---野上冴子---
霊安室の前にあるベンチに、大男が放心状態で座っていた。彼の名前は冴羽リョウ、霊安室には彼の相棒である愛する女性、槇村香が安置されていた。
長い警察人生の中で、あんなに酷い遺体は初めてかもしれない。胸を引き裂かれ、移植可能な内臓を総て抜き取られていた上、眼球も両方抜き取れていた。そして、空いたスペースには汚物を詰め込まれ、黒いビニール袋に入れられて、東京湾に捨てられていた。
彼と敵対する組織のしたことであろう。今の彼には復讐する気以前に、生きる気力さえ無いように見えた。
「リョウ…」
「俺は…アイツを…香を護れなかった」
彼が仕事に行っている間に、彼女は拉致されて…。彼の行った仕事は罠で、仕事自体がでっち上げだったそうだ。復讐しようにも、依頼主は偽名、偽の身分で、見付からなかった。
「リョウ…1つだけ、彼女を助ける手があるの…。ただ、あなたとは一緒には住めなくなるけど…」
「死人を生き返らせるのか?そんなこと、出来る訳ないだろ?」
私に怒りを向ける彼。だけど…
「出来る…だって、亜樹君と夏美ちゃんは生き返ったのよ」
「何?アイツらは、死んで無かったのか?」
呪いの件で、彼らに会っている筈なのだが、動転して記憶が飛んでいるみたいだ。もしかすると、記憶を消されたのかもしれない。
「死んだわ。だって、あの二人の死体は、私と美和子で処理したのよ。目の前で、二人の死体は溶けて消えていくのを見守っていたのは、私達。だけど、彼らは生き返っていたの!」
「マジ?」
少し生きる希望が湧いたような彼。
「どうする?信じるも信じないも、リョウ次第だけど」
「頼む」
返答は即答であった。香さんの安置してある棺を、車に積み込み、亜樹君のいるあの街へと向かった。
---鳥井亜樹---
俺達の神社に1つの死体が運び込まれてきた。生前、お世話になった香さんだ。こんなにも惨い死体は無いだろうに…きれいに洗われているが、汚物臭が抜けきっていない。どうするかな。
「天狐を連れて来たぞ、亘!」
賢者様と天狐さんが来てくれた。えっ!天狐さん…亘、逢えたじゃないか…
『ダメなんだよ。僕がお姉ちゃんを、現世で見つけないと、クリアにならないんだってさぁ』
賢者様と一緒の時はノーカウントなのか。
「亘君…」
天狐さんが亘を見つめている。
「師匠、どうすれば良いですか?」
「う~ん、修復するよりも、新規に作った方が楽だな。まず、天狐よ、浄化してくれ」
「わかりました」
天狐さんが魔法陣を発現させ、香さんにそれを重ねて、発動した。魔法陣は光を放ち、香さんを包み込んでいくと、香さんから黒いモヤや灰色のモヤが湧き出していく。
「終わったら、亘が灰へと昇華させろ」
「わかりました」
香さんからモヤが出なくなると、亘が魔法陣を発現させて、香さんの身体を御炊きあげし、灰へと昇華させた。賢者様は、招魂術で香さんの魂を呼び出し、その灰を利用して、香さんの生前の姿を創造していき、香さんの魂を器へと入魂させて、心臓を再起動させた。
徐々に、香さんの乳房が上下動していく。
「マジに生き返ったのか…」
リョウの呟き。視線は美しい香さんの肢体をロックオンし、脳内保存しているように見える。
「代金はどうすればいい?」
冴子が訊いた来た。
「彼女を汚した奴らから、徴収するから、いらない」
賢者様は、天狐さんを連れて姿を消した。
---槇村香---
ここはどこだ…なんか、悪い夢を見ていた気がする。う~ん、気がするだけで、思い出せない悪夢…で、ここはどこだ?白い天井…少し固めのベッドの上にいる。ここは?
「意識が戻りましたね。じゃ、関係者をお連れします」
ナース姿の女性…ここは病院か?私…何か、怪我したっけ?
「香さん、どう?」
あ…えぇ~と…そうだ、冴子さんだ。記憶が曖昧になっている。どうしたんだ?
「記憶があやふやなんだけど…なんで、私は病院に?」
「覚えていないの?」
すごく心配そうな顔で見つめられている。あれ?何をしてここに?
「覚えていないなら、問題は無いよ」
って…工藤新一?違う…隣には…何故か夏美ちゃんがいる。彼女は死んだはずだ…
「ここは天国なの?」
「ここは病院だけど…」
って、亜樹君…死んだはずだよね?
