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「今日はありがとう。付き合ってくれて」
「いや、俺も楽しかったしな」
俺は凜祢と二人、帰路に着きながら談笑していた。今日は珍しく凜祢の方からデートの誘いがあり、俺と凜祢で街に繰り出したのだ。
ちなみに俺と鞠奈達の関係に関しては、鞠亜と鞠奈、凜祢と俺の四人で話し合った結果、今の関係を続ける事で決着が着いた。
流石に今すぐこの関係を公表するワケにはいかないが、鞠奈の方で将来に向けた
若干不安を覚えないワケではないが、全員が納得しているのであれば俺がどうこう言うつもりはなかった。
そもそも、こういう結果になったのも俺が鞠奈の予想外の行動を止めきれず状況に流されてしまった事に起因するのだ。
常識的に考えれば、複数の女性と関係を持った状況を継続するなど健全な状態ではない。
それは分かっていたつもりだったが、いざ眼の前に
この事について、俺から言える事は何もない。そもそも
「それ、気に入ったのか?」
「そうだね。折角取ってくれたのだし、大切にするよ」
凜祢はそう言って、大事そうに抱えている
これはゲームセンターに寄った際、凜祢が物欲しそうにしていたので俺がクレーンゲームに挑戦して入手し、凜祢に渡したものだ。
凜祢はどちらかというとぬいぐるみよりアクセサリーのような小物を好んでいたイメージだったので珍しく思ったものだが、俺も凜祢の全てを知っているワケではない……女の子なのだから、ぬいぐるみが好きでもなんらおかしくはないだろう。
何故だか
……pipipipipi……pipipipipi……pipipipipi……
「お、すまん。電話だ」
そんな時、不意にポケットの携帯が鳴った。琴里あたりからの連絡だろうかと、俺は凜祢に断りを入れて何気なく着信画面を見て──俺は、凍り付いた。
「……え……?」
それはなんら不思議のない、普通の着信画面ではあった──ただ一つ、
「……もしもし」
『あ、士道。今何処にいるの? 用があって家を訪ねたんだけど、琴里ちゃんに聞いたら朝から出かけてるって言うんだもん。別に急ぐ用事じゃないけど、今家に戻れるかだけ聞いておきたくて』
……通話を開き、俺は再び驚愕する事になった。
「……なあ、凜祢……お前、今日は何処にいた……?」
『え……?
「……っ!?」
──その返答に、思わず俺は携帯を取り落としてしまっていた。地面に落ちた携帯から凜祢の困惑する声が聞こえて来るが、今の俺はそれどころではなかった。
「……ふふ、気付かれたようだね。全く、タイミングの悪い……君もそう思わないかい?
「……っ!?」
凜祢は……いや、凜祢の姿をした何かはまるで旧友に話しかけるかのような気易さで、そう語り掛けて来た。
そして、気付く……いつの間にか彼女の髪が銀に、そして……瞳は澄んだ、青色に変わっている事に……俺はそんな彼女を見て、
「お前は、一体……」
「覚えていないのは当然だけど、こうして実感すると悲しいね。もっとも、私はまだ君と会うつもりはなかったのだけど……役目を終えて消えた筈の
銀の髪の少女は軽やかな笑みを浮かべ、そんな事を語りだした。少女は士道を見つめながら少し寂しそうな表情をしていたが、不意に眼を細めた。
「君の死と共に消えて、全てが元通りになる楽園か……永劫の楽園にしないというのは理解に苦しむけれど、それが君に恋をした彼女達の選択ならば仕方ない……もっとも、本当に永劫の楽園を作っていたならば……静観という選択は、有り得なかったのだけれど」
少女の言葉を聞いた瞬間、ゾクリとした悪感が背筋を駆け巡った。何か、選択肢を掛け違えていれば全てが台無しになっていたかもしれないという、言い様のない不安が胸を過ったのだ。
目の前の少女は、
「とにかく、偽りの楽園の中とはいえ君と結ばれた彼女達が羨ましくてね……どうせ記憶も何もかも元通りになるのだし、折角だから私もお零れに預かろうとやって来たのさ。
いつの間にか少女は俺に近付き、そっと俺を抱き寄せた。俺は抵抗する事も出来ずに少女の腕の中に収まり、至近距離で少女と目が合った。
