・・ではないのは知っていますが大丈夫ですか!?明日しらふに戻った時に後悔するカズマの姿が目に浮かぶのですが」

「大丈夫。俺は酔ってない」

「それ、酔っ払いの常套句ですからね!?」

 

こんな場所で告白を受けためぐみんは戸惑っているようだった。

それでも俺の言葉に嘘が無い事は分かっているのか、しょうがない人ですねと呟きながらも嬉しそうな顔を浮かべ、俺の気持ちに応えてくれた。

 

「私も、カズマのことが大好きですよ!言われなくともずっと傍にいます」

 

酔っていないめぐみんまでも愛の告白をしたことで、おおおお!という地鳴りのような雄叫びがこだました。

そしてその声に呼応するように、めぐみんは両手を広げて微笑んだ。

最近お馴染みのハグのポーズだ。

 

俺はもう我慢できないとばかりに、めぐみんに飛びつくと、きつくきつく抱きしめた。

 

「あぁ、めぐみん!好きだ!大好きだ!」

「はい、私も大好きですよカズマ!」

 

俺達の熱い抱擁にギルド内は今日一番の歓声と拍手に見舞われた。

 

「そこまで言うならやることやれー!キスだキス!」

 

当然の流れだと言わんばかりに誰かが声をあげると、そうだそうだと周りも同調しいつのまにかギルド内には大きなキスコールが響いていた。

 

めぐみんはそんなキスコールにビクついていたが、俺の顔を見て意を決したのか、恥ずかしそうな顔をしながら目を閉じ顎を上げた。

めぐみんのキス待ち顔は可愛いなぁ!

 

俺はそれに合わせてめぐみんの肩を掴む。

掴んだ瞬間にめぐみんの身体が硬くなるのを感じた。

そして、俺は周りのみんなに聞こえるようにきっぱり宣言した。

 

「いや、俺はこんな場所で無理やりキスなんかしないぞ。ダクネスと違ってなぁ!!」

 

いきなり話を振られたダクネスは―――女冒険者に囲まれながら俺達の様子を涙目で見ていたダクネスは「私!?」と叫んだ。叫んでしまった。

その様子に冒険者連中の次のターゲットが決まったようだ。

 

「おいララティーナ!お前カズマに無理やりキスしたのか!?」

「ちょっとララティーナちゃん私初耳なんだけど!詳しく説明してよ!」

「う、うるさい!ララティーナと呼ぶなッ!!」

 

冒険者連中にもみくちゃにされ顔を真っ赤にしながら反論していくダクネス。

 

「でもよ、カズマにはめぐみんがくっ付いた訳だし、ダクネスに勝ち目はなくないか?」

「まあダクネスの奴は腹筋が割れてるらしいし、しょうがない話だろ」

 

野次とは違った冒険者同士の会話にダクネスがぴくりと反応する。

 

「つまりはダクネスは貴族だけどバツイチで腹筋割れてて、さらには負け犬ってことか?」

「そいつはいい、じゃあこれからはこう呼ばないとな!」

 

「「「負けネス」」」

 

その発言にダクネスが切れた。

 

「お前ら貴族を愚弄しおって!!そこになおれ!ぶっ殺してやる!!」

 

ダクネスが馬鹿にした冒険者に向かって突撃し必殺のアイアンクローで締め上げる。

さらにダクネスが無理やり突進したことで関係ない冒険者同士がぶつかりあったりして、あちこちで喧嘩騒ぎとなった。

 

そんな様子を見ていた空気を読めない人物が一人。

 

「みんなしてカズマやめぐみんやダクネスばっかり注目してずるいわ!私のとっておきの宴会芸を見なさい!」

 

そう言ってアクアが披露したのは、何もないところからまさかの初心者殺しを出すという宴会芸だった。

 

突如として現れた初心者殺しにパニックになるギルド内。

酔っているとはいえ冒険者が揃っていたので辛うじて被害はなく、みんなで協力して討伐できたのだが、この騒ぎにギルド職員がぶち切れ。

本日の飲み会は解散。冒険者たちは全員叩きだされることとなった。

 

「私は悪くないのにぃぃぃぃぃ!!!あああああああ!!ぶああああああ!!!」

追い出されたことで冒険者連中に責められて、大声で泣くアクア。

どう考えてもお前が悪い。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

屋敷への帰り道。

いまだ足がふらつく俺はもちろん、ダクネスやアクアも限界まで呑まされていた。

めぐみんは呑む前に解散となったのだが、一人で三人を運べるわけもなく、俺達は互いの肩を貸しつ借りつつ、横並びになって歩いていた。

アクアに至っては呑んだ後に泣いて疲れたためか、半分寝たような足取りだ。

 

「うぅ、私もカズマの隣がいい!」

 

ダクネスも相当呑まされたようだ。

普段なら口にしないようなことを涙声で平気で言ってくる。

こいつも怒ったり泣いたりと忙しい奴だな。

 

「しょうがないじゃないですか、まともに歩けるのは私とダクネスだけなんですから」

 

俺達4人の中で俺とアクアは一人では立ち上がることも出来ない状態だった。辛うじてダクネスは歩けるが情緒不安定。

そのため左からアクア・ダクネス・めぐみん・俺と歩ける二人を中央に配置したのだが、その配置にダクネスが泣いて駄々をこねたのだった。

 

「それに聞いたぞ?めぐみんは昼間カズマにお姫様抱っこされたって!ずるいずるい!」

「いや、あれはその・・・。それにしてもお姫様抱っことはいいものですね」

「あぁ・・・あれはいいものだったなぁ・・・」

 

ダクネスは怒っていたはずなのに、ぽわぽわとした口調でお姫様抱っこのことを思いだしているようだ。

普通に歩いてしゃべっているから忘れがちだが、こいつも相当呑まされたんだっけ。

 

そして、俺はと言うと。

 

「ん~めぐみん。めぐみ~ん好きだぁ」

 

めぐみんに肩を支えられながら幸せな夢を見ていた。何だかめぐみんがいっぱいいる感じだ。

 

「カズマは泥酔状態になると素直になるんですね。いい事を知りました。」

 

そう言うと、「ふふ」と笑いながら俺に回している手でぽんぽんと叩いてくれた。

 

その後はあんまり覚えていない。

色々とぎりぎりだった俺達は風呂も入らずにそれぞれの部屋に引っ込み、次の日の昼近くまで寝てしまった。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

ギルドでバカ騒ぎをした次の日。

俺はベッドの中で深い深い思考の波を漂わせていた。

人が酒を呑んで酔っ払った場合、2つの人種に別れると思う。

酔っている時の記憶忘れない人と忘れてしまう人とだ。

俺は忘れない人種だ。

だから今、俺は、地獄にいた。

 

「あああああああああああああ!!!」

 

もう何度目か分からない怨嗟の声を上げる。

頭は覚醒し、いつでも起き上がる事が出来るが、昨日の記憶の性で俺はうずくまり、いまだベットの上でじたばたしていた。

 

「なんで、俺は、よりにもよって、あんな・・・!」

 

昨日の夜の行動はあらゆる面で悪手だった。

そもそもほとぼりが冷めるまで屋敷で引きこもるはずが、怒りに任せてギルドに突撃してしまったし、何より酒の力とはいえ公衆の面前であんな告白をしてしまった。

恥ずかしい・・・!

 

うんうん唸っていると部屋のドアがノックされた。

 

「カズマ?もう起きてますか?入りますよ」

 

そう言って入室してきたのはめぐみんだ。

よりによって今一番会いたくない人物が起こしに来たようだ。

 

「あ、ああ、めぐみんおはよう。今ちょうど起きるところだったんだよ」

 

俺はなるだけいつものような対応を心掛ける。

 

「カズマ、取り繕っている所申し訳ありませんがいつもと全然違いますよ。動揺しているのが手に取るように分かります」

 

3秒で看破されてしまった。一体何が悪かったのか。

 

「その様子だと昨日のことを覚えているようですね。あれはお酒の席のことですし、気にしてもしょうがないと思いますよ」

 

そう言って慰めてくれるのは嬉しいが、恥ずかしいものは恥ずかしい。

俺が恥ずかしさに負けて顔まで毛布を引き上げて顔を隠していると、めぐみんが俺の手を引っ張ってベットから引きづり出そうとしてくる。

 

「いつまでもそうしてたって何も変わりませんよ。それよりももうお昼ですから起きて広間にいきましょう」

 

ぐいぐいと引っ張るめぐみんに根負けし、俺はしぶしぶと広間へと向かうのだった。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

めぐみんに手を引かれ部屋から広間へと歩く。

広間に入るとダクネスが腕を組んで席についていたが、アクアの姿は見えなかった。

 

「アクアなら今しがた私が起こしてきた。もう少しすれば来るだろう」

 

俺の視線で考えを読んだのか、質問する前に疑問に答えてきた。

 

「昨日の話だが」

 

めぐみんに引き続き、こいつも昨日の件を持ち出してくるのか、勘弁してほしい。

 

「昨日めぐみんに言った事は・・・本心か?」

 

思いのほか強い視線を伴った質問だった。

俺はめぐみんに引かれていた手を放し、居住まいを正した

本人の目の前で言うのはかなり恥ずかしいのだが、仕方ないな。

 

「ああ、本心だよ」

 

俺も真面目に返す。

 

「めぐみんのこと・・・愛しているのか?」

 

こいつは答えづらい事を・・・

俺はめぐみんのことをチラッと見た後

 

「あ、愛している・・・と思う」

 

ここ最近のハグで、お風呂で、そして昨日のゲームでの触れ合いで。

俺の中でのめぐみんの存在が急速に増加していることは自覚していた。

ずっと傍にいて欲しいと思ってしまう自分がいる。

昨日、俺は酒の力でそれが愛なのだと思い至ったのだが、酒が抜けた後もそれは間違いじゃないと思えていた。

 

