※この作品はR-18です。

この素晴らしい「お願いカード」でいちゃラブを!   作:GA 飛びイカ

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遅くなりました。
拙作「お願いカード」の番外編になります。
この話からも読めなくもないです。


番外編①「挨拶」

場に重たい雰囲気が立ち込める。

部屋には5人の人物。この重たい雰囲気を作っているのは目の前の男性だ。

家ごと建て直したというのに、やはり慣れしたんだ形に落ち着いたのだろう。

茶の間兼客間は椅子ではなく畳づくりの直に座る形で造られており、俺達は丸いちゃぶ台を間に挟んで座っていた。

 

俺は隣に座っているめぐみんの手をぎゅっと握って、意を決して言ってやった。

 

「お義父さん!娘さんを俺に下さい!!」

「貴様にお義父さんと呼ばれる筋合いはないッ!!」

「ああ、やめてあなた!見かけは良くなっても相変わらずうちはお金がないのよ!!」

 

憤怒の形相でひょいざぶろーさんはちゃぶ台をひっくり返して、机の上のお茶をぶちまけたのだった。

 

  §§§

 

「それで、めぐみんの親御さんへの挨拶はもう済ませたんだろ?」

 

皆で夕飯を食べていた時に、ダクネスはそんなことを聞いてきた。

婚約発表をしたり、魔王を討伐したりしたが俺達4人は相変わらず同じ屋敷に住んでいた。

ダクネスの実家に顔を出す頻度が上がったり、アクアが天界に帰る時もあるが、おおむね一緒に朝食を食べ、軽いクエストをし、夕飯も共にしている。

 

「あら?そうなの?やっぱり人生の一大イベントよね、相手の両親への結婚の挨拶って。ねぇねぇ、どんなだったか教えなさいよ!」

 

アクアもこの話題に興味があるらしく、食事と酒を呑む手を止めて食いついてきた。

こいつも天界に帰れるようになってすぐは2日にいっぺんの頻度で帰郷していたが、次第に3日置きになり、1週間おきになり、今では1か月に1回帰ればいいのよ!と言い出す始末だ。

何の為に苦労して魔王を討伐したんだが分からなくなる。

まあ、帰れないのといつでも帰れるのは雲泥の差なのだろう。

エリス様に会って聞いてみたら「先輩は・・・仕事から逃げているだけかと・・・」と何とも複雑な顔をしていた。

いや、あなたも結構下界で羽を伸ばしてますよね、とは言えない。

 

「それで、どうだったんだ?つつがなく済ませられたか?」

「………」

 

俺はダクネスの質問に応えられず黙り込んでしまう。そんな俺の隣からは責める様な視線を感じ、その無言の圧に屈してますます俺は何も言えないでいる。

視線の主はめぐみんだ。婚約発表の後に席替えをし、俺の隣で食事を取るようになったのだが、まさかこんなデメリットがあるとは予想外だ。

 

「?おい、まさか、まだ挨拶に行ってないのか!?」

 

ダクネスが嘘だろ!?みたいな顔をして驚く。

はい、そのまさかです。

 

「ええ!?だって色々バタバタしてたけど魔王討伐からもう1か月よ?流石にそれはないわー」

 

お前の性でバタバタしてたんだろうが!と言いたいが今の今まで忘れてた身としては反論しづらい。

 

「私は気づいてましたよ。いつ行くんだろうって。カズマが言い出すのを待ってました」

 

めぐみんは呆れたようにふぅ、とため息をつく。

 

「なら今からでも早めに挨拶に行った方が良いのではないか?確か婚約発表の少し前に挨拶に行く約束はしたのだろう?もう何だかんだ婚約発表から2か月、魔王討伐から1か月近く経つし、先方もいつ来るかと待っているだろう。来週には王都で祝賀会もあるし、今週中にでも行ってこい」

 

俺の予定では婚約発表の次の日くらいのつもりで「挨拶に行く」と言ってしまったのだが、その後のセレナなどの絡まりでずるずると先延ばしになってしまったのだ。この分だとゆいゆいさんもひょいざぶろーさんも首を長くし過ぎてろくろ首になってしまうな。

 

「明日にでもゆんゆんに頼んで連れて行ってもらうさ」

 

その方がいいだろう、というダクネスの発言で各々食事を再開したのだが・・・めぐみんが少しうつむいて考え事をしているのを俺は見逃さなかった。

 

  §§§

 

夜になり俺達は部屋に戻る。

最近の俺達4人の夜の生活サイクルは、一緒に風呂に入る俺達が最後に残り湯を頂き、風呂から出た時にはお湯は抜かず、朝起きた段階で水を張り替える、といったものに変化していた。

どうせ風呂に入っても毎晩汗をかくので、朝風呂に入る。その時にお湯を張り替えているのだ。

今日も一緒に風呂を済ませてある。ちなみに、風呂では致していない。今日だけでなく、夜の風呂で致すのは休日の前の週末に、という暗黙の了解が出来ていたからだ。その件に関しては俺は関与しておらず、どうやらめぐみんとダクネスで話し合って決めたようだ。まぁ、朝風呂の際には割としこたま愛し合っているが。

 

そんな訳で風呂上がりでほこほこの俺とめぐみんな訳だが、俺が今日はどう責めてやろうかと思案しているとめぐみんが真面目な顔をして声をかけてきた。

 

「話があるのですが」

 

俺はその雰囲気にピンクな思考をいったんストップさせた。これはガチな奴だ。

 

「明日の私の両親への挨拶のことです」

「あぁ」

 

やっぱりその話か。予想はしていた。

食事の時にうつむいて考えていたようだし、風呂の時も意図的にその話はしてこなかった感じだったしな。

 

「我が母ゆいゆいは問題ないでしょう。むしろ率先して私達をくっ付けようとしていたくらいですし」

「今にして思えば思惑通りくっ付いた形になったな」

 

ゆいゆいさんは早く子供を作れ、と口を酸っぱくして言っていたが、もし実家で一線を越えていたらめぐみんの喘ぎ声の大きさで全員を叩き起こしてたんじゃないかな。あそこの家、何だかんだ壁が薄い気がするんだよな。

 

「こめっこは、まあ問題ありません。何か餌付けすればそれで済むでしょう」

「うん」

 

こめっこはそういう子だ。

 

「問題は我が父ひょいざぶろーです。父は・・・どこか厳格な父を目指している節があります。私たちが甘えたり、母が叱ると簡単に折れますが、カズマに対してもそうだとは言えないでしょう」

 

めぐみんは不安そうにうつむいている。

そう言えば初めて会った時もめぐみんとの仲を勘ぐられて、ちゃぶ台返しを喰らったっけな。

めぐみんは心配しているのだ。俺達の中を父親に認めてもらえないかもしれないと。

馬鹿だなぁ。

 

「お前、俺は魔王も倒したカズマさんだぞ?お前の父親だって説得して見せるし、何ならめぐみんの実家で公認子作りを認めさせてやるよ」

 

俺の軽口にめぐみんは暗い顔をふっと明るくさせた。

 

「そうですね。何たって私たちは魔王を倒したパーティですものね。それに比べたら我が父ひょいざぶろーなんてたいしたことありません!我が爆裂魔法でしめやかに爆発四散にしてくれましょう!」

「おい、自分の父親を爆死させるのはやめろ」

 

めぐみんは先ほどの落ち込みなど無かったように意気込んでいる。

これは俺がめぐみんの手からひょいざぶろーさんを守らなければ。ってどっちが実の子供か分からないな。

 

「ふふ、カズマはいつもそうですね。私の憂いや心配事なんて全部吹き飛ばしてくれます」

「そんなことはないぞ。お前が傍にいてくれるから俺は頑張れるんだよ」

 

俺の言葉にめぐみんはときめいてしまったのか、俺に抱き着くと激しくキスをしてきた。

俺もそれに応え、ちゅっちゅと互いの唇をついばみ、しばらくして顔を離した。

 

「あー、今日はどうする?明日のこともあるし、やめとくか?」

「何をいまさら。魔王の城に行く時だって毎日してたじゃないですか」

 

婚約発表のあの日から、俺達の情事は毎晩途切れることなく続いていた。アクアがいない時も、魔王城に向かうために野宿した時も、毎日だ。

アクアがいない時は何だか後ろめたいような物足りない気がして1回だけだったし、野宿の際はめぐみんの声が大きすぎてモンスターが寄ってきたりと散々だったが。

 

「それに何だか最近自分でも情緒不安定なのですよ。カズマと触れ合っている間は不思議と安心できるのですが」

「ならその不安を感じないために、今度一日中セックスでもしてみるか?」

「それは・・・・・・すごく楽しみですね・・・」

 

俺の提案にめぐみんは目をぐるぐるさせてふへへと笑った。

もうめぐみんは自分の変態性を隠すことすらしない。俺としてはそっちの方が興奮するので指摘もしないが。

というかこれって、俺の好みに合わせて頑張るって奴の延長線じゃないよな?

 

その後たっぷり3回めぐみんを楽しんだあと、俺達は床に着いた。

朝起きて風呂に入って湯船の中で1回済ませて、準備万端。屋敷を出発!・・・しようとしたのだが、めぐみんの身体がほてってしまい、午前中にさらにもう2回して、気付いたら昼時なので昼食を食べて午後になって屋敷を出た。

 

「お前達二人の問題だから言いたくないのだが、流石にだらしないと思うぞ」

 

ダクネスの苦言に俺とめぐみんは気まずい顔をして聞こえないふりをした。

というか俺は悪くないと思う。

 

  §§§

 

ゆんゆんの所へ行ってテレポートで里まで送ってもらう。

そう指針を立てて屋敷を出た俺達だが、生憎とゆんゆんの行先に心当たりがない。

婚約発表の時もゆんゆんの姿を最終日まで見つけることが出来なかったし、言い方は悪いがゆんゆんは存在感が薄いためにニアミスしても気づきにくいのだ。

 

「さて、ゆんゆんに頼んで里までテレポートをしてもらいたい訳だが、めぐみんはゆんゆんがどこに居るか知ってるか?」

 

もう既にお昼を回っているし、これでゆんゆんが捕まらないと今日中の里帰りは難しいだろうな。俺はダメ元でめぐみんにゆんゆんの居場所を聞いてみた。

 

「正確な居場所は分かりませんが、おそらくギルドでしょう。何となくそこへ行けば会える気がします」

 

何の気なしにめぐみんがそんなことを言ってきたが俺はその発言に驚いてしまう。え、なにそれ、どんだけゆんゆんのことを分かってんのこいつ。妬けるんだけど。

俺の無言の驚きに気付いためぐみんは、帽子のつばをクッと引き下げて顔を隠した。

 

「何だかんだゆんゆんとは付き合いが長いですからね。今までの統計でギルドにいると思っただけですよ!」

 

声を張り上げて補足してくれたが、ちょっと恥ずかしいみたいだ。

普段つんけんしてるがやっぱりゆんゆんは特別らしいな。

 

「申し訳ないが、俺はお前の居場所を聞かれても言い当てられないと思う」

 

俺は何だかめぐみんとゆんゆんの絆に嫉妬してしまい、そんな風にすねた感じのことを言ってしまった。

 

「大丈夫ですよ。私の居場所が分からなくても。私の居場所はカズマの隣ですから」

 

そう言ってめぐみんは優しく微笑んで、繋いでいる手をぎゅっと握り返してくれた。

指と指を絡めるような恋人繋ぎには片時も離れたくないという気持ちが如実に表れている。

俺は全てを分かってくれているめぐみんが愛おしくなってしまい、握った手をぐっと引っぱり寄せて、優しくハグをした。

 

「じゃあ、俺はお前を見失わないためにこうして抱きとめておかなきゃな」

「ふふ、私は悪い男に捕まってしまったようですね」

「俺を悪い男呼ばわりか。俺から言わせれば、いつも俺を惑わせてくるお前こそ悪い女だよ」

「では悪い男と悪い女同士、悪い事でもしましょうか・・・」

「流石めぐみん。それじゃあ」

「なあ、いつまで屋敷の前でイチャついているんだ?」

 

ダクネスが俺達に声をかけてきた。

俺達は屋敷を出た。出たのだが、屋敷の前の道っぱたで話し込んでしまっていたのだ。

 

「いや、なんかもうお昼過ぎだし今日は諦めて屋敷でめぐみんといちゃいちゃしたいと思ってな」

「奇遇ですねカズマ。もう我が両親への挨拶などいいのではないですか?父が文句を言ってきたら私たちのラブラブ爆裂拳を喰らわせてやりましょう」

「いいからさっさと行け!!」

 

ダクネスが大声で俺達を怒鳴り散らす。

逃げるように俺達はギルドへ向かい歩き出した。まあ、いちゃつくのはどこでも出来るしいいか。

 

  §§§

 

ギルドの中はいつも通り雑多な雰囲気を醸し出していた。

俺とめぐみんが通ると「今日も仲いいねー!」だの「あついあつい!」とやっかみにも似た野次をかけてくる。魔王を討伐した今、俺達は有名人のようなものだ。一つ一つ対応していたらきりがないが、可能な限り反応はしてやった。こいつらも婚約発表の時に世話になったからな。

俺達は野次が来るたびに抱きあったり、軽くキスをする様を見せつけてやると、恥ずかしがらない俺達に飽きたのか、次第に声をかけられることはなくなった。

俺達がいちゃついたことで周りが静かになる様子にめぐみんが「ちょっと楽しいですね」と言ってきたので、今度は街中でもやってみるのも一考かな。

 

めぐみんの直感を頼りにギルドの中をずんずん進む。

すると予想通りゆんゆんは最早定位置とも呼べる食堂の隅の方にぽつんと独り座っていた。

そこは柱の陰になるため、誰かがそこにいると思って見ないと座っているのが分かり辛い。婚約発表の帰りに道のまん中で待っていたあの威風堂々とした姿は幻だったのではないかと疑ってしまいそうだ。

 

「ゆんゆん」

「あっ!めぐみんとカズマさ・・ん、こ、こんにちは・・・」

 

めぐみんが声をかけるとゆんゆんが挨拶を返したのだが・・・。何だかいつもと様子がおかしい。普段のようなびくびくとした感じと言うよりも、なにか困惑している感じだ。

 

「よお、ゆんゆん。どうかしたか?」

「え?いえ!その・・・。二人の距離が・・・」

「距離?」

 

距離がどうしたんだ?

 

「その、距離が近いなって」

 

ゆんゆんはそんなことを言ってきた。

俺達はいつものように恋人繋ぎをしているため、腕が絡んだように密着している。まあ確かに近いが、最近はいつもこんな感じだし、別段おかしいところもないはずだ。

 

「おかしなことを言う娘ですね。別に普通ではないですか」

 

めぐみんも同じことを思ったようで、逆にゆんゆんのおかしさを指摘した。

 

「え!?わ、私がおかしいの!?え、でも、前までは二人ともそんなにくっ付いてなかったような気がするんだけど・・・」

 

まあ確かに魔王を討伐する前よりもくっ付いているかもな。俺はあの戦いで死にかけた、というか死んだ。それをめぐみんが知ると、前にも増してくっ付くようになったのだ。俺としてもめぐみんといちゃつくのは歓迎だったので、文句も言わず従っていたのだが、無意識のうちにべたべたするのが普通になったのかもしれない。

 

それに昨日の夜、俺と居る時以外は情緒不安定になるといっためぐみん。めぐみんの不安を取り除くのが俺の仕事であり、それが幸せにするってことだと思う。

だから俺はめぐみんと片時も離れない。

 

「まあ、俺達は結婚を約束した恋人同士だからな。この位普通だよ」

「普通ですか!?最近街中でカップルは見かけるようになりましたが、お二人は・・・その中でも際立ってますよ!」

 

ゆんゆんは言葉を選んでいたが、それって俺達がこの街で一番のあつあつのカップルってことだろ?むしろ褒め言葉だと思うんだが。

 

「いちいちうるさい娘ですねぇあなたも。ゆんゆんも恋人が出来れば分かりますよ、きっと」

 

そう言ってめぐみんは勝ち誇ったような笑みを浮かべながら、しなをつくり俺に寄りかかってきた。俺はその身体を抱きしめながらお腹を撫でてやる。めぐみんはお腹を撫でてもらって嬉しいのか、手を上に伸ばして俺の顔の横をお返しに撫でてくれた。

その様子にゆんゆんは顔を真っ赤にする。俺達のスキンシップは恋人の居ないゆんゆんには刺激が強いようだ。

 

「そ、そうやって自慢して!私が彼氏作るまでずっと上から目線で貶してくるつもり!?」

 

恥ずかしさのため声が上ずってしまったが、めぐみんの挑発にゆんゆんが声を大きくして反論した。

 

「ですが私達二人は魔王を倒したパーティのリーダーと魔法使い。実績としては紅魔族次期族長のゆんゆんよりも上を行っていますしね」

「私だって魔王討伐の時に一緒にいたでしょ!!」

「なら、そこは引き分けでいいですよ。でもその分、恋人の居る私の方が上ですね」

「で、でも、恋人がいるからって偉いわけじゃないでしょ!」

「ええ、でも恋人がいる方が幸せです」

 

ゆんゆんはその言葉に「ぐぬぬ」とうめき、押し黙ってしまった。

反論をしたかったようだが、心底幸せそうな俺達を見て実感してしまったのだろう。羨ましい、と。

 

「おい、これからゆんゆんに頼みごとをするんだから、あんまりいじめるなよ」

「いじめてなんかいませんよ。恋人の居る幸せのおすそ分けです」

「ならいいか」

「良くないですよ!」

 

ゆんゆんが抗議をしてきたが、これではいつまでたっても話が進まない。

抗議は無視する形になるが、俺はこれまでの経緯をゆんゆんに話した。

 

俺はゆんゆんに魔王討伐など最近のばたばたで、めぐみんの両親に結婚の挨拶が済んでおらず、里に帰る必要があることを。そして出来れば里にテレポートして俺達を連れていって欲しいと説明した。

それを聞いたゆんゆんは「まだ挨拶に行ってなかったんですか!?」と驚いた後、少し考えてこれだ!と勝ち誇った顔をめぐみんに向けた。

 

「めぐみん!確かに現時点では私の負けよ!ここ、アクセルの街ならね!」

 

あ、ゆんゆんが何を言いたいか分かってしまったぞ。めぐみんも気づいているようだ。

 

「でも紅魔の里でも同じように勝ち誇れるかしら!?」

 

ゆんゆんは次期族長として、ホームの紅魔の里で先程の勝負?の決着を付けようとしているらしい。ゆんゆんは『雷鳴轟く者』ゆんゆんとして里では人気者だしな。

考えは悪くない。悪くはないんだけど・・・。

俺が忠告する前にゆんゆんは素早く詠唱を終え、俺達と一緒に転移を開始した。

 

「テレポート!」

 

  §§§

 

ゆんゆんがテレポートの登録先としているのは紅魔の里の中心地である広場だ。

そこに俺達3人が突然出現したことで、里の人々が騒ぎ出した。

 

「え!?テレポート!?」

「外の人か!?やべ、ローブローブ!」

「ちょっと私の杖しらない!?」

「おい、あれってゆんゆんじゃないか?」

 

里の紅魔族たちは急に外の人が来たと思い、急いで魔法使いの里を演出しようとしたが、現れたのがゆんゆん率いる俺達だと気づくとその動きを止めて近づいてきた。

 

ゆんゆんは勝ち誇った顔をしてめぐみんを見やる。

だが、めぐみんは呆れた顔だ。俺もこの後の展開が読めて溜息をついた。

めぐみんは俺と繋いだ手を離すと一歩離れてくれた。めぐみんももう慣れたもんだ。

里の人々が俺達に笑みを浮かべ話しかけてきた。

 

「なあ、あんた『最強の最弱職』のサトウカズマだろ!?」

「ふふ、俺位になれば職業で隠せないあんたの実力も分かるぜ」

「ねえ、魔王との一騎打ちの詳細を教えてくれない!?」

 

紅魔族の面々は俺の周りに群がり、口々に褒め称えたり、魔王との戦いの様子を聞くために輪を作った。

紅魔族の厨二病センサー的に、最弱職の冒険者でありながら魔王を打倒した「最強の最弱職」という称号は琴線をびんびんに刺激するらしい。皆の歓待を待ち構えていたゆんゆんを素通りして俺の方へ話しかけてきた。

 

魔王を倒した俺達の活躍は、既に新聞に載り、国中のみならず世界中のニュースとなっている。魔王を倒して1か月で俺はこういった対応を何度も受けてきた。紅魔の里でも同じような感じになると思っていたが、今までで一番だなこりゃ。

 

俺が魔王との戦いを若干の誇張を含めて話してやると、要所要所で「おおー!」と歓声を上げる。話終えると一様に「はぁ~」と満足した溜息を付き、ゆんゆんとめぐみんに向きなおった。ゆんゆんが今度こそと意気込む。

 

「お帰り・・・『爆裂魔人』めぐみん」

「流石だ『爆裂魔人』めぐみん。お前はいつかやると思っていた」

「紅魔の血脈に素晴らしい逸材を招き入れてくれたな『爆裂魔人』めぐみんよ」

「お前は、わしが育てた」

「汚名返上ね『爆裂魔人』めぐみんみん」

 