「あの時は邪魔が入ったから何も出来なかったけど、本当ならあの後こうするつもりだったんだ……まだ記憶は戻っていない筈だけれど、何をしても現実の君の記憶に残らない、というこの機会を逃すのは惜しいしね……でも、此処は場所が悪いね。少し、移動しようか」
「え……っ!?」
次の瞬間、道路の上に立っていた筈の俺はいつの間にか靴も脱いで家屋の一室に立っていた。
見る限りそこは寝室のようで、大き目の布団が床に敷かれている……自分の部屋では、ない……しかし、何処か既視感を感じる部屋だった。
「……ホテルというのも考えたのだけど、どうせなら
「俺、は……」
俺は何をどう答えていいか分からず、呆然とした。得体の知れない相手と二人きりという危機的状況なのに、どうしても
目の前の少女に見覚えはない、筈だ……なのに、強烈な既視感が俺の中から沸き上がっていた。それがなんなのか分からないまま、少女が一歩ずつ俺に近付いて来る。
「さあ、私を愛してくれ──シン」
そして、少女はそっと俺と唇を重ねた。俺は少女のキスをされるがままに受け入れ、少女が唇を離した時には名残惜しさまで覚えていた。
「ふふ、これが君とのキスか。今度は、温かいな……身体の中が熱くなって来る。これが、欲情というものか……ふふ、見てくれ。君とのキスだけで、こんなに濡れてしまったよ」
少女はそう呟くと1枚1枚衣服を脱ぎ去り、下着だけの姿になった。少女の言葉通り彼女の秘所は愛液はたっぷりと濡れており、太腿に透明な液体が滴っている。
その姿は暴力的なまでに美しくて、下着だけを付けているのが余計に煽情的に思えた。
「もう、我慢出来ないよ……シン。早く、君のものを入れてくれ」
「あ……」
気付けば俺は少女に促されるまま服を脱ぎ、全裸になって逸物を曝け出していた。
少女の裸身を見て既に充分に勃起していた俺のペニスは、目の前の美しい少女の身体を一刻も早く貪りたいと、奮い立っている様子だった。
「さあ、シン……おいで」
「……っ!」
俺は両手を広げて俺を誘う少女の姿に欲望を堪え切れず、少女の肩を掴んで布団に押し倒すとペニスを秘所に宛がい、そのまま一気に挿入した。
「くっ、あ……っ!」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……っ! シンのが、入って、来た……っ!」
俺のペニスは根本まで少女の膣内に埋没し、破瓜の血が布団に飛び散った。
少女の膣壁は凄まじい強さで俺のペニスを締め付けており、四方八方から幾億の舌にペニスを舐め回されるような快感が俺の背筋を駆け巡った。
「う、おぉぉぉぉぉぉぉ……っ!」
「ああ……っ! そう、そうだ……っ! 好きに動いて、好きに使ってくれ……っ! 私は君のものだ、君は私のものだ……っ! いつまでも、永遠に……っ!」
俺の声は最早声の呈を成しておらず、ただ欲望のままに咆哮をあげるだけだった。
右手を伸ばして少女の乳房を無茶苦茶に揉みしだき、痕が残る程の強い力で乳房を掴んでいるが少女が痛がる素振りはなく、むしろ盛大な嬌声をあげて士道の愛撫を受け入れている。
その姿に更に興奮が増し、腰を動かすスピードが加速していく。
「ぐ……っ! で、る……っ!」
「ああ、君の子種をくれ……っ! 私の中を、君の体液で染め上げてくれ……っ!」
少女は士道の背中に手を回し、力一杯に抱き締めた。士道は少女に密着したまま猛然と腰を打ち付け、少女の身体の柔らかさを堪能しながら一気に昇りつめていく。
そして、最後に力任せに腰を打ち付けるとぶるぶると体を震わせ、射精を開始した。
「くぅ、おぉぉぉぉぉぉ……っ!」
「……っ! 嗚呼、私の中にいっぱい出てる……っ! 凄い、お腹の中が焼けそうだよ、シン……っ!」
俺のペニスはポンプのように脈動するとびゅくりびゅくりと少女の中に精液を吐き出し、穢れを知らなかった少女の胎内を白濁液で染め上げていく。
俺が腰を震わせ精液を膣奥に注ぎ込む度、少女はびくびくと痙攣し俺の精液を受け入れていった。
「ふぅ、ふぅ、ふぅ……」
「ふふ、一杯出したね。嬉しいよ、シン……ようやく、君とこうなる事が出来たのだから」
射精が終わり、俺が脱力して倒れ込むと少女は俺の身体を受け止め、そっと布団に仰向けに寝かせた。そして、今度は少女の俺の上に馬乗りになる。
