※この作品はR-18です。

異形に寄生されて女へと変異したが、この身体も悪くない   作:ゲルパンマン♥山崎

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23 アラン・四

 

……

 

 

 アランと出会ってから二日後。

 その夕食時。

 

 街のとある宿屋兼食堂は、大賑わいだった。

 この店は、料理が特別旨いわけでもなく、安いわけでもなく、酒の種類が豊富なわけでもない。

 昨日までは、この半分どころか五分の一も客がいなかった。

 

 何故一晩で大繁盛したのか。

 その理由は、ゲイルである。

 ゲイルは、この食堂でウェイトレスをやることになってしまったのだ。

 

 何故そんなことになったのか。

 時はその前日にさかのぼる。

 

 

 

 

 寝起きフェラからセックスした後の夜。

 

 睡眠を挟んだとはいえ、15時間以上ずっと食事なしで交尾をしていた二人は、流石に空腹に耐えきれず街へ繰り出した。

 

 腹は減っているが、快楽の余韻を引きずったままの、どこかぽやんとしたゲイルを引き連れて、アランはとある食堂へと赴く。

 そこで食事をしながら、アランがウェイトレスの仕事を紹介したのだ。

 ゲイルはまったく乗り気ではなかったが、アランによって無理やり承諾させられてしまった。

 

 アランのとった行動は、今までのセックスに比べればごく簡単なセクハラでしかない。

 人の目を盗んで、卑猥な言葉をささやく。太ももを撫でる。下腹部を軽くノックする。

 ただそれだけで、ゲイルは押し寄せる快楽の波に逆らえなかった。

 

 孕む可能性をささやかれると、またじわりと熱くなってくる。

 太ももだけでは物足りない。もっとさわって、いじって、抱きしめて、ぶち込んで欲しくなってしまう。

 下腹部をノックされるのが一番危ない。ついさっき、そのナカへと出されたものがたぷんと揺れて、甘い快感がゾクリと走ってしまう。

 

 そうして昂(たかぶ)らされてから、アランが交換条件を持ちかけた。

 

「この仕事請けてくれたら、この後すぐ可愛がってやるよ。なんならここの便所でも、そこの路地裏でヤッてもいい。奥までハメて、たっぷり中出ししてやるよ。どうする?」

 

 顔が火照る。

 頭がぐるぐるする。

 視線が定まらない。

 つばを飲み込む音がやけに大きい。

 汗が首筋を伝っていく。

 長い沈黙。

 

 そしてゲイルは、契約書にサインした。

 すぐに路地裏で3回中出ししてもらった。

 そのまま二人でゲイルの宿へ赴き、また激しくセックスした。

 

 

 

 

 

 昼過ぎに起きたゲイルは、また激しく後悔した。

 アランとのセックスなど、取引などしなくともどうせまたヤったのだ。アランの手管に乗せられて、交換条件にすらなっていない条件を飲んでしまった訳だ。自分の事ながら頭が痛い。

 とは言え、流石に今更断れない。アランの提示した「報酬」はもう受け取ってしまったのだ。これを反故にしてしまえば信用にも関わるし、相手がアランとは言え流石にゲイルのプライドが許さない。

 アランが提示した条件は、あくまでも「引き受ける事を条件にセックスしてやる」のため、ウェイトレスとしての給金はきちんと出るが、ゲイルにしてみればあまりに安い金額だ。

 全く持って旨味がない。あのクズを一発ぶん殴りたかったが、部屋には既にいなかった。"ちゃんと店に行くように"とメモと店への簡単な地図だけが残されている。

 気乗りはしないが、これもゲイル自身の失態が招いた事だ。

 気持ちを切り替えて、身だしなみを整え始めた。

 

 

……

 

 

