---リアス・グレモリー---
朱乃達まで連絡が取れなくなった。祐斗に入れた悪魔の駒が、私の手元に戻って来た。つまりは、祐斗もやられたってことだ。朱乃の安否が心配である。駒は戻って来ていないので、死んではいないが…私が出向くか?魔王であるお兄様に相談した。
「何?あかや市だと?ダメだよ、リアス。あそこは悪魔と堕天使は入市禁止なんだ」
え?なんだ、そのルールは?
「悪魔と堕天使は問題を起こしやすいから、入るなって言うんだよ」
「でも、イッセーと祐斗が殺され、朱乃が行方不明なんですよ」
「ルールを破ったんだ。しょうが無いだろ。諦めてくれ」
「諦められません。何で死なないといけないのか、調べたいんです」
「では、魔王として、訊きだしてみる。それでどうだ?」
「しかし…」
「お前は戦争にしたいのか?2回も侵入した上、3回目だと?」
「そんなやつら、魔王なら倒せるでしょ?ねぇ、お兄様♪」
「う~ん…返り討ちに遭うかもしれない。あそこの守護神は化け物クラスだ。兎に角、待て!訊きだしてくるから」
そうは言うが、朱乃が心配である。親友のソーナに相談してみると一緒に行ってくれるそうだ。メンバーは、彼女と彼女の眷属から、5大宗家の真羅椿姫、退魔師の巡巴柄、不可視能力持ちの由良翼紗、私の眷属から猫又の塔城 小猫、聖剣士のゼノヴィア、ヒーラーのアーシアが付いて来てくれることになった。
朱乃と連絡が途絶えた『あやか温泉』で下車をして、温泉旅館へチェックインをした。
「美肌と治癒の湯…興味有るけど、聞き込みが先かな?」
---鳥井亜樹---
お礼参りの準備をしていると、連絡が入った。懲りずに悪魔の集団がまた来たそうだ。今回は女悪魔ばかり8名もだ。
「どうする?」
唐巣神父に訊かれた。
「ちょっと多いなぁ」
「じゃ、こっちで面倒をみようか?」
賢者様が転移してきた。
「魔王と話し合いをして、今後侵入しないように徹底するって約束したのに、これじゃ…聖域の代表として、許せない行為だよ」
約束して、8名も送り込んで来たのか?
「まぁ、悪魔ってそんな者だ。だから、入市はお断りなんだよ。平気で嘘を吐くからね」
確かに。あの悪魔も悪魔では無いって言い張っていたし。
「調教して、亘のペットにしなよ。全員は無理だけどな」
8名は多いなぁ。朱乃って子だけで、充分な気がするし。
「ダメダメだよ。もっと多く持て。ハーレムを作ろうよ♪」
「シュウ、お前の性癖を教え込むなよ」
唐巣神父が苦笑いしている。
「そうだな、リアスとソーナとアーシアの3名をペットにしろ。戦闘時に役立つからな」
役立つならいいか…
---リアス・グレモリー---
聞き込みをした結果、椿姫が言うには、ここの旅館も含め従業員は全員、人外らしい。さすが、共存エリアねぇ。見た目は人間なのに。
食事をして温泉へと向かう。う~ん、いい気分である。ウツラウツラしてしまう。急に全身が涼しくなり目が覚めた。温泉にいたはずが、知らない場所にいた。ここはどこだ?
「由良、何か見える?」
え?私以外のみんなが悶えている。どうして?乳首が立っている。性的な刺激を受けているようだ。見えない者達に?
「誰?出て来なさいよ!」
「はぁ~い♪リアス・グレモリーよ!」
うっ!最悪な奴が現れた。聖域の賢者だ…
「ここは僕の弟子である神代亘が、神主をしているエリアだ」
神代亘?おいおい、最強の陰陽師じゃないか…冥界の学校で習った。この二人にはケンカを売るなと。悪魔では絶対に勝て無いと。
「さてと、イッセーの消された理由が知りたいんだよな?」
「そうよ!その前に、ソーナ達を解放しなさいよ!」
弱気になったら負けである。
「解放?しないよ。この後、お前を含めて調教するんだから。今は下準備段階だよ」
こいつの鬼畜っぷりは有名である。賢者とは名ばかりであり、聖域の暴れん坊という別名があるそうだ。
「お前のイッセーは、弟子の想い人を殺そうとした。だから、殺されたんだよ」
まさか、イッセーが?