俺の言葉にめぐみんは目を見開き驚き、心底嬉しそうに笑った。

対してダクネスはスッと下を向いた後顔を上げ「そうか」と呟いた。

 

「そういうことなら昨日も言ったが私からは何もない。めぐみん、おめでとう」

 

そう言って立ち上がり、めぐみんに笑いかけながら握手を求めた。

めぐみんも「ありがとうございます」と返しダクネスの手をぎゅっと握り笑った。

俺も関係していることだけに二人の仲がこじれなくて良かったと思う。

俺だって1人じゃなく4人でやってきたという思いがある。自分の性でパーティの関係が崩れるのは嫌だ。

 

「それで、相談なのだが4枚目のカードのお願いはめぐみんの部屋でしてくれないか?」

「え?なんで?」

 

それまでの硬い雰囲気を崩すようにダクネスが笑いながらそう提案してきたのだが、なんでめぐみんの部屋でお願いを実行することに繋がるのか。

 

「お前達のことは口出ししないと言ったが、若い二人が快楽に身を焦がし転落していくのは想像に難くない」

「いや、お前何言ってんの」

「めぐみんの部屋は私の部屋の隣だ。二人が過ちを犯さないよう、隣で待機したいと思うのだが!」

 

先程の凛とした様子とは全く真逆の、はぁはぁと息も熱くとろけた表情で熱弁するダクネス。

というかこれって

 

「お前はただ俺とめぐみんのいちゃいちゃをオカズにオ○ニーしたいだけだろ」

 

そういうことだろ。

俺の指摘にダクネスはくわっと目を見開き反論した。

 

「ああそうだ!私はどうせお前に振られた身!ならばお前とめぐみんの情事を盗み聞きしてオナったっていいじゃないか!」

「いいわけあるか!!何開き直ってんだよこの色情魔!!」

「ダクネス・・・流石にそれはドン引きですよ・・・」

 

ダクネスの変態っぷりにめぐみんはその場から1歩後ずさる。

だが、ダクネスは止まらない。

 

「なあいいじゃないか声を聴かれるくらい。私だって何度夜這いをかけようと思い、その度に我慢して一人でオ○ニーしてきたことか。その想いに報いたって罰は当たらないはずだ!」

「何が想いに報いるだ!夜這いは普通に犯罪だからな!独りでオナってろ変態め!」

「めぐみんだって隣に聞き耳を立てられて、聞こえないように声を我慢しながらする行為を想像してみろ!興奮するんじゃないか!?」

「年がら年中発情してオ○ニーしまくってるダクネスじゃないんですからそんなことある訳ないでしょうが!」

 

めぐみんの方に向き直ってさらなるダメ発言を重ねる。

というか、みんなして大声でオ○ニーオ○ニー言い過ぎだ。

こんな所にアクアがきたら

 

「さすがの私も真昼間から大声でオ○ニー発言はどうかと思うのよ」

 

広間に現れたアクアに珍しく正論を付かれ、俺達は全員でDO・GE・ZAしたのだった。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「正直に言うと二人の男選びのセンスって最悪だと思うの」

 

アクアが俺の作ったシジミのボンゴレパスタをすすりながらそんなことを言い出した。

二日酔いにはシジミが良いと聞いたので、今日の昼食はシジミの味噌汁にシジミのボンゴレパスタと和洋折衷だ。

ちなみにこのシジミは八百屋さんで買ってきた物でお値段もリーズナブルだ。

 

「お前、あり合わせの食材でこんな美味しい料理を作れる俺をダメンズ呼ばわりか?」

「それはそれ、これはこれよね」

 

そう言いながらアクアはパスタをもりもりと食べていく。

アクアにとって料理の腕前と男の魅力は直結しないようだ。

 

「まあ、確かに自分でもそう思う時はありますね」

「私もだ」

 

あ、あれ?

 

「俺ってば普段はものぐさだけどいざという時は頼りになり、経済力もあって料理も上手い、顔だってフツメンの割と優良物件だと思ってたんだが?」

「そういう自分の評価を客観的に観れない男ってどうかと思うのよ」

 

アクアが俺の自己評価をふふんと鼻で笑う。

このクソ女神め。

 

「カズマは長所の前に欠点が強烈すぎますからね。でも、そんな男を好きになるのは私達のような変な女だけでいいですしね」

「わ、私はこの中ではまともな方だと思うのだが・・・」

「まともな女は大声でオ○ニー発言はしないぞ」

 

俺の指摘にダクネスは「あれは私もどうかしていただけだ・・・」と小さくなった。つまり毎日どうかしている訳だな。

 

「そもそもアクアはどんな男の人が好みなのですか?あんまりアクアのそういう話は聞いたことがありませんが」

「それは私も気になるな。私たちの男の趣味は悪いがアクアはどんな感じなのだ?」

 

ナチュラルに俺へのディスを挟むんじゃない。

 

「良く聞いてくれたわね!そこまで言うなら話してあげるわ!まず、私に献身的に尽くそうという心構えがないといけないわね!私の命令には嫌な顔ひとつしないし、私がしたいことを事前に察してくれるような空気の読める人がいいわ。そして、私のことを徹底的に甘やかしてくれる人なら最高ね」

 

この世界の水の女神さまはそんなことをのたまった。

 

「・・・それって、アクアの信者であって好きな人ではないですよね。人物像としてはカズマと正反対の人ですね」

 

めぐみんが至極まっとうな意見を言う。

俺は甘やかさないし空気なんて読んでやらないしな。

 

「そもそもアクアは誰かを好きになったことがあるのか?」

 

ダクネスがアクアの恋バナを聞いてくる。

 

「恋?誰か個人を好きになるとかってこと?それって人の身に宿る感情よね?神たる私には縁遠い感情ね。もちろん長く接しているめぐみんやダクネスやこの街の人達は好きよ」

 

そんな事を言い放った。

めぐみんやダクネスはまーた始まったといった感じで呆れた感じだ。

神ならシジミの貝柱まで食べつくそうと貝にむしゃぶりつくのをやめろっての。

 

「というか、誰かに恋するってどんな感じなの?」

 

アクアのそんな質問にめぐみんとダクネスは顔を見合わせた。

 

「・・・私の場合はいつもその人のことを考えてしまうような状態でしょうか。後は不意に気付いたら目で追ってしまったり、その人のことを深く知りたいと思うような感情ですかね」

「私の場合は無意識に本当の自分をさらけ出してしまうことだな。どれだけ取り繕っても隠せない、そいつの前だと本当の自分を見せたくなる、そんな感情だ」

 

そう言って二人は俺の顔をみて笑いかけてきた。

え、何これなんて羞恥プレイ。

 

「ふーん、あんまり良く分からないわね」

 

アクアにはピンと来なかったようだ。それもそうだ、こんなもの自分でその状態にならなきゃ分かりっこないしな。

 

「一言で言うなら「恋しい」でしょうか。まるで望郷のように相手のことを想ってしまう感情でしょう」

 

最後にそうまとめためぐみんの発言に

 

「望郷・・・」

 

アクアは珍しく真面目な顔でつぶやいたのだった。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

昼食も食べ終わった昼過ぎ。

さて、何をするかなと思っていたところでダクネスが話しかけてきた。

 

「それで、さっきのお願いカードの4枚目は今日するのか?」

 

どこか期待したような声色だ。

 

「期待しているところ悪いがお前に盗聴された状態でのお願いとか嫌だぞ。それに昨日はばたばたしてたから、今日はカードを使わずにゆっくり過ごそうと思ってたところだし」

「そんな!午後の私の楽しみはどうなってしまうのだ!?」

 

どんだけオ○ニーに命かけてるんだこいつは。

 

「それに明日だと父に呼び出されている性であまり屋敷にいられなさそうなのだ!つまり盗聴できるのも今日だけの話だ!なあカズマ後生だと思って今日やってくれないか?」

 

何だかものすごい勢いで懇願してくるが、話の内容はオ○ニーの手伝いをしてくれという下らないものだ。

 

「あのなぁ・・・」

「私は構いませんよ」

 

皿洗いを済ませためぐみんが台所から姿を現して、そんな事を言い出した。

 

「ダクネスは隣の部屋で聞き耳を立てるだけで、部屋の様子を覗いたり乱入して来たりはしないんですよね?」

「ああもちろんだ!二人のプライバシーを侵害したりはしないぞ!」

 

盗聴は十分なプライバシー侵害だっての。

 

「ならば私は構いません。私の願いは声が出る様なものではないですし、ちょっと試してみたい事もありますし」

「まぁ・・めぐみんが良いって言うならいいけど」

 

俺達の了承が得られたからか、ダクネスがパァッと明るい表情を見せた。

その表情を見てふと思った。

もしかしたらダクネスは色々踏ん切りを付けるためにこんなことを言い出したのかもしれないな、と。

 

「だけど俺の願いは・・・声が出るかもしれないぞ。めぐみん次第だけど」

 

俺はニヤニヤしながらめぐみんに語りかける。

 

「一体どんなお願いなんですか、まったく。しょうがない人ですね」

 

言葉とは裏腹にやれやれと優しく笑いかけて来るめぐみん。

 

「・・・そう二人だけの雰囲気を出されてしまうと疎外感が半端ないのだが」

 

ダクネスがぽつりとつぶやいた。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

4枚目のお願いを実行するためにめぐみんの部屋に入る。

同時にダクネスが自分の部屋に入っていった。

了承はしたものの、やっぱりなんか緊張するな。

 

「なんだか、いつもと違って、緊張しますね」

 

めぐみんも同じみたいで、身も声も硬くしながらそんな事を言ってきた。

こんな雰囲気で今迄みたいにいちゃいちゃ出来るのだろうか。

不安になって来たな。

 

というかこの部屋の壁はどのくらいの厚さなんだ?

