混沌の螺旋 作:ヨハネ推し
ドロドロ強めの回。
「あの女、急に元気になったと思ったら。あの男居なくなったのね……連絡も通じないし」
舌打ちと共に少女はスマホからある人物の連絡先を消した。
「20代にもなって働かず親の脛をかじってたクズが失踪か。ハハハ笑える!。生活費は高校生から貰う月2000円のみ暮らしてけるわけがないよね」
津島善子を犯すように仕向けたのはこの私だ。
理由?。
私の誠也を奪ったから。
あの女は誠也と学区が違う。
なのに津島善子と御原誠也は恋仲に落ちた。
……こっちは保育園の頃からの顔見知りなのに。
付き合うきっかけになったのは水族館でアシカのショーを見る時偶々隣になり話したことだ。
そこから連絡先を交換し親睦を深め交際に至ったと言う。
最初、誠也が付き合ってると聞いた時頭に?マークが浮かんだ。
理由を聞いて私は憤慨した。
津島善子との会話の数十分は私の人生の15年では満たないことに。
私は何の為に生きて来たの、小、中と一緒でずうっと貴方の近くにいたのに。
……だからあの女を社会の舞台から消すことにしたのに、犯すことによる心的外傷を与え社会的生活を送れなくさせる算段だったけどものの見事に失敗ね。
「おまけにあの男は行方不明か、どうでもいいけど」
次の作戦はどうしようかしらと口走り少女は家を出た。
利用出来そうな人物はあいつが所属するaquorsにもいることだしね。
ねぇ、貴女だって本当は弟みたいに共に武術の稽古を受けてきたカワイイ後輩クンを年下の女に取られるのなんてイヤじゃないの、ダイヤさん?。
「うふふ、あーまた波瀾が起きそう」
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「善子ちゃん!元気になって良かったよー!」
千歌が善子に抱きつく。
「あー、もう鬱陶しいってば!。ヨハネが元気になったからって喜びすぎよ貴女は!!」
「ヨーシコー!」
「曜さんもうるさい!」
「うふふ、善子ったらすっかり前みたいなフィイティングな調子に戻ったみたいね♪」
「本当だね」
aquorsは善子が元気を無くし塞ぎがちになったのを本当に心配していた。
だが3日前から善子はまたこうして元気になってくれたのだ。
もう~。確かにヨハネが元気なかったのは事実だけどここまで盛り上げる必要無いでしょ~!
鬱陶しいと思いながらも反面また楽しく皆とはしゃげて楽しくも思った。
「それじゃ、今日の練習はここまで!みんな気をつけて帰ってね!」
千歌の一言にメンバーは次々とドアを開け屋上を後にしていく。
早く誠也に会いたいし帰ろうっと!……え、腕を捕まれた……。
掴んだ人物はダイヤだ。
「善子さん。少しお話しがあるのですが宜しいですか?」
「えぇ、構わないけれど」
「では着替えが終わったら校門前で待っていてください」
「分かったわ」
誠也に会いたいのに~!
ともあれ待つしかないだろう。
「すみません遅くなって」
「ううん、別に構わないわ。ダイヤさんお話って?」
「以前貴女には話したと思いますが、誠也が中学まで私と一緒に武術を学んでいたことは知ってますわよね」
「ええ、前言ってたわね」
「あの子はあまり感情を表に出す子じゃありませんでしたがその鍛練された技は一種の美を持ってました。私はその時嬉しくなったものです。弟みたいに可愛かったあの子がここまで精錬な技を身につけられるなんて、とね」
そっか、誠也は武術を習ってたんだっけね。
私の前では一度も話してくれたことなかったもんな。
話したくない話題なのかな?。
「本当に男らしくなりましたわ。あの子はこんな可愛らしい彼女さんまで作ったんですから」
突然のダイヤの誠也の彼女褒めに善子は赤面する。
「な!、別にヨハネはっ!確かに可愛らしいって言うか……堕天使だし!」
急に言い返そうとして言葉の組合わせが変になった。
「すみません混乱させてしまいましたわね。でも貴女が可愛いことに変わりはありませんわ。まるでルビィの他に妹が増えたようよ。どうかあの子をお願いね善子さん」
「は、はい……!必ず愛し合います!」
恥ずかしい~!何を言ってるのよ私は~!。
別れの挨拶をし、善子とダイヤは別れた。
「ううう……!どうして誠也……教えて何故あの子なの?、何故善子さんなの!」
善子の姿が見えなくなった後ダイヤは一人泣き始めた。
……ダイヤは善子が元気がなかった時、仲間として心配しなければならなかったのに内心ではその様子にホッとしていた……あわよくばこれで善子に見切りをつけ二人は別れればいいのにと本気で願ったほどだ。
どうしてなの!?。あぁ……駄目なのに仲間なのにまた考えてしまうわ……善子さんなんて居なくなればいい!って…あのまま元気にならず暗いままで良かったのに!…何をやってるのかしら私……善子さんのせいにしたってなにも変わらないのに……。
「あーあ、けなげだね~ダイヤさん。弟みたいに可愛くて女としても愛してた誠也を取られた相手にあんなこと言っちゃうなんてさ。なんか硬派物の主人公で笑える感じ~」
「あなたは……、何の用ですか?」
「昔は誠也の武術仲間と遊ぶ際は良くお世話になりました。沼津第一高校の真川久美です。ダイヤさん本当に良いんですかこのままで」
「……別に貴女に関係があることじゃないですわ」
「ありますよ私だってあの女に誠也を取られたわけだし、ねぇ良い方法があるんですよ。人一人殺すのに力なんていらないんです。しかもこのやり方は証拠も残らない必要なのは貴女の覚悟だけ!。どうです私と組みませんか?」
「……随分と凄い次元で物を考える頭の持ち主ですね。私も暇だし話を聞くくらいなら良いですわよ」
「そうこなくっちゃ!ヤバかったらやめればいいし簡単ですよ。ではどうぞ私の後を付いてきてください」
ダイヤは半信半疑で久美の後をついていった。
大丈夫、やりはしない。聞くだけと自分に聞かせながら。