異形に寄生されて女へと変異したが、この身体も悪くない 作:ゲルパンマン♥山崎
"ドラゴンコック"は、最近この街へやってきたナイト級の4人パーティだ。
42歳の槍使いバイエルをリーダーに、少年が三人。剣士のオルドー(14)、斧使いのライゼン(14)、ヒーラー兼バッファーのセジル(16)という前衛に偏ったパーティだ。
最年長であり一線を退いたバイエルが十代の少年たちを育成中のパーティである。
この街へ来たのは、例の森へ挑戦する為だ。今まで彼らが活動していた場所と比べれば、難易度は跳ね上がるが稼ぎも跳ね上がる。
それと同時に、今までほぼゴリ押しで勝ち続け、天狗になった少年たちに、現実の厳しさを教えてやろうというバイエルの考えだ。
「よし、キャンプは張ったな。これから森に入る。もう日が傾き始めているから様子見だけだ。今回ワシは基本的に手出しをしない。お前らの力だけでなんとか切り抜けてみろ。撤退のタイミングをよく考えろよ」
「あ?それオレらに言ってんの?オレらリーダーと違って才能あるんで」
「撤退?そんな文字知らねッスわ。強者であるオレたちには必要ない文字ッスね」
「オレらにかかればヨユーッスよ、ヨユー。ま、御老体は休んでなって」
少年たちは調子に乗りまくりだ。バイエルは過去ルーク級パーティ所属の経験があるが、少年たちはそれを知らず、四十過ぎてもナイト級から上がれない中年だと思い込んでいる。彼が今ナイト級に甘んじているのも、全て少年たち育成の為だ。
バイエルは内心で嗤う。
これも勉強だ。悪く思うなよ、と。
それから三十分後。
少年たちは、130cmほどの人型の木にボコられていた。
「ちょ!バフバブバブバフ!バフ切れた!はやく!」
「セジル!ヒール!イッテ!クオラァ!イッテェ!はやく!」
「うるせぇ!こっちに!敵が!来てんだよ!壁ぇ!しっかり働けや!クソ!」
「だからまず俺ら前衛立て直すんだよ!」
「ならぁ!まずぅ!こいつも!引き受けろや!」
「あーー!!しぬ!しぬ!はよ!ヒールはよ!」
森のモンスターはとにかくタフなタイプが多い。
この小さな木人は、形が人型をしているだけで急所のような箇所はなく、生半可な攻撃はすぐ再生され、一匹に手間取っているとどんどん追い込まれていく。
とはいえ、少年たちの実力でも、全員で一匹ずつ確実に処理していけばここまで追い込まれる事はなかっただろう。
だが図に乗った少年たちは、見た目だけで取るに足らない雑魚と判断し、散開して各個撃破を狙った。
結果がこのザマである。
後方で一部始終を観察していたバイエルはほくそ笑む。
予定通りだ。これで少年たちも大分頭と肝が冷えただろう。そろそろ助けてやる頃合いかと思い、武器を構える。
その時である。
その場にいる全員が、冷気を感じた。
ただの涼しい風などではない。身体の芯から冷えていくような冷気にゾクリと身震いする。
少年たちが闇雲に振り回していた武器が、モンスターを粉々に砕いた。
ありえない。今まで刃がめり込むだけだったというのに。
よく見ればモンスターに白い霜がついている。全身が凍りついているのだ。
いつ、どの瞬間に凍りついたのか。目の前にいた少年たちですら解らなかった。
「攻撃!考えるな!畳み込め!」
森の奥から声がかかる。若い女の声だ。薄暗くて人影は確認できないが、青白い魔法の光が二つ見える。
指示を出された少年たちの行動は素早かった。
真っ先にセジル周辺の敵を倒し、セジルは即座に回復とバフを振る舞う。そして凍りついたモンスターを順次撃破していく。後衛のセジルもメイスを持って攻撃に参加する。雑魚の掃討ならば彼らは得意なのだ。
すべてのモンスターが粉々に砕かれると、森の奥から人が歩いてきた。
「キミたちにここはまだちょっと早かったんじゃないかな〜?危なくなったら逃げることも覚えなきゃ、簡単に死ぬよ?」
「ウッヒョ」
「マブい……」
「ほんげー」
奥から現れたのは、大きなとんがり帽子にマントを羽織ったキャスターの女だ。
それだけならば比較的よく見る魔術師の出で立ちだが、それ以外の服装が独特だった。
二の腕まである長手袋。手の甲部分には丸いクリスタルが取り付けられている。
胴体はレオタードとミニスカート。レオタードは身体にピッタリと張り付いてヘソの窪みが浮かび上がり、膨らんだ胸、くびれた腰、安産型の尻のエロティックなボディラインを強調すると共に、腰からカットされたきわどいハイレグが超ミニのスカートの中へ伸びていっている。
上にも下にも短すぎる超ミニスカートが歩く度にひらひらと揺れ、レオタードが収束していっている魅惑の股間がギリギリで見え隠れし、男の劣情を駆り立てる。