それによっては何か対策を考えないといけないだろうな。

 

「おい、ダクネス聞こえてるか!」

『・・・・・・・・・・・』

 

俺が少し大きめの声を掛けるが反応はない。

 

「おい、負けネス!」

『その呼び名はやめろ!』

 

ドンっと壁が叩かれる音とともにダクネスの抗議が聞こえてきた。

やっぱ聞こえてんじゃねーか。

 

「ダクネスの声の返り方的には大きめの声だとダメだけど、普通に会話する分には問題ないみたいだな」

 

実際、今の俺の発言はダクネスに聞こえてないようだった。

それを聞いためぐみんは安堵の溜息をついた。

 

「全ての会話が聞かれてたら流石に遠慮するところでした。でもまぁ、それなら許容範囲内です。ダクネスも何か区切りを付けたかったのでしょう」

 

いくら変態のダクネスとはいえ、仲間のプライベートに踏み込んだような要望はらしくない。

めぐみんも俺と同じく、この行為はダクネスの中で何かの区切りであると思ったようだ。

 

・・・ダクネスは意外と寂しがり屋だから、俺達二人だけで何かするのに混ぜてもらいたかっただけかもしれないが。

そんなことを考えていると、めぐみんが両手を広げてハグのポーズを取った。

 

「ダクネスに聞かれてるかもしれませんし、密着しながらカードの内容を見せあいましょう。構いませんか?」

 

めぐみんとのハグならいつだって構うもんか。

俺は返事の代わりにめぐみんを抱きしめることで肯定した。

 

「・・・実を言うと、昨日の夜からこうしたくて仕方ありませんでした。あんな情熱的な告白。普段のカズマじゃ中々してくれないでしょうからね」

 

そう言って俺の胸の中で幸せそうに笑うめぐみん。

 

「そ、そうか」

「そうです」

 

恥ずかしさの性でそっけない返事になってしまったが、めぐみんは分かっているとばかりに頭を擦りつけた。

 

「そんな私のお願い事は、これです」

 

めぐみんが俺の胸から頭を離し、俺の目の前にカードを掲げてきた。

 

「動かないでください」

 

そこにはそう書かれていた。

 

「?なんだこの願い?動かなければいいのか?」

 

あまりに抽象的な願いに、俺は疑問を投げかけた。

 

「最初は「甘えさせてください」と書こうと思っていたのですが、試したい事と、ダクネスが聞いているということで変更しました」

 

めぐみん曰く、このカードは魔道具としての保有魔力に対して効果が小さい、とのことだった。

嫌な願いごとの場合は破棄される。そういう機能があるが、それにかかる魔力よりも圧倒的に多いのだそうだ。

そこで考えたのが、このカードにはお願いを「強制」する力があるのかもしれない。

今までは両者共にお願いに反抗せずに実行して来たから効果が出なかったが、お願いに抵抗した場合、何かしらの効果が表れるのかもしれない、そう説明してきた。

 

「ですから、今からカズマは何でもいいですから動いてみてください。私はそれに対して動かないでくださいと言ってみます」

「分かった」

 

俺はめぐみんの提案に乗る事にした。

俺も制作者の一人だが、実際に作ったのはバニルだ。俺はアイディアを出しただけにすぎず、このカードの機能全部を把握しているわけじゃないからな。

 

「うおおお!めぐみーん!」

 

俺はめぐみんから距離を取った後、めぐみんに抱き着こうと飛びかかった。

 

「動かないでください!」

 

めぐみんが力強く俺に命令する。

すると、俺の身体は途中で固まり、全く動けなくなってしまった。

 

『え、どうしためぐみん!?』

 

いきなり俺の声とめぐみんの拒絶の声が聞こえたのか、隣の部屋のダクネスが心配そうな声をかけて来る。

 

「なんでもないですよダクネス。大丈夫です」

『なぁ、いつになったら濡れ場になるんだ?あんまり長いようだと風邪を引いてしまうのだが』

「今は私の番ですから濡れ場なんて起きませんよ!!それに服は着てください!!」

 

隣の痴女は全裸待機していたようだ。

ダクネスの親っさん。娘さんは今日も元気です。

 

「と、どんな感じですか?カズマ」

 

めぐみんが俺の横に付き質問してくる。

俺は「身体が全く動かないぞ」と答えようとするが、身体が動かないのでそもそも声も出せない。というかこれ、呼吸とか心臓とかどうなってんだ!?意識はあるし目も見えてるが・・・

 

「え?あれ?カズマ?・・・カズマ!?息してません!カズマ!カズマ動いてください!!」

 

めぐみんの「動いて」に反応したのか、俺の身体が再び動き出す。

めぐみんに抱き着こうと動いていたが、止まっている間にめぐみんが移動したために俺の体は空を切り、たたらを踏んでしまった。

 

「か、カズマ大丈夫ですか!?何か体に異常とかありますか!?」

「ああ・・大丈夫だよ」

 

俺を心配するめぐみん。

そりゃそうだ。動くな、と言われて文字通り微動だにしなかったら驚くし、呼吸も止まってたら心配もする。

 

「それは良かったです・・・。それにしてもここまで強力だとは。まさか時間停止の効果が発動するとは」

 

めぐみんがそう呟いたのだが・・・時間停止だって?

めぐみんは俺が息もしてなかったし、解除後にそのまま突進したことから時間停止と勘違いしたようだが、意識はあるし目も見えていたから時間停止とはまた違うと思うんだよな。

・・・あ、いやでも、これはこれで面白いことが出来そうだ。

 

「それで、カズマは停止している時はどんな感じでしたか?」

 

ここだ。

一世一代のブラフの吐きどころは!

 

「いや、どんな感じも何も。気づいたらめぐみんが瞬間移動しててびっくりしたよ」

 

俺はなるだけ自然にそう答えた。

めぐみんはさっきの現象を時間停止だと思っている。

ならばそう信じさせてみた方が楽しげなことになりそうだと踏んだ。

 

俺の返答にめぐみんは「ふむ」とうなずくと、あごに手を当て考え込む様に下を向いた。

こいつは朝の時も俺の演技を見破ったし、このままでは今の嘘もバレるかもしれない。

畳み掛けるぞ。

 

「時間停止と言えば、俺の国には時間停止を題材にした作品がいくつもあるぞ」

 

俺はめぐみんにこれ以上考察させないため、無理やり話題を変えた。

 

「カズマの国の話ですか。時間停止などかなり稀有な事象ですがいくつも作品があるとは驚きです」

 

めぐみんが俺の国のことということで、思惑通りに話に食いついた。

 

「まず、共通しているのが時間停止をされている物や人物には直接的な被害はないことだな。時間停止を解くと問題なく動きを再開する」

「先程のカズマと同じですね」

 

「次に、時間停止中に衝撃なんかを加えると解除後にまとめて力が発揮される」

「ということは、時間停止中は状態が維持され、解除後に変化をまとめて受けるということですね」

 

「そして最後に、停止中に感じた感覚・・・快感なんかは解除後にまとめて爆発する。俺の国では時間停止エロという一大ジャンルになっている」

「なっ!?」

 

俺の説明にめぐみんは素っ頓狂な声を上げた。

 

「つまり、時間停止中の俺にめぐみんが何かエロいことをした場合、解除後の俺はその快楽をまとめて受けることになる。後は言わなくても分かるな?」

「何にも分かりませんよ!やりません!やりませんからね!」

『なんだ!?何をヤルんだ!?もっと大きな声で説明してくれ!!』

「壁越しに会話に参加しないでください!!」

 

めぐみんが本来の意味で壁ドンして怒鳴りつける。

 

「もちろん時間停止中のことなんで俺は分からない。めぐみんの好きなように俺を弄ったっていいんだ。それこそ人目を気にせずな」

 

人目をきにしなくていい、という俺の言葉にめぐみんは心惹かれているのか、ぴくぴくと反応している。

確かに人目はない。俺は見ているけどな。

 

「・・・そもそもの私の願いは甘えさせてください、ですからね。時間停止中にカズマに甘えれば本来の目的を達成することができます」

 

俺に説明しているというよりも、自分に言い聞かせているように聞こえるな。

 

「いいでしょう。珍しい現象ですし楽しまないのは損です。時間停止中にカズマに甘えることにします」

「ああ、くれぐれも大事に扱ってくれよ。俺は知覚出来ないんだから」

 

これは面白いことになった。

誰も見ていない状態でめぐみんは俺にどんなことをするのか。むっつり気質なめぐみんのやることだ、楽しみでしょうがない。

 

「そ、それではカズマ、今から停めますから楽な姿勢になってください」

「立ったままでいいのか?寝てた方が解除後に反動が無くていいと思うんだが?」

 

めぐみんは少し考えたあとに「そうですね」と同意した。

 

めぐみんのベットに横たわる。

全身にめぐみんの匂いに包まれて、これならもし寝ることになっても安眠できそうだ。

 

「それではいきますよ。停まってください!」

 

めぐみんがそう宣言すると俺はビシッと固まってしまう。

だが、先ほどと同じく意識ははっきりしているし視界も良好だ。

 

俺が固まったのを確認するためか、めぐみんが四つん這いになって俺の顔を覗き込んできた。

 

「カズマ?停まってますかぁ・・・?」

 

恐る恐るといった様子でめぐみんが俺の顔の前で手を振っている。

停まっているが意識ははっきりですよ~。

 

「停まって、いるようですね・・・」

 

めぐみんがゴクリと生唾を飲む。

そして右を見て、左を見て、ベットから立ち上がって壁に耳を当て隣の様子を確認する。

 

『・・・・・・・・・・・・・・』

 

停まるよう宣言した時以外はさほど大きな声は出していない。

ダクネスもこちらの様子は分からないだろう。

 

めぐみんはダクネスが大人しいことを確認すると、とたとたとベットの傍まで戻ってきた。

 

「誰も、いません、よね?ふふ・・・」

 

口の端を上げて不敵に笑っている。

もうめぐみんの行動を邪魔する奴はいない。さぁめぐみんは何をするんだ?