 ゲイルがバイトする事になった宿屋件食堂は、過去に一攫千金を得た冒険者が始め、息子が継いだものだ。

 昔はそこそこ流行っていたらしいが、先代夫婦が亡くなってからはあっという間に寂れていった。元々先代のコネクションで成り立っていた宿なのだ。

 だが現店主の息子に焦りはない。先代の遺産はまだ十分にあり、彼一人暮らしていくのならまったく問題ないのである。

 ウェイトレスを募集しているが"暇すぎて退屈だし、潤いが欲しかったから"などという理由だ。手伝いが必要なほどの客は来ない。

 宿泊客に至っては、最後の客がいつだったかすら思い出せない。部屋の掃除もおざなりだ。好き好んでここに泊まる人間はいないだろう。

 

 そんな店に、突然アランが現れた。彼の悪評は店主も知っているため、あまり相手にしたくなかったが、アランは一方的に語り始めた。

 

 "なあ、取引しないか? オレがこの店の給仕に、とびきりの女を連れてきてやる。代わりに、そいつが働く日の売上の三割をオレに寄越せ。なあ、どうだ?"

 

 信用出来るわけがない。給仕に売上の三割など正気の沙汰じゃない。仮に、本当にイイ女が来ても、アランに騙されている可哀想な娘だ。そんな女を給仕にしても、こっちの気分が悪い。さっさと帰れと伝えるが、アランは食い下がる。

 

 "わかったわかった。白状してやろう。連れてくる女はゲイルだ。ルーク級の、あのゲイル。あのエロい格好してるあいつだ。知ってるだろ? 同名の別人なんて手は使わねえよ。間違いなく本人を連れてくる。金も売上じゃなくて利益の三割、いや二割でいい。どうだ?"

 

 その言葉には心が揺れた。ゲイルの事は街中で何度か見かけている。

 扇情的な格好をしながらも、纏う空気は娼婦とは一線を画す、とても良い女だ。あれが昔男だったなど信じられない。

 

 あれがウチでウェイトレスを……

 あれが料理運んでくれる……

 あれがコーヒー淹れてくれる……

 あれがベッドメイクしてくれる……

 あれが微笑んでくれる……

 あれが……彼女が注文をとって、僕が料理をして、合図をすると彼女が料理を持っていって……

 そんなん僕と彼女の共同作業ですやん!!

 

 独身のまま40を過ぎてしまった店主の胸と股間が熱くなる。寄ってくる女はすべて遺産狙いだと思って警戒しすぎた結果だ。

 そもそもこの店の売上などハシタ金だ。二割でも三割でも持っていけばいい。だがしかし、こいつはクズのアランだ。

 ルーク級ともあろう人間が、そう簡単にクズの口車に乗り、こんな寂れた宿の安い仕事を請けさせる事が出来るのだろうか?

 

 "へえ、そこまで言うなら売上の三割でいいよな? ならこの契約書にサインしな。"

 

 店主は訝しむ。ここまでこちら側に損がないのだ。

 店主の頭が金勘定に回り始める。元々この店の売上なんて二束三文、その上、この都市の税金は安い為、三割を取られても問題ない。計算が面倒になるだけだ。

 

 "まだ踏み切れないのか? しょうがないな。なら金貨3枚だ。これから一週間以内にゲイルを連れてこれなかったら、金貨3枚出す。契約書にも追記してやろう。どうだ?"

 

 ずいぶんと自信があるようだ。

 金には困ってないが、貯蓄は多いに越したことはない。何もせずに金貨が入ってくるのなら受けてやってもいいだろう。その金でウェイトレスの給金をはずんでやってもいい。

 契約書をじっくりと読み、罠が無いことを確認し、店主はサインしてやった。

 

 "くくく、ありがとよ。お互いWin-Winの関係でいこうじゃないか。間違いなくゲイルを連れてきてやるから、楽しみにしてな。ああそうだ、一部屋だけでいいから、きちんと掃除して、シーツも綺麗にしておけ。使うから。くくく。"

 

 そう言ってアランは帰って行った。

 売上の三割は流石に惜しかったかも、と思うものの、まず本当にゲイルを連れてこれるとは思っていない。

 どちらにしろ損はない。失敗しても金貨3枚丸儲けなのだ。

 ごく低確率でも"期待して過ごす"という楽しみが増えた。

 店主はそう考え、部屋の掃除の為に重い腰を上げるのだった。

 

 

 

 

 

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