「殺そうとした彼女の連れが、気に入ったらしいんだよ、君のエロナイト君がさぁ。誰でも怒る展開だろ?悪魔だから、許されるってもんじゃない」
事実ならば、そうだが…
「祐斗はどうして?」
「魔王と話し合いをして、今後悪魔は入らないって約束した日の翌日に来たんだよ。魔王の命令を聞けない悪魔だ。処分しても問題はないだろ?そして、再度申し入れをして、二度と入らないと紅髪の魔王様が約束した当日に、お前らが入った。もう、信用なんか出来ないと思わないか?」
「それは…」
「もう、うんざりなんだよ。魔王の妹は例外ルールって言うんだろ、アイツらは。だから、このエリアを作るに当たり、始めから悪魔、堕天使の侵入を禁止したんだよ。こうなることは目に見えているからな」
もっともな言い分である。反論は出来ない。
「さて、後、リアスだけだ」
え?周囲にいたみんなは、地面に横たわっている。全身何かの液体塗れである。
◇
大股開きで固定されている。乳首は固く締まり立っている。全身にローションのような物を塗り込まれていく。それだけで、息遣いが荒くなり、体内が熱い。
「はぁ?おい!亘、待て」
「どうしました?」
「魔王が人質を交換しろって言うんだよ」
交換?誰と?
「亘は人妻は好きか?」
「初めてですが…」
「じゃ、経験するか?リアス、助かったなぁ。お前の兄が嫁を差し出すってよ」
え?グレイフィアを?
◇
グレイフィアを薬で眠らせ、全裸にして棺に入れて持って来たお兄様。
「これでリアスを返して貰うぞ!」
「4度目は戦争だ、サーゼクスよ。冥界を5分で無くす。いいな」
5分で…やりかねない…
「わかった。リアスに徹底させる」
「リアス以外の悪魔もだ!」
契約書に署名したお兄様。
「これで3通目だな、契約書がさぁ。意味有るのか?」
「あぁ、最後通告を受け取った」
私はお兄様と共に冥界へ転移した。
---グレイフィア・グレモリー---
目覚めると大股開きで固定されていた。ここはどこだ?知らない少年が、ローション状の液体を全身に塗り込んでいる。乳首が立っていく。悶悶としていく。口には拘束具…しゃべれない上、飲み込めない唾が、口元から漏れ出していた。
「お目覚めだな。グレイフィア。お前はサーゼクスにより、リアスとの人質交換でここに来た。なので、ここからの脱走は認められない。死んでも彼に仕えさす」
この声は聖域の賢者か…リアスは何をしたんだ?
「なんだ?訊いていないのか?魔王と聖域で結んだ契約書の内容を、締結した翌日に反故にした上、再締結した契約は、その当日に破られた」
あの小娘…やってくれたな。あぁぁぁぁぁ~!割れ目に何かを塗り込まれている。これはダメだ。無理…身体は興奮し、乳房がはち切れんばかりに膨れていく。苦しい…
「じゃ、除幕式だ」
除幕式?