ゆんゆんの意気込みとは裏腹に人々はめぐみんの周りに集まり、一斉に褒め称えた。新聞には魔王を倒した俺達の様子だけでなく、俺達が婚約を結んだカップルだと言う事も書き添えられていた。魔王を倒せし勇者を紅魔族の一員として迎え入れたことに、主に年配の人からでかしたと褒められるめぐみん。

さらにめぐみんの異名『爆裂魔人』だ。

その圧倒的破壊力で魔王の城に張り巡らされた障壁をごり押しで粉砕しためぐみん。その偉業に俺の『最強の最弱職』と同じく『爆裂魔人』の異名が世間に浸透したのだ。

めぐみんは一斉に褒める同胞たちに「あなたに育てられた覚えはありません!それにめぐみんみんは止めて下さい!もぐにんにんみたいではないですか!」と噛みついていたが、その顔は嬉しさを隠しきれていない。

 

ちやほやされる俺達を見て、しばらくフリーズしていたゆんゆんだが、復活すると意を決して皆に話しかけた。

 

「ね、ねえ!みんな!私も魔王討伐に関わったんだけど!」

 

引っ込み思案のゆんゆんの精一杯のアピールに里の人々は

 

「あ、あぁ、ゆんゆんお帰り。流石は次期族長だな」

「うんうん。すごいよゆんゆんは」

「俺達の誇りだなー」

 

と、かなり適当な反応を返した。

仕方あるまい。新聞での報道は魔王を倒した俺と、障壁をぶっ壊しためぐみんの活躍や、王家を護る盾として魔王の攻撃すら防いだダクネスに、聖なる加護で魔王を弱体化させた水の女神アクアや魔王以外の強敵を瀕死になりながらも討伐した魔剣の勇者ミツルギのことは詳細に書かれていたが、ゆんゆんとミツルギの取り巻き2人については紹介程度にとどまっていたのだ。

めぐみんの障壁を力押しで粉砕する、というのは派手な事が好きな紅魔族にとっても好まれる偉業だし、4年に1度里の皆で魔王城の障壁に魔法をぶっ放す公認行事で障壁の頑強さを知る里の人々にとって、単身で障壁を突破しためぐみんは英雄なのだ。

 

ゆんゆんは期待していた反応と真逆の対応にショックを隠せず、顔は涙目だ。

しかし里の人々は俺とめぐみんの話で盛り上がり、その様子に気付くそぶりも見せない。

そんな傷心のゆんゆんに近づくのは、いつだって最初に気付くのは親友のめぐみんだ。

めぐみんは柔らかい笑みを浮かべ、ゆんゆんに話しかける。

 

「気にすることはありませんよ、ゆんゆん。あの時全員が全力を出したから今私達は生きていられるのです。胸を張ってください」

「めぐみん・・・!」

 

めぐみんの優しい言葉に感極まるゆんゆん。

 

「まあ、恋人の有無だけでなく、里での人気度でも勝ってしまったようですけどね」

 

そう言って「へっ」と笑うめぐみん。

 

「うわあああああああああ!!」

 

辛辣な言葉に、ゆんゆんは泣きながら走り出してしまった。

俺の愛しの彼女は容赦ないなぁ。

 

  §§§

 

ゆんゆんが走り去ってしまったので、仕方なく二人でめぐみんの実家に向けて歩き出す。

まあ、挨拶自体は二人だけでするつもりだったしある意味予定通りだ。

アクセルへの帰りは・・・あの様子だと頼むのが気が引けるな。どの道来週には王都に行かなければいけなかったし、幸いにも紅魔の里から王都へはテレポート屋で繋がっている。早めに王都入りして、アクセルの屋敷宛に手紙を書けば心配されることもないだろう。

 

広場が里の中心だとするなら、めぐみんの実家は外れの方にある。その方向へ歩き出すと、道行く人に声をかけられ、魔王との戦いの話や、憧れのような声援を受けたりした。だいぶ慣れたが自由に移動できないというのは結構ストレスがかかる。それが俺達を褒め称える内容だとしてもだ。めぐみんも正直うざったそうにしている。なまじ知り合いだから余計だろう。

アクセルの街ではあらかた話し終わって、声をかけて来る人も減ったので助かっていたが、芸能人が外を出歩く時に変装するのも納得といった感じだ。

まあ俺は誰かに褒められたりちやほやされるのが嫌いではないので、ギルドなんかで酒が入るとついつい自慢してしまうのはご愛嬌だ。

 

二人で手を繋ぎ歩いていくと、前方の家から見知った人物が出て来るところに鉢合わせた。

最早俺と犬猿の仲と言ってもいいだろう、小説家気取りの少女あるえだ。

 

あるえもこちらに気付いたのだろう。胡乱げな視線を俺に向け。俺達に向かって歩き出す。

そして右手を俺の方に向けて、何かを詠唱する。

俺もそれに合わせて右手をわきわきとさせ「スティール」の準備をする。射程まであと2~3歩だ。

 

「ちょっと!!どうして二人とも声をかける前から喧嘩を始めようとするんですか!!」

 

めぐみんが俺と繋いでいた手を離すと、俺とあるえの間に割って入る。

めぐみんどいて!そいつ剥けない!

 

「止めてくれるなめぐみん。そいつと話しても愉快なことにはならないしな」

「不本意だが同意見だ。そこの男と話していても最終的に喧嘩になる。ならば最初から喧嘩をすれば時間も省けるというものだ」

「半分ニートのお前には時間なんて腐るほどあるだろ?あ、いや、小説家希望なんてほとんど家から出ないんだから半分引きこもりでもあるな。両方揃って一人前の落伍者だなおめでとう」

「・・・私は今こうして外に出ているから引きこもりでもないし、自分の小説でお金も得ているからニートでもない。魔王を倒したと言っても君の本質がダメ人間なのは変わらないだろう?今ここでよわっちい君を倒して私が最強だと証明してもいいんだよ?」

 

俺とあるえは互いをけなした後に押し黙る。

そして

 

「スティー」

「インフェ」

「だから二人ともやめなさいって言ってるでしょう!!」

 

めぐみんが俺とあるえをぐーで殴って黙らせる。

めぐみんが最強と証明された。

 

  §§§

 

俺とあるえはガルルル!と威嚇し合うと互いに反対方向へ歩き出した。

これから人生の一大イベントだってのに余計な労力を割いちまった。

 

「どうしてあるえと仲良くできないのですか?二人ともニート予備軍なのですから気が合うはずなのに」

 

めぐみんは再び俺と手をつなぎ直して、そんなことを言いだした。

いい加減俺をニート呼ばわりするのは止めてもらいたい。

 

「だからニートと呼ぶな!あいつとは初対面が最低だったし、その後も最低、再び会った時も最低といい思い出が全くない!つまり俺のあいつへの印象は最低という訳だな、はっはっは!」

「はっはっは!ではありませんよ。いつか子供を産むときは里帰りをして多少なりともご近所付き合いをするんですから、あんまり険悪だと苦労しますよ?」

「え!?初耳なんだが!?」

 

めぐみん曰く、紅魔族の遺伝子は優性らしく、生まれてくる子供はみな紅魔族の資質を有して生まれてくるらしい。いわゆる黒髪赤目のバーコード持ち。紅魔族と外の人が結婚した場合、どこに住むとかは自由なのだが、子供が生まれる際には里帰りして紅魔の里で出産するのがしきたりらしい。女性が一般人の場合も里で生んでもらうか、生まれたての子供を里に連れて来てくれるようお願いするそうだ。

そして生まれてきた新たな同胞を皆にお披露目して祝福するのだという。

 

それにしても完全優性とは恐れ入る。流石人造種族。

でもそれだとどんどん紅魔族が増えちゃいそうだが、紅魔族はほとんど同族で結ばれることが多く、あんまり外の人と結婚する人は少ないそうだ。なんでも無意識に黒髪に惹かれるんだとか。

 

「まあ、私はカズマが金髪でもカズマのことを好きになっていたでしょう。間違いありません」

「その謎の自信を見習いたいよ」

 

俺がめぐみんにそう返すとめぐみんが「ふふっ」と笑った。

 

「どうした?」

「いえ、金髪のカズマを想像してしまって・・・。似合ってないな、と」

 

俺が「こいつ」と頭をこずくと、めぐみんは可笑しさが引かないのか「ふふ」と笑いながらも頭を俺にこすり付けてきた。

これからの挨拶にちょっと怖気づいていたが、そんなものどこかに吹っ飛んでしまった。

 

  §§§

 

めぐみんの家の前に立つ。

建て直したおかげで以前のような吹けば飛ぶような印象は無く、まっとうな一軒家だ。

俺にはかつて相対した魔王城のように感じられる。

 

俺が繋いだ手をぎゅっと握ると、めぐみんは何も言わずにぎゅっと握り返してくれた。

それだけで勇気100倍だ。最悪アンパンチを喰らわせればいいと思えてくる。

 

呼び鈴をならす。しばらくするとドタドタと音が聞こえてきてドアが開かれた。こめっこだ。俺とめぐみんと、繋がれた手をじーっと見た後に奥に向かって叫んだ。

 

「お母さん!姉ちゃんが男と繋がったまま帰ってきた!」

「言い方!その言い方は誤解を受けるから止めて下さいこめっこ!」

 

めぐみんの訂正の言葉はこめっこが奥へ引っ込むドタドタとした足音でかき消されてしまう。すると、奥からゆいゆいさんがこめっこに連れられて現れた。

 

「まぁまぁカズマさんご無沙汰しています。・・・娘との仲は良好のようですね」

 

ゆいゆいさんが繋がれた手を見て、そう笑いかけてくれた。

ほっ、ひとまずゆいゆいさんは大丈夫そうだ。

 

「主人もいますよ。この2か月、カズマさんがいつ来るか分からず、遠出も出来ずにずっと家に居ましたから」

 

うぐっと俺はうめいてしまった。ゆいゆいさんは笑いながらそんなことを言ってくるが、目は笑っていない。

めぐみんも予想外の圧力にちょっと震えている。完全に計算外だ。

 

俺達が身を縮こませていると、奥からひょいざぶろーさんが顔を出した。

 

「やぁ、カズマ君久しぶりだね。そんな所ではなんだし上がりなさい。・・・そこではご近所迷惑になるだろうしね」

 

そう言って現れたひょいざぶろーさんは両手を服の袖に納めた腕組みのような出で立ちだ。

一見フレンドリーだが、その顔はゆいゆいさんと同じく目は笑っていなかった。

というか今の言い方だと怒鳴る気満々だぞ。

 

帰りたくなってきた・・・。

 

  §§§

 

俺達が通されたのは客間兼茶の間といった内装の部屋だ。

家を建て直したはずなのだが、慣れ親しんだ形に落ち着いたのか、椅子とテーブルではなく、ザブトンを敷いて床に座る形式だ。靴もこの国では珍しく玄関で脱いである。

 

俺とめぐみんは隣り合って座り、机を挟んでひょいざぶろーさんが座った。俺達は正座、ひょいざぶろーさんはあぐらだ。こめっこはちょっと離れた場所に座って様子を伺っている。

 

ゆいゆいさんが3つお茶を煎れて、俺達の前とひょいざぶろーさんの前に置くと、ひょいざぶろーさんの隣に座った。戦いの準備は整った。ここからが本番だ。

 

「カズマ君久しぶりだね。挨拶に来るという話だったが、あれから2ヶ月くらいか。ずいぶんと遅れたみたいだが、何かあったのかね?」

 

まずはひょうざぶろーさんが仕掛ける。魔王との戦いなど知ってるはずなのに呆けて見せた。

 

「はい、実はこの2か月間で魔王を討伐することが出来ました。その事後処理のバタバタで挨拶が遅れてしまいました」

 

俺はそう説明し頭を下げた。遅れたのは事実だし、申し訳ないという気持ちも本当だ。

 

「そうか、それは大変だったね。それで、その挨拶とは、何の挨拶だね?」

 

全て分かっているがやはり俺の口から言わせたいのだろう。ひょいざぶろーさんが俺に聞いてきた。俺も覚悟を決める。

 

「娘さんと、めぐみんと結婚させていただきたく、挨拶に伺いました」

「ほう、結婚。忙しかったとはいえ2か月連絡もなく約束を伸ばし、いきなりのこのこ現れるろくでなしの君と?」

 

俺の言葉に辛辣な言葉を返すひょいざぶろーさん。

 

「お父さんは甲斐性なしですけどね」

 

めぐみんは俺を馬鹿にされたことに軽く憤りを覚えたのか、そんな事を言った。

俺はめぐみんを手で制し、深々と頭を下げた。半ば土下座のような格好だ。

 

「遅れてしまった事はお詫びします。ですが、めぐみんとの結婚を認めてください!」

「認められん」

 

ひょいざぶろーさんは頑とした態度でそう言った。

分かっていたが明確に拒否されるとやはりショックだ。めぐみんも下を向いてしまっている。俺は土下座の姿勢のまま、隣に座っているめぐみんの手をぎゅっと握って、意を決して言ってやった。

 

「お義父さん!娘さんを俺に下さい!!」

「貴様にお義父さんと呼ばれる筋合いはないッ!!」

「ああ、やめてあなた!見かけは良くなっても相変わらずうちはお金がないのよ!!」

 

ひょいざぶろーさんはちゃぶ台をひっくり返して、机の上のお茶をぶちまける。

俺の背中に湯呑が当たりお茶が少しかかってしまう。

それまでしゃべらなかったゆいゆいさんが、以前と似たようなことを言ったが、以前のような気の抜けた雰囲気にはならなかった。

俺は頭を床にこすり付けた体勢のまま、動けなくなってしまっていた。

どこか楽観もあった。何とかなると思っていた。

それに最悪認められなくても事実婚のような形にすればいいと思っていた。

でも、目の前でめぐみんの両親に正論をはかれ、祝福されないという事実に身体がこわばり何も言えなくなってしまった。見通しが甘かったのだ。

 

「…………」

 

俺だけでない誰も何も言えずにしばしの間、部屋の中は静寂が支配する。

しかし、ふいに。そう、ふいに、俺の背中を誰かが撫でてきた。めぐみんだ。

めぐみんは優しく俺の背中を撫でるとキッと鋭い視線を投げかけてひょいざぶろーさんに喰ってかかった。

 

「お父さん、どうしてもカズマとの結婚は認められませんか?」

「認められん」

「そうですか。ならば私はこの家を出ます。紅魔族でもありません。ただのめぐみんとしてカズマと生きていきます」

「めぐみんッ!」

 

ひょいざぶろーさんがめぐみんを怒鳴りつける。

俺の背中に置いた手は・・・震えていた。

今まで育ててくれた両親への想い、誇り高い紅魔族としての自分。

それらを全て捨てて俺と結婚すると言ったのだ。怖くないわけがない。

 

俺は顔を上げた。

俺はめぐみんを幸せにする。

その努力をしていくと決めている。

ここで頑張らなかったら嘘だ。

 

「ひょいざぶろーさん」

「なんだね」

「俺にとってめぐみんは・・・もう半身なんです。俺の人生の半分はめぐみんなんだ。めぐみんと一緒に過ごして、めぐみんと幸せになって、めぐみんと子供を作って、めぐみんと老いていく、そういう人生なんだ」

「カズマ…」

 

めぐみんは俺の言葉に声を震わせている。

ひょいざぶろーさんの顔はしかめっ面のままだ。

 

「めぐみんとの結婚を諦めることは、自分の人生を諦めることも同じだ!だから俺は絶対にめぐみんと結婚する!めぐみんと結婚するためなら俺はもう一度魔王城に乗り込んだって構わない!俺は、俺はめぐみんのことを愛している!!」

 

俺はひょいざぶろーさんの目を見て、俺の気持ちを声高らかに宣言した。

めぐみんは、俺の決意を目の当たりにし感極まってしまったのか、はらはらと涙を流して泣きだしてしまった。

俺はひょいざぶろーさんの次の言葉を待った。

 

室内はしんと静まり返る

こめっこは俺達のやり取りに居づらいのか、部屋の隅にうずくまって画用紙に何か書いている。

俺もひょいざぶろーさんもゆいゆいさんも微動だにしない。めぐみんだけが涙を流しながら嗚咽をもらしている。

 

「母さん」

 

ひょいざぶろーさんが不意に声をだした。

 

「どうだね?」

「ばっちりです」

 

ばっちり?それはOKということなのだろうか?ゆいゆいさんが決めるのか?

 

「ばっちり録音できています」

 

ん?

は?

え?

録音?

 

俺とめぐみんは呆けてしまう。

すると部屋の隅でうずくまっていたこめっこが立ち上がり、書いていた画用紙を掲げて近づいてきた。画用紙にはカラフルな色彩でデカデカと文字が書いてあった。

 

<ドッキリ大成功!>

 

「じゃっじゃじゃーん!!」

 

こめっこが効果音のつもりかそんなことを言ってくる。

その声にひょいざぶろーさんとゆいゆいさんがへなっと身体の力を抜く。

 

「いやー慣れない演技をすると疲れるな」

「あなた、名演技でしたよ!音声しか撮れませんが厳格な父親そのものでしたよ!」

「母さんがちゃぶ台をひっくり返した時にいつもの調子で注意するから笑いそうになったじゃないか!」

「「あはははははは!」」

 

え?なにこれ?え?ドッキリ?

 

俺の頭は未だ混乱しており、二人が話していることが理解できない。

俺だけでない、めぐみんも同じようだ。

そんな俺達の様子を見て、ひょいざぶろーさんが陽気な声で話しかけてきた。

 

「いやー、わしがカズマ君とめぐみんの結婚を反対する訳ないじゃないか!忘れたのかね?この家の建て替え費用の援助だって君がしてくれたことだし、今や君は魔王を倒せし勇者!「最強の最弱職」が我が家の家系図に乗るなんて名誉なことだ!」

 

そう言うと朗らかな声で笑った。

 

「主人の作った魔道具の中で数少ない売れ筋の録音魔道具を用意しておいて良かったわ。あの勇者カズマが娘への結婚の挨拶に来た音声。反対する親を説得し、めぐみんとの愛を語る!結婚式の披露宴で流せば大盛り上がり間違いなし!」

 

だんだん分かってきた。

この人達は娘の結婚に反対する親、という定番のイベントを演出して録音して楽しんでいたのだ。

演技までして。

 

その事実に思い至ると、俺の中でふつふつとした感情が沸き起こってくる。

これは。

 

怒りだ。

 

「くそったりゃあああああああああああ!!!」

「がああああああああああああああああ!!!」

 

怒りを覚えたのは俺だけでない。隣で泣いていためぐみんもだ。むしろ泣いていた分、めぐみんの怒りは怒髪天といった様子で、声にならない声を上げて暴れ回る。俺もそれに追従した。

 

「やめて二人とも!見かけは良くなっても相変わらずうちはお金がないのよ!!」

 

ふざけんな!!

 

  §§§

 

その後、ゆいゆいさんとひょいざぶろーさんが土下座をし、流石に土下座させるのはどうなんだと冷静になり、俺達が挨拶に遅れたのも悪いということで手打ちとなった。

 

俺はそこで買っておいたお土産を広げる。

前回は霜降り赤ガニだったが、今回は日本の心SUKIYAKIセットだ。

すき焼きは日本人から伝わり王都を中心に親しまれている料理だが、紅魔の里では馴染なく、また経済的に苦しいめぐみんの実家では初めての料理であった。

 

それ故に、夕飯の時間は、修羅の国の様相となった。

 

「もぐもぐもぐもぐ」

「もぐもぐもぐもぐ」

「もぐもぐもぐもぐ」

「もぐもぐもぐもぐ」

「・・・・・・・・」

 

俺以外の4人の紅魔族の連中は一心不乱にすき焼きを食べていく。

めぐみんの家の家訓「食べられる時に食べる」は現在進行形で実践中だ。

 

「おい、母さんその肉はまだ赤い!食べたら腹を壊すかもしれない!私によこしなさい」

「あなたこそ健康の為にこのSHIRATAKIを食べてください!つゆが染みて肉よりもおいしいかもしれませんよ」

「あ、こらこめっこ!そのお肉は私の領域のものですよ!」

「弱肉強食」

 

一つの鍋を皆でつつき、穏やかとは言えない騒がしい食卓。

まるで日本の家族との食事のようで、俺は「ハハッ」と軽快に笑ってしまった。

 

その後、俺の買ってきたすき焼きセットを存分に堪能し、シメにご飯を入れて卵を落としておじやを作り、それも完食した。

久しぶりに満足のいく食事だったのだろう。

俺はひょいざぶろーさんに「君が娘と結婚してくれて本当に良かった」と言われ、ゆいゆいさんは「めぐみん、毎日食事を頂けることに感謝してカズマさんの変態的なお願いも聞いてあげるのよ」とめぐみんにアドバイスを送り、こめっこは「カズマ兄ちゃん、私とも結婚して。妾でいい」と爆弾を投げつけてきた。

 

食事も済んで風呂に入る事になった。ご両親は最初に客人である俺達に入るよう勧めてきたが、それは遠慮し、一番風呂はひょいざぶろーさんが入り、次にゆいゆいさんとこめっこが入った後に俺達の番となった。

風呂から上がったゆいゆいさんが顔に手を当ててにこやかに風呂を勧めて来る。

 

「それじゃあお風呂が空きましたので二人とも入ってください。お湯が冷めてしまいますから二人一緒にね」

 

ゆいゆいさんはそんなことを言ってきた。

 

「そうですね、では入らせていただきます」

 

俺はそう言ってめぐみんと一緒に立ち上がる。めぐみんも特に何も言わず付いてくる。

その様子にゆいゆいさんは珍しく慌てた様子だ。

 

「え、え、その様子ですと、カズマさんは家の娘とお風呂に入ったことがおありなんですね?」

 

ゆいゆいさんの質問に、まあ隠すことでもないかと思い何気ない感じで話した。

 

「ええ、毎日一緒に入ってます」

「え!毎日ですか!そうしますと、その、あっちの方も・・・一線を越えた感じでしょうか?」

 

親に報告することか分からないが、聞かれたからには答えなければなるまい。

 

「ええ・・・まあ」

「あらあらまあまあ!」

 

ゆいゆいさんは嬉しそうに声を上げると、うふふと笑っている。

その顔は何かを成し遂げた子供を見ている顔だ。まあ間違いじゃない。

 

「なら、めぐみんはお風呂から上がったら私の所に来なさい。我が家に代々伝わる技を授けます」

 

なんだ代々伝わる技って。そんな一子相伝みたいな技がこの家に伝わっているのか?それを受け継ぐ受け継がないでめぐみんとこめっこが血肉を分ける争いをしたりしないだろうな?

