※この作品はR-18です。

あやか市の幽雅な日常   作:もっち~!

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リミット

 

---鳥井亜樹----

 

久しぶりのすのはら荘だ。みんな元気かな?

 

玄関で呼び鈴を押すと、彩花が出て来た。

 

「あっくぅぅぅぅ~ん」

 

俺の顔見て、抱きついて来た彩花。相変わらずのダイナマイトオッパイである。

 

「来てくれたんだぁぁぁ~」

 

俺に抱きつく彩花。う~ん。マイクロビーズのような触感の胸。なのに、垂れていない。奇跡である。

 

「他のみんなは?」

 

「学校ですよ。さぁさぁ、上がってください」

 

連れて行かれた先のドアには、何故か俺の名前のプレートが掲げられていた。

 

「あっくん専用の部屋なの。入ってみて」

 

部屋に入ると、部屋の中にドアがあった。

 

「ここには、リアルダッチワイフを置いて有る」

 

そんな物を用意してくれているのか。中に入ると、リアルダッチワイフが箱に寝かされて、4体置かれていた。それぞれに名前が付いていた。『ゆうな』『さぎり』『かりん』『つばさ』と書かれたネームプレートが箱に付いている。

 

「私と遊んだ後、私が意識を飛ばしている時に、それらで遊んでください」

 

手際良く、俺も彩花も全裸になり、スキンシップを始めた。

 

 

 

---雪姫---

 

うっうぅぅぅ…股間に十字架だと…全身に激痛が走っている。

 

「おい!お前はいつから、そんな腑抜けになったんだ?」

 

意識が飛びそうだ。なんで、こんな拷問を…何か、ヘマをしたか?

 

「お前の一番弟子はどこに行ったんだ?」

 

「一番弟子?九郎丸か?」

 

「話にならんぬ。この腑抜けがぁぁぁ!」

 

あぅごっ…お尻の穴にも十字架だと…マズい…灰になりそうだ…

 

「雪姫クラスでも術に嵌まっているのか…どうするかな。おい、腑抜け!亜樹に何か変わったことは無かったか?」

 

変わったこと…はぁ…はぁ…はぁ…目眩がしてきた。十字架からあふれ出す、聖なる毒のせいだな。

 

「そういえば、血液の味がまろやかになってきたか」

 

「うん?血液の味がまろやかだと?それはおかしいなぁ。血の味は変わらぬはずだが」

 

そうだな。変わるって、今考えるとおかしい。輸血や輸液をしていないの、味が変わるって…

 

「そうなると、亜樹が原因なのか?予定を前倒しするかな。今だと、チャンスはチャンスだし」

 

この鬼畜は何かをやらかそうとしているのか。

 

「兎に角、お前は記憶を戻せ!いいな」

 

 

十字架を取り去り、去って行く鬼畜。

 

 

 

---神代亘---

 

彩花を亜樹にまかせて、リビングダッチワイフの部屋を調べている。何かがおかしい。何がだろうか。僕の記憶まで改竄されているのか?そうだ、どこで買ったんだ、これらを。製造に関する資料を探すが。見付からない。じゃ、構造を調べるか。口と股間周りしか臓器らしき物が無い。肺や心臓などの生きる為に必要な臓器は無い。工業製品ってことかぁ?しかし、リアル過ぎる。後で、亜樹と交わって貰おうか。

 

 

 

---鳥井亜樹---

 

今日の彩花はタフである。中々、達しない。不感症か?

 

「あっくん、拷問プレイはリビングダッチワイフでしてね」

 

拷問プレイ…良い響きである。彩花でしてみる。

 

「えっ!私でするの…ダメ…あぁぁぁ~」

 

達したようだ。では、隣の部屋へ。どのダッチワイフでするかな。この『ゆうな』ってやつとするか。口に差し込むと、舌が絡み付いてきた。おぉぉぉ~!リアルよりも気持ちが良い。準備が出来、股間へ差し込む。相手の準備をしなくて良いのは便利である。穴の内部も絡み付く何かがあり、悶悶さ最高潮に達すると、勢い良く放出出来た。溜まっていた物が出たようだ。胸の感触も良いし、顔の表情も変化している気がする。先程よりも恍惚な表情になった気がする。

 

後の穴はどんな感じだ?こっちも気持ちが良い。どこで売っているんだ?リアルよりもいい。うちにも欲しいなぁ。

 

 

 

---聖域の賢者---

 

見つけた…ここにいたのか…まさか、人間エリアに巣くっていたとは、盲点だった。

 

「師匠…」

 

弟子が僕を見つけたようだ。だけど、今はどうすることも出来ない。どこから手を付ければいんだ?