「だって、亜樹君と夏美ちゃんが…」
「あぁ、生き返ったんだよ。ちょっと訳有りでね。で、香さんも生き返ったんだよ。リョウは、仇を取りに行っているよ」
うん?生き返った?仇を取る?
「誰の仇?」
三人が私を指差す。私の仇?私…殺されたのか…
「死因は?」
「検死の結果、出血多量みたいよ」
って、冴子さん。検死?マジで、私は死んだのか…
「今後、しばらくは、この街からは出られないからね」
って、亜樹君?出られない?
「どうして?」
「魂が器に馴染むまでは、この街、あやか市から出る事は出来ないんだよ」
魂が器に馴染む?
「あやか市?」
「生と死の世界の狭間に隣接しているんだよ。だから、俺達も香さんも、こうして生きていられるんだよ」
生と死の狭間?
「じゃ…リョウとは…生きられないの?」
「仕事が無い時は、こっちに来るようだよ」
そうなのか…
◇
亜樹君達に、下宿先を探して貰う。退院した後に住む場所の確保である。
「寿荘でどうかな?格安だし、食事と温泉が付いているし」
「亜樹君達もそこ?」
「俺達はゆらぎ荘なんだけど…」
「寿荘は混浴だよ」
って、看護師のまゆこさん。
「私が寿荘なんです」
って、混浴…はぁ?
「混浴で無い方がいいなぁ」
「そうなると、仙境館かな。あそこは男女別だし」
「亜樹君の処は?」
「男女別の筈だけど…混浴状態なんだよ…」
それは亜樹君が女湯に?まぁ、亜樹君ならいいかな。
「亜樹君と同じ下宿がいいかな」
「それが妥当線だね」
って、まゆこさん。何が妥当線なんだろうか?
◇
そして、退院し、亜樹君達と共に、ゆらぎ荘へ…って、なんだ、巨大な温泉旅館風な建物だし…
「別館をお使いください」
って、大家の仲居さん。見た目は中学生くらいなんだけど…
「永遠の14歳です」
って…はぁ?
「あぁ、仲居さんは座敷童だから…」
あぁ?座敷童?固まる私。
「ここらは、人間と人外の共存地域だから…」
共存地域…はぁ?
「で、本館は学生が優先なんですよ」
って、夏美ちゃん。
部屋に案内されると、割と広い部屋だった。本館とは渡り廊下で繋がっていた。
「食事は本館の広間で、お風呂は別館には内風呂がありますが、露天温泉は本館にあります」
と、仲居さんから説明を受けた。別館には、他の住民がいるかを尋ねると、住むのは私が初めてで、他には亜樹君のアトリエがあるらしい。
本館の亜樹君の部屋を訪ねると…8畳一間に夏美ちゃんと二人で住んでいるそうだ。で、男の住民は亜樹君一人だと言う。
「女湯に入れば、問題は無いよ。男湯が混浴状態なんだよ」
って、苦笑いしている亜樹君。男湯が混浴?亜樹君は女性扱いなのか?
◇
ゆらぎ荘の近くをぶらつく。何も無い…普通の温泉街に思える街並。若者が集うファッションビルは無い、不良の溜まり場のゲームセンターも無い、カラオケ屋は無いが、カラオケスナックはあるようだ。はぁ~…亜樹君達はどこで遊んでいるんだ?
「遊び場?う~ん、遊ぶ暇は無いかな。まぁ、生前も遊びに出た記憶が無いし」
生前?死んだってことだよな。う~ん…実感がまるで無い。
「そうだ、美和子に隣町に連れて行ってもらえば?あっちは都会風だから」
美和子さんが隣町に住んでいるらしい。
「私は隣町に住めないの?」
「住めないよ。だって、生き返りだし」
あぁ、美和子さんは死んだことが無いのか。
「ここには人間も住めるけど、ここ以外だと生き返り者は住めないよ。聖域の恩恵が届かないからね。遊びとか旅行程度なら、離れても大丈夫だけど、香さんは能力者では無いから、1年以上はここに住まないと、泊まりでのお出かけは無理だよ」
聖域…そこの恩恵で、私は今生きていられるようだ。実感が湧かないけど…
「あやか市以外の場所では、鏡に映らないからね」
吸血鬼のような者なのか?