俺の疑問にめぐみんも同調したようで、ゆいゆいさんに疑問を投げかけた。

 

「代々伝わる技など初耳なのですが。そんなすごい技があるなら魔王討伐前に聞きたかったですね」

「まあ代々伝わるってのは嘘ですけどね」

 

ゆいゆいさんはうふふと笑い、そう言ってきた。

本当にこの人はひょうひょうとしているというか、のらりくらりとした人だ。

 

めぐみんに何か伝えたい事があるのは本当らしく、めぐみんは風呂後に寝室に行くことになった。結婚するにあたり、心構え的なものを教えるのかもしれないな。俺はどうするかな、と思いつつも俺達はめぐみんの家の風呂場に向かった。

 

めぐみんの家の風呂は、良くも悪くも普通の一軒家の大きさだ。屋敷の風呂の大きさに慣れている俺達にとっては狭く感じるが、日本の俺の家の風呂だってこんなもんだし別に不満はない。それに俺達は風呂の最中は基本的にシルエットが重なっているので広くたってスペースの無駄だ。

俺とめぐみんはいつものようにめぐみんの頭を先に洗い、俺の頭を後に洗う。毎日一緒に洗いっこしているため、いつのまにか順番も決まっているのだ。

めぐみんが俺の頭を洗っていくのだが・・・、いつにもまして楽しげな雰囲気で洗っているのが気になった。

 

「どうした?何かいいことでもあったか?」

 

俺の質問にめぐみんは「ふふ」と鼻歌でも歌いそうな勢いで答える。

 

「いえ、実家でカズマと一緒にお風呂に入って、カズマの頭を洗う。それが何だか嬉しくって。本当にカズマと家族になるんだなぁと感慨にふけってしまいました」

 

めぐみんの慣れ親しんだ家はもうないが、それでも実家で風呂に入るという行為は家族で行うものだ。それを俺と行ったことで、より一層俺と家族になるという実感がわいたのだろう。

俺はめぐみんの一言に、明るい未来予想図を思い描いてしまう。

 

「そうか。そうだな、子どもが出来たら毎日お風呂も一緒に入って、バスタオルで拭いてやって・・・。そしたら屋敷も今よりもっとにぎやかになるだろうな。そう思うと早く子供が欲しくなってきた」

 

俺の希望にめぐみんは少し顔を赤くする。

 

「毎日あれだけやってるんですから子供だってすぐできますよ。それより結婚式までに子供が出来たらどうするんです?式の日程を早めますか?」

「いや、子どもが出来たとしても俺は来年にしたいと思ってる。それに子供と一緒に結婚式をやるなんて、すげー楽しそうじゃん」

 

俺の言葉にめぐみんは賑やかな結婚式を夢想したのか、ふっと笑うと「カズマらしいですね」と言い同意してくれた。

 

「それより、日課をしとこう。こういうのは継続することが大事だしな」

「ここでもするんですか?その、あれは、結構恥ずかしいのですが」

 

めぐみんは恥ずかしがっているが、拒んでは来ない。めぐみんもハマっているのを知っている。

めぐみんは俺の頭をお湯で洗い流したあと、洗面器に真新しいお湯を張り、その場にお尻を付けないようにしゃがんだ。いわゆるうんちポーズだ。

俺は洗面器のお湯で指先を濡らすと、めぐみんのアナルをちょんちょんと触った。

 

「ん・・・」

 

めぐみんがアナルに触られた感触で声を漏らす。

アナルの方はぴくぴくと動き、しばらくするとくぱくぱと開閉をしだした。

俺は人差し指と中指をめぐみんのアナルに挿入していく。

 

「ふぅぅぅ・・・・んんんん・・・・」

 

魔王を討伐してから、俺はめぐみんのアナルの調教を毎日していた。いつか子供を身ごもった時の為に、子宮への刺激が少ないアナルセックスをするためだ。俺は子供がお腹にいる間くらい、セックスはしなくてもいいと言ったんだが、めぐみんの方が毎日セックスすることに拘ったのだ。俺が子宮への影響を危惧すると、ならお尻の穴ですればいいと言ったのもめぐみんだ。めぐみんの性への好奇心は留まるところを知らない。

 

アナルへの調教は主に夜の風呂場でめぐみんの直腸内を洗い、ベットに移ったあとに指や舌でほぐすといった流れで行っていた。

直腸をきちんと洗わないと感染症などの危険があるためだ。

直腸洗浄は湯船の中ですることも考えたが、俺達はみんなが入った残り湯に浸かる事が多く、湯船の中での洗浄は逆に危険だと判断した。そのため、こうして新しいお湯を用意して洗っている。

 

「ふぅぅぅぅ~~~~。うぅぅぅぅぅ~~~~~。ああぁぁぁぁぁ~~~~」

 

めぐみんはもう直腸を弄られることに慣れており、抵抗感や痛み・苦しみは感じていない。それどころかアナルを弄られる快感に長く息を吐きながら身をくねらせている。

このままずっと弄っていけば絶頂に導くことも出来るだろうが、俺はアナルから指を抜いた。

 

「んんっ!えっ・・・なんで・・・」

 

めぐみんが物足りないのかしゃがんだままお尻をふりふりと振っておねだりをしてくる。その卑猥なポーズに負けそうになるが、ここをどこだか思い出してほしい。

 

「おいおい忘れたのか?ここは屋敷じゃないんだぞ。最後まではしないっての。さ、湯船に入ろう」

 

俺の言葉にここが実家だと思いだしたのだろう。「あっ」と小さく声を出すと恥ずかしそうに顔を赤くした。

俺はめぐみんの手を引っ張って立たせてやると、二人で湯船に浸かる。

いつものように隣り合って座るにはめぐみんの家の湯船は広くない。

俺はめぐみんを俺の前に座らせて、重なるように身体を密着させた。

 

「「はぁ~~~」」

 

温かいお湯に包まれる感覚に、自然と声が漏れた。おやじ臭いが仕方ない。めぐみんだって漏らしてたし。私がおじさんになったら、あなたもおばさんよ、ってな感じだ。

 

いつもと違う感じでめぐみんと密着している。

この体勢はいつも以上に・・・性的だ。夜のお風呂では致さない約束はしているが、それでもこうも密着してしまうと俺の息子もむくむくとせり上がってきてしまう。

俺のあそこはめぐみんの股の間から突き出している。位置を変えれば挿入することも出来そうだ。

 

「…………」

「…………」

 

俺もめぐみんも何も言わない。

ここで何か言葉を発してしまうとずるずるとセックスしてしまう流れだ。先ほどもここが実家だということで寸止めしたばかりだ。だからこれ以上はいけないのだが…。

 

「うっくっ、め、めぐみん?」

 

めぐみんが俺のあそこの先端、亀頭をなでなでと触り出した。

俺がめぐみんに呼びかけると、めぐみんは少し振り返り俺を見る。その目は熱を帯びていて、我慢の限界と言った様子だ。もう実家とか関係ない、と言わんばかりの表情で俺に媚びてくる。

 

・・・俺はめぐみんを幸せにする努力をすると誓った。めぐみんが望むことを叶えるのが俺の仕事だ。それに親公認で結婚のお許しを貰っている。つまりどこで致そうと、夫婦間の問題なわけで、何も問題ないのでは?

俺はそんな意味の分からない理論の飛躍を持って行動を起こした。

自分のガチガチに勃起したチンコを握ると、めぐみんの秘部にあてがい、腰を突き上げた。

 

「うひぃ!!うむぅぅぅ~~~~~!」

 

めぐみんが嬌声を上げるが慌てて口をおさえて声を上げないよう努力する。

しかし、お風呂場に声が反響してしまい、予想以上に声が大きく聞こえる。

このまま抽送を続けると確実に居間に居るご両親にバレてしまう。俺は一計を案じることにした。

 

「めぐみん、今から動かすけどその間めぐみんは湯船に潜っていてくれ。息が苦しくなったら顔を上げて呼吸をして、その間は俺は動かないようにするから」

「はぁ・・はぁ・・分かりました」

 

めぐみんが息をすーっと大きく吸い込んだ後、湯船の中に頭を沈めた。俺はそれに合わせて腰の動きを開始した。

 

「………!…………!」

 

めぐみんの口からぶくぶくと泡が溢れ、水の振動で何か叫んでいるのが感じられる。

だが、声の大きさ自体は先ほどと比べるべくもなく小さくなっている。これなら外にも響かないだろう。

俺が腰を動かすたびに、湯船のお湯がゆっさゆっさと津波のように揺れ、めぐみんの声が振動となって俺の身体を叩いていく。

しばらくすると、めぐみんが頭をざばっと上げた。

俺はその動きの予兆を感知して、腰の動きをいったん止めてやる。

 

「ぷはっ!かひゅ~~っ!ひゅ~~~~~!はぁっ…!はぁ……!」

 

めぐみんはお湯から顔を上げると、酸素を求めて過呼吸のような懸命に息をしている。めぐみんの喘ぎ声は大きいので、普段はその分たくさん呼吸をしているのだろう。それが今は吐き出すことはできても吸う事ができず、しかも限界まで潜っていた性で酸欠のような状態になっているようだ。

 

めぐみんが空気を取り込もうと躍起になっているが、その度に膣内がぎゅっぎゅっと収縮を繰り返す。もとの世界で首絞めセックスなるものが存在していたが、今の状態はそれに近いのかもしれない。当たり前だが俺は愛するめぐみんの首を絞めたりなんてしないので、この感覚は初体験に近い。

 

俺がかつてないうねりに感動していると、めぐみんの息も整ってきたのか再び息を大きく吸い込むと頭を湯船に沈めた。めぐみんも苦しいだろうに頑張るな。

俺はその頑張りに応えてやるために、腰の動きに加えて左手で乳首を、右手でクリトリスを弄ってやることにした。

 

「……!!………!!!…………!!!」

 

めぐみんがじたばたと暴れ湯船のお湯がばしゃばしゃと外に溢れ出す。膣内のうねりも相当なものだ。

めぐみんは俺の太ももに手をかけ踏ん張って、顔が浮上しないようにしている。めぐみんの身体が固定されたおかげで俺の動きもしっかりしたものに変わる。

膣全体をグラインドするには湯船の中は狭いので、めぐみんの最奥のボルチオをぐにぐにと的確に責めるような腰使いだ。

 

「………!!!…………!!!」

 

めぐみんが背中を丸めてうめいているのが分かる。

背中を丸めているので、俺の視界だとめぐみんの背中とお尻がクローズアップされている。それが何だか大きなお尻型のオナホのように見えて、その固定されたオナホに腰を振っているような錯覚に見舞われていた。めぐみんをオナホのように認識してしまう罪悪感と、どうしようもない興奮を覚え、俺の腰の動きは激しくなる。

さらに、乳首を弄っていた左手を下げていき、両手を使ってクリトリスを弄り出した。

これが効きすぎてしまう。

 

「…!?……!!!ああああああっ!!あきゅううぅぅぅぅ!!」

 

めぐみんは一際大きくビクつくと、何の予兆もなくいきなり顔を上げて叫び出した。

息が限界近くだったのに加え、いきなり腰の動きとクリへの刺激が増えたことで大きな絶頂を迎えてしまったようだ。

俺はいきなり顔を出しためぐみんに驚き、何とかしてその声を抑えようとめぐみんの顔をこちらに振り向かせて、キスをして口を塞ぐ。

 

「うむぅっぅぅううぅ!!ううぅぅうぅ…!!うっ……!!………!!!」

 

息が苦しい所に絶頂を迎え、さらに呼吸をしようとしたらキスで口を塞がれためぐみんは、完全な酸欠状態になってしまった。鼻で呼吸しようにも、先ほどまでお湯の中に浸かっていた為、そう早く鼻呼吸なんて出来ない。

目は白目をむき、膣内はぎゅうううと俺のチンコを締め上げる。その膣圧に俺も絶頂を迎え、めぐみんの奥に射精をしてしまう。

俺は射精の快楽に腰を打ち付けながら、めぐみんの酸欠をどうにかしようとして人工呼吸のように息を吹き込んでやった。

 

「んぶぅぅぅううぅぅう!!むちゅうううううう!!んぶふううううう!!」

 

念願の空気を与えられてめぐみんが激しく俺の口に吸いつく。めぐみんの必死な吸い付きで、互いの口からはバキュームのような下品な音が漏れ出す。

堕ちる寸前の快楽は相当な物の様だったようで、めぐみんの目は白目のまま身体はがくがくと震え、膣は痛いぐらいに俺のチンコを締めつけうねっている。

俺は鼻で吸った息をめぐみんに送りつけながら腰を動かし、ぐいんぐいんとめぐみんに精を出しきる。

めぐみんはひとしきり息を吸い尽くすと、今度は吸った息を吐きだそうとしてきた。俺はそれを受け入れて、めぐみんの吐いた息を肺に納める。しばらく二人でそうやって循環呼吸を繰り返す。俺の息がめぐみんの肺に収まり、めぐみんの息が俺の肺に収まる。何とも言えない幸福感に心が温かくなる。

 

しばらくめぐみんの目がとろんとしたいつもの様子に戻った。いつのまにか循環呼吸は終わり、いつものように舌を絡めるキスに変わっていた。

俺が口を離すとめぐみんとの間につっと線が残る。めぐみんが名残惜しそうに舌をチロチロとしているので、もう一度キスをしてやった。

 

長い間キスをしていると満足したのか、めぐみんの方から口を離し、はぁ~と俺を背もたれにするようにして寄りかかってきた。

 

「カズマとのセックスは本当にすごいですね。苦しいはずなのにすごく幸せな感じでした」

 

そう俺の気も知らないで満足気に語るめぐみん。

正直俺は冷や汗だらだらだった。

 

「いや、俺としてはおっかなびっくりだったけどな。酸欠状態は気持ちいらしいけど脳へのダメージもあるし、もう二度とやりたくはないぞ。気付いたらめぐみんが窒息死してました、なんて状況は勘弁してほしい」

「え!?そんな…」

 

俺の否定の言葉にめぐみんが悲しそうな顔をする。いやそんな顔してもめぐみんの身体が一番大事な訳だし・・・。

すると、めぐみんが未だに繋がったままの俺のチンコをぎゅっぎゅっと締め上げて来る。

最近のめぐみんは何かおねだりするときはこうして俺のチンコへのダイレクトアタックを仕掛けてくるから達が悪い。

 

「…まぁ、最後のキスでの口封じがなければめぐみんの裁量で調節出来るかもしれないけど」

「ええ!私自身が限界に行く前に顔を上げればいいのですから安全性は確かですよ!」

 

確かに普通の首絞めセックスよりかはやられている方の加減が効く分安全なのかもしれない…。

俺が迷っているとめぐみんが「ん~」と口を付きだしてキスの催促だ。

俺はそれに応えてちゅっちゅっと唇だけのキスを何回かしてやった。ま、後々考えればいいか。

俺のキスにご満悦なめぐみんだったが、その最中に目を見開いて勢いよく顔を離してしまう。なんだ?

 

「こ、こここ、こめっこ!?いつからそこに!?」

 

めぐみんの叫びに俺はギョッとして左斜め後ろの扉を振り返る。

そこにはこめっこがじーっと俺達の様子を眺めているのが見えた。

 

「や、やあ、こめっこ。どうしたそんな所にいて?」

 

俺は冷静に取り繕いながらそう声をかけた。

こめっこの位置からは俺達が繋がっているかは分からないはずだ。キスは見られたかもしれないが、仲良く入浴しているだけにも見えるはずだ。

 

「お母さんが姉ちゃん達の風呂が長いから様子を見てきて報告しろ、って」

 

こめっこはそれだけ言うとまたじーと見つめて来る。

いや、そんな気はしていたが問題はいつからこめっこが居たかだ。

 

「そ、それでこめっこ。いつからそこに・・・?」

 

めぐみんが恐る恐る聞く。

 

「姉ちゃんが潜った時から。お母さんには姉ちゃんとカズマ兄ちゃんが乳繰り合って姉ちゃんが気持ちよさそうな顔してたって報告する」

「ほとんど最初からではないですかッ!?それに一体誰ですか乳繰り合うなんて言葉を我が妹に吹き込んだのは!?」

「隣の家のぶっころりー」

「ぶっ殺しますよあのニートッ!!」

 

めぐみんの叫びに自分も怒られると思ったのだろう。こめっこはぴゅーといった感じで居間の方へ走り去ってしまった。

 

§§§

 

俺達が居間に行くとひょいざぶろーさんの姿は見えず、ゆいゆいさんが顔に手を当ててにこやかに出迎えてくれた。

 

「どうでしたか?湯加減は?」

「え!?ええ…丁度よかったです…」

 

既にこめっこから報告を受けて、俺達が風呂で致していたというのは知っているはずだが…。何も言われないところをみると、そこはスルーしてくれそうだ。

 

「まあ、お湯が冷めても娘の中は温かいでしょうから問題はありませんよね」

「ちょ!?お母さん!!」

 

スルーはしてくれなかった。

めぐみんが恥ずかしさのためか非難の声を上げるがゆいゆいさんは変わらず「うふふ」と笑っている。

 

「それじゃめぐみん。伝えることがありますから寝室に来なさい。カズマさんは先に部屋の方で待っていてください」

 

そう言ってゆいゆいさんはめぐみんを連れて行ってしまった。

致したことを注意されなかったってことは、つまりゆいゆいさん公認はもらえたってことでいいよな?