 

そう思っているとめぐみんがぴょんと飛んでベットにダイブする。

具体的にはベットに横たわる俺に。

 

どすっ

めぐみんは小柄で華奢だが羽ではない。人として当たり前の重さがある。

そんな物が振ってくればかなりの衝撃を受けるのは必至だ。

 

ぐへぇっ!

 

声が出ないが痛みや衝撃はそのままのようで、俺は頭の中で身悶えた。

何しやがる。

 

「ふふ・・えへへ・・・カズマぁ・・カズマぁ・・・」

 

めぐみんは俺の身体に全身を絡めて、だらしない笑みを浮かべながらすり寄っていた。

「ん~」と言いながら普段のハグの時と同じく頭を擦りつけたり、手を動かし俺の胸や腹なんかを撫でたり、俺の足に足を絡めたりと全身で愛情表現をしていた。

 

誰も見ていないとめぐみんはこんな甘え方をするのか。

 

俺はめぐみんの愛情表現に我慢できなくなり、思い切り抱きしめようとするが、残念!固まっていて動けません!

・・・これって俺は生殺し状態なのでは?

 

しばらく俺を堪能しためぐみんだったか、満足したのか身体を起こした。

 

次はどうするのかと思ったら、俺の右手を持ち上げて掌を下に向けた。

めぐみんが手を離すと俺の右手は支えがないのも関わらず、空中に停止した。

 

「時間停止中は動かすとその場で静止するんですね・・・」

 

めぐみんが思わず独り言をつぶやく。

俺としては意識をもってマネキンの中に入ったような感覚だ。

 

右手を上げてどうするのか?

俺の疑問にめぐみんが答える。

めぐみんは俺の右手の下に頭を差し込み寝転がると、頭を動かした。

どうやら撫でてもらいたかったようだ。

 

「むぅ、あまり良くないですね。結構疲れますし」

 

あまりお気に召さなかったようだ。

そりゃ自分で動いたら撫でてもらってる感はないだろうな。

 

次はどうするんだ?

するとめぐみんは俺の胸やお腹を再び撫でだした。

めぐみんの小さい手に撫でられて正直くすぐったい。

というか停止中でも触覚はあるんだな。これ停止を解除したらどんな感覚になるんだ?

 

俺の疑問などつゆ知らず、めぐみんは俺の胸とお腹に夢中だ。

 

「カズマはあんまり運動していないはずなんですけど、結構胸もお腹も引き締まってるんですよね」

 

そう笑いながら撫でてくる。

これでも冒険者だからな。レベルが上がれば見た目も変わってくるし、そこらの一般人には負けないようになる。

そう独りごちしていると、ビクッと身体が震えた。

いや、身体は動かないがめぐみんの手が敏感なところに触れたのだ・・・。

 

「む、何か抵抗が・・・。あっ」

 

めぐみんは俺の乳首に手がかかったことに気付いたようだ。

最初のうちは何の抵抗もなかったはずなのに、撫でられているうちに血行がよくなったのか、しこりとなって自己主張してきたのだ。

 

「時間停止中のはずなのですが・・・体の変化は反映されるのですか・・?」

 

いや、俺が聞きたい。

どうなんだそこんとこ。

あ、でもチ○コとか勃起したらそのまんまになる作品を観た事あるし、多分都合のいい感じになってるのだろう。

というかこの時間停止って俺の知識というか願望が反映されている気がするのだが、意外とそれが正解なのかも?

俺がこの状態の考察を進めている間もめぐみんは俺の乳首に興味津々だ。

 

「男の人でもここって硬くなるんですね・・・。ど、どうしましょう」

 

どうしましょうじゃない。どんどん弄ってくれ!と言えない時間停止の悲しさ。

 

「そう言えばカズマが快感はまとめて爆発すると言っていましたね・・・」

 

いいぞ!めぐみん!その方向性だ!

 

「いつもカズマには訳が分からなくされてしまいますからね・・・。これは・・・そう、仕返しです」

 

そう言うめぐみんの顔は興奮で歪んでいる。

目の前に動かない好きな人がいて、しかも性的に仕返しできるという大義名分がある。

めぐみんは「ふう・・・ふう・・・」と呼吸も激しく俺の胸に手を伸ばした。

 

さわり

 

んくっ!

予想以上の気持ちよさにそんな声が出そうになる。なるだけだが。

 

めぐみんは俺の乳首をおっかなびっくり触っていくが、そのたどたどしい手つきでも硬くなってしまった乳首への刺激としては十分だった。

 

「はは・・・すごい硬くなってきました・・・」

 

めぐみんは自分の行為で俺の身体が変化していくのが楽しいのか、びくびくしながらも手を休めずに乳首を弄っていた。

そして・・・

 

ぎゅっ

 

俺の乳首をやさしくつまんだ。

俺は電流が流れたような感覚に襲われる。

しかも今まで右手で右の乳首を弄っていただけだったのが、両手で両方の乳首をつまみ上げたのだ。

ぐぅぅぅぅ!

 

あまりの快楽に腰が浮きそうになるが動けない。

まるでロープでがんじがらめに拘束された上で悪戯されているような状態だ。

 

さらにめぐみんの責めは止まらない。

つまみ上げた状態でそのまま指を上下に動かし、乳首をしごき出したのだ。

 

俺はもう何がなんだか分からないほど感じてしまっていた。

こんな展開になればいいなと思っていたが、めぐみんの才能に完膚なきまで叩きのめされてしまった。

あ、あともう少しで何かが来る!開けてはいけない扉が!

そんな時

 

めぐみんは動きを止めた。

 

「こ、こんなものでしょうか?反応がないので分かりませんがかなり弄りましたし」

 

違う!もうちょい!もうちょっとだ!

あ、いや違う危なかった。もう少しで取り返しのつかない感じになってしまうところだった。

 

めぐみんは俺の乳首を責める事をやめると、ある一点を凝視した。

 

「そこも・・・変化するんですね・・・」

 

俺の股間は痛いくらいに勃起し、ズボンにテントを張っていた。

 

めぐみんは俺の股間を凝視しながら手を握ったり閉じたりしている。

触るかどうするか迷っているようだ。

何をしているんだ!いけ!もう何したって手遅れだよ!

 

そんな願いが通じたのか、めぐみんが俺の股間をぎゅっと握った。

うっ、ただ握られただけなのに声が出そうになった。

俺もめぐみんと同様に過敏なのだろうか。

 

「あ、熱い・・・ズボン越しだっていうのにすごく熱いです。それに予想以上に固いのですね・・・」

 

めぐみんは俺の股間を握りながら感動したように感嘆の声を上げた。

自信が付きそうな一言です。

 

めぐみんは俺の股間から一度手を離すと、再び股間に手を伸ばした。今度は竿部分ではなく頭の部分を触ろうとしている。

「はぁ…はぁ…」と息も荒く、顔も目もかつてないほど赤くなっている。

 

さわり

 

みぐみんが俺の亀頭を撫で上げる。

そのまま頭をなでるようにさわさわと刺激を与えてきた。

 

これがたまらない。

スボン越しにも関わらず腰が浮くような快感に身をよじ・・・れない。固まっているから。

 

そのまま股間へのおさわりを続けていくのかと思ったが、めぐみんがぱっと手を離した。

 

「や、やっぱりここはダメですよね!カズマだって私のあそこは触ってきませんでしたし、ルール違反です」

 

いやそんなルールを決めた覚えはない!

レフリーも見ていないのだ。いくらでも反則行為OKだぞ。

 

しかしこの思いは伝わらなかったようで、めぐみんは股間から目を離してしまった。無念。

 

俺へのおさわりは終わったようだがめぐみんの様子は変わらない。

「ふう・・ふう・・」と浅く息を吐き、傍から見ても興奮しているのが丸わかりだ。

 

そんなめぐみんの眼が射抜いたのが、先ほど頭を撫でるために持ち上げた俺の右腕だ。

時間停止中なため、持ち上げたまま空中で停止していた。

 

俺の右腕を見つめてしばし考え事をしていためぐみんだが、四つん這いの状態から膝立ちに移行し、俺の右腕ににじり寄った。

何をする気だ?

めぐみんは俺の右腕に身体を寄せると、その右手にまたがってきた。

ま、まさか!?

 

そのままめぐみんは股間を俺の腕に押しつけながら腰を前後にゆっくり動かしてきた。

 

ふぁああああ!め、めぐみんが!俺の腕でオ○ニーしてる!!