 

「師匠…」

 

何度も僕に声を掛ける弟子。汚染したまま、助ける訳に行かない。どうするかな。

 

『自力で這い上がって来い。タイムリミットがあるんだよ。タイムリミットを超えたら、僕は君と出会わない人生になる。いいな、天狐…』

 

「いつですか…」

 

『3月15日がリミットだ。それまでに、亘の封印を解け!』

 

「亜樹君は…どうなるんですか?」

 

『天狐と亘に関わりのないことだ。気にするな』

 

「気にしますよ…」

 

天狐の言葉をスルーする。

 

 

 

---湯ノ原幽奈---

 

師匠が去って行くと、またアイツらが湧き出して、私を快楽の沼に引き釣り込んでいく。気持ちがいい…もっと欲しい…全身を何かの精液につけ込まれる。魂が汚れていく。戻れなくなりそうだ。亘君…私はここにいる…気づいて…汚れきる前に…

 

胸が蕩けていく。このままでは、身体を維持できそうに無い。どうする。今、何月何日だ…リミットまでどの位あるんだろうか…

 

闇の中で藻掻く。見えない奴らが私の身体に愛撫している。思考力が衰えていく。自分を保つことが難しい状況だ。

 

『見つけた…』

 

誰かに見付かったようだ。誰に?

 

『亘と幸せになって…天狐さん…』

 

天狐?私の名前だっけ?亘って、誰?

 

『お姉ちゃぁぁぁぁぁ~ん!助けて…亜樹が…抑えきれない…亜樹が…』

 

亘君…私はここ…

 

『お姉ちゃぁぁぁぁぁ~ん!』

 

光輝く細い糸が見える。クモの糸?アレを辿れば…待っていて…お願い、間に合って…

 

 

 

---鳥井亜樹---

 

今日も満席だ…瞳に会えない。瞳が男性客にチョコレートを渡している。

 

「瞳…結婚してくれ」

 

「えっ…私は…」

 

「刑事を辞める覚悟がある。だから…」

 

誰だ、アイツは?

 

『彼女の元カレだ。盗賊と刑事は一緒になれない。だから、お前を選んだのかもしれないなぁ…』

 

あぁ…そういうことか。殺人鬼と刑事が一緒になれないのと同じだね。

 

『お前はどうしたい?』

 

「瞳には幸せになって欲しい。蘭にも、美和子にも…みんなには幸せになって欲しい」

 

『ロストしてもいいか?』

 

「師匠、訊くまでもないことですよ。俺はいつロストしてもおかしくない、犯罪人です」

 

『わかった…お前の望みを叶えてやる。供物は…お前の存在だ。今日は2月の14日だ。猶予は1ヶ月…3月の14日がリミットだ』

 

「後28日も生きられるんですか?今すぐにでもいいですよ。亘に俺の魂を譲渡します。だから、みんなを幸せにしてくださいね、師匠…」

 

 

 

---神代亘---

 

亜樹は僕に魂を託した。最後の敵と戦う為に、後を振り返れないように、引き留められないように、リミットより早く、僕に魂を託し、最後の殺戮をしに行った。術師を殺し、召喚の議場を破壊する為に…

 

亜樹にはリミットなんか、必要はなかった。その日その日を、精一杯生き抜いてきたからだ。僕は知っている。ずっと、亜樹に寄り添って1年近く生きていたからだ。

 

3月15日で、亜樹の執行猶予は消える。だけど、リミットは14日だった。ホワイトデー…後、2週間である。記憶の歪みのお陰で、亜樹の記憶を保っていられるのは、僕だけになった。幸いなことである。別れの悲しみは、僕だけが背負えば良いのだ。

 

僕は僕の身体を得た。亜樹の身体だったホムンクルスは、今御炊きあげをしている。3月14日に奇跡を起こすために…大事な行事である。精一杯、亜樹の為に祈祷をしている。亜樹の生きた1年間を僕の中に刻むように…

 

僕は僕だ!