 

さて、俺は割り当てられた部屋に行くかな。

こめっこは既に寝てしまったようで姿が見えないし、これといってやることもないし。

そう思い、部屋に向かって歩き出そうとしたところにひょいざぶろーさんが現れた。

 

「カズマ君少し時間はあるかな?私の寝酒に付き合ってくれないか?」

 

そう言うひょいざぶろーさんの手にはとっくりとぐい呑みが2つ握られている。様子を見る限り俺を待っていたようだ。

 

「俺とですか?もちろん構いません」

 

めぐみんと結婚するからには、この人ともより深い付き合いになっていくはずだ。特に予定もないし、ご相伴にあずからせて頂こう。俺はひょいざぶろーさんの後に続いて部屋に入った。

 

ひょいざぶろーさんが向かった先は挨拶や食事で使った客間兼茶の間だ。いつもは寝室で呑むそうだが、今はゆいゆいさんとめぐみんが何やら秘密のやり取りをしているそうで使えなかったそうだ。

ひょいざぶろーさんは床にどかっと座り、俺も正座で向かい合って座る。

 

「あぁ、そんな改まなくて結構。足は崩して構わないよ」

 

俺はその言葉に甘え、ひょいざぶろーさんと同じようにあぐらで座り直した。

やっぱり日本人として床にあぐらで座るのはリラックスできる。

 

「まずは一献」

 

ひょいざぶろーさんがぐい呑みにとくとくと酒を注いで俺の前に置き、同じように自分の物にも注ぐと杯を上げた。俺は自分の前の杯を持ち、同じように上げてから一気に飲み干す。途端、胃にカッとした熱さを感じた。口当たりはいいが、結構度の強い酒の様だ。

 

「ふむ、このお酒ならすぐに酔えるからね。家計的に水の様に呑むわけにはいかん」

 

俺の表情を見て言いたい事を察したのだろう。そんな事を言ってきた。ゆいゆいさんはそういう所うるさそうだしな。俺も将来は尻に敷かれるのかな。めぐみんの尻ならいいかなとも思ってしまうあたりめぐみん症候群も末期だな。

 

しばらく二人して何も言わずに酒をあおっていく。

ふいに、ひょいざぶろーさんがぽつりと漏らした。

 

「夢だったんだ」

「え?」

「こうやってな、息子と酒を呑むというのが。密かな夢だったんだ。うちは娘が2人だから無理だと思っていたがね…」

 

ひょいざぶろーさんはそう言って杯の中の酒を見つめながら薄く笑う。

俺はそれを見て、何とも言えない、そう何とも言えない想いに胸が締め付けられた。

この世界に来てとんと思いださなかった日本の家族、父親のことを思いだしていた。もしかしたら親父もいつか一緒に酒を呑むのを楽しみにしていたのかもしれない、と。

 

「それで、カズマくんは異国の出身だと聞いていたが、ご両親はそちらにお住まいかな?一度挨拶に伺おうと思うのだが」

 

俺の心情を知ってか知らずか、ひょいざぶろーさんはそんな事を言いだした。

 

言うべきだろうか。

俺が異世界転生者だと。

いや、言うべきだ。

 

既にめぐみんには魔王討伐後に伝えてある。

俺としてはそんな大した事じゃない風に言ったつもりだったが、めぐみんは酷く狼狽していた。曰く「カズマは…元の世界に帰ってしまうのですか?」だ。

俺は何を馬鹿なと笑ってやったが、もしかしたらめぐみんはそれを気にして情緒不安定になっているのかもしれない。

 

「ひょいざぶろーさん。俺の出身について、お話ししたい事があります」

 

俺の一言にひょいざぶろーさんが居住まいを正した。真面目な話だと思ったのだろう。

確かに真面目な話だが、荒唐無稽な話でもある。

俺は言葉を選びながらこの世界に来たあらましを伝えていく。

 

別の世界の出身であること。

そこで死んで、女神アクアにこの世界への転生を勧められたこと。

転生の際の特典にアクア自身を選んだこと。

いわゆる自分は異世界転生者なので、この世界に家族はいないこと。

 

我ながら胡散臭い話だ。俺だったら結婚のあいさつの後にこんなことを言いだす奴との婚約なんて、その場で撤回するよう言うだろう。

 

俺は魔王討伐後のことも伝える。

魔王討伐の報酬で、日本への転生か、この世界へとどまるかの選択。

俺は皆の居る、めぐみんのいるこの世界を選んだということも。

俺のこれまでのことを伝えきった。

 

長くはないが短くもない俺の話の間、ひょいざぶろーさんは何の言葉を発さなかった。

ただじっと、俺の目を見て、酒も呑まず、身じろぎひとつしないで、ただ、俺を見ていた。

 

俺は少し緊張しながらひょいざぶろーさんの言葉を待った。

すると、ひょいざぶろーさんはふっと肩の力を抜くと杯を持ち上げてニッと笑った。

 

「つまりは・・・この世界の君の父親はワシと言う事だね」

 

俺はその言葉に打ちのめされてしまった。

これが父親だ。

そんな懐の深さを感じていた。

 

「カズマくん。もし、君とめぐみんでどうしようもないことがあったら、私達を頼りなさい。必ず力になろう。なんてたって娘と息子のためだ、一肌でも二肌でも脱ごう」

 

ひょいざぶろーさんは優しく笑いながら語りかけて来る。

やばい、泣きそうだ。

俺が下を向いてしまったことで少し気恥ずかしくなってしまったのか、ひょいざぶろーさんは冗談めかして「我々もお金が苦しくなったら君を頼る事にするよ。あっはっは」と酒をあおった。

ええ、もちろんだとも。援助は惜しまないさ。

 

俺とひょいざぶろーさんは話しを続けた。

最初は酒の力を借りたが、だんだんと酒をあおる機会は減り、言葉を交わす機会の方が増えていった。

その話はやはり互いの共通の話題、めぐみんのことが多い。

ひょいざぶろーさんは子供の頃のめぐみんのことを、逆に俺は最近のめぐみんのことを中心に話をし、それぞれが知らない一面を垣間見て笑い合った。

 

話題には事欠かず、酒もおいしい。それなりの量を呑んで、泥酔ではないが酔いを感じている。

それはひょいざぶろーさんも同じようで、顔は赤ら顔になっている。

ふいにひょいざぶろーさんが視線を外す。何か聞きづらい事があり思案しているようだ。

俺はそれを待つ。先ほど俺の話を黙って聞いてくれたひょいざぶろーさんに習い、少し居住まい正す。

 

「それで、その、少し聞きづらいことなんだが…」

「はい」

「めぐみんとの・・・アレは、どんな感じだね?」

 

下の話だった。

果たしてこういう話を義理の親に言うものなのか?

ゆいゆいさんと言い、意外とこの一家はエロいことに寛容なのかもしれないな。

 

「えっと、その、順調です」

 

先程もお宅のお風呂でやりました、とは流石に言えない。

 

「あ、いや、そうではなくてだね」

「?」

「もしかして、めぐみんは……声が大きいんじゃないか?」

 

俺はその言葉に驚いてしまう。ひょいざぶろーさんはその顔を見てやっぱりかといった表情だ。

 

「家内の得意魔法が何だか知っているかい?」

「えっと、得意かは知りませんが良く使うのは「スリープ」に「ロック」に後は「サイレント」…でしたっけ?……あっ!」

 

何故ここでゆいゆいさんの得意魔法の話に?そう思いながらも俺が1つずつ挙げていくとある事に思い至る。

もしかして。

 

「うちの家内もね…声が大きいんだよ」

 

そう言うひょいざぶろーさんの顔が赤いのは、酒の性だけでは無いだろう。

 

ひょいざぶろーさん曰く、ゆいゆいさんもめぐみんと同じく喘ぎ声が大きいタイプのようだ。

新婚当時は別に声が大きい位なんの問題も無かったそうだが、子どもが、めぐみんが生まれてからはそうもいかない。

赤ん坊のころは夜泣きの原因にもなったし、物心付くころになれば声に気付いて覗かれてしまうかもしれないと行為自体を控えたりしたそうだ。めぐみんとこめっこの年が離れているのもそういう理由らしい。

そして、ゆいゆいさんは静かに行為をするために「サイレント」を、子どもたちが覗かないよう「ロック」と「スリープ」を取得し、熟練度を上げていったそうだ。

 

「うちは家計の事情でこれ以上子供は望めないが、君は違うだろう?」

「はい…。子供はたくさん欲しいと思っています」

 

そのための行為も毎日継続中だ。

 

「なら、子どもが生まれた後に苦労するんじゃないかと思ってね。どれ、ちょっと待っていなさい」

 

そう言ってひょいざぶろーさんは立ち上がり、工房の方へ行ってしまった。

なんだ?めぐみんの声が大きいのと何か関係があるのか?

俺の疑問をよそに、ひょいざぶろーさんはすぐに戻ってきて、俺にある物を渡してきた。

 

「これを君にあげようと思ってね」

「これは…チョーカーですか?」

 

ひょいざぶろーさんが持ってきたのは中央に魔石らしきものが付いたチョーカーだった。丁度声帯の辺りに魔石が当たるように出来ている。

 

「それは私が作った「サイレント」の効果が封じられたチョーカーだ。それを首に巻くことで付けた人の声が周りに聞こえなくなる」

 

これはまだゆいゆいさんが「サイレント」を覚える前に作った試作品のチョーカーだそうだ。出来上がってすぐにゆいゆいさんが「サイレント」を覚えて無用の長物になってしまったらしい。

 

「本当に頂いてもいいんですか?」

「ああ。それに今夜も…するんだろう?」

 

おっとまさかのお義父さん公認子作りの許可が降りるとは。

俺が頭を下げるとひょいざぶろーさんはにやりと笑ってくれた。

父親は偉大だった。

 

  §§§

 

ひょいざぶろーさんとの語り合いも終え部屋に戻ると、既にめぐみんが布団の脇に座って待っていた。

待っていたのだが…何故か正座だった

 

「?どうしためぐみんそんな恰好で。もしかして結構待ったか?」

 

俺が聞くとめぐみんはその場で土下座した。

え!?なに!?どういうことだ?何かやらかしたのか!?

 

「え!?なんだどうしたんだめぐみん!?」

「いえ、カズマに謝らなくてはいけないことがありまして」

「いや、俺には心当たりがないし、とりあえず頭を上げてくれよ」

 

俺がそういうとめぐみんが頭を上げてくれたが、その顔は申し訳なさそうな顔だ。

だが本当に俺には思い当たることがない。

 

「それで、なんでいきなり土下座なんてしたんだ?」

「実は、我が母に呼び出されてのことなんですが…」

 

めぐみんはゆいゆいに連れ出されて2人きりで話をしたそうだ。

普段の俺達の様子や、里の皆に褒められたこと、仲間とも上手くやれていることなど、めぐみんを呼び出したのは俺がいない場所で気になっていたことを聞くためだったようだ。

俺達が仲睦まじいことや異名持ちになったことなど、それはたいそう褒められたそうだ。そこまでは良かった。

 

そして話はベッドの上での話になったそうだ。

 

ひょいざぶろーさんもそうだが子供とそういう話が出来るってすごい家庭だな。俺だったら両親とそんな話は出来そうにない。今や物理的にも無理だが。

 

ともかく、俺がめぐみんをどのように愛し、惑わせ、トロけさせているかを根掘り葉掘り聞かれ、自信満々に語ってみせたそうだ。

…なんで自信満々に答えるのか理解に苦しむ。明日の朝ゆいゆいさんと顔を合わせるのが気恥ずかしい。

 

俺との愛の深さを自慢げに説明し、その間ゆいゆいさんは黙ってその話を聞いていたそうだ。

そして話し終わると鋭い目つきでこう言われた。あなたはカズマさんの愛に甘えている、と。

 

ゆいゆいさん曰く、今までの俺とめぐみんの愛の営みは、全て俺が与えてくれた快楽にめぐみんが身を委ねているだけだと。愛とは与えられるものではなく築いていくものだと。

カズマさんの愛に甘えるだけでなく、あなたの愛もカズマさんへ届けるべきだと諭されたそうだ。

 

めぐみんはその言葉に雷に打たれたような衝撃を受けたそうだ。

たしかに自分はカズマにしてもらってばっかりで、自分からしたことはないと。

というか、いつも訳が分からない位にぐちゃぐちゃにされてしまうので、何かする余裕がないだけだと思うが。

 

そこからゆいゆいさんによる、殿方を喜ばせる作法を学んだらしい。時間がなく、簡単なことしか教えてもらえなかったそうだが。

 

「それで、その第1の方法が布団脇に正座で待つ、ね」

「はい、主人が寝室に来るのを正座で待ち、姿が見えたら頭を下げて迎え入れるのが作法だと」

 

どこの江戸時代だ。なんという男尊女卑。

というかそれは布団だから成り立つのであって、ベッドの脇に正座で待たれてもギャグにしか見えないぞ。

 

「いや、その作法はちょっと極端すぎるぞ。それはご両親のプレイの一貫なんじゃないか」

「そうなのですか?まあ、私たちは基本的にいつも一緒ですから先に布団で待つというのは成り立ちませんしね」

 

そう言ってめぐみんは正座を崩して座りなおした。

 

「というか愛を与える受け取るってあんまり深く考えなくて良いと思うんだけどな。俺達が良ければそれでいいと言うか」

「いえ、母の言う分も一理あると思います。いつも致す時はカズマ主導でやっていますからね。初めての時だってなすがままに獣のような感じでしたし」

 

まあ、めぐみんはあれだ。たまにはめぐみんのやりたいようにセックスしてみたいという話でもあるんだろう。めぐみんが俺をどういう風に愛してくれるのか興味がないと言えば嘘になる。

 

「そこで私は考えました。私達の初めては確かに情熱的で思い出深いですが、落ち着きがなかったようにも思えます。なので、今日は落ち着いた雰囲気で初夜をもう一度やってみようかと思うのです」

「初夜のやり直しか」

「やり直しではありません。私たちの初夜は素晴らしいものでしたから。ただ、別の形で初心に帰って致すのもいいのかもしれません」

 

俺はめぐみんの提案に乗り、再び初夜を迎える、という旨のなりきりプレイをすることにしたのだが…。

初めてってどんな感じだっけ?もう毎日しているのではるか昔のように感じてしまう。

 

「えっと…。それで、初夜の再現ってどうすればいいんだ?」

「カズマは控え目でお願いします。カズマが本気出してしまうと私は正常でいられないので」

 

めぐみんは座った状態のまま俺ににじり寄ってきた。

俺はあぐらを崩して股を広げてやると、その間に割って入り、俺の腕の中に納まった。

座っているのでいつもより顔の距離が近い。

めぐみんはおでことおでこをくっ付けると、優しく笑いかけてきた。

 

「カズマ、愛しています」

「ああ、俺も、めぐみんを愛している」

 

もう何回言い合ったか分からない愛の言葉を互いに交わし合う。

 

「ん」

 

めぐみんは顎をクッと持ち上げて唇だけのキスをする。いつものような舌を絡めたものではない、軽いキスだ。

 

「…えへへ」

 

2度3度唇だけを合わせてめぐみんは顔を離す。俺の股の間に座り直してはにかんで笑った。

こういう雰囲気の導入は実は初めてだ。普段はお互いもっとがっついてしまう。

俺はなんだか気恥ずかしさを覚え、あごをぽりぽりとかいて明後日の方向へ視線を背けた。

 

「なんか、恥ずかしいんだが」

「それはそうでしょう。なんていったって初夜ですから」

 

あくまで初夜であることを強調してくるめぐみん。

俺はそんなめぐみんの姿を改めて見た。

窓からは薄く月明かりが差し込んでいる。その光に照らされてめぐみんの輪郭と表情がぼんやり浮かび上がり、紅魔族の特徴である赤目は怪しく輝いている。

 

再びめぐみんが身体を寄せて来るがキスではないようだ。俺のお腹周りを優しく撫でまわしている

 

「実は、初夜ということで新たに試してみたいことがあるのですが」

「試したい事?痛くなければなんでもいいぞ。この身体はめぐみんの物だ」

 

めぐみんは俺の言葉が嬉しいのか目の輝きが増している。薄く笑いながらお腹を撫でていた手を下降させていき、俺の股間をズボン越しになでなでと触りだした。

 

「母からはここのことはあそこではなくおちんちん、私の方はおまんこと呼びなさいと教わりました・・・。その方が男の人は興奮すると」

 

ゆいゆいさんの性教育は極端だが的確だ。男心を良く分かっている。

 

「さらに母からはここ・・・おちんちんへの奉仕の仕方を教わりました。今日はそれを試してみたいのですが・・・」

 

めぐみんの目は既にテントを張っている俺の股間を凝視して離さない。

 

「いや、まあ、それは嬉しいんだが・・・」

 

俺の言葉を最後まで聞かずにめぐみんが俺のズボンを下に降ろす。

既に勃起していたため、ばるんっといった感じで俺のチンコがめぐみんの目の前に現れた。

 

めぐみんの眼前にチンコがそそり立っている。

こんな見せつける様にチンコを出したことはなかったので、俺としては何ともむず痒い。

 

「これが…いつも私の中に入っているのですね…」

 

めぐみんは陶然とした様子で俺のチンコを眺めていたが、恐る恐る手を伸ばして俺のチンコを触った。

めぐみんの手は最初ひんやりとしていたが、俺のチンコの熱を奪い取ったのかように次第に熱を帯びていく。

そして触っている手を握りこむと、ゆっくりと上下にしごき出した。

 

「母から、男の人はこうやってオナニーをするのだと教わりました。カズマもこうやってオナニーをしているんですか?」

 

めぐみんが俺のチンコをぎこちなくしごきつつ、上目使いで俺に質問してくる。

愛するめぐみんから受ける初めての愛撫。

それは決して上手なものではなかったが、大好きなめぐみんが一生懸命しごいているという状況が、何とも言えない気持ちよさをプラスしてくれている。

 

「ふぅ…っ…お、同じようにする…けど、めぐみんにしてもってる方が…んくっ…気持ちいいぞ」

 

オナニーなんてしばらくご無沙汰だ。

めぐみんとセックスするようになってから無駄撃ちはせずに全ての精はめぐみんの中へ出している。

かつてのオナニーの記憶を呼び起こしつつ、めぐみんへ返事をしてやると、めぐみんは嬉しくなったのか手の動きを加速させていく。

 

「そ、そうですか。…嬉しいことを言ってくれる口は、こうです!」

 

そう言うとめぐみんは顔をグッと俺に近づけてキスをし始めた。

もちろん手の動きはそのままでだ。

 

「んちゅ…ちゅっ…ちゅる…れろ…」

 

初夜だということを忘れて積極的に舌を絡めてくるめぐみん。

一方的に責められるというのが初めてな俺は頭がぼーとしてくる。

無意識にめぐみんのあそこを弄ろうと手を伸ばすが、当のめぐみんが俺の腕を掴んでそれを阻止した後、口を離して俺を咎めるような顔をした。

 

「こらっ!だめですよ、今は私がカズマを責めてるんですから。カズマは大人しくしていてください」

 

悪いことをした子供をしかるお母さんのような言葉。

そんな姿に俺は見とれてしまって…黙ったままこくりと頷いてしまった。

めぐみんは俺の殊勝な態度がお気に召したのか、チンコを弄っていない左手で俺の頭をよしよしと撫でてくれた。そのままキスと手コキを再開する。

 

「んばっ…ぶちゅ…ちゅる…えはぁ…」

 

なんだろう、これは。

愛するめぐみんが俺のチンコを弄り、頭を撫でて、キスで口を封じてくる。

俺は抵抗することさえ許されないで、ただめぐみんの愛を一心に受けている。

チンコをしごかれる気持ちよさよりも、愛されるという行為が心地よくて、俺の頭はぼんやりとしてしまう。

 

しばし、そうやってめぐみんはただひたすらに俺を愛してくれたのだが、一向に俺が射精をしてこないのが不満なのか、顔を離してむーっとした顔で俺をねめつけた。

 

「どうして射精してくれないのですか。手が疲れてきてしまいましたよ」

「そりゃ我慢しているからな。一生懸命頑張るめぐみんをずっと見ていたくてお腹に力を入れて我慢していたのさ」

 

嘘だ。

我慢なんてしなくても、今日初めて手コキをしためぐみんの動きでは射精するまで性感が高まることはない。

だけどそんなことを言ったらめぐみんが可哀そうだし、悲しい顔なんて見たくない。

俺はわざと射精をしないと嘘をついて、めぐみんの顔が悲しい顔になることを回避した。代わりに怒り顔になってしまったが。

 

「そんなことしなくていいですよ。カズマのだらしなく感じる顔を見るのが目的なんですから」

「それは普段のめぐみんの顔だろ」

「うるさいですよ。……あっ、そうでした。母からもう一つのやり方を教わったのでした」

 

俺のちゃちゃにめぐみんは俺の身体を軽くぽかぽかと殴りつけていたが、ゆいゆいさんからの教えというのを思い出して態勢を変えてきた。

 

めぐみんは俺のあぐらの中から抜け出すと、四つん這いのような格好になり俺の股間へ顔を近づける。それでめぐみんが何を教わったのか分かる。

ゆいゆいさん。実の娘になんてことを教えるんだ。

 

「フェラチオという物を試してみます。要はおちんちんを舐める奴ですね」

「いや、いいって。汚いから」

「いつも私のあそこをべろべろ舐めまわしているカズマには言われたくないですね」

 

俺の拒否の言葉も何のその。めぐみんは俺の股間に向かってもぞもぞと顔を近づけていき、顔をぴったりとチンコに当てて、俺を見上げてきた。

 

可愛い可愛いめぐみんの顔に俺の醜いチンコ。

究極の対比の前に俺の正直な部分はぴくぴくと反応してしまっている。

 

「ふふ、カズマのおちんちんは正直者ですね。持ち主とは大違いです」

 

俺のチンコの反応に上機嫌のめぐみんは、一度顔をチンコから離すと、両手で竿を優しく包み、亀頭部分へちゅっとキスをした。

 

「うっ…!」

 

思わず俺の口から呻き声が漏れて、それを聞いためぐみんは「にぃぃっ」と顔を悪戯っぽくゆがめていく。

そして俺の態勢が持ち直す前に亀頭へ何度も何度もキスの嵐を浴びせ始めた。

 

「うっ…ふっ…うぅっ…!」

 

めぐみんが俺のチンコにキスをしている。

その事実が想像以上に俺の興奮を誘うのか、俺の口からは多分に息を乗せた声が漏れ出している。

俺の反応に気を良くしたのか、めぐみんはさらなる追撃を加えてくる。

 

「ちゅ…れろっ!…変な味がしますね。でも悪くありません」

 

めぐみんはキスだけで収まらず、俺のチンコにアイスを舐めるようにぺろぺろと舌を這わせだしてきたのだ。

俺の亀頭を中心に、裏筋やカリなど、普段の挿入ではあまり意識してこなかった部分を積極的に刺激される。

 

「ふっ…うっ…め、めぐみん…!気持ちいいぞ…!」

 