「いや、吸血鬼のような再生能力は無いよ」
吸血鬼って再生するのか…
◇
暇なので、亜樹君のアトリエに潜入してみた。絵の具の香りがする。油絵、アクリル画、水墨画、鉛筆によるデッサンなどの絵画が置かれていた。部屋の大きさは20畳くらい有るだろうか。
あれ?襖がある。まだ、部屋があるのか?襖を開けると、普段目にすることの無い品々が置かれていた。これって、拷問道具かな?
「正解です」
背後から亜樹君の声…え?学校へ行っている時間では無いのか…って、考えていると、背後から抱きつかれた。咄嗟に抵抗しようと思ったのだが、身体が動かない。シャツを脱がされ、ズボンを脱がされ…
「あれ?濡れているけど…道具を見て疼いたのかな?」
亜樹君の指が、乳首とクリを弄んでいる。悶悶としていく身体。疼いている。マズい…亜樹君って、ドエスだったんじゃ…
内部に針がたくさん有る棺桶に入れられた。そして蓋を閉められた。あれ?痛くない。だけど、悶悶さが加速していく。
「その針は、性感帯の感度を良くしていくツボを刺激するんです」
って…あぁ、疼く…欲しい…刺激が欲しい。腰が勝手に動き始めた。
「じゃ、何をして貰おうかな?」
目の前に差し出された亜樹君の物…それを舌で舐め、口に頬張っていく。マズい…メス犬になっていく。四つん這いの私の股間に何かの液が塗られた。獰猛そうな犬が、股間を舐め始めた。気持ちがいい…蕩けていきそうだ。乳首にも何かが群がってきた。我先にと、乳首を争奪して、吸っているナニか…
獰猛な犬が交わってきた。こんなにも気持ちがいいのか…こんなにも…
---鳥井亜樹---
棺桶の蓋を開けると、恍惚な表情の香さんがいた。妄想だけで達したようだ。その姿をスケッチしていく。スケッチし終わると、ポーズを変えて行く。棺桶の縁に膝を引っ掛けて、開脚するポーズである。手は手ブラにしておく。これで、再度スケッチをしていく。
次々に浮かんポーズをさせていく、スケッチしていく。
「亜樹君…なんかして…」
スケッチで忙しいんですけど…四つん這いにさせて、巨大バイブを入れて、スイッチをオン。そうか、馬にやられている天使って言うのもありかな?香さんの乱れた姿をビデオで撮影しておく。
う~ん、首輪を嵌めて、構図を替えてみる。バイブの刺激に慣れてきたようなので、液体を注入してから、ローターを入れてみた。新たな刺激に喘ぎ始めた香さん。
◇
「けっこう描いたわね」
って、翼。
「新しいモデルさんだからね」
「私じゃダメ?」
甘えるような翼。制服を脱ぎ、下着も…眩しい裸体で、僕に抱きついてきた。僕も着ている物を脱ぎ、翼とスキンシップを始めた。吸い付くような肌。纏わり付くようなヒダ。気持ちが良い。後ろ手状態で手枷を嵌め、目隠しをして、上に載った。そして、突きまくる。恐怖からか、興奮しているのか乳首が立っている。そこには目をくれずに、乳房と背中の境辺りを攻める。
「ダメ…痛いって…」
足首に鎖を巻き付け、これでもかってくらい開脚して、突き捲る。
「あぁ…あ…あぁぁぁ…」
言葉が出ずに、口元から唾液が零れていく。その惨めな姿をカメラに収めていく。フィニッシュは、香さんの後の穴の中に、大放出して終わりにした。
果ててグッタリしている女体が2体。並べて、ポーズを取らせて、亜樹へとスイッチした。
◇
果てた天使達を描いていく。後ろ手に手枷をした天使が、壁に寄りかかり、その天使に這って近づこうとして果てた天使って構図である。近づこうとしている天使は腰を持ち上げた妙な体勢で、お尻から白い何かが漏れ、垂れている。
「これじゃ、バリウムぽいか。透明感が出ないなぁ。どうするかな」
等と考えていると、香さんが意識を取り戻したようだ。
「ここは…あれ…そうだ。馬にやられたんだ」
って…どんな妄想をしていたんだ?馬とって、ハード過ぎるでしょ?
「彼女は…手枷って…やりすぎじゃないのか?」
上体を起こし、俺の方を見ずに言う香さん。
「亜樹!」
俺の方を振り向いた香さん。いいなぁ、その怒った目は…ドエス心に点火されていくよ。
「ちょっと…ナニをするんだよ~」
股間に鞭を打ち付けた。それだけで、恍惚な表情へと変化している香さん。
「もっと打っていいよ…」
いや、欲しがる物は与えない主義だよ。プレイ中はねぇ。