鋭いハイレグによって腰の素肌が露わになり、薄っすらと骨盤が浮かぶ。
下腹部にはレオタードの脇から紫色の紋様が覗いており、妖艶な雰囲気を増加させている。
その下は太ももまであるオーバーニーソックス。ミニスカートとオーバーニーソックスの間に、ごくわずかの白い肌が見え、何故かそこに目を奪われる。
ブーツはふくらはぎまでの編み込みで、少しヒールが高く、すらっとした脚を更に長く見せている。
すべて黒、紺、茶をメインの色とし、白いツタが絡みつくような模様で統一されている。どれも安くない素材であり、その作りもしっかりとしつらえてある。ただデザインだけの衣装ではない。
冒険の為の実用性を考慮しつつ、最大限にセクシーさを重視した特注の装備である。
それら全身の装備とは違い、片手にはごく一般的な安めのショートソードを持ち、完全にミスマッチな大きなカバンを背負っているが、少年たちはそういった見たくない部分は意識の外へ放り出すタイプだ。
帽子から覗く顔は、茶色のショートボブに紫色の瞳。身体はしっかりと成熟した女でありながら、その顔立ちは少し幼さが残る。
少年たちはその女のエロティックな出で立ちと美貌に見惚れ、挨拶すら忘れ固まってしまった。
そこに遅れてやってきたバイエルが声をかける。
「済まない、お嬢ちゃん。本来ならばワシが出向くべき所に手間を掛けさせてしまったな。ワシの名はバイエル。こいつらはワシのパーティメンバーだ」
「ウッ……バイエル……」
「はて、以前お会いしたことがありましたかな?」
「あ〜〜……違います。噂で少し。お会いできて光栄です。もしかして逆に邪魔をしてしまいました?」
「おっと、その話はご内密に。今はただのナイト級のオッサンだ。助太刀も的確なものだったよ。ありがとう。お名前を聞かせて貰ってもいいかね?」
「う……い……る……る、イラーナ。ぉ私の名前はイラーナです。よろしく、バイエルさん」
「ああ、よろしく。お嬢ちゃん」
二人はギュッと握手をする。
「セジルでっす!担当は支援魔法!お姉さんと同じキャスターでっす!やっぱ同じタイプはお互い語り合える事があると思うんだ!よろしく!」
「ああうん、よろしく。でも私は火力特化で、支援魔法は一切出来ないんだ。悪いね」
「ふおおおおお手ぇやわらけぇ!」
「あっ!てめ!おっオレはオルドー!剣士!お姉さんも剣使うんだろ!?お互い語り合える事があると思う!よろしく!」
「ふふふ、よろしく。残念ながらこれは凍らせた敵を砕くためだけの物で、剣の腕はからっきしなんだ。昔はもう少しマシだったんだけどね」
「クンクン……はぁ……いい匂いがする……」
「拙者、ライゼンと申します。斧による一撃必殺を得意とします。以後お見知りおきを」
「てめ、くっせえキャラ作ってんじゃねえよ!」
「ふふ、よろしく。さっきの木人も一撃必殺出来てればもっとカッコよかったよ」
「はあ……手ぇちっさ……かわいい……結婚して下さい」
「あっ!何言ってんだ!ずっけぇ!オレも!」
「バッカテッメ!順番ってもんがあるだろ!手は握ったから次は一本のポッティーを両端から食べ合うんだ!結婚はその後!」
「そそそそそそんなのエッチすぎるだろぉ!女の人の前で何てこと言ってんだよ!」
「変態かよてめえ!ごめんなさいこいつが!しっかり言い聞かせておくんで!」
「責任を取ります!結婚しましょう!」
「あ!お前まで!オレもオレも!結婚して下さい!」
「う〜ん、キング級になったら考えてあげる」
三人の頭の中で、イラーナと共に数々の冒険を繰り広げ、旅の中で親睦を深め、キング級となり世界中の称賛を浴びながら二人が結ばれるストーリーが作られる。
「うおおおおおお!」
「ああで……こうで……よし!」
「これが
「あまりこいつらをからかわないで貰えるかい。ところでお嬢ちゃんは一人かね?」
「ええ。もう日も暮れるんで、適当な場所でキャンプしようかと」
「帰還しないのかい?ソロで野宿を?大きなお世話かもしれんが、ワシらのキャンプに来んかね。ソロでは身体も休まらんだろう。何、あいつらに不埒な真似はさせんよ」
「……いいのですか?なら、お言葉に甘えさせてもらおうかな」
「うっし!」
「やった!」
「ナイス!リーダーナイス!」
そうして、ズボンにテントを張った四人の男は、自分たちのキャンプに女を招いたのだった。
男たちはほくそ笑む。新たな獲物がかかったと、期待に股間を膨らませる。
果たして、"かかった獲物"は本当に女の方なのだろうか。
男たちは上機嫌でキャンプへ女を案内する。
招き入れた者が、蝶などではなく、蜘蛛である事などつゆ知らず。