 

『そうだよ。亘は亘だ。俺は単なるシリアルキラー。忘れていいぞ、亘…』

 

僕の中で生きていて欲しい。3月15日まで…

 

 

 

---来生瞳---

 

賢者様に二択を迫られている。高校時代から付き合っていた内海 俊夫のプロポーズを受けるか、記憶に残っていない大切な人の想いを受け継ぐかを…リミットは3月13日である。

 

「姉さん、どうしよう…」

 

2月14日にプロポースを受けた。元盗賊である私は、刑事である俊夫の妻には相応しく無い。でも俊夫は刑事を辞める覚悟だと言う。

 

「瞳のしたいようにしなさい」

 

「記憶に残っていない彼…名前すら思い出せない。どうしてかな?」

 

「総てを被ってくれたんだよ。お姉ちゃんは、俊夫さんと一緒になればいいよ。私が背をうから」

 

その彼のことを、妹の愛は覚えているようだ。

 

「どんな人だったの?」

 

「お姉ちゃんは知らない方がいいよ」

 

「姉さんは覚えているの?」

 

「えぇ、覚えているわ。でも、瞳は気にしないでいいのよ」

 

なんで、私だけ覚えていないんだ?どうして…

 

 

 

---佐藤美和子…

 

高木君にプロポーズをされた。返事は3月14日にって…2月14日に、チョコなんかあげたから。あのチョコは本当は誰にあげる予定だったんだ?思い出せない。とても、大切な人のことを忘れている気がする。

 

なんで、私はここの警察に勤めているんだ?そこがキーだと思うんだ。温泉駅前の喫茶店の瞳さんに、その話をした。

 

「えっ?美和子さんも?」

 

瞳さんも…誰かの為に買ったチョコを、元カレに上げて、プロポーズされたそうだ。

 

「え?そうなんですか?私もです」

 

って、蘭ちゃんもだ。これって、偶然か?もしかして、同じ人物にあげようとしたのでは無いか?

 

三人で記憶を追い始めた。返事を出すまで、後2週間だけど…

 

 

 

---神代亘---

 

師匠の賭け…誰か一人でも、亜樹のことを想い出せば、亜樹と夏美の記憶を託そうとしていた。だけど、現状では難しいようだ。僕しか覚えていない。リミットまでに僕以外の人が思い出さない場合、僕の記憶からも亜樹と夏美の記憶は消える。

 

どうして、彼らがこんな目に遭うんだ。理不尽である。

 

『そうだよ、理不尽な動物だからな、人間って言うのは…』

 

結局、懸命に生きても、記憶から簡単に消え去るものなんだな。お姉ちゃんの記憶からも僕は消えるかもしれない。僕が思い出しても…手遅れなんだろう。

 

『どうする?天狐を出逢わない人生を生きるか?』

 

いえ、このままでいいんです。亜樹は…亜樹には選択の余地は無かった。困っている人々を救いたかっただけ。それだけだったと思いたいです。

 

『後、1週間だ…天狐の記憶からは亜樹は消えている』

 

そんな…お姉ちゃん…どうして…どうして、忘れちゃうのさぁ。

 

『亘のことを必死に忘れないようにしているからだ。天狐は、お前や亜樹の様に強く無い、単なる人間なんだ。期待をしすぎるな』

 

だから、お姉ちゃんは、罪を犯したんですね。

 

『あぁ、他の者の魂で、罪は消えない。亜樹や夏美のように、自分自身で、有効に使わないとダメなんだよ』

 

「師匠…湯ノ花幽奈として、付き合っても良いですか?」

 

『あぁ、それでもいいぞ。天狐には荷が重かったのかもな』

 

 

 

---鳥井亜樹---

 

3月14日を迎えた。春だと言うのに、季節外れの雪が舞っている。もう、俺の姿は誰にも見えない。翼も紗霧も夏凜も元の生活に戻れた。

 

明日は卒業式だったな。そこまで保たなかった。まぁ、しょうがない。

 

