ウサミから言われた追加ルール。
それは皆でエッチすること。
それを聞いた全員が頬を赤らめていた。
「エ、エッチするって、何なんだよ…」
「あのそれって、具体的には、どうすれば良いのでございましょう…?」
「え?
えーと、それはね…」
「…はう」
「…きゅう」
もちろん動揺を隠せなかったり、その具体例を聞いて、気を失う女子も出て来ていた。
弓弥はそれを一瞥して、ウサミと向き合う。
「…あぁ、ウサミさん。
あんたはそうは言うけどよ…、何でそうなったんだ?」
「あう…、ごめんなちゃい~!
わたちもさっき知ったばかりなので、そのように従うちかないのでちゅよ~!」
「…」
弓弥はウサミの言葉を聞き、少し考える。
「はぁ…、あぁそうですか。
あんたがそんな事言うならそうだろうぜ?
けど、俺はそういうことするつもりは一切ないんだわ。
特に、会って間もない上に、まだ好きでも嫌いでもねぇ連中とはな…」
「「…!」」
その言葉を聞いて、ウサミと千秋は目を見開く。
「それで、追加のルールはそれで終了か?
じゃあ、俺は失礼するぜ」
そう言って、弓弥は伸びをしながら公園を後にする。
不思議そうに見つめるウサミと千秋、呆然としながら見つめる真昼の目線を感じながら。
その日の夜、弓弥はコテージで、島のスーパーで買った弁当を食べていた。
「…島のスーパーって割には、結構うまいじゃねぇか」
弁当の感想を言いながら、食事に口を運ぶ。
すると、扉からノックの音が聞こえた。
「…!
はぁい、今開けまーす!」
弓弥は残りの弁当を飲み込み、家のドアを開ける。
そこにいたのは千秋だった。
しかし、少し顔を赤くしながらもムッとしている表情だった。
「千秋か、何のようだよ?
悪いが昼間に言った通り、ウサミの言ってた…」
「…何であんなこと言ったの?」
「あ?」
「だから…、その、エ…、エ…」
「エ、何だよ?」
弓弥の言葉に千秋はさらに顔を赤くしてしまう。
「だ、だから…、エ、エ…、エッチなことはしないって何で言ったの!」
それを聞いた弓弥は、そんな事かと言わんばかりに、頭を掻く。
「…昼間にも言ったが、俺は会って間もない連中とはしたくねぇんだよ。
それ以上でも、それ以下でもねぇよ」
「…それが彼女たちがこの世界から更正して、出られなくても?」
「…」
弓弥は頭を掻きながら下を向く。
「これは、俺のこだわりみたいなところ、なんだよな…」
「…?」
「そりゃあ俺だって、そんな事しねぇとあいつらを出すことはできないってことはわかってる。
けどな…」
「けど…?」
弓弥は顔をあげて千秋を見る。
「けどな、そのルールがあるってことは、子作りをするってことも考えられるだろ?
…だからな、俺としてはあいつらの人生を、尊重したいのさ、例えこの世界が仮想世界だとしてもな」
「え?」
「オタクだって、好きでもねぇ男に抱かれるの、嫌だろ?
俺だって、嫌だね」
「…」
「まぁ、その、なんだ…。
どうせ抱くなら、ちゃんと仲良くなってからにしてぇのよ、俺的には」
「え…?」
「オタク、ゲームに詳しいなら、この言葉を聞いたことあるだろ?
デートしてデレさせる、ってな」
「…?
あぁ、それ言葉って、デートア…」
「いや、知ってるなら言わなくても良いんだよ。
…とにかく、俺は無理やりとかいきなりとかそんなのは嫌なの。
だから、俺としてはそれに則って、ハーレムを作りたいわけよ。
オタク、その辺りはOK?」
「…なるほど、だからさっきそう言う事言ったんだ。
フフ、その言葉を聞いてびっくりしたよ…」
千秋はその言葉を聞いて安心したのか、少しほほ笑んだ。
すると、千秋は何かひらめいたように目を開いた。
「そうだ…。
それなら、弓弥くん、明日は私とデートしない?」
「おいおい、いきなりか?
まぁ、一応俺たちは互いに知り合ってるつーか…」
「知り合いというか、何よ?」
「「…!」」
二人は声が聞こえたコテージの外に顔を向ける。
そこには真昼がいた。
「真昼じゃねぇか、どうしたんだよ?」
「はぁ、どうしたもこうしたもないわよ。
昼間のあの発言から怪しいと思ったから、こうして聞こうと思ったのよ。
…それで、七海さんとは仲良さそうだけど、どういう仲なの?
今朝のような、挨拶に回っただけの関係には見えないけど」
真昼はため息混じりで聞いた。
「俺と千秋のか?
そうだな…」
弓弥は一瞬だけ千秋に視線を向ける。
「…俺とこいつはな、幼なじみなんだよ。
今朝は挨拶回ってて最初は気がつかなかったがな。
なぁ、千秋?」
「え?
う、うん、そうだよ。
私たち幼なじみで、小学校以来かな~、なんて」
「ふーん…。
まぁ良いわ。
それで、何の話をしてたの?」
真昼はあまり興味無さげにそう言った。
「あぁ…、それについてなんだが…」
弓弥は先程の話を真昼に話した。
すると、みるみるうちに、真昼の顔が赤くなった。
「え、えーと、つまり…、で、デートして仲良くなってから、エエ、エッチなことしようってことなの…?」
「そういうこと。
それも、あいつらの意思を尊重した上でな」
「そ、そうなんだ。
…わかったわよ、じゃあアタシはこれで失礼するわ。
この事を皆にも伝えなきゃいけないし、カメラの調整もしたいしね」
「そうかい。
じゃ、おやすみ!」
「おやすみ~」
「おやすみ…」
真昼はそそくさに帰っていった。
「…一応確認だけど、私たちって、幼なじみ、なのかな?」
「俺たちはAIで、それなりに付き合いはあったと思うから、あながち間違いでもねぇだろ?
「それもそう、だと思う。
じゃあ、今回はそういう方針で良いんだね?」
「あぁ…、じゃあ、明日はオタクの要望通り、デートに行きますか!」
「…うん!
楽しみにしてるよ!」
そう言って、千秋は帰っていった。
「さてと、この世界でハーレム作るのに、俺も頑張らねぇとな…」
それを見送った弓弥はそのように呟いた。