 

まさかの展開だった。

もうめぐみんは今の状況とか、隣にダクネスがいるとか、停止を解除したらどうなるとか考えていないのだろう。

一心不乱に腰を動かして快楽を享受していた。

 

「んっんっんっ!かずま・・はぁ・・かずまぁ・・!」

 

時たま俺の名前を呼びながら行為にふける。

はい、右手を貸してるカズマさんだぞ。

 

自分で動くのは疲れるのか、めぐみんの腰が一度止まり、休憩する。

その際も腰はビクつき、時たま跳ねている。

疲れもあるが快感が強すぎて続けられないのだろう。

 

再びめぐみんが自慰を再開するのか、俺の手を握ったがちょっと様子がちがう。

めぐみんは下に向いていた俺の掌を、親指が上に向くように横に向け変えたのだ。

そして再び腰を動かし始めたのだが、効果はてき面だった。

 

「ふぅあ!あっ!んあっ!ふっううっ!んんううう!!」

 

上を向いた親指が腰を前後させるたびに引っかかり、めぐみんのあそこを引っ掻くのだろう。

先程の腕だけで股間を押し付け動いていた時よりも艶やかな声が響く。

というかもう声を我慢するそぶりも見せない。目の前の快楽に夢中なのだろう。

 

『・・・・・・・・・・・・』

 

この音量ならばダクネスの部屋にも届いているだろう。

だが、ダクネスはめぐみんにツッコミを入れたり、邪魔したりせずに静かにしていた。

昂っているのを邪魔されるのが嫌だと知っているからだろう、流石自慰マスター。

 

「ふあっ!んひ!ああああ!こ、腰が!勝手に!動いてっ!んんんあっ!!」

 

めぐみんがそう喘ぐ。

無意識だったのだろう。

だが、「動いて」と言った。

それがトリガーだった。

 

まず、停止していた俺の身体が動くようになった。

その途端、腹にめぐみんが落下した衝撃が起き、それが終わると乳首を中心に、股間と合わせて抗いがたい快感が駆け巡った。

 

「ぐぅぅうぅううう!ぎっ!ううううう!!」

 

突然の快楽の津波に、俺は腰が跳ねてがくがくと身をよじる。

情けない声は出すまいかと歯を食いしばっているが、口の間からはうめき声が漏れ出てきた。

 

不意打ちだったのは俺だけでない。

めぐみんも突然動けるようになった俺に驚いたが、俺の腰が跳ねたことでバランスを崩してしまう。

その際に俺の手の指先全てがめぐみんの秘部を引っ掻いたのだ。

 

「!?んひいいああああああああああああっっ!!!!」

 

めぐみんが四つん這いになった状態で腰をビクつかせ絶叫する。

溜りに溜まった性欲をいっぺんに放出したからだろうか。

腰をカクカクと前後に振り、快楽に身を委ねていた。

 

『・・・ふぐっ!・・・ひぃん!あああぁあ!』

 

隣の部屋ではダクネスが一人ふけっているのか、壁越しにくぐもった声が聞こえてくる。

だが、俺もめぐみんも自身に降りかかる快楽に翻弄されて、気にしている余裕はなかった。

 

最初に復帰したのは俺だった。

快感の発生源が慣れない乳首だったのと、股間は少し触れただけだったからだ。

不意打ちに面食らったが絶頂とまではいかなかった。

 

次に復帰したのは・・・ダクネスだった。

 

いや、ダクネスはダウンしていたわけでないが復帰した俺が声をかけたことで返事を返したのだ。

 

『凄まじい声だったな・・・。あれは本当にめぐみんの声なのか?まるで獣の様だったぞ・・・』

 

答えるダクネスの声も荒い。

そりゃダクネスもオ○ニー直後だからいつも通りとはいかないだろう。

 

「めぐみんは過敏症だからな。いつもあんな感じだよ」

『なに!?やはり今までも濡れ場があったのだな!?教えろ!今までどんな絡みをしたのか詳しく!』

 

そんな馬鹿な事を言う変態を無視してめぐみんを見やる。

めぐみんはオ○ニーの時は四つん這いの状態だったが、今はうつぶせになって突っ伏していた。いまだ「ひっひっ」と呼吸も短くビクついている。実にエロい。

 

「めぐみん、大丈夫か?」

 

俺がめぐみんの顔の前に移動して、手をひらひらとして確認する。

奇しくもめぐみんが時間停止を確認したのと同じ方法だ。

 

「ひっ・・ど・・ひっ・・どうして・・・」

 

めぐみんはいまだ痙攣が止まらないが、たどたどしくも聞いてきた。どうして?と。

 

「お前「腰が勝手に動いて」って言ってたろ。その動いてに反応して時間停止が解除されたみたいだ」

 

俺が答えを教えてやる。

めぐみんは俺の答えをぼんやりと聞いていたが・・・しばらくするとカッと目を見開いた。

 

「ちなみに俺の時間停止だが厳密には時間停止じゃなかった。停まっている間俺の意識はしっかりあったし、目も見えていた」

 

そうネタばらしをしてやる。

 

「あああああああああああああああ!!!んひいっ!!ああっ!!ひいいい!!」

 

めぐみんがじたばたとベットの上で暴れるが、その性で治まっていた身体の熱が再び湧き上がってしまったのだろう。

めぐみんは再び腰をカクつかせ、イッてしまったようだ。最高にエロい。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

めぐみんが本当の意味で落ち着き―――途中「どうして意識があるのを黙っていたのですか!」だとか「忘れてください!さもなければ忘れさせます!」など暴れたのを含めてだ―――ようやく話が出来る状態になった。

 

「まあ色々あったが、めぐみんの別の一面が見れて良かったよ」

「・・・・・・・・・・・」

 

話しが出来ると言っても機嫌は治っていないようだ。

むすーとした表情で積極的にはしゃべりはしない。

 

『めぐみんは不機嫌なようだがあんなに深くイケるというのは才能だぞ。お前は間違いなく女に生まれて幸せだ』

「ふざけたこと言ってるとダクネスと言えど容赦しませんよ!!」

 

ダクネスの空気の読めない発言にめぐみんが怒鳴り返す。

いや、これは逆に空気を読んだのだろう。

めぐみんが怒気やもろもろを含めて溜息にして吐き出すと、ベットに腰かけた。

 

「はぁ、もういいです。暴走した私も悪いですから」

 

機嫌も少し回復したようだ。

 

「それじゃ、俺のお願いを実行しようか」

『ま、待て!今のがカズマの願いじゃなかったのか!?あんな激しく乱れるのがめぐみんのお願いだったというのか!?』

「あああああああああああああ!!!」

 

めぐみんがぐしゃぐしゃと頭をかきむしる。

やめろよ綺麗な髪が台無しだろ。

 

「このままじゃ俺的には不完全燃焼だからな。めぐみんは満足したけど、俺は足りてないからな」

「私は満足なんてしていませんよ!」

「なら俺が満足させてやる」

「そういう意味じゃありません!」

 

俺はめぐみんの叫びを無視して、自分のお願いカードを取り出した。

 

「俺のお願いは「マッサージ」だ!」

 

俺のカードには「マッサージをさせてくれ」と書かれていた。

めぐみんがそれを見て、胡乱げな目を向けてきた。

 

「マッサージって、合意的に私の身体を触りたいだけでしょう」

「否定はしない」

 

めぐみんは不機嫌なのか、いつものような覇気を感じられない。

これは逆にいいタイミングかもな。

 

「実は昨日の飲み会で整体師のおっちゃんに教えてもらったスキルがあるんだよ。その名もマッサージスキル。おっちゃん曰く、彼女と喧嘩したときなんかに試すと仲直りできるらしい」

 

俺の説明にめぐみんはいぶかしげだ。

 

「マッサージで仲直り?本当にそんなことが出来るんですか?」

 

俺はマッサージの効果についてめぐみんに説明する。

誰かに身体を触ってもらうってのは抵抗感があるかもしれないが、それだけでリラックス効果がある。さらには体中にあるつぼの中には怒りは発散させるものもある。そして、身体を触り合うから自然と彼女との仲も修復できる、とおっちゃんから教わったことを伝えた。

 

めぐみんは俺の理にかなった説明に一応の効果はありそうと認めたようで、マッサージに懐疑的な意見はなくなったようだ。

 

「というか何か勘違いしてるようですが、私の怒りはカズマに向けたものではありません。ダクネスが聞いているのに我を忘れて快感にふけってしまった自分に怒っているのです。」

 

めぐみんがそんな風に自身の精神状況を説明してくれた。

良かった。割とひょうひょうとした態度を取っていたが、めぐみんが本気で怒っていないか内心ビクついていたのだ。

だけどフォローは必要かもしれない。

 

俺はめぐみんの手を引いて自分の傍に引き寄せると、ぎゅっとハグをしてやった。

 

「めぐみんが嫌だって言うなら別の日にするけど。・・・どうする?」

「カズマはずるいですよ・・・。しょうがありませんね。やりますからそんな情けない顔はやめてください」

 

そう言ってめぐみんはくすっと笑った。

機嫌もだいぶ元通りだ。

 

『・・・私のこと忘れてないか・・・』

 

すまん忘れてた。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「ではまずマッサージに適した服に着替えよう」

「え!?服まで着替えるんですか!?」

 

俺は何事も本格派だ。

でなけりゃ料理スキルなんて覚えない。

マッサージスキルを教えてもらったからには何事も全力だ。

 

「その冒険服でもいいが、どちらかと言えば柔らかいゆったりした服の方がいいな。という訳でパジャマに着替えてくれ」

「パジャマですか。カズマのことだから水着になれ、とでも言うのかと思いましたよ」

 

めぐみんは安心したようでほっと息を吐いた。

 

「いや、水着を着たマッサージはローションを使うから次の機会だな。楽しみにしとけ」

「しませんよ!そんな卑猥なマッサージ!」

 

赤くなって否定するが・・・今度お風呂の時にでも頼んでみよう。

めぐみんは水着ローションよりもましだということでパジャマに着替えようとするのだが

 

「カズマはどうしているのですか?着替えるのですから部屋から出て行ってくださいよ」

「いや、もう良くないか?俺とめぐみんの仲だろ」

 

問答無用で追い出されてしまった。

めぐみん的に着替え、というか裸を見せるのはNGらしい。

でも水着は大丈夫ってのは何でだろうな。今度聞いてみるか。

そんなことを考えていると部屋の扉が開き、パジャマ姿のめぐみんが招き入れてくれた。

 

めぐみんのパジャマ姿はエロいというよりも可愛い感じだ。

だが、そんな恰好でこれからマッサージをすると思うとより卑猥な感じがしてくる。

 

「カズマの言うとおり着替えましたよ。それで、マッサージはベットでですか?」

「ああ、まずはベットの上で普通に座ってくれ。頭と背中のマッサージをするから」

 

