ある日紗霧が言った「好きな人のおよめさんになる」という夢も、俺が言った「妹と俺のアニメを見る」夢も両方を叶えることが出来た。紗霧と婚約してからというもの、それは順風満帆な同棲生活を送っていた。
その中でも特にムラマサ先輩やエルフのアプローチは止まらなかった。
しかし、俺は気持ちを歪めることは無かった。
俺は彼女達が大好きだ、でもそれ以上に好きな人がいる。と。
世界で一番エロかわいい妹 ~愛の蕾~
「紗霧~ただいま~!」
「正宗、おかえりなさい!」
生活が落ち着いた今は俺と紗霧の二人の生活に戻っている。しかし生活は前とは違う。二人で初々しいながらも協力しあい生活を送る新婚生活だ。
「正宗!正宗!今日はこれを作ってみたの!」
脱引きこもりを目指して日々家事の特訓をこなし、今では自身の知識を応用し新しい料理を作り出すことも出来るようになった。
「いただきます!」
二人で食卓を囲む。昔エルフやムラマサ達と一緒に生活してきた時よりはずっと静かだ。しかし、その中に幸せがある。
「ねえ正宗、お願いがあるんだけど」
おおなんだなんだ?愛しい紗霧の為ならなんでもしてやるぞ!
「ブラジャー見せてくれる女の子に思い当たる節ない?」
ないわ!
そもそも紗霧と婚約してこれ以上女の子にうつつを抜かすことをやめようと思っていたのに。
「ねえ~な~い~?」
「ないわ!」
数多の願いを聞いてきたがこの類いだけは難しい。ただてさえ女の子との絡みも最低限にしているのに。
「んぐぅ~…」
彼女は可愛らしく唇を噛んだ。
その数日後…
「しゃっさっしゃぎり…?」
「いやっこれはっ!小説のためだから!」
前水着を見せてくれた時より少しは大きくなったのだろうか。
「す、すげえよ紗霧!すげえ似合ってて…そして…」
俺は生唾を飲んだ。
「すげええ…」
「もう終わり!これ以上見せてると正宗の事だから…」
彼女の下着姿を見た第一印象を遅れて言おうとするも、その前に彼女とジャージに遮られてしまった。
「俺のことだから?」
俺は彼女が言いかけた言葉の先を聞きたかった。
「絶対私のことエッチな妄想をした!えっちな正宗なんてしらないっ!」
と、パターンと開かずの間に戻ってしまった。
「………」
彼女は扉の裏に立つ。
扉越しに彼がいる。
「正宗…」
「紗霧…」
再び扉は開かれ、カーテンで日光が遮られ薄暗い部屋に招かれた。今回は「仕事として」ではなく、「愛しい彼氏」として。
「…やっぱ今だけは私でえっちな妄想をするのを許す」
えっ。と目を点にする正宗。
「も、妄想だけなんだから!本当のことはもっとお互いのことを知ってから…」
顔に火を灯してそっぽを向いてしまった。俺は今はまだ普通を装ってはいるが、「彼女の華奢な体を今すぐにでも撫でたい、触りたい」という無限に湧く煩悩を押し殺している。
「なあ、紗霧。俺達、恋人なんだよな」
ひとまず彼女に上着を着せ、確認した。
「う、うん…改めて言われるとすごく恥ずかしいけど…」
しかし、これは確認するまでもない事項だ。当然俺たちは恋人として、そして後の夫婦として生活している。
「俺たちくらいの年齢になったら、やっぱりキスとかするのかな」
恋人関係で愛を確かめ合う最も手軽な方法のひとつだと俺は思う。しかし、そのたった一言で既に彼女にとっては十分すぎる着火剤になった。
「…わからない。私、あまり恋愛とか詳しくないから…」
と顔を真っ赤に染め上げそっぽを向いて答える。
「なあ、俺とキスしてくれないか」
そんな彼女に俺は堂々と頼みをした。
「ま、ま、正宗?」
突然のお願いに彼女は完全に動揺してしまっている。
彼からこんな要求が飛んでくるとは当然考えていなかっただろう。
「嫌ならいいんだ…いきなり無理言ってごめん」
世界一愛する彼女に愛を伝えたい。しかし、彼女は外に出るのが難しい、だからこそ選んだ方法だった。
キス、それは肉体的な関係でもなく、むしろごく一般的に行われる愛の儀式なんだ。
「…全然嫌じゃない。むしろ嬉しい。でも、それ以上はまだ…」
体も心も出来ていないのにその先は時期尚早だと弱い口調で彼を弁明する。
「分かってる!」
後半絞れてよく聞こえなかったけど、言わんとすることは伝わった。
「それなら…いい…」
紗霧はそっと目を瞑る。
俺は深く深呼吸をする。目の前には俺を待つ彼女がいる。
「いくぞ…」
そっと彼女の肩に手を乗せる。
彼女を今なら撫でることも、なんなら襲うことも出来る。
でも、そんなことはしない。だって、今は俺が言った方法で彼女に愛を示す時だから。
ちょこんとベッドの上に座る彼女にググッと近づいていく。本当にゆっくりと近づく。
焦らしているつもりは毛頭もないのだがそう思われても仕方ないだろう。
彼女の優しい鼻息が当たってきた。さらに微かな芳香が鼻腔を撫でる。ふと表情全体を見渡せばキスを待つ彼女の顔が伺える。すごく愛おしい。
俺は心の中で最後の決心を決め、俺はそっと彼女の唇を奪った。
俺も、紗霧も動くことはせず初めてのお互いの唇の感触を確かめ合う。
時計の刻む音が刻々と聞こえる。煩悩の世界はお互い一色で染まり理性を蝕んでいく。
そして、理性を奪われる寸前に俺は顔を離した。きっとこれ以上続けていたら俺は本能がままに彼女を襲っていただろう。
「ありがとう、紗霧」
「うん…こちらこそありがとう、正宗」
短いような長いようなよく分からない時間だった。時間の流れが捻れているような不思議な感じ。
「…これで、私たちはもっと一つになれたのかな」
未だにか彼女の紅潮は引く気配がない。
「また俺たちの愛は進歩したさ」
俺は胸を張って言った。
「それなら嬉しい…」
こうして、二人の初めての特別な時間は終わった。
「で、今回のことは小説に描写するの?」
「そんなことは無いさ。二人の特別なプライベートなんだから」
「なら良かった。正宗のことだから私たちのプライベートですらも小説のネタに!なんて言われたら恥ずかしいもん」
少し名残惜しいけどね。
「でも、エロマンガ先生のキスイラストはちょっと見たいなー」
「…そんな恥ずかしい名前の人はしらない」
紗霧と正宗の初キスを描写してみました。
お二人はどちらが攻めでも受けでも違和感がないけど、本編では紗霧から攻める場面が少々多いかなって思っていたので今回は正宗を攻めに回してみました。
追記
今作品はR18じゃないけど意図的なものなので許してくだちい