思わず俺はめぐみんの頭を撫でながらそんなことを言ってしまう。

これじゃまるでめぐみんのことを性奴隷のように扱っているみたいで嫌なのだが、股間からせり上がってくる快楽が、自然と手と口を動かすよう強要してくるのだ。

 

当のめぐみんはそんな俺の罪悪感などつゆ知らず、初めて俺を責めて、それを褒められているという状況が嬉しくて嬉しくて…さらに舐める場所を拡大していく。

 

チンコ全体にめぐみんの唾液がまぶされると、めぐみんは舌で舐めることを切り上げ、口を広げて俺のチンコを咥えこもうと動き出した。

さすがにそれは許容できない。

 

「いいって!めぐみんそれはいいって!!」

「えあぁ~~!あぁ~~!!」

 

めぐみんは口を広げながら俺のチンコを無理やり咥えこもうと、ぐいぐいと顔を突き出してくる。

俺はめぐみんの肩に手を当ててこの可愛らしい強姦魔を押しのけようと努力するが、悲しいかな魔王を倒してレベルが上がった俺の力のステータスでも押し返すことは叶わず、めぐみんは見事俺の亀頭部分を咥えこむことに成功した。

 

「うわっ…!ぐっ…!」

 

亀頭を包む暖かく柔らかくぬめぬめとした感触。

あそことはまた違った快感に、俺は背をのけ反らして感じてしまう。

肩にあった俺の手というつっかえ棒が無くなったからか、めぐみんは俺の胴体に手を回すと本格的に俺のチンコを舐め回しだした。

 

「ちゅる…!じゅる…!」

「あぁぁ…!」

 

口に含まれた俺の亀頭部分。

めぐみんは口内の亀頭周囲に舌をべろんべろんと回転させるように這わせて嘗め回してくる。これはゆいゆいさんに教わったのか、それともめぐみんのアドリブなのか。あまりの気持ちよさに俺の口からは情けない声が出る。

 

「ちゅぶっ…!じゅぼっ…!んぶっ…!」

「くあっ…!ぐむ…!」

 

さらにめぐみんの追撃が襲いかかる。

めぐみんはじゅぶぶぶとチンコを完全に咥えこむと、頭を前後に振ってじゅぼじゅぼと深いストロークで動き出した。

これ以上情けない声を出してなるものかと歯を食いしばって耐えているが、その様子がめぐみんにとっては嬉しい出来事のようで、より一層頭の動きを加速させて俺の精を絞り出そうと躍起になっている。

 

本当に今日初めてフェラチオをしたとは思えない動き。

知能の高い紅魔族の恐ろしさを目の当たりにした訳だが、流石にここまで責められると射精感も込み上げてくる。

 

俺は何とか平静を装いつつめぐみんの肩を叩いて合図を送った。

 

「ほ、ほらめぐみん。もう出るからそろそろ口を離してくれ」

「じゅぶっ!じゅぼっ!ぶぷっ!ちゅぼっ!」

「出るから!もう出ちゃうからいいって!離れて!」

「ぐぽっ!ちゅっぷ!ぐっぽっ!」

「はな、離せって!お前はサキュバスかっての!いいから離れてくれって!!お願いだから!!」

 

バシバシ肩を叩いてもめぐみんは俺の股間から離れず、むしろ勢いを増して精を搾り取ろうとしてくる。

まるでサキュバスのような吸い付きにたまらず俺はめぐみんの肩をグイと押して、無理やりチンコからめぐみんを引き剥がした。

 

「ぷあっ!?……。…なんで出してくれないのですか」

「ふぅ…。ふぅ…」

 

自分の意志とは反してチンコと離れ離れになったからか、めぐみんは若干不機嫌そうに俺に食いついたが、俺は俺で四つん這いになった上で腹に力を込めて何とか射精しないように努力する。声だけでなく姿も情けないことこの上ないが射精をしないことの方が大事なので仕方がない。

 

射精感も収まり、四つん這いからあぐらに戻ってめぐみんの方へ向き直る。

めぐみんは無言のままぷくっと頬を膨らませていて、何だか子供のような怒り方に心が温かくなる。

 

「ごめんな。別に意地悪した訳じゃないんだよ」

「意地悪ですよ。カズマはどうしようもなく意地悪です」

 

俺の謝り方が悪かったのか、めぐみんはぷいとそっぽを向いてしまった。

確かに、どうしてここまで射精をしないことに拘るのか、説明しなかった俺が悪い。

 

俺はめぐみんの方へにじり寄って、座った状態のまま柔らかく抱きしめ、ぷくっと膨れた右頬に軽いキスをしてやった。

 

「…………」

 

めぐみんは目だけで俺をジトッと見ると、顔を回転させて、今度は左頬を俺の方へ向けてぷくっとさせた。

思わず笑いそうになるのを堪えながら恭しく左頬にもキスをしてやる。

 

そうやって何度か左右の頬へキスを繰り返してやると、頬の中の空気がぷしゅーと抜けてめぐみんがいつもの顔に戻った。

そしてクスリと軽く笑うと正面に向き直って、俺の方へ口を突きだして「ん~」とおねだりをしてくる。機嫌は直ったらしい。

 

俺も同じように軽く笑うとめぐみんの口へと顔を近づける。

めぐみんのしたいことを実行するのが俺の役目だ。唇同士が触れ合った瞬間に、濃厚に、これでもかと、俺の愛をぶつけてやった。

 

「んちゅぶっ!ちゅるっ!れおっ!」

 

いつにもまして激しいキス。

舌を絡めて、歯を舐めて、口内を舐め回す。

 

俺は嬉しかった。

めぐみんが俺の為にあんなことをしてくれたことが。

とても嬉しかったのだ。

 

だからその気持ちを込めて、丹念に丹念に、めぐみんの口の中を蹂躙する。

めぐみんも俺が嬉しいことが嬉しいのか、俺の舌の動きに合わせて舌を絡めて、俺の気持ちに応える様に燃え上っていく。

しばし、一心不乱に口吸いに伴う水音だけが部屋に響き渡った。

 

………

 

「ん…」

 

ひとしきり愛をぶつけ、俺は口を離す。

最初のうちは俺の身体に手を回しながら俺に合わせて舌を動かしていためぐみんだが、今や腕はだらんと力なく降ろされ、布団の上にぺたんと座っている。

 

「えあぁ~…はえぇ~…あぁ~…」

 

放心したかのようにキスが終わったのにめぐみんは口を半開きにして、無意識に舌をれろれろと動かしている。

小刻みに痙攣しているが、どうやら軽くイッてしまったようだ。

俺はめぐみんが回復するまで優しく頭を撫でてやる。

 

よしよし

よしよし

 

めぐみんの舌の動きに合わせる様に手を左右に動かしてめぐみんを褒める。

しばし可愛らしく舌を動かしていためぐみんだったが、手の下の頭がもぞりと身じろぎした気配で手を離した。

幼子をあやすような対応だったためか、めぐみんの顔は赤くなっている。

 

「もう、怒ってないか?」

「……怒ってはいません。だけど不満ではあります」

 

そう言って少しだけ顔を反らして再び頬に空気を溜めるめぐみん。

俺はそれを見て先程と同じように頬にキスをしようとしたが、めぐみんの手がぐいと俺の身体を押してくる。

 

「もういいですよ。それで、どうして出してくれないのか聞いてもいいですか?」

「…ごめんな。大した理由じゃないんだ」

 

めぐみんが俺のキスを拒否してまで聞いてきたということは相当気になっているのだろう。

めぐみんに僅かながらでも不安を抱かせてしまったことを後悔する。

やっぱり愛するめぐみんに隠し事なんて出来ないんだな。

 

「初めてから今日まで、俺達は毎日セックスしてきた訳だが」

「えぇ。毎日。それは濃厚に」

「その時に出した精液は全部……ここへ出しているのは気付いていたか?」

「…っ!」

 

俺は真面目な顔で見つめてきていためぐみんの視線を躱しながら、人差し指でつつっとめぐみんの下腹部を、子宮に当たる部分を撫で上げた。

めぐみんも俺の言いたい事を理解したのか、唾を呑みこんで、俺と同じように視線を下げている。

 

「めぐみんのことを絶対孕ませる。俺の子供を妊娠して欲しい。幸せな家庭を作りたいんだ。だけどそれはあくまで俺の勝手な願望だし、実際に妊娠して苦しい思いをするのはめぐみんだ。だから俺の口から積極的に理由を言えなかったんだよ。ごめんな」

 

俺がそう心情を吐露すると、めぐみんは下を向いたまま黙ってしまった。

夜という事もあり、部屋の中はしーんと静かになる。

我ながらなんて身勝手な言い分だろう。めぐみんが怒るのも分かる。

 

俺はチンコを丸出しにしながら足を組み替えて正座になり、愛しいめぐみんの沙汰を待った。

俺がそんな情けない格好になってすぐ、めぐみんに動きが見え出した。

小刻みに、ぷるぷると、肩を揺らしだしたのだ。

 

「くふふふ…ふふふ…!」

 

めぐみんは両手をお腹に当てると下を向いたまま、楽しげに笑い出した。

大声で笑いたいのにそれを無理やり抑え込んだように、くっくと押し殺したように笑っている。

 

「めぐみん…?」

「くふっ…!何ですかその理由は。それならそうと早く言えばいいのに。カズマは変な所で真面目なんですから、もう」

 

めぐみんが顔を上げて俺の顔を覗き込んでくる。目の端には涙が溜まっていて…そんなにおかしなことを言った覚えがない俺としては何とも気恥ずかしい。

 

「変じゃないだろ。俺はお前のことを考えて…」

 

照れ隠しが多分に入った俺の言葉はめぐみんの唇で無理やり遮られた。

軽く、けれど深く、愛を乗せたキスを二度三度繰り返した後、口を離した。

 

「…カズマは私の物です。そして、同じように私もカズマの物です。好きなように、思うがまま、扱ってくれていいんですよ」

 

めぐみんはキスを終えた後に両手で俺の頬を包むと、おでことおでこをくっ付けて視線を絡めてくる。

本当に、めぐみんには敵わないな。

 

「…分かったよ。それじゃあめぐみんが妊娠するまで精飲はもちろん、アナルセックスもしない。これでいいか?」

「…自分で言った事ですけど、ちょっとくらいなら飲んだり入れたりしても…」

「だめだよ。ほら、初夜ごっこもここら辺にして、日課を済ませちゃおうぜ」

 

俺はそう言うとめぐみんを四つん這いの体勢になるよう手を使って誘導する。

めぐみんは「ごっことはなんですか!ごっことは!」とイキリ立っていたが、その目は既に赤く、ぐるぐると欲望に染まっている。

 

どうやら俺の妊娠させる発言に興奮してしまったのだろう。めぐみんの方こそ、もう初夜なんて関係なく激しく交わりたいようだ。

 

めぐみんは怒ったふりをしながらも布団の上に四つん這いになる。その体勢のまま俺の準備が整うのを待つ。俺がパジャマとパンツを自分の手で脱がしたい派なのを理解しているのだ。

 

俺はというと、持参した荷物から透明な液体が入ったボトルを取り出して蓋を開け、中の液体を口に含んでぐちゅぐちゅと口内で転がした後に呑みこんだ。

 

「そんなことしなくても大丈夫ですってば。だから早くしてください…」

 

めぐみんは既に我慢の限界なのか、四つん這いのままお尻を高く上げてふりふりと振って俺を誘惑してくる。大して時間を取らせないのだから待ってほしいものだ。

 

今俺が飲んだのはその名も「女神アクアの天然水」

ひっどいネーミングセンスだが、魔王討伐後に俺が考えてアクアに生産させている「ただの水」だ。

作り方はアクアが瓶に入った水に指を突っ込む。これだけ。

それだけなのに、この水の効果は除菌、消臭、歯垢除去、虫下し、ちょっとした聖水と多岐に渡る。

毎日の日課の際に俺が口に含んでいるのも舌の雑菌を取るためだ。今から舐める所はデリケートな部分だからな。

 

準備を終えた俺は布団の上で淫らに腰を振っているめぐみんに近づく。

ズボンを膝の部分まで降ろしてパンツを露わにする。そしてそのパンツはほんの少しだけずらしてお尻の穴だけが見えるような位置に留めた。

 

「お待たせ。それじゃ今日もいただきます」

「はい、召し上がれ」

 

俺のふざけた言い方にめぐみんものりのりで応える。

俺はゆっくりとめぐみんのお尻へと顔を近づけて、ぺろっとお尻の穴を舐め上げた。

 

「うきゅっ!」

 

めぐみんがいつもと同じように可愛らしく、なおかつ楽しそうな嬌声を上げる。風呂場でのお尻洗いと合わせて、セックス前のお尻舐めも日課となっている。

めぐみんのお尻の穴を舐めることに対して、俺の中に忌避感などはない。

何もめぐみんに汚い場所などないと思っている訳じゃない。俺は汚い場所もひっくるめてめぐみんを愛しているのだ。尻穴のひとつやふたつ、全然苦ではない。

 

そんな俺の心情を正しく理解しているのか、最初の内は恥ずかしがっていためぐみんも、今ではお尻舐めを許容している。むしろ愛する俺にお尻の穴を舐めてもらえるという背徳的な行為にハマっていると言った方が正確だ。

お尻をさらに高く突き出して、俺が舐めやすいようにぐいぐいと押し付けてくる。

 

俺はそのお誘いには乗らずにお尻の穴の周りを、しわを伸ばすように丁寧に舐め広げていく。

 

「ほぁ~~!はぁっ!お、お尻がぁ~~!はおぉ~~!」

 

めぐみんが長く長く喘ぐ。その声にはお尻舐めに対する忌避感はなく、ただただ気持ちよさだけを主張する声色だ。

その声が原動力となって俺のお尻舐めは激しくなるが、いつまで経っても肝心な部分を舐めてくれない俺に我慢が出来なくなってきたのか、めぐみんの喘ぎに切羽詰まった物が混じりだす。

 

「はやっ…!はやくぅ~~!!うぉぉ…はやくお尻の中もぉ…おおぉぉ…!舐めてぇくださいぃ~…!」

 

腰をくねくねと艶めかしく動かしながら甘えたような声を出して俺に媚を売ってくる。

その時だった。

 

ガタッ

 

誰もいないであろう部屋の扉の先、廊下の方から物音が響いた。明らかに誰かが居る。

まさかいつぞやのようにゆいゆいさんが俺達の情事を監視しているのかもしれない。

そう思った俺は慌ててお尻舐めを中断しようとしたが、めぐみんはお尻を突きだして関係ないとばかりに声の艶を増していく。

 

「はやくぅ…!はやくぅ…!うぅぅ…!」

 

めぐみんにも物音は聞こえていたはずだが、そんなことは関係ないとばかりにおねだりの声を大きくしている。

…まぁ、俺達の関係は既に認められたものだ。風呂場でも情事を知られていることだし今更かもしれない。

何よりめぐみんをこのままにしておけないし、俺だってそろそろむしゃぶりつきたい。

 

誰が覗いていようが関係あるか。俺はそんな投げやりな気持ちを表すように、おいしそうにぱくぱくと開閉を始めているお尻の穴へと舌を突きだした。

 

「はきゃっ!?あきゅうぅぅ~~~!!うきゅうぅぅ~~~!!」

 

俺が舌を深くめぐみんのお尻の穴の中へ突き刺した。その瞬間にめぐみんが顔を持ち上げながら大きく叫んでビクビクと痙攣を始めた。

実家でのお尻舐めで興奮していたのか、めぐみんはお尻に舌を入れられただけで深く絶頂してしまったみたいだ。

 

ガタッ!?ガタタ!?

 

めぐみんの絶頂に合わせて廊下からの音も大きくなる。

ふふ、これで驚いてもらっちゃ困る。まだ舌を入れただけ、本番はここからなのだ。

 

「ほあぁぁ~~!!舌がぁぁ…!お尻の中でぇん!にゅぐにゅぐと暴れてぇ!!うひぃぃぃぃ~~!!」

 

俺はめぐみんのお尻の中に入った舌を縦横無尽に動かしまくる。それは舐めるというよりも舌を使ってお尻を拡張しているような激しいもので、その激しさに呼応するようにめぐみんの声を大きく、激しくなっていく。

 

「うおぅぅ…!ぐりょんぐりょんってぇ~!お尻の中でまわって…!はひぃぃ~!!」

 

ランダムに動かしていた舌だが今度は回転運動を始める。時計回りにゆっくりと大きく回転させて腸壁を舐めとるように、丹念に舐め回していく。

その回転の動きに呼応しているのか、めぐみんの身体も時計回りにびくびくと身じろぎながら布団を引っ掻いていく。

 

「あおおっほぉぉぉ~~!!」

 

時計回りで舐めたなら反時計回りもしたくなるのが人情だ。俺が舌を先程までと反対方向へべろべろ動かすと、めぐみんもそれに合わせて今度は違った向きへもがきだす。

 

「あおっ!ほおっ!はおおっ!!ふぐっ!!うぐぐぐぐぐっ!!」

 

時計回りに舐めると右へ。

反時計回りに舐めると左へ。

俺の舌の動きに対応したかのように暴れまわるめぐみんが面白くて、愛おしくて。

俺は洗濯機のスクリューのように短い間隔で回転する向きを変化させた。

そんな俺の舐め回しにめぐみんはのた打ち回り、最終的に枕に顔を埋めてお尻がもたらす快楽を堪えようと努力している。

 

「うごおおぉぉぉ~~!!うおおぉぉぉぉ~~!!」

 

だけど我慢なんてできる訳がない。

毎夜毎夜めぐみんを狂わせて愛している俺にとって、めぐみんがどう舐められれば一番感じるかなんて分かりきっている。

的確に、執拗にめぐみんのお尻の中を舐め回していくと、めぐみんは顔を枕に押しつけたままお尻を持ち上げに持ち上げ、まるでクラウチングスタートのような格好になってお尻をぐいっと俺の顔に押しつけた。

 

「あおおぉぉぉぉ~~~!!あおおぉぉぉぉぉん!!」

 

めぐみんが吼えながらお尻を突きだす。

突き出して突き出して、完全に下半身は立ち上がろうとしているのに顔だけは枕に埋めたままという極端な格好になった。

俺もそれに合わせて姿勢を正していき、今では普通にあぐらをかいて座った目の前にめぐみんのお尻があるという状態だ。

舐めやすくなったこともあり、俺は限界まで舌を伸ばして、少しでも奥を舐め回しめぐみんを狂わせる。

そうこうしているうちに舌先に苦みを含んだ液体を感じるようになってきた。

けれど関係あるもんかと、より一層尻舐めの速度を上げていく。

 

「じゅるっ!じゅばっ!じゅっ!んじゅっ!」

「ひいおおぉぉぉぉ!!おひいぃぃぃぃぃ!!うひいぃぃぃぃぃぃ!!」

 

苦味の正体は腸液だ。

排便の際に腸壁を保護するために分泌されるそれは愛液に比べて粘性が少なく、さらさらしている。

俺はその腸液をまるで蜜に群がる虫のようにじゅるじゅると舐めとり、飲み干していく。

もちろん腸液は美味しい物でもないし、そもそも腸液を飲むという行為はかなり危険だ。

けれど「女神アクアの天然水」があるので、あまり気にせず行為に勤しむことが出来ている。

 

一方めぐみんは尻穴を舐められ、分泌液を舐めとられるという行為に酷く興奮している様子だ。

天高く突き上げられたお尻はかくんかくんと大きく前後に動いて、パンツがぐっしょりと濡れている。どうやら絶え間なく股間から潮が吹き出ているのだろう。

 

廊下にいる人物も見入っているのか、物音は鳴りを潜めて強い視線だけを感じる。

ふふ、あのゆいゆいさんが度肝抜かれるなんてちょっと鼻が高い。それだけ俺達の愛が素晴らしいということだろう。

 

調子に乗った俺はさらにしつこく、めぐみんのお尻を舐め上げていった。

その度にめぐみんは絶叫し、痙攣し、イキまくり…

気付いた時にはめぐみんはぺしゃりと布団に倒れ伏し、足をがに股にしてへこへこと細かく腰を振るようになっていた。

 

「はひぃ…うひぃ…」

「…こんなもんかな」

 

めぐみんがダウンした所で俺は肛門から口を離して、腸液で濡れた口周りをぐいっとジャージの袖で拭った。

そして、じっと見つめて来ていた廊下にいるゆいゆいさんの方へ振り返って「どうだ」とばかりにドヤ顔を送ってやった。

 

!?