俺とめぐみんは二人そろってベットの上に上がった。

めぐみんはベットの中央に、俺はベットの上の方に陣取った。

 

「頭と背中だからめぐみんは背中を俺に向けてくれ。リラックスする意味もあるから足は正座じゃなくて崩してくれて構わない」

「結構本格的ですね。もっと最初っからがばっと行くかと思いました」

 

何事にも段階があるからな。盛り上がってきたらがばっといかせてもらいます。

 

まず俺はめぐみんの背中、左右の肩甲骨の下、背骨に沿った部分を指圧した。

ここはイライラやストレスを発散させるつぼがあるのだ。

座った状態なので体重はかけられないが力を込めて押し込んでいく。

 

「おお?すごいですね!スキルを取った性かすごい心地いいですよ」

「ここはストレス・イライラに効くつぼだな。どうだ?怒りはなくなったか?」

「だからそんなに気にしなくていいですよ。でも、ありがとうございます」

 

思いのほかマッサージが気持ちいいのと、俺が気遣ってくれたことが嬉しいのだろう。めぐみんは目を細めて笑った。

そんな中俺はめぐみんの背中を指圧しながら、めぐみんがノーブラであることを確認する。

この後の展開的にブラジャーをしていると面倒だったからな、手間が省けた。

 

続いて頭のてっぺんのツボを押す。

小学校のころに頭のてっぺんを押すと下痢になる、とかいう噂が流行ったっけな。

ふざけ合って押し合ったが怒りのツボだったとは。

 

「ここも怒りに効くツボだな。頭の中の怒りを発散させる効果がある」

「あぁ~。もうない。もう怒りなんてないですよ~」

 

めぐみんは極楽・極楽といった様子で相当リラックスしたようだった。

さて、ここからが本番だ。

 

「じゃあめぐみん、仰向けで寝てくれるか?」

「分かりました」

 

先程の2回のマッサージでマッサージの有用性を認識したのだろう。

特に抵抗もなくめぐみんは仰向けに寝転がった。

 

『なぁ、私をのけ者にしないでくれ!せめて今から何をするのかは教えてくれ!』

「今から俺のお願いでめぐみんにマッサージをするんだよ!」

『な!マッサージだと!?そんなのもう、めぐみんがとろとろにとろける姿が目に浮かぶのだが!』

 

ダクネスが喜色ばんだ声でそう指摘した。俺も同意見だ。正直俺のマッサージにめぐみんが耐えられるとは思えない。

 

「む、そんなことはありません!今度はどんなことをされたとしてもダクネスを喜ばせることはないでしょうと誓っておきます!」

 

めぐみんはそう高らかに宣言した。

どうして紅魔族はフラグを立てないと気がすまないのだろうか。

 

めぐみんが負けフラグを立てたところで、俺はポケットから布を取り出した。

 

「そしたらめぐみん。これで目隠ししてくれるか?」

「どうして目隠しが必要なんですか?見えないところで卑猥な事をする気ですか?」

 

めぐみんが警戒心をあらわにする。

卑猥な事をするなら俺は堂々とするぞ。

 

「そんなんじゃない。目隠しはマッサージの効果を高める意味があるんだよ。人間次にどこを触られるか分かっていると身構えちまって緊張してしまう。だけど目隠しするとそれが無くなって効果がグンと上がるんだ」

「そうなんですか。すいませんそれは知りませんでした」

 

めぐみんは自分の無知さを素直に詫びた。

 

「それと、先に言っておくが今からやるのはエロいマッサージだ。目が見えない方が快楽に没頭できる」

 

俺はにんやりとめぐみんに笑いかけた。

それをめぐみんは「やっぱりですか・・・」と呆れた感じで返すと、目隠しを受け取った。

 

「先程も言ったようにそう簡単に私が喘ぐと思ったら大間違いですよ」

「でも、俺はめぐみんの喘ぎ声が好きだから頑張るわ」

 

俺の一言に顔を赤くしためぐみんは、それを隠すように目隠しを付けた。

紅魔族特有の紅い眼を隠すと、めぐみんはまるで日本人の様だった。

その姿にドキリとした俺は、マッサージを開始した。

 

「まずは腹を押していくぞ」

 

そう言ってめぐみんのお腹に手を触れた。

次に押す場所が分からなくなるのが目隠しの目的だが、そのままだと効果が強すぎて手が触れた瞬間に身体が縮こまり緊張してしまう。それでは逆効果だ。

なので大体の触れる場所は教えてやる必要があった。

 

俺はめぐみんのお腹を手の指を揃えて、ぐぐぐっと押していく。

背中のように親指だけの指圧だと骨のない腹部には圧力が強すぎるからだ。

 

両手を使ってまるで触診をするようにめぐみんのお腹を触り、探っていく。

 

「これは、どういったマッサージなのですか?」

 

先程の背中や頭のようにすぐに効果がでないことで不思議に思ったのだろう。

めぐみんはそんなことを聞いてきた。

 

「これはめぐみんのお腹の中の内臓の位置なんかを調べてるんだよ。内臓の位置は微妙に個人差があるしな」

 

そう言って、しばらくぐぐぐと押していくと、見つけた。目当ての場所だ。

 

「今から押すのが目当ての場所だ。もう一度確認するがこのマッサージはエロ目的だ。効果も強めだけど、いいんだな?」

 

再度の俺の確認に、めぐみんは少し身を固くしたが、こくりとうなずいて了承した。

 

「いいですよ。それがカズマの願いなのでしょう?ならば受け入れるだけです。それに私はみっともない声など出しませんから」

 

俺はその言葉を受け、目当ての場所、めぐみんの子宮を腹の上から刺激した。

 

効果はすぐに表れた。

 

「おっおっお?あっあっあっ」

 

俺が子宮を圧迫するたびに、めぐみんが短く声を発した。

口は閉じることなく声を発し、足や手はピンと伸びてしまっている。

しばらく続けると短い声は無くなったが、今度は「ふぅ・・・」だの「はぁ・・・」といった悩ましげな声を出しつつ、手足がだらんと弛緩していた。

 

「今押したのは性感を高めて、身体をリラックスするツボだ」

「うあっ・・・ああ・・・」

 

めぐみんは俺の説明に曖昧な言葉を出すが、もうあまり頭に入らないだろう。

そもそもめぐみんは過敏な所があった。そんなめぐみんにこのツボは効果が強すぎたようだ。

 

俺はお腹を押していた手をスライドしていき、お腹、脇腹と撫でていく。

他にも性感を刺激するツボはあるが、この様子なら必要ないだろう。

ツボを刺激するマッサージから、表面を刺激するマッサージに切り替えた。

 

お腹から脇腹と、脇腹から脇へ昇り、そこから脇腹、腹部へと戻るように手で撫でていく。

どの部位も今までのお願いカードで刺激してきた場所だったが、その反応は今までの比ではなかった。

 

「おあああああああ!!あああああああああ!!んああああああああああ!!!」

 

めぐみんはもう意味のある言葉を発しなくなっていた。

ただ口から息を吐くように、深く深く快楽に身を委ねているようだった。

 

『めぐみん・・・!』

 

普段のめぐみんから信じられないような下品な声だ。困惑しながらも羨ましそうなダクネスの声が隣の部屋から聞こえてきた。

 

ここまで反応が良いとマッサージのやりごたえがあるという物だ。

次の段階に進むとしよう。

 

「めぐみん、次は胸をマッサージするぞ。今よりも気持ちいいから覚悟しておけ」

 

俺の言葉にめぐみんがこくこくこくと激しく首を上下する。

まるで早くしろと急かしているようだが、ここは焦らせてもらう。

 

俺は脇に上がった手を動かし脇と乳首の間を、脇に沿うようになぞりながら下から上へ動かした。

 

「ひいいいいいいいいいい!!あああああああああ!!」

 

ここはスペンス乳腺といって胸の敏感な部位だ。

めぐみんはお世辞にも胸が大きくないので、揉もうとしても痛がってしまう可能性があった。なので俺はここを重点的に責める事にしたのだ。

 

めぐみんのおっぱいの感触は、毎日のハグで把握済みだ。

それでも自分の手で触ると、その柔らかさに感動する。

この感動を与えてくれためぐみんに感謝の意を表明するために、俺は丁寧に丁寧に愛撫した。

 

「・・・・・・!・・・・・っ・・!!・・・っ・・・・・!!」

 

スペンス乳腺の刺激が心地良いのか、めぐみんはもう声を上げることなく、俺の手の動きに合わせて身体をビクつかせるだけになった。

いい感じに感極まっているようだ。ここでさらなる責めに移ることにした。

 

左右のスペンス乳腺を責めていた手を立てて人差し指一本だけにする。そしてそのままおっぱいに対してらせん状にぐるぐると乳首に向かって動かした。

乳首に近づくにつれめぐみんが胸を反らしておねだりをする。

乳首に触れるか否か、という所まで来たら元来た道を引き返し、おっぱいの外側へらせんの動きをする。そして外周まで来たら再び乳首に向かってらせん状に動かす。

決して乳首には触れてやらない。

 

めぐみんも焦らされていると分かっているのだろう。無意識に口を開いて「へっへっ」と舌を出して、まるで犬のように懇願してきた。

でも俺は乳首を責めない。

 

「犬じゃないんだから自分の言葉で言わない限りずっとこのままだぞ」

 

俺がそう言うと、めぐみんはすぐに俺に泣きついた。

 

「乳首ッ!あっあちっくび!おねが!します!」

 

必至さを感じる言葉だった。

俺はそんなめぐみんが可愛くて、意地悪したくなってしまった。

「お腹のマッサージに戻るぞ~」

俺は一度手を胸から話してお腹を触りだした。

それに対してめぐみんが首をぶんぶんと振って「いやあああ!ああああ!」と泣き出した。

 

「嘘だよ」

 