「お前の処女膜を再生した。除幕式で出た処女血で契約書を締結させる」
賢者の手にしている契約書は、性の奴隷契約では無いか…おい!止めろ…
少年が入って来た。うごっ!なんだ、この痛みは…
「聖属性だからな。激痛だろ?」
灰になるのか?いや、性の奴隷契約だ。コイツとなら灰にならないが、他者だと…
「グレイフィア、正解だよ♪」
拘束が外されたのだが、肘から先と膝から先が無かった。その代わり、蹄が有り、蹄鉄が打ち込まれている。
「性の奴隷だよ。要らないだろ?」
四本の足で立っている私に、後から挿入する少年。えっ!そんな…意識が遠くへ過ぎ去っていく。
◇
夢か…手足を見ると肘から先、膝から先はある。毎日、うなされている。実際にされた調教風景を想い出して。ここは白浪神社である。ここの従業員宿舎に部屋がある。結界で囲まれたエリアから、脱出は出来ない。いや、出来てもしない。契約している為、反故にすれば、残りの人生は、夢で見た体型で生きないといけない上、死んでもあのままで、転生すらできないまま、聖域で永久懲役という調教を受け続けるそうだ。
従業員は私、アーシア、ゼノヴィア、朱乃、小猫である。チームワークを考えて、旧グレモリー眷属で固めてあるそうだ。
「大丈夫ですか?グレイフィアさん」
アーシアが心配そうに私を見つめている。
「大丈夫だよ。朝の掃除の時間か。起きないとな」
外に出ると亘と幽奈がいた。霊体の幽奈が屋根をチェックしているようだ。
「大丈夫ですよ。ゴミは特にないです」
「そうか…」
週に1度、二人でエリア内の設備を点検しているそうだ。
「あんなかわいい幽奈さんを…イッセーが祓おうとしたなんて…」
憑依される本人了承の元、幽奈が憑依したそうなんだが、イッセー君は問答無用で祓おうとしてしまった末、消されたそうだ。相手が悪かった。最強の陰陽師の彼が相手では、新米悪魔であるイッセー君では歯が立たない。
「配置替えだ。由良と小猫を交代させる」
亘は適性を見て、配置替えなどするらしい。由良と小猫がハイタッチをすると、契約内容が書き換わって行く。
「ソーナはどうしたんだ?」
「あぁ、椿姫と共に返品した。魔法少女の魔王が、五月蠅いんだもの。代わりの人材を要求中だよ」
そうか…
「儀礼に詳しい者がいいとリクエストしたけど…どうなるやら…」
「師匠、稽古を付けて下さい」
小猫が夏美に申し出て、稽古をしてもらっている。あの夏美って少女は九尾の狐だった。ここにある稲荷の神主で、夜な夜なお供えの揚げを食べに来ているし。
「グレイフィア、テクニックを教えてくれる?」
「掃除がおわったらな」
亘は亘で、私に営みのテクニックを習っている。真剣に習っている。時には質問もされる。女で無いとわからないことが中心である。真面目だよ、コイツは。リアスに爪の垢を煎じて飲ませたいくらいだ。
---鳥井亜樹---
神社から戻り、朝の温泉タイム。仙境館の温泉は静かでいいなぁ。
「また、来ているの?」
顔を真っ赤にした九郎丸が入って来た。さっそく、巻いてあるバスタオルを剥がし、抱きつく。
「なんで、僕なんだよ~」
「気持ちいいから」
「どうして…」
「どうしてかな?」
理由はわからないが、気持ち良いのだ。温泉の中で唇を重ね合う。
「おい!亜樹!最近、来ないのはどうしてだ?!」
雪姫先生が乱入してきた。
「ここ、男湯ですが」
「大家は私だ!」
なるほど…そう言う理由が…
「雪姫様!ズルいですよ!」
夏凜まで入って来た。ゆらぎ荘と変わらないような。
「悪魔達はどうだ?」
「契約書があるから、従順ですよ」
たぶん契約書が無くても賢者様の威厳、いや変態性だけで充分に服従だと思う。
「問題は、あの湖ですよね」
「うん?あぁ、集合住宅の建ち並ぶ白浪公園の件か」
「あそこに祠というか、神社があったのに、理由があったってことですよね?」
「そうだな」
「何があったんだろう?」
「亜樹君…考えるなら、止めて…」
考えながら、グレイフィアさんに習った事を、九郎丸で復習している僕。
◇
ゆらぎ荘へ戻った。朝ご飯だな。翼が持って来てくれた。
「どうかな?味噌汁にチャレンジしてみたの」
う~ん…
「千紗希に味見して貰うといいよ」
「ダメだった?」
「僕はいいけど…」
「そうか…明日もチャレンジかな」
あんなにも頭がキレるのに、味覚オンチとは…神は人間に二芸を与えない典型である。
中学生組は夏休みの自由研究で、この街の成り立ちを研究するらしい。ここまでに調べたことを纏めるだけで、出来そうだと小町が言う。
「ねぇ、今日の予定は?」
千紗希に訊かれた。
「山の手入れ。枯れ木をたおして、薪にしようかと。後、落ち葉を堆肥にして、山に栄養を与える準備をと考えているけど」
「そうか。じゃ、手伝えるね。だってさぁ、結衣♪」
なんか最近、千紗希と結衣の仲が良い気がする。
「うん♪」
そうなると、
「駿河と火憐は、自由研究で戦力外だろ?力仕事を手伝ってくれ」
「胸揉んでくれるか?」
「股に指を這わしてくれてもいいよ、先輩」
この二人の変態性は、どうすれば補正出来るんだ?