 

ガタ!ダッダッダッ

 

突然俺が振り返ったからだろうか。

ゆいゆいさんは一際大きな物音を立てると、慌てた様子で廊下を走り逃げ出してしまったようだ。

普段ひょうひょうとしたゆいゆいさんらしからぬ慌てようだが、出歯亀していたことに罰の悪さを感じたとかそんな所かな。

 

ゆいゆいさんへの思案を切り上げて、未だ情けなく腰をカクつかせてイキ続けているめぐみんを見る。

 

「うひぃ…ひひ…」

 

実家での容赦のない尻舐めが余程気持ちよかったのか。

めぐみんは腰を動かしながらだらしなく笑っていた。そんな顔を見ているとさらなる責めを与えたくなってしまうじゃないか。

 

俺は轢き殺されたカエルのようなポーズのめぐみんの横に座り直して、左手でめぐみんの頭を、右手をめぐみんの肛門へ当てがった。

右手の人差し指、中指、薬指をまとめると、舐め上げたことでふにゃふにゃなっている肛門へ埋没させた。

 

「ほおぉぉぉぉ…!んほおおぉぉぉ……!!」

 

めぐみんがだらしないものから驚愕と喜悦に顔を変化させる。

日々のお尻洗いと尻舐めによって、既にめぐみんの肛門は俺の指を三本、無理なく挿入できるようになっていた。

そう、指三本。それは初夜の時にあそこにチンコを入れる前に試した本数だ。つまりめぐみんは既にいつでもアナルにチンコを入れる準備が出来ているのだ。

 

顔を上げて咆哮を上げるめぐみんの頭を、左手でよしよしと撫でてやる。

指三本を呑みこめるようになったこと、俺の都合で未だチンコをいれてやれないこと。

もろもろを込めて撫でてやると、めぐみんは心地よさそうに再び「えひ…えへぇ…」と楽しそうに笑ってくれた。

 

俺はめぐみんの世界一可愛い顔に見惚れながら、頭を撫でる左手と同じように右手で直腸内をよしよしと撫でてあげた。

 

「うきぃぃぃッ!!ひいいぃぃぃぃ!!」

 

悲鳴のような声を上げながらめぐみんは肩で上半身を支える様に震わせて絶頂している。

長時間の嘗め回しで敏感になった直腸を「えらいえらい」と撫でてあげているのだ。そりゃ気持ちいいのだろう。

 

よしよし

なでなで

 

しばしそうやって、イキまくっているめぐみんを手放しに褒めて撫でまわしていると、手に温かさを感じる様になってきた。

不思議に思ってめぐみんの股間の方へ視線をやると、パンツからパジャマのズボンを伝って、どんどんと黒い染みが広がっていくのが見えた。

 

「ァ…!ぉ…!」

 

めぐみんの顔が真っ赤になったまま、ふるふると震えている。

どうやら余りの気持ちよさに栓が緩み、失禁してしまったようだ。

 

本当ならすぐにでもタオルか何かで水けを吸い取って後始末をしなければいけないのだろう。

だが俺はそんなことは関係ないとばかりに、驚いて止めてしまった両手を再び動かしだした。

 

なでなで

よしよし

 

気持ちよくなって嬉ションまでしてくれた愛しい人。

それを放置して後始末なんて、俺には出来ない。

いっぱい気持ちよくなってえらいえらいと、頭と直腸内の手を優しく優しく動かしてあげた。

 

「ううぅぅぅ!?うぅぅぅ…!ひうぅぅぅ…!!」

 

恥ずかしさと嬉しさからか。めぐみんは顔を真っ赤にしながら呻き……絶頂していた。

イキながらおしっこを漏らして、全身を痙攣させている。

 

「うひ…!ひひひ…!」

 

部屋で失禁など本来なら叱られてしかるべき事柄も、許し、逆に肯定して貰っている。

そんな絶大な愛にめぐみんは呆けた顔をしながら卑しい笑い声を上げている。

普段の印象とは違うめぐみんも可愛くて、俺は「可愛いぞめぐみん。偉いなめぐみん」と声に出しながら撫で続けた。

 

おしっこを出しきったのか、めぐみんは脱力して布団の上に倒れ込んだ。

俺の方も頭を撫でるのを止めて、直腸を弄っていた指を勢いよく引き抜いた。

めぐみんはその衝撃に再び絶頂したのか、一際大きく跳ねて、また布団に力なく横たわった。

おそらく残尿も出しきったのだろう。めぐみんの満足気な顔でそれを察した。

 

俺は自由になった手をめぐみんのおしっこで濡れたパジャマや布団に当てて後始末を始める。

 

「ピュリフィケーション」

 

魔王討伐時に爆裂魔法を習得してスキルポイントはかつかつだったが、プリーストの使う浄化魔法を新たに習得していたのだ。

俺達の交わりは色々と部屋を汚したりするので、この魔法は本当に重宝している。

ただ、あくまでおしっこを水にしているだけなので拭き取らないとぐしょぐしょのままなのだが。

タオルで水けを吸い取っていると、絶頂から回復したのかめぐみんが申し訳なさそうな顔をして声をかけてきた。

 

「…すみません。後始末を任せてしまって」

 

めぐみんは布団に伏せたまま、頭だけを動かして謝っている。

口だけで体を動かさないのはイキすぎて腰が抜けて動けないからだ。いつものことなので俺は気にするなとばかりに軽く笑ってやった。

 

「いいんだよ。めぐみんのおもらし顔は最高に可愛いから、これ位は苦にならないよ」

「ううぅぅ!私はおもらしキャラではありません!次こそはちゃんと我慢をしてみせますよ!」

 

そうめぐみんが勢いよく宣言するがその目は欲望に燃えているのであくまで〝振り〟という奴なのだろう。指摘すると怒りそうなので笑いながら手を動かした。

 

後始末も終えたので再びめぐみんに向き直る。めぐみんの方も身じろぎ位なら出来るまで回復したのか、うつ伏せの格好から仰向けになって俺と向かい合った。

 

「それじゃ、やるか」

「ふふ、お手柔らかに」

 

俺はめぐみんに覆いかぶさって軽くキスをすると、動けない代わりにめぐみんのパジャマを慣れた手つきで脱がしていった。

めぐみんも身体をくねらせて手伝い、僅かな時間で布団の上にめぐみんの美しい肢体が転がる。

 

「本当に、綺麗だ」

 

万感の想いを込めて呟く。

毎日見ているが飽きることのない、俺にとって理想の裸体。

本心からの言葉にめぐみんも毎回同じ返事をしてくれた。

 

「全部、あなたの物ですよ」

 

同じ言葉に同じ返事。もはやセックスをする前のルーティーンのようなやり取り。だけどいつだって新鮮な喜びと嬉しさと興奮が胸を占める。

俺は我慢できないとばかりに、最近少し大きくなってきためぐみんの胸にむしゃぶりつこうとして、ジャージのポケットから何かが零れ落ちたのに気付いた。

 

「?なんですか、それ?」

 

落ちた物が身体に当たったからか、めぐみんも気付いたようで頭だけを起こしてそれを見つめている。

 

「あぁ、すっかり忘れてた。いい物を貰ったんだ」

 

落したのは言うまでもない、ひょいざぶろーさんから貰った付けることでサイレントの効果が付与されるチョーカーだ。

俺はめぐみんに貰った経緯と効果を説明する。

 

「…お母さんも声が大きかったんですね。二人のそういう場面は目撃したことがなかったので知りませんでした」

「見つからないよう徹底しているみたいだったしな。それだけ凄いセックスをしているってことだろ」

「ならば私達は二人が度肝を抜くような濃いセックスをしなくてはなりませんね」

 

俺の軽口を両親からの挑戦状と勘違いしたのか、めぐみんはそんなことを言う。

どこの世界に親子でセックスの内容を競う家族がいるのか。ゆいゆいさんもひょいざぶろーさんも俺とめぐみんが実家でセックスすることに歓迎しているふしもあるし、そういう教育方針なんだろうか。

 

「せっかく貰ったもんだし、使ってみるか」

「ふふ、これを付けたが最後、泣いて叫んでもカズマには伝わらず、私はめちゃくちゃにされてしまうのでしょうね」

 

めぐみんの挑発に俺はお腹を撫でて返事をし、チョーカーを拾い上げるとめぐみんの首に巻き付けた。

めぐみんが普段付けているチョーカーと似たデザインだが、喉仏の辺りに紅く怪しく光る魔石が付いている。装飾品としても、めぐみんに良く似合っている。

 

「これ、使い方はどうするんだろ?そこまで聞いてなかったが」

「こういう魔道具の場合は大体魔石に触れるこ……」

 

めぐみんがしゃべりながら手を魔石に触れた途端にめぐみんの口からは何の音もしなくなる。口だけがパクパクと動いているのを見ると、めぐみんは効果が発揮されたことに気付いていないのだろう。

 

「すごいぞ!本当にめぐみんの声が聞こえなくなった。ひょいざぶろーさんってばセンスに問題があるだけで腕はいいって話は嘘じゃなかったんだな」

 

俺はめぐみんに効果が発揮されたことを教えつつ、義父になる人物に大変失礼な物言いをする。それに対してめぐみんは怒ることなく、むしろ慌てたようにきょろきょろと辺りを見回した後に、俺の方へ何かを伝えようと必死に口をパクパクさせた。

…なんだろう、声が聞こえないので何を言いたいかは分からないが、口をパクパクさせているめぐみんも可愛いなぁ。

 

俺は分かってる分かってるとばかりに大げさなジェスチャーをすると、顔を近づけてめぐみんにキスを…

 

「違いますよ!もう全然伝わってないじゃないですか!聞こえないんですよ!カズマの声はもちろん、周りの音なんかも全部聞こえません!」

「え…」

 

詳しく聞くと、魔道具を使ったとたんに完全な無音状態に陥ってしまい、普段なら身体を伝わって聞こえるはずの自分の声も聞こえないとのことだった。

なんてこった。そんなの、それって…

 

「何か不都合があるのか?」

「ありますよ。カズマが何か話しかけてきても私には分かりません。悲しいです」

 

そんなことか、と俺は笑えない。愛する人の愛の囁きが聞こえないというのはとても悲しいことだ。

 

「そしたらいつも以上にたっぷりと愛してやらないといけないのか」

「そうです。いつも以上に、激しく、濃厚に、愛を注いでください。大丈夫です。何て言ったって私はしゃべれませんから。多少無理をしても問題ありませんよ?私が泣き叫び、許しを請うてもカズマはきっと止めてくれないでしょう」

 

めぐみんは「ふへへ」と笑いながら目をぐるぐるとさせそんなことを言ってきた。

最近めぐみんはダクネスに相談して俺の好きそうなプレイというのを教わっているらしい。

今の発言もそれを踏まえてのものだろう。

 

だけど、この様子を見る限りめぐみんもノリノリだ。

俺を喜ばせようというよりも、めぐみん自体が少しずつ被虐的な趣向に目覚めているふしがある。

めぐみんは俺を誘うかのような流し目をした後、チョーカーのスイッチを入れて、両手を俺の方へ伸ばし、コクリと顔を大きく動かし頷いて、受け入れ準備が整った事を伝えてきた。

 

「…いいのか?容赦しないぞ?」

「?…?」

 

俺は伸ばされた手を恋人繋ぎで絡めつつ問いかけるが返事はない。

どうやら既に俺の言葉はめぐみんに聞こえていないようで、代わりに小首を傾げて伺うような目を向けてくる。

 

思わずごくりと喉を鳴らす。

愛するめぐみんがこんな、こんな無防備な状態で目の前にいる。我慢できるはずもない。

 

俺は既にギンギンに勃起しているチンコを腰を動かう事で調整し、素早くめぐみんの秘所に当てがい、勢いよく奥まで突き込んだ。

 

「……!!…!!~~~!!!」

 

いつもだったら了解を得てからの挿入。

しかし今回はそれが物理的にも心情的にも出来ず、めぐみんは驚きと不意打ちに近い快楽に顔をのけぞらして早くも絶頂を迎えた。

俺は絶頂を迎えてわななくめぐみんをまじまじと観察する。

 

目は見開き端からは涙がこぼれ、舌を突き出しながら涎を垂らしている。

顔と同じく身体ものけ反っているからか乳首がぴんとしこりになって、全身には玉のような汗をかいている。

クリトリスも硬く勃起しながら咥えこんだ俺のチンコをきゅうきゅうと締めつけている。

 

いつも通りの絶頂だ。だけどいつも聞こえてくる獣のような声はそこになく、ただ静かに口をパクパクさせながらイキまくっている。

 

「…めぐみんめっちゃエロい」

 

にやりと笑いながら思わず漏れた言葉。自分でつぶやいた言葉を口の中で転がしながら抽送を開始した。

 

「……!!…!…!!~~~~!!」

 

自然と腰使いもいつもより荒々しく、激しくなっていく。

めぐみんは俺の普段とは違ったえぐるようなピストンに顔を上げて懇願するような表情を向けてきたが、三往復もしないうちに再び絶頂を迎えた。

足をピンと伸ばし、握りあっていた手は振りほどけてバタバタと救いを求める様に暴れている。

もちろん三擦り半で果てるほど俺のチンコはやわじゃない。めぐみんが絶頂しようと俺が射精するまで止まらないのが俺達のセックスだ。

 

「……!!……!!……!!」

 

めぐみんはもうイキっぱなしなのか、口を半開きにしながら舌をだらんと出してかくんかくんと頭を揺らしている。

マグロと無縁のめぐみんだが放心状態で声も出さずになすがまま犯されている姿は大きなダッチワイフのようで、愛するめぐみんのことを一瞬でもそんな風に思ってしまったことに後悔と、隠しようのない興奮を覚えてしまう。

俺は謝罪の意味を込めてめぐみんのお腹に指を這わせ、指文字で「大丈夫か?」と問いかけてみた。

 

「~~~!!~~~~!!」

 

指を這わせた部分にめぐみんが手を伸ばして止めようとするが、それが叶わず再びのけ反って絶頂した。

…どうやら興奮しているのは俺だけでなくめぐみんも同じようだ。

聴覚が制限された状態での容赦のないピストン。そのシチュエーションがめぐみんの被虐心に火を付けたようだ。

さらに、物が聞こえないということで他の五感が鋭くなっているのだろう。指を這わすという何でもない行為が今のめぐみんにとっては気が狂う程の気持ちよさを与えているのかもしれない。

 

俺はその様子に抑えきれない笑みを浮かべる。自分の心の奥底にある責めっ気が抑えきれない獰猛な笑みだ。

俺は自身の加虐的な心に逆らわず、先程からずっと主張を続けていた部分に手を伸ばした。

 

「…!!…!?…!!…!!」

 

俺はめぐみんの乳首に手を伸ばすと、いつもより僅かに力を込めてきゅううぅぅぅ!!とつまみ上げた。もちろん痛くならないよう気をつけて。

効果は絶大だった。

 

「!?!!!!!???!!!!!」

 

めぐみんが跳ねる跳ねる。

陸の上に打ち上げられた魚のように身体を不規則に痙攣させて、乳首の快楽から逃れようと努力する。

俺はそのじゃじゃ馬のような動きに惑わされないように、ぎゅう!ぎゅう!と乳首を摘まみ続け、顔を近づけてめぐみんの感じている顔を真正面から観察した。

 

「…!!………!!………!!」

 

めぐみんは目をぱちぱちと高速でしばたたかせ、口を開きっぱなしにしながらイキまくっている。

乳首の摘まみ上げにリンクして暴れていた身体が跳ね上がり、まるで心臓に電気ショックを受けているかのようだ。

俺はいっぱいいっぱいイッテいるめぐみんを褒めるために、ぎゅううぅぅぅ!!と乳首を摘まんだまま勢いよく離してあげた。

 

「…ッ!?…!!!!~~~~~!!~~~~~~!!」

 

ブリッジをして絶頂を迎えるめぐみん。

足はがに股に、手は顔の横に置いて、完全屈服の様相でイキまくる。

結合部に違和感を受けて視線を下げると潮がプシュプシュと吹き出して、俺の下腹部を濡らしている。

 

いつもながらの卑猥な痴態に俺は満足気にうんうん頷いて、達成感を味わいながらめぐみんの腰を掴む。

さっきから膣内のうねりが凄まじい。まずは最初の一回を出すことにしよう。

 

俺は腰を掴んでめぐみんの身体を固定すると、めぐみんの弱点の一つであるボルチオを歪ませるように最奥へとんとんと抽送を再開した。

 

「……!!………!!」

 

めぐみんは頭をのけ反っていてどんな表情か良く見えないが、たまに覗かせる顔は幸せど真ん中といった物で、「はへぇ♡はへぇ♡」という声が聞こえてきそうな程にとろけている。

 

そのだらしない顔を見ていると猛烈に射精感が込み上げてきて、俺は最奥へチンコを突き入れると勢いよく愛を注ぎ始めた。

 

「……♡!……♡♡!!」

 

めぐみんは口を大きく開いて何かを叫んでいるようだが、チョーカーのおかげで何も聞こえない。

けれど俺への愛を含んでいる叫びなのは間違いなく、その声を夢想しながら俺は何度も何度もめぐみんの子宮へ精を吐き出した。

 

「ふぅ……」

 

射精を終えてめぐみんを見やる。

めぐみんはぴくぴくと細かく痙攣して最初の一発目だというのにもう死に体だ。

俺は繋がったままぐったりとしているめぐみんを半回転させて横寝の状態にすると、その横へ添い寝した。

いわゆる背面側位という体位で、俺の顔の前にはめぐみんの後頭部がきている。

 

手をめぐみんの胸に回して強めにつねりあげた乳首を優しく優しくしごき、射精してなお硬さを損なわないチンコで膣の天井側、Gスポットをゆっくりぐりぐりと刺激してやる。

出来る男は後戯も忘れないのだ。

 

「…♡♡……♡♡」

 

死ぬような快楽に晒されためぐみんにとって今の責めは身も心もとろとろにとろける様な気持ちよさなのだろう。

表情も分からず声も聞こえないが極上の快楽に身を震えさせているのが伝わってくる。

恐らく、めぐみんは現在トランス状態に陥っている。ならば小休止もかねて俺はこの状態の維持に努めるだけだ。

 

ゆっくりゆっくりと指とチンコを動かすスローセックス。

膣からは俺の精液ではないどろっとした粘性の強い液体が垂れてきていて、めぐみんの享受している快楽の心地良さが窺い知れる。

 

俺はめぐみんを天国へ住まわせ続けながら役得とばかりにめぐみんの後頭部に顔を埋めて臭いを嗅ぐ。

 

「くんくん……はぁ、いい匂いだ」

 

我ながら変態じみた行為だが、めぐみんが放心状態でないと髪の匂い、特にセックスで汗ばんだ時の髪を嗅がせてくれないのだ。

全然臭くないと言っても頑なに嗅がせてくれないので、こうやって隙を見ては鼻を頭に押しつけてめぐみんの香りを楽しむ。

 

しばしゆっくりとした愛撫とめぐみんの匂いを堪能していたが、めぐみんの体臭を嗅いでいるとどうしようもなくムラムラときてしまい、このゆっくりとしたスローセックスでは満足できなくなってきてしまった。

そろそろめぐみんを覚醒させるためにも、まずは乳首から責めを変化させてみることにした。

 

人差し指と親指でゆっくりと上下にシゴキあげていた乳首だが、その動きを止め、親指と中指で乳首をキュッと摘まむ。

その瞬間にビクッとめぐみんの身体が震えて、膣でチンコをぎゅうっと締め上げて来る。

こんな僅かな刺激で軽くイッてしまっためぐみんだが、突発的な刺激だったのでトランス状態は解除されずに再び細かく痙攣を繰り返すだけになった。

俺はその様子を確認しつつ自由になった人差し指で、めぐみんの乳首の先端、乳頭をさわさわと撫でる様に刺激し始めた。

 

「…♡?…♡?」

 

乳首というのは実は先端よりも側面の方が敏感だ。

なので今までのセックスで俺は摘まんだりしごいたりはしても、乳頭を弄ったりはしてこなかった。けれど乳頭が感じない場所ということではない。ちゃんとした手段を踏めば、ここは得もいわない快楽をめぐみんに与えてくれる場所なのだ。

 

「…!…♡…!?…♡」

 

側面を摘まみつつ乳頭をさわさわと撫で続ける。

すると最初は曖昧な反応だっためぐみんの感じ方が変わりだす。

もじもじくねくねと、まるで尿意を我慢しているように身体を身悶えさせていく。

それでもさわさわと優しく撫で続けていくとまるで犬のように舌を伸ばして「へっへっ」と荒い息を吐く様になってきた。声は聞こえないけど。

 

頃合いかなと俺はめぐみんの身体を抱えてごろんと寝返りを打つ。今までの測位の体位から、俺の上にめぐみんが乗るような体勢に移った。

焦らすような快楽にいきなり体位が変わったからか、めぐみんがトランス状態から復帰して現状を把握しようと頭を持ち上げた。

その瞬間に俺は膣に入っているチンコでめぐみんの最奥をとんと一突きした。

 

「……!!?~~~~~♡♡!!~~~~~♡♡!?」

 

訳も分からぬうちにめぐみんが深く絶頂する。

確かに単体で考えた時に乳頭の刺激というのは側面の刺激に比べて弱い。

けれど、乳頭の快楽神経は子宮の快楽神経に繋がっている。

乳頭を丁寧に刺激してやることで子宮への道が開ける様に、軽い刺激でイキまくれるようになるのだ。

 

「…♡♡!!♡ッ!♡♡…!!~~~~♡♡!!」

 