そう言って俺はめぐみんの乳首をきゅっとつまみ上げた。

時間停止の時にめぐみんが俺にやった乳首責めの意趣返しなのだが、これが効果絶大だった。

 

「んおおおお!んひっ!くおおお!ほおおお!あああああああ!!!」

 

めぐみんが跳ねる、跳ねる。

身をよじって快楽を受け入れるが俺は乳首から絶対に手を離さないので、めぐみんが動くたびに乳首に刺激が加わる。

さらに俺は止めとばかりに親指・人差し指・中指の3本の指で乳首をシコシコとしごき出した。

 

「うひっ!ひいいいい!ひっひっひっああああああああああ!!!」

 

めぐみんの腰がカクカクと前後に動く。

その動きに合わせて乳首のしごきを連動させると、まるで乳首でめぐみんをコントロールしているような気がしてくる。

めぐみんの腰振りが終わるまで乳首をしごくのを続けていたのだが、いつまでだっても収まる気配がなかったので、最後に俺はめぐみんの乳首をピンッと弾いた。

 

「!!?っあひぃいいいぃいいいい!!!」

 

その瞬間、めぐみんがブリッジのような弓なりの体勢になり、がくがくと震えたあとにベットに身を投げ出した。

 

深い深い絶頂にめぐみんは「ひゅーひゅー」と過呼吸のように荒い息を吐いている。

俺はめぐみんの目隠しを外した。

そこには真赤になった目があり、恍惚とした表情で何を見るでもなく視線を漂わせていた。まるでその表情は菩薩のように穏やかで、一種のトランス状態になってしまっているのが見て取れた。

 

しばらくして視線に力が戻る。

目の焦点が合い俺の姿を捉えると、呼吸するのに忙しい口はそのままに、目だけで笑った。

俺はそんな姿に愛おしさを覚え、頬に手を当てると、イった後で敏感だったのかそれだけで少しイッた後、俺の手に自分の手を重ねて撫でてきた。

 

手を重ねた状態でめぐみんがこくんと頷く。

何の頷きか分からないでいると、めぐみんが手を離して俺の股間に手を伸ばした。

めぐみんの喘ぎ声と反応をまじかに見ていた股間は、大きくテントを張っている。

そしてめぐみんは、腕に力が入らず俺の手を借りながらもうつ伏せに寝そべって、顔を枕にうずめたのだ。

それだけでめぐみんが何を思い、どうしてそんな恰好をしてくれたか分かった。本当に頭が下がる。

 

俺はうつ伏せになっためぐみんにのしかかるように覆いかぶさる。

その感触でめぐみんの尻が少し浮かんだ。こんなことでも感じてしまったようだ。

俺はめぐみんの秘部に自分の股間を当てがって擦り上げる。

痺れる様な気持ちよさに身をまかせて次第に早く激しく腰を振った。

 

「くああああ!!ひああああ!!あっあっあっあああああああああああ!!」

「くっうっくっ・・・・!」

 

もうめぐみんは喘いでいるのか叫んでいるのか分からない様子で、ただ俺の腰を受け入れていた。

俺も先ほどのマッサージとは打って変わった、雑な腰使いでめぐみんのあそこを擦りつけていった。

 

「ぐうう!!」

「ふぐぅぅううううう!!」

 

俺は何の合図もなく射精した。

時間停止の時に責められたからか、あまり長い時間は持たなかった。

めぐみんは俺の射精を察したのか、腰を浮かして俺の打ち付けに合わせて腰を動かす。

 

しばらく俺とめぐみんは息を合わせるように腰を動かした。

互いに服を着ているので妊娠することはないのに、奥へ奥へと精を導こうと腰を動かしている。

 

出しきった感覚の後、俺はめぐみんの上に覆いかぶさって脱力した。

めぐみんが重いだろうと思ったが、今はただめぐみんと密着したかった。

めぐみんもその圧迫感が心地良いのか、満足そうな顔ではーはーと息をしている。

 

しばらくそうしていたが、俺の下のめぐみんが動く気配を感じ、俺はめぐみんの横へごろんと寝転がった。

めぐみんは俺の拘束が解けたことで、うつ伏せの状態から仰向けに、同じようにごろんと転がった。

互いに天井を見ていたが、ふいに横を見やるとめぐみんは俺を見て笑っていた。

俺はめぐみんの方に向き直り、めぐみんの身体に手を回して優しく抱きしめると、頭をなでてやる。

めぐみんはそれに対して、いつものように俺の胸に頭をぐりぐりと擦りつけていく。

 

言葉は要らなかった。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「すみません。腰が抜けてしまったようで立てそうにありません」

 

めぐみんが少し恥ずかしげにそう伝えてきた。

前回のようにパンツに大量の精を出し、汗もかいた。

今回も風呂に入ろうと、自分の部屋に着替えとして寝巻き用のジャージを取りに行っていたのだが、戻ってくるとめぐみんはベットの上から動いておらず、そんな断りを入れたのだった。

まあ、あれだけ腰を振れば、腰だって抜けるよな。

 

俺はお願いによる行為も好きだが、その後のお風呂も楽しみにしていた。

めぐみんもそれは同じだったようで、残念そうに笑っている。

 

「それは・・・しょうがないな」

「ええ」

「だったら、こうする」

 

俺はベットの上で座るめぐみんのひざ裏と背中に手を差し入れてグンと持ち上げた。

 

「え!?え!」

 

めぐみんが驚きと嬉しさで顔を丸くした。

めぐみんの人生2回目のお姫様抱っこだった。

 

「あは、あははははは!」

 

めぐみんは本当に、本当に楽しそうに笑った。

 

「すごい!すごいです!カズマはどんどん私の理想に近づいていきます!優しくって大好きです」

 

めぐみんが頭を寄せてぐりぐりと擦りつけて来る。

そんなつもりはないんだけどな。

 

「いや、めぐみんは疲れてるだろうし、風呂に入りたいってのは俺の我儘だしな。普段だってこの位はしてやるよ」

 

恥ずかしくなってついつい早口になってしまった。

めぐみんは「うふふ」と笑いながら左手を俺の首に回して、頭の後ろを撫でてくれた。

 

俺の着替えは用意したし、めぐみんに指示して貰ってめぐみんの着替え用の部屋着を持ち出す。

パジャマは先ほどの行為で汗と汁で洗濯しなければならないからだ。

途中めぐみんのブラとパンツの棚を開けて、めぐみんにバシバシと叩かれてしまったのだが、下着の位置が知れたので良しとする。いや、何をするわけでもないが。

 

そして、最後に風呂に行く前にダクネスに声をかけていく事にした。

めぐみんの部屋を出て、隣のダクネスの部屋のドアをノックする。

ノックするのにお姫様抱っこを維持するのは難しいので、めぐみんは一度廊下に降ろしてある。

 

「ダクネス~!終わったから俺達は風呂に行ってくるからな!」

 

しかし肝心のダクネスからの返事がない。

俺は怒られるかもしれないがドアを少しだけ開け、中の様子を伺った。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

今までの俺達の行為がR-15だとするのなら、中のダクネスはR-18だった。

出しきって賢者モードになっているから良かったが、平常時なら危なかったかもしれない。

俺はドアを閉めると、再びめぐみんを抱き上げた。

 

「ダクネスの様子はどうでしたか?」

 

めぐみんが当然の質問をしてくる。

 

「ダクネスは・・・あれだ、取り込み中だった」

 

その言葉に色々察したのか、めぐみんはそれ以上何も言わず、俺達は風呂場へ向かった。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

めぐみんの腰が回復するまで俺が風呂の用意をすることにした。

めぐみんを脱衣所の藤の椅子に腰かけ、俺は服を脱いで先に浴場へ入る。

いつものように魔道具に魔力を込めて水をお湯に変えていく。

 

お湯を張り終わったのでめぐみんを呼ぶ。

 

「めぐみ~ん!風呂は出来たけど、大丈夫か?」

「すみません!ちょっと手伝ってくれませんか?」

 

そんな返事が脱衣所から返ってきた。

やっぱりまだ回復してなかったか、そんなことを思いつつ脱衣所に上がる。

 

めぐみんは既に服を脱ぎ、バスタオルを体に巻いていたが、手を台に付き寄りかかって立っていた。

支えに使っていない方の手には洗濯してくれたのだろう、塗れた俺のパンツを持っていた。

 

「あ、だから洗濯は俺がするからいいって言ったろ」

「気にしないでください。今日も昨日と同じ位出しましたね」

 

恥ずかしいからやめてもらいたいのだが、めぐみんは気にしていないのか、そんな報告をしてきた。

 

「洗濯は問題なく出来たのですが、歩くのがちょっと。お風呂場は滑りますしね」

 

俺はその言葉を受けめぐみんに肩を貸そうとするが、めぐみんはそれを躱して俺の腕に寄りかかってきた。

 

「こっちの方がいいです」

 

めぐみんは俺の腕に身体を預け、自分の手と俺の手を絡めて握った。恋人繋ぎってやつだ。

 

「お前・・・実は一人で歩けるんじゃないか?」

「ふふ、どうでしょう?ささ、行きましょう」

 

めぐみんに誤魔化されながら俺達は洗い場に足を踏み入れた。

 

今日もめぐみんから頭を洗う事にした。

やっぱりめぐみんは自分で歩けるようで、俺の介助なしで椅子に腰かける。

まあ誰も傷つかない優しい嘘ってやつだから別にいいが。

 

シャンプーで泡をたて、めぐみんの頭を洗っていく。

何だかんだいってめぐみんの頭を洗うのにも慣れてきた。

どこをどうすれば泡立ちよく万遍なく洗えるか分かってきた。

 

「それにしても・・・今日は凄かったな」

 

俺の一言にめぐみんは顔を赤くする。

 