「一緒にいても良いですか?」

 

亘には、まだ見えるようだ。勿論だよと言うけど、声は既に聞こえていないようだ。

 

「1年間ありがとうございました。生きて行く自信がつきました」

 

それは良かった。俺は俺に出来ることしか出来ない。それだけの男だよ。亘の自信は亘の成長の賜り物だよ。がんばって、生き抜け!って、聞こえていないか。

 

神社にも行きたかったが、悪霊もどきの俺では、しめ縄の結界で弾かれてしまった。まぁ、それはそれで、安心だけどな。

 

温泉駅前に行く。喫茶「キャッツアイ」の様子を見て、消えるとしよう。蘭、美和子、瞳が、それぞれの彼に返事を返す日だ。

 

後ちょっとで「キャッツアイ」って処で、俺の刑は執行されたようだ。瞳…幸せになぁ…

 

 

 

---槇村香---

 

いい男三人が首を項垂れて、凹んでいる。瞳、美和子、蘭ちゃんが、お断りをしたのだった。

 

「ごめんね。チョコをあげる相手を間違えちゃったんだ、てへっ」

 

って、三人同時に、ごめんなさいをしたのだった。

 

見ていて、爽快だな。って、リョウはチョコすら持って来ないんだが…

 

閉店後の店内…賢者様が見えた。

 

「じゃ、約束だ。亜樹と夏美の記憶を、君達に授ける。但し、直ぐには無理だよ。瞳の体内には3ヶ月になる双子の胎児が記憶の封印入りで、入っているんだ」

 

「えっ!じゃ、あの1回で出来たんですか?」

 

「ズルい…瞳さん…」

 

「蘭君、それは違うよ。瞳は母親だ。結婚は出来ない。歳の差カップルで良ければだけどね、亜樹と一緒になれるのは、瞳以外の女性だけだ。ただ、瞳には幸せを少し早く届けただけだ。産む幸せ、育てる幸せ、見守る幸せだよ」

 

「ありがとうございます、賢者様…」

 

「じゃ、幸せにな…」

 

賢者様はそう言うと、姿を消した。

 

 

 

---湯ノ花幽奈---

 

ここはどこだ?しまった。疲れて寝てしまったようだ。ここはどこよ?

 

「おぉ!幽奈、久しぶりだな」

 

えっ?お尻を撫で回されている。この声…亜樹君?夏美ちゃんもいる。あれ、どうして?亘君の気配が感じ無いんだけど…どうして?リミット過ぎちゃったのか…

 

「なんで、泣いているんだ?」

 

お尻の割れ目に顔を突っ込んでいる亜樹君。

 

「お兄ちゃん、ド変態だよ、それじゃぁ」

 

そう思います。って、それよりも

 

「ねぇ、亘君は?」

 

「えっ?亘君?あぁ、神主は神社だよ」

 

神主?あれ?いつの間に分離したんだ?

 

「亜樹、どうしたんだ?アレ…幽奈?」

 

知らない中年女性が、私の名前を呼んでいる。誰、この人は?

 

「私だよ、狭霧だって」

 

「どうして、こんなに年増なの?」

 

「おいおい…幽奈、お前こそ、15年も迷子って、どういう地縛霊なんだ?」

 

「15年も迷子?えっ…えぇぇぇぇぇぇ~!あれから、15年も経っているの?!」

 

「そうだよ。亘がかわいそうだよ。15年もやもめ暮らしで…」

 

神社に行かないと…ゆらぎ荘を出て、神社へと向かう。って、神社のしめ縄で弾かれているし…会えないじゃない…そんな…

 

「幽奈、何を泣いているんだ?」

 

「懐かしいオーラを感じる。亘君?ねぇ、亘君?」

 

ナイスミドルな神主が私を見つめていた。

 

「15年も…どこをどう迷子になっていたのかな?まぁ、積もる話を訊こうかな。おいでよ、幽奈」

 

亘君の手を握る。

 

「天狐お姉さんみっけ!」

 

えっ!

 

次の瞬間…私は私の身体を、返して貰い、亘君が抱きついて来た。あの…私、全裸なんですけど…師匠…服をください…

 

 

 

 

 

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