さわさわ

とん

さわさわ

とん

 

相変わらずに乳頭を優しく撫でつつボルチオを一回だけ突き込む動きを続けていくと、俺の身体の上のめぐみんの上半身がくねくねと動いて頭が左右にかぶりを振っている。

声は聞こえないのが悲しいがきっと「うぅぅぅぅ♡♡」と泣くような声でイキ続けているのだろう。

 

「……♡♡!♡♡!♡♡!!」

 

何度目かの絶頂で足をピンと伸ばしためぐみん。

その足に自分の足を絡めて無理やりがに股の格好にさせた。

それじゃそろそろ本格的に動いていこう。

 

「♡♡!!♡♡!!♡♡!!」

 

腰を深くグラインドさせてGスポットからボルチオへなぞる様に大きく深くピストンを開始する。

めぐみんは体をよじって逃げようとするが俺の足が絡まって、拘束台に括りつけられたようにダイレクトに快楽を叩きこまれてしまっている。

まだ残っていたのか、股間からはちょろちょろと黄色い液体が力なく漏れて俺のお尻の方へ流れていく。

 

「♡♡!?♡♡ッ!!♡♡ッ!!」

 

意識が膣と子宮に移ったので乳首の責めも本格化する。

今まで乳頭を優しく撫でていた人差し指をカリカリと音がするような速さで先端をブラッシングし、摘まむだけだった側面もこにゅこにゅと揉みしだいて乳首責めに特化したマッサージを始める。

一発目の時に乳首をぎゅううと摘まんだ影響で、現在の乳首はとても敏感になっている。

そこへこの乳首マッサージだ。気持ちいいこと大好きのめぐみんもヤバいと感じたのか、今までにない動きを見せた。

 

「!?!??…!!………!!」

 

めぐみんは最後の力を発揮したかのように俺の両手を自分の手でガッと掴んで、これ以上無慈悲な乳首マッサージを続けさせないようにしてきたのだ。

めぐみんの手によって動きを制され動きが鈍る俺の指先。めぐみんへ伝わる快楽もその分弱まって、めぐみんのこわばっていた体からも力が抜けていく。

 

けれどこれは想定済みだ。この状態のめぐみんに勝ち筋などない。

手が動かせないなら他の場所を動かせばいいだけなのだから。

 

俺はある意味で一定のリズムで動かされていたチンコの突き込みを不規則にして、不意打ち気味に最奥をぐりぐりと刺激してやる。効果は抜群だった。

 

「……!?…!!…!…♡♡!~~~♡♡!!」

 

この動きにめぐみんの身体はビクつき、抑止が弱まる。

このチャンスを黙って観ている訳もなく、俺は何の問題もなく乳首マッサージを再開した。

往生際が悪いめぐみんは体を痙攣させながらも俺の両手を掴んでいたが、乳首をこねくり続けていくと観念したのか手で掴むのをやめて、体の横に手を降ろして掛布団をぎゅううと握り快楽の受け入れる態勢に入った。

めぐみんの覚悟も決まったなら俺はめぐみんを狂わせることに注力していけばいい。

こにゅこにゅと乳首を弄り続け、Gスポットと子宮をえぐるように快楽を叩きこんでいく。

 

「~~~~~♡♡!!~~~~~~♡♡!!」

 

めぐみんが俺の顔がある方とは反対方向へ顔を反らしてイキまくる。

いつものめぐみんなら俺の方へ顔を向けつつキスのおねだりをしてくるのに今日はそれがない。

それだけ余裕がない証拠なのだが、声が聞こえないことが悔やまれる。

俺はその悔しさをめぐみんと共有するために露わになった首筋へちゅううと吸い付いてキスマークを付けてやった。

それがトリガーになったようだ。

 

「♡♡!!♡♡♡!!~~~~~♡♡!!~~~~~♡♡!!」

 

めぐみんが深い絶頂を迎えて腰をがっくんがっくん震わせようと暴れる。

けれど俺の足が絡みつきがっしりとホールドしているので淫らな腰振りは出来ずにいる。

腰を抑えられて暴れ牛のように跳ねるめぐみんを大人しくするために、俺は最奥でめぐみんの身体が欲している液体を爆発させた。

 

「♡♡!?♡♡ッ!!♡♡!!♡♡!!」

 

俺の射精を受けて暴れまわっていためぐみんがピタッと停まる。

代わりに全身にぶわっと汗をかき、掛布団を掴んでいた両手が白くなる程に力を込めている。

 

激しい絶頂を迎えている最中の射精。

めぐみんはそれを全力をもって受け入れているのだ。

その証拠に体は微動だにしないのに子宮だけは細かく収縮して、ごくごくと精液を飲み込んでいる。

俺はその動きを手助けするために子宮のスイッチである乳頭をさわさわと撫でてあげた。

 

「♡♡!!?♡♡!?!!?」

 

俺のサポートもあってかめぐみんが足をピンと伸ばして膣を締め、子宮がまるで口のようにちゅうちゅうとチンコへ吸いついてきた。

それならばと追加の吐精をするとめぐみんは一度がっくんと跳ねると、電池切れのように身体から力が抜けて動かなくなった。

 

俺は余韻を楽しむめぐみんの邪魔をしないよう、するするとめぐみんの下から脱出した。

這い出た俺はめぐみんの顔を覗き込む。

 

「♡♡…!♡♡…!」

「ふふ、今日は一段と可愛いな」

 

最後の方は俺と反対側に顔を向けて表情を見せないようにしていためぐみんだが、その表情はどろどろだった。

目はぐるぐると赤黒く濁って端からは涙が流れている。

涙は涙腺を通って鼻から抜けたのか、粘性の薄い鼻水が口へと続いている。

そして口はだらしなく開いてよだれなのか鼻水なのか分からない物が顎へと線を作っていた。

 

めぐみんは事後の顔を俺に見られるのが恥ずかしいらしいがこんなにもかわいい顔をどうして見せたがらないのか分からない。

俺はめぐみんの頭をよしよしと撫でながら、最高に可愛い顔を存分に楽しんだ。

 

しばらく撫で続けていくとめぐみんの瞳に理性の灯がともる。

俺が撫でるのを止めると、めぐみんは唇をんーっと突き出してキスを所望してくる。

なんだか漫画のような仕草に俺は含み笑いをしつつ、その求愛に応えて舌を絡めだす。

頭が白濁するようなキスをしつつ頭の片隅で先程までのセックスの内容を考える。

 

めぐみんの獣のような声が発せられなくなり、俺は興奮し、その興奮がめぐみんにも伝わって盛り上がったのは確かだ。

声が漏れない以上誰かに覗き見られるリスクも下がる。子供が出来ても安心だ。

 

けれど、何というか、俺はめぐみんの喘ぎ声が好きなのだ。

余裕なく叫ぶめぐみんの声を聴いているとどんどんとヒートアップしていき、身も心も溶け合うような絡まりが生まれる。そんなセックスが好きなのだ。

けれどチョーカーで抑制されてしまうと、何というかいまいち乗り切れていないのが現状だ。

 

めぐみんの声が聴きたい。

俺達の愛を証明したい。

 

キスを続けながらも思考はより深く、歪んでいき、だんだんとめぐみんの可愛い喘ぎ声を抑制しているチョーカーへ、メラメラと対抗心が芽生えてくる。

 

チョーカーなどに負けるものか。

チョーカーの効果に抑えられないほどめぐみんを感じさせ、声を出させてやる。

そんな本末転倒な方向に思考が支配されていく。

 

俺はめぐみんとのキスを打ち切るとめぐみんに話しかける。

 

「今からめぐみんをめちゃくちゃにするからな。覚悟してくれ」

 

俺の問いかけにめぐみんは白痴のような表情で「えあえあ♡」と舌を動かしている。

理性を取り戻した直後に存分にキスを交わしたからか再び曖昧模糊な状態になってしまったようだ。

俺はめぐみんのおでこに軽くキスをすると体の下に腕を差し込み、お姫様抱っこをして持ち上げる。

どこか良いポジションはないかと部屋を見回すと、窓辺の下に平積みで本が積まれていた。あそこにしよう。

 

俺はめぐみんを抱えたまま窓辺へ近づくと、本の上にめぐみんを立たせた。

めぐみんはイキまくって腰が抜けた上に呆けていたが、俺の意図を察したのか窓のサッシの部分に手を付き腕力で自分の身体を支えると、お尻をクッと持ち上げて受け入れ態勢を整えた。

 

俺とめぐみんはそれなりに身長差がある。

激しく責めるならば立ちバックに限るのだが、同じ平面に立つとめぐみんが背伸びするか俺が屈まないと上手く動くことが出来ない。

屋敷でのセックスの時も立ちバックの時はめぐみんに台に乗ってもらって行うのだが、その記憶が無意識にめぐみんの身体を動かしたのだろう。

めぐみんの膣口へチンコを当てがう。

 

「絶対に声を出させてやるからな。待ってろ」

 

気分は声を失う呪いをかけられた姫を救う勇者のようだ。

チョーカーは呪いでも何でもなく外せばいいだけなのだが、こういうのは気分の問題なのだからいいだろう。

俺はめぐみんのあそこへチンコを挿入していった。

 

「♡♡…!♡♡…!!」

 

既に何度も突き込んでいるが新しい体位で再開する時は乱暴に動いてはいけない。

俺はゆっくりと奥まで突き込むとボルチオをぐりぐりと刺激して、これから容赦のない抽送を開始するとめぐみんに伝える。

当のめぐみんはボルチオに身体を支配されているかのように、ぐりぐりと責められただけで感極まり、へこへこと腰を動かしだしてしまった。

 

もうめぐみんの中はこなれており、膣肉がぎゅうぎゅうと俺のチンコを締め上げて来る。

声は出せない代わりに早く早くと急かしてくるなんて、なんていじらしいんだろう。

俺はめぐみんの腰をガッと掴むと、足を踏ん張って本格的なピストンを開始した。

 

「♡♡!!♡♡!?♡♡!!」

「めぐみん!めぐみん!!」

 

残像すら起こりそうな高速ピストンにめぐみんが頭をヘッドバンギングして悶える。

顔は容赦のない腰振りに歓喜して震えているが、快楽が強すぎて余裕は感じられない。

口は大きく開かれ横隔膜が膨らんだり凹んだりしているのできっと何かを叫んでいるのだろうがチョーカーの所為で俺には聞こえない。

代わりに腰と尻肉がぶつかるパンパンといった乾いた音と、子宮を変形させるようなどちゅどちゅと卑猥な音だけが部屋に響き渡っていた。

 

「くそっ!これならどうだ!?」

「♡♡~~~~!!♡♡♡~~~~!!」

 

こんなにも激しいセックスをしてもめぐみんの声は聞こえてこない。

焦った俺は腰を掴んでいた手をスライドしてめぐみんの乳首を摘まみ、しこしことしごき出した。

Gスポットを擦られ、子宮を歪まされている最中の乳首責めにめぐみんは半狂乱になってイキまくる。

けれどそれだけだ。卑猥な水音は増したが獣の声は聞こえない。

 

絶頂に絶頂を重ねてめぐみんの中も凄まじいうねりを見せる。

そんな中高速で出し入れしていた俺のチンコにも抗いがたい快楽が伝わってくる。

 

「くそっ!出る!出るぞ!!」

「♡♡~~~~~~!!」

 

悔しさを滲ませた言葉を吐き捨てながら俺はめぐみんの最奥で精を爆発させた。

めぐみんは肩を腹を足を震わせて絶頂し、俺の精を受け入れていく。

 

「♡♡…ッ!!♡♡…ッ!!」

 

俺は射精体勢を取りながらめぐみんを見る。

精を受けて震えるお尻が細かく震えて、懸命に俺の精を搾り取ろうと動いている。

その艶めかしいお尻を見ていると俺の右手は無意識に動き出す。

 

一度震えるめぐみんのお尻を優しく撫でた俺の右手は

 

パチンッ

 

事もあろうに愛するめぐみんのお尻を叩いてしまったのだ。

 

「!?」

 

俺は声もなく自分が仕出かした出来事に驚き、後悔し、自己嫌悪する。

 

無意識の行動だった。

今までのセックスでこんなことは一度もしたことはなかったし、したいとも思わなかった。

けれどいくら腰を振っても声を出さないめぐみんを見ていると、俺の心の奥の征服欲に火が付いて、蛮行に至ってしまったのだ。

 

申し訳ない気持ちでめぐみんを見る。

酷く罵倒されても構わない。気分は罪人だ。

赦しを得るために愛する人へ視線を向ける。

 

「♡♡…!!♡♡…!!♡♡♡♡!!」

 

めぐみんは、絶頂していた。

激しいピストンの余韻ではない。

子宮に精を受け入れる充足感からでもない。

お尻を叩かれる。その行為。その衝撃。その快楽に。

めぐみんは絶頂していたのだ。

 

一際大きくめぐみんの膣がうねる。

そして…

 

「ぁ…♡」

 

めぐみんが声を漏らした!

それはほんの僅かに漏れ出したようなか細い声だった。けれど今まで決して発せられることのなかった声が、チョーカーを超えて響いたのだ。

俺は恐る恐る、もう一度めぐみんのお尻を叩いた。

 

パチン!

 

音は大きく。痛みは少なく。肉を、骨を響かせるようにスナップを効かせて。

 

「ぁ…♡!ぉ…♡!」

「めぐみん!」

 

偶然じゃなかった!これだったんだ!

俺は嬉しくなってめぐみんのお尻を叩き始める。

 

パン!パン!パン!

 

「ぉ…♡!ぉ…♡!ひ…♡!」

 

叩くのに合わせてめぐみんが跳ねて声が漏れる。

痛みによって叫んでいるのではなく気持ちよさからの嬌声なのは膣内のうねりが証明している。

俺はだんだんと大きくなっているめぐみんの声に後押しされて、尻を叩きながら再度ピストンを開始した。

 

「ぁぁ…♡!!っぉ…♡♡!!」

「めぐみん!めぐみんお尻を叩かれてイッてるのか!?気持ちよくなってるのか!!」

 

腰と尻がぶつかる音と尻を叩かれる音。

二種類のパンパンというかん高い音が鼓動の音のようにどんどん俺の心をヒートアップさせていく。

普段はあまり言葉で責めたりしない俺だが、あまりの淫靡な絡まりに、俺の口は自然と口角が上がり、より興奮度合を高める言葉を発する。

 

「お尻叩かれるの気持ちいいか!?実家なのにそんな変態になって、ゆいゆいさん達になんて言うんだ!?」

「あぉ♡!!ぅお♡!!ひぃ♡!!」

 

チョーカーで俺の声は聞こえないはずなのに、俺の言葉にめぐみんの耳がかぁーと赤くなっていく。羞恥心がよりめぐみんの声を大きくして、壊れたスピーカーのように音量がでたらめな喘ぎが聞こえだしてきた。

 

もう一声だ。

俺はここが好機だと直感し、めぐみんが手を置いている窓のサッシ、そのさらに先へ手を伸ばして…

 

勢いよく窓を開け放った!

 

「!?ぁい…♡!?ふぉ…♡!?」

 

めぐみんが驚愕に目を見開いて、硬直するがすぐにどうしようもない快楽が襲ってきて控え目な喘ぎが漏れる。

俺は正解を選んだとほくそ笑み、興奮に歪んだ顔でめぐみんに叫び聞かせる。

 

「いいのかめぐみん!?お尻叩かれてイキまくっているのを里のみんなに見られちゃうぞ!爆裂魔人はお尻叩かれてイッちゃう変態だってバレちゃうぞ!!」

「ふごっ…♡♡!?ふぅ…♡♡!!はぶ……♡♡!!」

 

俺の言葉にめぐみんはサッシから手を離して口を抑え、ぶんぶんと首を横に振る。

否定を表しながらも興奮と快楽に子宮が降りてきて、受精準備を整えていく。

 

もちろんめぐみんの痴態を里の人に見せるなんてことはしない。

今日は新月。真っ暗闇だ。

俺はスキルで暗視ゴーグルのようになった視界で覗き見野郎がいないか注意しつつ、めぐみんを高めていく。

お尻を叩く頻度と抽送を激しくして、ラストスパートをかける。

 

「めぐみん!めぐみんがどんな変態でも愛しているぞ!俺の子供を孕んでくれ!愛しているぞ!!」

「へぶっ…♡♡!!うぶっ…♡♡!!ぉま…こがぁ…♡♡!!ぉちん…♡♡!!」

 

折檻のようにお尻を叩きながら愛を叫ぶ。

酷く歪んでいるような気がしてくるが、どうしようもなく興奮して、快楽を高めていってしまう。

めぐみんもそれは同じようで白目を向きながらも律儀に隠語を発し、喘いでいる。

手で口もとを隠してはいるが、だらしなく笑っているのが僅かに垣間見える。

さらに俺の射精が近いのを感じ取ったのか、再びサッシに手を付いて、俺の獣欲を受け入れようとしている。

 

「めぐみん!めぐみん!めぐみん!」

「ぁず…♡!…ぅま…♡!かず……♡!」

 

互いの名前を呼びながら腰を振り続け、尻を叩き続け、イキまくる。

あまりの激しさに呼応するかのようにチョーカーに埋め込まれている魔石が明滅を始めた。

まるで日本の特撮に出て来る光の巨人。その胸にあるカラータイマーのようにピコンピコンと音を出している。

 

「うぐうう!がああぁ!!」

「ぉま…こ♡!!おま…こ♡!!」

 

魔石が点滅して部屋の中が紅と黒に行き来する。

下品なラブホテルのような電飾に盛り上がり、明滅に合わせて尻を叩き、腰を叩きつける。

その明滅がどんどん早まっていき、そして

 

「イクぞッ!!出すぞッ!!妊娠しろッ!!」

 

バチンッ

 

一際大きく尻を叩き、腰を打ち付けた。

その瞬間に魔石は完全に色を失い沈黙する。

そして、溜りに溜まったものが。

 

〝声〟が解き放たれた。

 

「あぎゃあああああ!!!おま〇こがああッ!!ひいいぃぃぃぃぃッ!!!カズマにぃぃぃッ!!カズマにお尻叩かれてイッぐううぅぅ!!!あいいいいいぃぃぃッッッ!!!」

 

 

………………。

 

大音量。

それはもう壊れたスピーカーというよりもメガホンを最大にしたような凄まじい音がめぐみんの口から発せられ、静寂に支配された里中に響き渡った。

あまりの音量にわんわんと耳に残音が響き、建物にも振動として伝わっている。

窓の外を見ると突然の大轟音に暗かった家々に灯がともり……慌てて俺は窓を閉めた。

ピシャリと窓を閉めた勢いにめぐみんも力尽きたかのようにその場にべしゃりと倒れ込んだ。

 

「あへへ♡あひぃぃ♡」

 

だらしなく笑いながらめぐみんがイキまくっている。

顔も目も紅潮し、ついでに叩かれていたお尻も赤くなっている。

痛くないよう叩いので腫れているというよりも血行が良くなって赤くなっているのだ。

 

予想外の出来事にフリーズしていた俺だったがめぐみんが幸せそうで何よりだ。

そう安堵の息を吐こうと気が抜けた瞬間

 

トントン

 

部屋の扉をノックされた。

ビグッと身を跳ね上げて、恐る恐る返事をする。

 

「……はい」

「…カズマさん。お楽しみの所すみません」

 

扉越しにゆいゆいさんのくぐもった声が聞こえる。

酷く落ち着いた声に、逆に恐怖心が湧いてきて自然と正座になってしまう。

 

「もう夜も遅い時間です」

「……はい」

「家にはまだ年端もいかないこめっこもいます」

「………はい」

 

「娘をハメるのもいいですが、あまりハメを外さないようお願いします」

「すみませんでしたーーー!!!」

 

どこかで聞いたことのあるようなフレーズを受け、俺は思わず扉越しにDO・GE・ZAをしたのだった。

 

  §§§

 

朝。

ぷりぷりと怒っためぐみんと一緒に茶の間へと足を運ぶ。

既にゆいゆいさん、ひょいざぶろーさん、こめっこは揃い踏みで、昨日の失態を思うと俺の胃はどうしても痛くなる。

そんな俺の気持ちを察したのかそうでないのか、めぐみんがひょいざぶろーさんに喰ってかかった。

 

「ちょっとお父さん!貰ったチョーカー、途中で効果切れになったじゃないですか!要らぬ恥をかいてしまいましたよ!」

 

以外にもめぐみんが怒っているのは主にひょいざぶろーさんに対して、というか貰ったチョーカーの機能不全についてだ。

俺がめぐみんをめちゃくちゃにするのはいつも通りなので、俺に対しては怒ってないと言ってくれたが、声を出させたくていつも以上に無茶苦茶なことをした自覚がある俺からすればその信頼は逆に心苦しい。

怒り心頭のめぐみんの剣幕に反して、ひょいざぶろーさんは後ろ手で頭をかいて笑顔を向けてくる。

 

「いやぁ、すまんすまん。何せ久しぶりに引っ張り出した物だからな。魔力の補充が不十分だったんだろうな!はっはっはっ!」

「はっはっはっ、じゃありませんよ!全く、渡すならきちんとした物を渡してくれないと!」

「まぁまぁめぐみん。そんなに責めないの。気持ちよくなったんだからいいじゃないの」

 

めぐみんの怒りに対してめぐみんの家族はあまりにも大らかだ。

え?何これ?