「私的には悔しいですけどね。あんな大見得切ったくせに我を忘れてしまいました」

「悔しいって・・・別に勝負じゃないんだからいいじゃん」

「いえ、私の中のクールなイメージが崩れてしまいます」

 

めぐみんは自分のことをクールな魔法使いだと思っているようだ。

クールどころかすぐに爆発するクレイジーの間違いだと思うが。

 

「でも、さっきも言ったように俺はめぐみんの喘ぎ声は好きだけどな。俺の手であのめぐみんが!っていう達成感がある」

 

俺の言葉にめぐみんは耳まで赤くする。

 

「ま、まあ、今日の件で自分の手で相手を気持ちよくさせるのが楽しいことは分かりましたよ。今度は私がカズマの色んなところを弄って情けない声を出させてあげます」

「そんなことをしてみろ。俺だってお前の弱いところを責めまくってひんひん言わせてやるからな」

「それで、二人して訳が分からなくなって、どろどろに絡み合うんですね。それはそれで中々魅力的です」

 

めぐみんは先ほどの行為の後の触れ合いを思い出しているのだろう。

満更でもない、といった顔でつぶやいた。

あの時、確かに俺達は言葉を発せずに互いのことが分かり、繋がっている実感があった。

あれが味わえるならそれも悪くないかもな、と思えている自分がいる。

 

めぐみんの頭を洗い、俺の頭を洗ってもらう。

途中、ダクネスに声を聴かれてしまっただの、もうめぐみんの部屋は使えないな、とか雑談を重ねる。

お湯で俺の頭を洗い流してもらい、湯船に浸かろうと立ち上がったのだが、めぐみんは少しうつむいてその場から動かないでいた。

 

「めぐみん?」

 

俺が不思議に思って声をかけると、めぐみんが顔を上げ、俺の顔を見つめてきた。何か決心したような顔つきだ。

 

「カズマ、ちょっといいですか」

 

めぐみんは俺の反応を待たずに続ける。

 

「・・・カズマに、見てもらいたいものがあります」

 

めぐみんはそう言うと、後ろに振り返り、俺に背中を向けた。

そしておもむろにバスタオルを外した。

 

「え!?え!な!?」

 

俺は突然のめぐみんの行動に驚き、戸惑ってしまったが、めぐみんの美しい背中と初めて見るお尻、脚線美に目を奪われてしまった。

 

「左のお尻のところを見てください」

 

めぐみんの声が少し震えているが、俺はその指示通りにめぐみんの左尻をみた。

何か模様がある。

これは・・・バーコードか?

 

「覚えていますか?紅魔の里の留置所で言った事。紅魔族には身体のどこかにバーコードという紋様があると言いましたよね。私のはここにあります」

 

確かめぐみんと一緒に留置所に入れられた時に、ゆんゆんをからかうためにそんな事を言っていた気がする。

 

「紅魔族の特徴は世間一般で知られるもので2つ。紅い眼に黒髪、膨大な魔力と魔法の資質。そして世間では知られていませんが、この紋様も紅魔族の特徴となっています」

 

めぐみんがとうとうと語る。

 

「この模様がどこにあるかは・・・基本的に家族しか知りません。家族以外に知られることは、紅魔族にとって最大に恥ずかしいことです。知っていいのは、家族と・・・家族になる人だけです」

 

めぐみんはそう打ち明けた。

めぐみんの震えが大きくなる。

 

「カズマは・・・」

 

めぐみんが震える声で続けようとしたが、しなかった。

俺がさせなかった。

 

俺がめぐみんを後ろから抱きしめてやったからだ。

 

「めぐみん、その、なんだ、いきなりのことで頭が混乱してて、上手く言えないかもしれないんだが、聞いてくれ」

 

めぐみんは俺の腕の中でこくりと頷いた。

 

「めぐみんが、その模様を見せてくれたこと、すげー嬉しかった。最初はお前ケツにバーコード付いてんのか!?って言ってやろうと思ったけど、その模様を見せることがどんな意味があるか分かって、嬉しくなった」

 

めぐみんが俺の腕をつねり上げる。

真面目にやれ、って言っているようだ。

 

「話したことなかったと思うんだが、俺の国ではこの国と違って結婚できる年齢は18歳からで、成人は20歳からなんだ。だから、俺とめぐみんの意識の差は4年から5年くらい離れている、と思う」

 

めぐみんが身を固くした。

あ、いや、違うそういう悲しい方向に話を持っていきたいんじゃないんだ。

 

「あ、えっと、それで、俺の中で・・・け、結婚ってのは大人がするものだと思ってたんだ。だけど俺はまだ大人じゃない。子供でもないと思っているけど、自分でも中途半端な奴だと思っている」

 

俺は自分の今の気持ちを伝えるために言葉を続ける。

 

「いっつも俺が責任責任言ってるのは・・・自身がないんだ。正直に言うと。俺はこんな中途半端で、身体ばっかり大きくなったって、中身は子供のころからあんま変わってない。・・・だけど、だけどめぐみんを愛している気持ちは一人前のつもりだ」

 

俺はめぐみんを安心させるため、めぐみんに告げてやった!

 

「こんな俺だけど・・・めぐみんは・・・結婚したいか?」

 

言ってやった!

良く頑張った俺!

ついに結婚という言葉をめぐみんに言ってやったぞ!

どうしためぐみん!何か言ってみろ!

 

そう、心の中で一人飛び跳ねているが、めぐみんは何の反応も示さない。

え、あれ、俺なんか間違ったか、いやこの感じ間違ったくせー!

 

しばらくお風呂場には沈黙が続いていた。

すると、めぐみんがぷるぷると震えだした。

め、めぐみん?

 

「ぷっ・・・あはははは!はははは!何ですかその情けない言葉は!私が結婚して欲しいって言ったらしょうがねえなあ!っていつもみたいに言うつもりだったんですか!そこは俺と結婚しろ、って言う場面でしょう!」

 

そうけらけらと可笑しそうに笑った。

ぐっ、悔しいがその通りだ。俺の頭の中ではめぐみんが涙ながらに「結婚してください」って言って俺が了承。二人は幸せなキスをして終了!エンドを思い描いていた。

 

「確認しておきますが、カズマは私のことを好きなんですよね?」

めぐみんがそう聞いてきた。後ろから抱きしめているので表情は分からない。

 

「さっきも言っただろ。その・・・愛している」

 

相当恥ずかしかったが、ここではぐらかしてしまうと怒られそうなので、正直に想いを告げた。

 

「なら、今はそれでいいです。いつか・・・いつかカズマが自分に自信を持って、堂々と私に結婚してくれって言えるようになったらまたお願いします」

 

めぐみんはそう笑いながら答えた。

 

「いや、めぐみんは俺と結婚したくないのか!?」

「したいですよ?カズマは私と結婚したいんですか?」

 

めぐみんが即答してきた。

 

「あ、いや、・・・・したい、です、けど、幸せにしてやる自信が、まだない」

「ふふ、私はもう幸せですよ。これ以上幸せにするなんて大変ですね。頑張ってください」

 

めぐみんは俺の気持ちなんてお見通しですよ、とばかりに弾んだ声を出した。

 

「いつか、必ず、言うよ」

「ええ、待ってますから」

 

そう言うとめぐみんは俺の拘束から外れ、落ちていたバスタオルを拾い、再び体に巻きつけてしまった。

もったいないなぁ。

 

「何をそんな情けない顔してるんですか。結婚すればいくらだって見せてあげますよ」

「めぐみん結婚しよう」

「はいはい、もっと真面目な時にお願いしますね」

 

めぐみんは俺の手を引いて浴槽に行こうと歩き出した。

いや、裸が見れるなら覚悟を決めるんだったかな。

俺は結構な後悔をしつつ、俺にはまだそんな資格ないのかもなとも思い、めぐみんに引かれるままお湯につかった。

 

めぐみんが俺の肩に頭を乗せ、手を重ねてくる。

最近お馴染みのポジションだ。

ただ、今日は手を重ねただけでなく、恋人繋ぎの状態だ。

 

「なあ、俺はなんて言えば良かったんだろうな」

「まだ気にしてるんですか?そんなに後悔するなら今からでもいいですよ?」

「あ、いや、その・・・」

「・・・本当にヘタレですねぇ」

 

俺はぐうの音も出なくなってしまう。

そんな俺の様子が可笑しいのか、めぐみんは肩に乗った頭をこすり付け、繋いでいる手をぎゅっと握ってきた。

 

「あと、1枚ですね」

 

お願いカードのことだろう。めぐみんがぽつりと呟いた。

「何だかんだもう4枚も使ったんだな」

 

思い返してみると最初は関係が進展すればいいな、程度であまり期待してなかったが、カードを使う前と後でこんなにも違った景色になるとは思っても見なかった。

 

「カズマは最後のお願いもう決めてますか?」

「いや、まだ・・・迷ってる。めぐみんは?」

「私は決めてありますよ」

 

めぐみんはそう言うと、身を起こして俺に向き合った。ハグの体勢だ。

俺も弛緩していた身体に力を入れて、めぐみんの身体を受け止めようとするが、いつもとちょっと違う格好だ。

おでことおでこをくっ付けた状態でめぐみんの動きが止まる。

 

「カズマとこんな風になるなんて・・・お願いカードさまさまですね」

「実際俺もこんなに関係が進むとは思ってなかったよ」

 

俺はめぐみんの顔にかかってしまっていた髪を手でどけてやった。

めぐみんは嬉しそうに笑うと、顔を離して、代わりに俺の身体にぎゅうとしがみ付いてきた。

俺はめぐみんの背中に手を回して、いつものように優しくハグをしてやる。

 

「何かが変わる気がします」

「あぁ」

 

俺も同じ気持ちだった。

最後のお願いで、二人の関係は大きく変わる。

そう、確信していた。

 

 

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