「ひたぎと翼は、旧白浪神社の成り立ちを調べてくれるか?」
「気になるの?」
「なんで、あそこなのか。何かがあったのかを知りたいんだ」
「わかったわ。あぁ、神原が変なマネをしたら、言ってね。教育的指導をするから」
「戦場ヶ原先輩、それは誤解だ。私は変なマネなんかした事無いよ」
駿河的には、変なことでは無いようだ。
出掛ける準備をしていると、客人が来た。見覚えのある紅髪の少女であった。
「あの…交代要員として来ました。リアス・グレモリーといいます。よろしくお願いします」
僕に深々と頭を下げるリアス。
「何をしに来た?スパイか?」
「そんなことはしません。あくまで、交代要員です」
「夏美、アレを付けて」
「あい♪」
魔具である『奴隷の首輪』を首に嵌めた。
「信用してくれないんですね…身から出た錆ですけど…」
悲しそうな表情をするリアス。でも、悪魔は信用が出来ない。
「お~い!リーア!早まるなぁ~」
あれって、紅髪の魔王様だっけ?
「ダメだよ~、サーゼクスちゃん!」
黒髪の少女が魔王を追いかけている。契約違反で無いのか?3人も侵入って…
「亘、どうしたの?え!セラフォルー様…」
小猫が固まった。セラフォルーって魔王だったよな。魔王二人が契約違反って、どうなんだ?
「これだから、悪魔は…」
当然のように、賢者様が転移してきた。
「なぁ、サーゼクス。契約って、破る為にあるんじゃないんだぞ!」
「いや、これは緊急事態でな」
「その場合は、まず連絡だろ?契約書を見ろよ!って、セラフォルーもか。まったく、悪魔って奴は…だから、入って来るなって、最初に言ったんだよ。悪いけど、僕は約束を護るよ。後2分40秒後に、冥界を消す。いいな!」
「賢者様、待って下さい。今、サーゼクスちゃんを連れ帰りますから。ほら、帰るよ!」
「リーア、帰るぞ!お前が交代要員では、グレイフィアの行為が浮かばれない」
いや、交代要員にされた時点で、グレイフィアさんは浮かばれない。だって、彼女は了承していなかったから。
「あと、2分10秒だよ」
「ねぇ、サーゼクスちゃん」
「おい!サーゼクス、ダメだ!」
緑髪の悪魔がやってきた。この人も魔王かな?
「はぁ?アジュカ・ベルゼブブだと?お前ら、契約を守る気が無いんだな。後100秒だ」
「サーゼクスちゃん、帰らないとマズいって…」
賢者様が指を鳴らした。冥界を無くしたようだ。
「亘、僕は帰るよ。コイツらの魔力も凍結した。茶番が終わったら、聖域へ強制転移させろ」
賢者様が転移していった。
「ほら、諦めて、帰ったぞ」
ノー天気だな。この魔王様は…
「既に執行しましたよ。本当に悪魔って…『強制転移』」
魔王二人は消えた。黒髪の魔法少女姿の魔王だけ残った。あれ?
『そいつは、貰っておく』
って、賢者様。夏美が、彼女の首に細工した。魔王を性の奴隷に?いいのか?
「あれ?みんなは?」
「跪け、悪魔よ!」
リアスとセラフォルーが僕に跪いた。つまり、そういうことだ。
「うそっ!魔具の『奴隷の首輪』を嵌めたの?私、魔王なんだけど…」
泣いている魔王様。
「リアス、この魔王と同室。う~ん小猫、同室にしてやってくれ。立場は、小猫と同じで良い」
小猫が二人を部屋へ案内していく。