もっとこう気まずい感じになるんじゃないの?

なんでこの人達こんなにオープンなんだ?

唯一こめっこだけは普段と違って思いつめたような表情をしていて、俺の罪悪感がちくちくと刺激される。

 

「どうしたんだい?カズマ君」

「え!?あ、いえ、頂いたチョーカー、凄い効果でした」

 

こめっこの態度に暗い顔をしていた俺にひょいざぶろーさんが声をかける。

思わずチョーカーの性能を褒めるとひょいざぶろーさんは嬉しそうに笑った。

 

「そうかい?そう言ってもらえると嬉しいよ。あれは抑えた声の分、最後に大音量を解き放つという仕様でね。解き放つギリギリを責めるというのが醍醐味なんだよ」

 

なんてはた迷惑な魔道具なんだ。

 

「あなた、こめっこもいるんですからその話はそこまでにしてください。さて、朝ごはんにしましょうか」

 

ゆいゆいさんの一言で朝食が配膳されていく。

今日の朝食も俺が持ってきたお土産から提供されている。

もちろん昨日のすき焼きのような重い物ではないが、めぐみん家では珍しいきちんとした朝飯だろう。

 

「…………」

 

まともな食事ということで、普段なら飛び回ってはしゃぐであろうこめっこを見るが、やっぱりどこか元気がない。

ひょいざぶろーさんの「では、いただこうか」の声に合わせて箸を進めるが、なんとも居心地悪い。

けれど俺とこめっこのアンニュイな雰囲気など感じていないのか、他の三人はぎゃあぎゃあと騒がしく飯をかっ込んでいる。

気にしすぎて逆に場の雰囲気を悪くしてはいけないと思い、他の人に合わせて何度か箸を動かしていると、ちょうど位置的に横に座るこめっこが俺の服の裾をくいくいっと引っ張ってきた。

気まずさMAXの俺は何でもない風を装ってこめっこに問いかける。

 

「ど、どうしたんだこめっこ?何か用かな?体の調子でも悪いのか?」

「カズマ兄ちゃん………。これ、あげる」

「「「え!?」」」

 

こめっこが差し出してきたのは朝食のおかずが盛られた皿だ。

それを俺の方へつつっと押し出してきたのだ。

その行為に驚いた紅魔族三人が箸を止めてこめっこを問い詰める。

 

「どうしたんですかこめっこ!?何か悪い物でも食べましたか!?」

「お腹でも痛いのかこめっこ?だが、お腹が痛くとも『食べられる時に食べる』の家訓を忘れてはいけないぞ」

「そうですよこめっこ。こんなまともな朝食、お腹が痛くても食べなきゃだめですよ」

 

いや、腹痛の時くらいは家訓は控えて欲しい。

酷い事を言う三人を無視してこめっこは俺に話しかける。

 

「カズマ兄ちゃんがお腹空いてると思って…。きっとわたし達に遠慮して、食べる量を減らしてるんだと思った…」

「な、なに言ってんだこめっこ。俺は十分食べてるよ。心配してくれてありがとう」

 

きっとこめっこは俺の気まずい雰囲気を察してそんなことを言ってきてくれたのだろう。

めぐみんの妹というだけあって、こめっこは何て優しい子なんだろう。

俺が将来の義妹のいたいけな行動に感動していると

 

「そんなはずないもん!だったら姉ちゃんのお尻の穴に吸い付いてじゅるじゅる中身を吸いだしたりしないもん!……カズマ兄ちゃん、お腹減ってるんでしょ?」

 

ピシリと茶の間が凍りつく。

 

え、今こめっこ何て言った?

お尻の穴?

まさか俺がめぐみんのお尻の穴を舐めてるの見られた?

いつ?昨日の夜?え、でもあれってゆいゆいさんじゃ……

 

ああああああああああああ!!!

 

そこで俺は思い至る。

昨日の夜、お尻の穴を舐めている間、妙に騒がしくなっていたがあれって…

 

「カズマ君、めぐみんのお尻を…?」

「………はい」

 

ひょいざぶろーさんが小声で確認して来たので小さく返事をする。

ひょいざぶろーさんは俺の返事に「うむむ…」と腕を組みながら唸ってこの状況の解決策を模索しているようだ。

どうやら、娘のお尻の穴を舐めることに関してお咎めはないようだ。

 

「こ、こ、こめっこ!?あ、あれはですね、その、なんというか…」

 

落ち着いたひょいざぶろーさんに対してめぐみんはあわあわと慌て、しどろもどろに言い淀む。

目はぐるぐると回っていてこのままじゃ余計なことを言ってしまうかもしれない。

元々は俺の責任だ。きちんとこめっこに説明して誤解を解かなければ。

俺が意を決してこめっこに話しかけようとした時、黙っていきさつを見守っていたゆいゆいさんが先んじて静かに語りだした。

 

「こめっこ」

「…はい」

「カズマさんはお腹が空いているからめぐみんのお尻の穴を舐めた訳ではありませんよ」

「でも……」

「カズマさんはめぐみんを愛しているから、めぐみんのお尻の穴を舐めたのよ」

 

ゆいゆいさんの堂々とした発言に、俺やめぐみん、ひょいざぶろーさんの視線がゆいゆいさんへ集まる。

 

「いい?お尻の穴は汚い場所よね?」

「うん」

「誰かにそこを舐めてって頼まれて、こめっこは舐められる?」

「え、やだ…」

 

ゆいゆいさんが一拍開けて続ける。

 

「だけどカズマさんはめぐみんのお尻の穴を舐めた。それはどうしてか。それはカズマさんがめぐみんを愛しているからよ」

「え、いや母さん、そのフォローはどうかと思うのだが…」

 

ゆいゆいさんのとんでもない発言にめぐみんは深く頷いていたが俺とひょいざぶろーさんは困惑気味だ。

男二人の微妙な顔を見たからか、こめっこはゆいゆいさんではなくひょいざぶろーさんに確認する。

 

「じゃあお父さんはお母さんのお尻の穴を舐められるの?」

「ごふっ!」

 

とんだとばっちり。

湯呑に手を付けていたひょいざぶろーさんが思わず吹き出す。

ひょいざぶろーさんはあんまりな質問に「あぁと…」「その…」と視線を彷徨わせていたが、ゆいゆいさんが迫力のある笑顔を浮かべているのを見て観念したかのように呟いた。

 

「も、もちろん…舐められるさ!実際に舐めたことだってガハッ!?」

 

余計なことまで言おうとしたひょいざぶろーさんの脇腹にゆいゆいさんが拳をめり込ませて黙らせる。

そうか、やっぱりゆいゆいさんもお尻の穴を舐められたりしたんだな。めぐみんみたいに声が大きいって話だったがガハッ!?

俺が無意識にゆいゆいさんの痴態を妄想しそうになった瞬間に、俺の脇腹にめぐみんの拳が突き刺さった。不可抗力なので勘弁してほしい。

 

男二人が悶絶しているのでゆいゆいさんが話を引き継いで続ける。

 

「いい、こめっこ?人を愛するということは良いことだけじゃないのよ。悪い所や嫌いな所、汚い所も全部受け止めて、受け入れるということが愛するということなの。だからカズマさんがやったことは全然変なことじゃないし、お父さんが言ったこともおかしくないの。分かった、こめっこ?」

 

俺はその言葉に思わずめぐみんの方を見る。

めぐみんはどこかむずかゆげに微笑み返してくれた。

そうだ、俺達は互いを愛している。お尻の穴の一つや二つなんてことはないのだ。恥ずかしくなんてないのだ。

 

こめっこはそんな俺達の無言のやり取りをじーっと見ていたのだが、ゆいゆいさんの話と合わせて納得いったのかいつものような満点の笑顔に戻る。

その様子にゆいゆいさんもひょいざぶろーさんも笑顔を向けた。

 

どうなることかと思ったこめっこのお尻舐めへの追及。

それもどうにか収まり、場の空気も和やかな物へと変わった。

こめっこも俺に差し出した皿を自分の元へ引き寄せて、いつものようにパクパクとご飯を食べ始めた。

食べながらも時々「そっか!そっか!」と得心した様子にきちんと伝わったことに大人たちは安どしている。

 

かくして急遽行われためぐみん家によるこめっこへの情操教育だが、

 

「カズマ兄ちゃん!わたしね、分かった!分かったよ!」

「ん?何が分かったんだ?」

「人を愛するってことは、お尻の穴を舐めることなんだね!」

 

見事に変な方向に帰結して終わった。

 

  §§§

 

朝食も食べ終えたことで俺達はめぐみんの家を後にした。

あの後必死になってこめっこの歪んだ解釈を正そうと努力したが、こめっこの中で「愛する=お尻舐め」の構図が事実として認識されてしまっており、結局もうそれでいいとなった。

いや、全然よくないけども。

 

「ゆんゆん、どこにいるのやら」

 

今の俺達はゆんゆんを探して里の中を散策中だ。

 

本来なら1週間後の王都でのパーティまでめぐみんの実家にやっかいになろうと思っていたのだが、今朝の感じからこめっこへの悪影響が考えられ早めに王都入りをすることにしたのだ。

ゆんゆんには先に王都へ行くことを伝えておかないとすれ違いになってしまうと、ゆんゆんの家に行ってみたのだがすれ違いになったようで、既にゆんゆんは族長の家にはいなかった。

 

「もうあの娘は放置してさっさと王都へ行きませんか?どうせパーティには同席するんですし時間になれば勝手に王都へ顔をだすでしょう」

 

そうめぐみんは言うが、もともとゆんゆんに運んでもらった身としてはやっぱり筋を通しておきたい。

当てもなく彷徨っていた俺達だが、里の中心の広場にて見知った人物に出くわした。

えぇと、名前は…

 

「おや、そこにいるのは『最強の最弱職』サトウカズマ君じゃないか!久しぶりだね。我が名はぶっころりー!アークウィザードにして上級魔法を操りし者。紅魔族随一の靴屋のせがれ!」

 

あぁ、そうそうめぐみん家のお隣さんのぶっころりーさんだ。

俺が朗らかに挨拶を返そうとすると、それを制してめぐみんがぶっころりーさんに飛び掛かった。

 

「私の妹によくも「乳繰り合う」だなんて変な言葉を教え込みましたね!二度と喋れない身体にしてやります!」

「ぐべっ!首っ!首はやめて…!」

「ストップ!めぐみんストップ!!」

 

俺はめぐみんを羽交い絞めにしてぶっころりーさんから離れさせる。

最近は随分女らしくなったが、グルルルと牙をむいている姿は昔の男勝りな時を彷彿とさせる。里帰りでちょっとだけ精神が昔に立ち返っているのかもしれない。

 

ぜぇぜぇとぶっころりーさんは肩で息をしていたが、息を整え終えるとマントをバサッと翻して何でもない顔をした。

このやり取りも慣れたものなのだろう、少し焼ける。

 

「久しぶりだね、めぐみん。まさか魔王を討伐するなんて思わなかったよ」

「久しぶりですね。まぁ魔王を討伐したのはこのカズマですがね!えぇ、私のカズマがやってやりましたとも!」

 

俺の功績をまるで自分のことかのように褒めたたえてくれるめぐみん。

よせやい、照れるだろう。

俺達のラブラブな様子にぶっころりーさんは若干羨ましそうな顔を向けたが、改めてめぐみんに話しかける。

 

「めぐみんは魔王城のバリアを破壊して、そのパートナーは魔王殺しの英雄…。少し水を開けられてしまったかな?」

「もともと、半分ニートのようなあなたと比べられるのは甚だ不本意だったのですが」

「そう言わないでくれよ。…もうめぐみんも二つ名持ち、そう簡単に話しかけられなくなるかもな」

「…そんなことはありませんよ。狭い里なんですからご近所付き合いも大切です。これからもよろしくお願いします」

 

めぐみんの言葉にぶっころりーさんフッと視線を下げてから再び上げて、嬉しそうに笑った。

 

「おかえり、めぐみん。いや。おかえり『嬌声轟く者』めぐみんよ!」

 

ん?あれ?

 

「おい!なんですかそのふざけた二つ名は!私にはちゃんと『爆裂魔人』という格好いい二つ名がありますよ!」

 

めぐみんの当然の激昂にぶっころりーさんはぽりぽりと指で頬をかいて困り顔だ。

 

「それは知っているけど、そんな仰々しい名前じゃフレンドリーさがないだろう?何か他に良い二つ名はないかって思ってたら昨晩の雄たけび!あれでピンときたのさ!もちろん里のみんなもこっちの方が良いって…」

「よくも余計なことをしてくれましたね!!やっぱりその口は二度と喋れなくしてやりますッ!!」

 

再びめぐみんがぶっころりーさんに飛び掛かるが今度は止めない。

見る見るうちにぶっころりーさんの顔が青くなっていくが、自業自得だろう。けれど里の中心でそんな騒ぎをしていたからか、他の紅魔族の人たちが俺達に気付いて遠巻きに話を始めた。

 

「おい、あそこにいるの『最強の最弱職』のサトウカズマに『嬌声轟く者』めぐみんじゃないか」

「ふむ、『深き性欲を背負う者』めぐみんか。よく帰ってきたな」

「喘ぎ声もほどほどにね!『嬌声轟く者』めぐみんみん」

 

その声はもちろん俺達、というかめぐみんにも聞こえ、ぶっころりーさんを失神させためぐみんは下を向いてぷるぷると震え出した。

そんな爆発寸前の状態のめぐみんの前に、ギャラリーの中から進み出る人物が一人現れた。

友人が少ないために空気を読むのが苦手な、次期族長ゆんゆんだ。

 

ゆんゆんがめぐみんの前に出るとギャラリーから「雷鳴と嬌声の揃い踏みか…」「蒼き稲妻と深き性欲、どっちの方が業(カルマ)を抱えているか見ものだな」といった声が漏れる。本当にひどい二つ名だ。

 

「め、めぐみん!いえ、『嬌声轟く者』めぐみん!ここであったが運の尽き!昨日のリベンジをさせてもうらうわ、勝負よ!」

 

空気の読めないゆんゆんの顔はうっすらと赤く、にまにまと笑みを隠せないでいる。

昨晩のあられもない声はゆんゆんの家にも聞こえていたのだろう、恥ずかしさと、珍しく自分が有利な状況でめぐみんをからかえていることに楽しくなっているのだろう。

 

「何か言ったらどう?めぐみん、いえ『深き性欲を背負う者』めぐみん!……ププっ」

 

ゆんゆんが可愛く笑いを漏らす。それが引き金だったのか

 

ブチッ!!

 

隣にいる俺にも聞こえるほど盛大な音を立てて

 

めぐみんがブチ切れた。

 

「ああああああああ!!!こんな里我が爆裂魔法で灰燼に帰してやります!!見ているがいいです!!かつての我が同胞達よ!!今ここに新たな魔王の誕生ですッ!!!」

「め、めぐみんごめ!ごめんってば!!調子に乗って悪かったから落ち着いてよぉーー!!」

「大変だ『嬌声』が暴れ出したぞ!誰か止めろ!!」

「『嬌声』落ち着け!」

「『嬌声』!」

「『嬌声』!!」

「ああああああああああッ!!!ああああああああああああああああッ!!!」

 

周りの人たちまで巻き込んでめぐみんが暴れまわるがその度に『嬌声』と言われ続け、さらに怒りのボルテージが上がっていく。終いには怒りに頭が沸騰し、およそ人とは思えない獣のような声を上げて止めに入った人たちを叩き伏せていく。

 

その声は普段聞きなれている『獣のような嬌声』に似ているな、とはとても言えなかった。

 

  §§§

 

「全く…!全く!この里は碌なもんじゃありませんね!」

「その感想は毎回俺がこの里に来るたびに思っていることだからな」

 

広場での騒ぎを終えて俺達はテレポート屋に来ていた。

ゆんゆんはめぐみんにどつかれ泣かされ、もう絶交ですと言われて、めぐみんの足にすがり付いて謝ってきた。その鬼気迫る謝罪にめぐみんの怒りも収まり今に至る。

 

正直、俺もあんまりこの里に良い思い出がないのでさっさと王都に行ってしまおうと話し、テレポート屋に来ていたのだ。

 

「王都までのテレポート、二人分で」

「おや、あなた達は『最強の最弱職』のサトウカズマさんに『嬌声轟く』」

「フシャーーッ!!」

 

テレポート屋さんが余計なことを言う前に俺が口を押えて中断させる。

めぐみんは牙と眼をむいて猫のように威嚇しているが、もともとの顔が世界一可愛いのであまり迫力はない。

テレポート屋さんは俺達の態度に何かを察したのか、それっきり世間話をせずに淡々と手続きを進めていく。

 

「それにしても、予定よりも早めに王都に行くことになってしまいました。どうやって暇をつぶしますか?」

「あぁ、それなら観光でもしようかなと思ってな」

「観光、ですか…?」

 

いい機会だとばかりに俺はめぐみんの方へ向き直り、悪戯っぽく微笑む。

 

「俺の元居た世界には『新婚旅行』ってのがあるんだ。結婚式を終えた新婚さんが、その足で旅行に行って旅先で思いっきりいちゃつくんだ」

 

危険なこの世界にはそんな風習はないのだが、俺の話にこの後の展開を予想できたのか、めぐみんは驚きと嬉しさで目を丸くしている。

 

「俺達の結婚式は来年だけど、結婚式の後に二人っきりで旅行が出来るかは分からない。だからちょっと早めの『新婚旅行』ならぬ『婚約旅行』とでも思ってな。パーティがある一週間後まで、二人っきりで過ごそうぜ」

 

俺の言葉にめぐみんは感極まり、いつもよりきつめなハグで返事をしてくれた。

 

「…四人が嫌なんじゃないんです」

「分かってる」

「…だけどたまには二人っきりがいいって思う時もあるんです」

「そうじゃないかと思ってた」

「…カズマのそういう所が、大好きです」

「俺だって、めぐみんのことが大好きだ」

 

ラブラブな恋人たちがハグをしたなら、次にする行動なんて一つしかない。

俺とめぐみんの顔はゆっくりと近づいていき、唇と唇が…

 

「えーっと、準備が終わりましたが…」

 

テレポート屋さんが何とも申し訳なさそうに声をかけてきて俺達はキスへの移行を中断する。しかし、間の悪い声かけにイラっときたのは確かで、俺達は抱き合ったままテレポート屋さんをジロリと睨んでしまった。

 

「わ、私が悪いんですかね…?」

「悪いですよ。愛する二人の邪魔をするなんて悪訳以外の何物でもありません」

 

理不尽なめぐみんの言葉にもめげずにテレポート屋さんがテレポートの詠唱をはじめる。

 

「それではテレポートします。危険なので身体を離してください」

「「いえ、お構いなく」」

「え!?いやいや、万が一ということがありますから。事故でも起きたらキメラのように合体してしまうかもしれませんよ?」

「「それはそれで…」」

「えぇ…」

 

ドン引きしたテレポート屋さんが怪訝な声を出すが、愛するめぐみんと離れ離れになるよりかはずっと良い。

俺達の覚悟が変わらないのを察したのか、テレポート屋さんがテレポートを発動させる。

発動する瞬間、めぐみんが小声で話しかけてきた。

 

「カズマカズマ」

「ん?」

「観光もそうですが、……子作りもいっぱいしましょうね?」

 

驚いてめぐみんの顔を見るとその瞳は欲望でぐるぐると渦巻いている。

 

俺は心の中で「しょうがねぇな」と独り言ちし、返事の代わりにキスをして、この世界一可愛い『深き性欲を背負う者』の口を封じたのだった。





お読みいただきありがとうございます。

次の更新は「お願いカード」になるか「夢薬」になるかは分かりませんがかなり先になると思います(9月以降?)

忙しいのもありますが長く放置してしまうかもしれないので、今後の展開について簡単にあらすじを書いておきます。
先の展開が知りたくない人はここでバイバイしてください。



「お願いカード番外編②」

カズめぐの王都新婚旅行という名の宿屋引きこもりのセックス三昧旅行。
後半は祝賀会の様子とアイリスとなんやかんや、初めてのアナルセックス

「お願いカード番外編③」

紅魔の里でめぐみん出産
なのに産婆がいないってどうすんだよ!って話

「お願いカード番外編④」

影の功労者のあの人主観の話
お願いカードはこれでおしまいの予定

「夢薬5.5話」

一か月セックス禁止を勧告されたがそんなの我慢できるわけないじゃないですか。
普通に野外セックスしたり、普通に赤ちゃんプレイするのをダクネスに見せつける話。
読まなくてもいいので5.5話

「夢薬6話」

原作6巻の話に沿いながらも所々変態な感じに



こんな感じです。
更新順は書きたい順か書きやすい順になるのでどっちのシリーズになるかは未定です。

それでは失礼いたします。
お読みいただき、ありがとうございました。
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