「ふふ、まだ出来そうだね……
「う……」
少女は俺のお腹に手を突くと、俺のペニスを挿入したまま腰を振り始めた。少女が腰を上下に揺する度に俺のペニスが少女の中に飲み込まれ、極上の締め付けが俺のペニスを歓待している。
「ふ、ふふ……っ! ああ、シンのものが私の中を抉ってる……っ! あの時、こうしたかった……っ! あんな邪魔が入らなければ、これをもっと早く味遭えていたんだね……っ!」
「く、うぉ……っ!」
少女は剥き出しの情念を叩きつけながら、俺の上で一心不乱に腰を動かしている。少女が俺に向ける好意はとても深く、重く……そして、何かが……ズレている、気がした。
けれど、そんな思考も身を襲う快楽に呑まれて薄れていく。強過ぎる快感の所為で最早自意識があるかどうかも曖昧で、ただただ射精欲だけが限界に近付いて行く。
「……っ! ふふ、もう、
「く、おぉ……っ!」
ペニスをしごきあげる少女の膣壁によって俺の欲望は限界まで上り詰め、亀頭が少女の子宮に押し付けられた時、肉棒の栓が決壊した。
「う、おぉぉぉぉぉぉ……っ!」
「くぁぁ……っ! ふ、ふふ……っ! シンの種が、シンが生まれた場所に還っていく……っ! 嗚呼、もっともっと
本能の命ずるまま、俺は少女の膣奥にどくりどくりと夥しい量の精液を吐き出していく。少女は膣奥に俺の精を感じる度、びくびくと痙攣して絶頂を迎えている。少女の絶頂と共に増した膣内の締め付けは、俺のペニスから新たな精液を絞り上げていく。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
「……ふふ、いっぱい出したね……お腹の中、凄く温かいよ……」
射精を終えて脱力する士道の上に、少女はくたりと寄りかかって来る。少女の柔らかな感触にペニスが再び勃起しかけるが、何かに気付いた様子の少女がいきなりペニスを膣から引き抜き、立ち上がった。
「……そろそろあの子に気付かれそうだし、此処までだね。またね、シン……私は
「待……」
俺が制止する間もなく、何処か寂しそうな視線をこちらに向けながら少女は空間に溶けるように消え去った。そこには既に少女のいた痕跡はなく、部屋に残る少女の匂いだけが彼女が現実に存在した事を物語っている。
そして、少女が消えた次の瞬間、空間が罅割れ、見知った二人の少女が飛び込んで来る。
「士道……っ!」
「無事ですか、士道……っ!?」
黒と白の霊装を纏った少女達は、鞠奈と鞠亜だった。二人は常にない霊力を漲らせた状態で油断なく周囲を見回しており、俺の姿を確認すると泣きそうな顔で俺に飛びついて来た。
「二人共、一体……」
「凜祢から連絡を受けて、士道が変な場所に隔離されてる事にようやく気付いて駆けつけたのよ。今の
鞠奈は黒い霊装姿で気勢をあげながら周囲を凝視するが、当然少女の姿はない。そんな鞠奈を尻目に、鞠亜はジト目で士道を見据えていた。
「……しかし、此処にはもういないようですね……いえ、要件が済んで帰ったんでしょうか……随分、
「あ……」
そう、言われてみれば今の士道は全裸……しかも、ご丁寧に布団には破瓜の血と精液がこびりついている……士道が此処で何をしていたかは、一目瞭然なのだ。
「……へぇ、心配してた私達を放って他の女と遊んでたんだ……オシオキ、必要かしらね」
「そうですね……流石に今回は少々看過出来ません。鞠奈、士道を一定時間射精不能にする事は出来ますよね?」
「ええ、少し設定をいじれば可能よ。良い趣向ね、鞠亜……それでいきましょう。泣いて謝るまで、許してあげないんだから」
鞠奈達は怪しい目つきで俺を睨みつけながら服を脱ぎ、一糸纏わぬ姿で近付いて来る……どうやら俺は、今回は浮気の制裁を受ける運命らしかった。
「……ふふ、まだお腹がポカポカするよ。実に良い体験が出来たね」
天宮市の上空、雲間から眼下の街並みを見下ろしながら少女は薄く微笑んだ。
彼女は右手で下腹を撫で、先程注がれた士道の精液の熱さを思い出して見悶えていた。
空に一人で浮遊するという信じ難い光景を平然と行っている少女は、まるで恋する乙女のようにその顔を変化させていた。
「いい想いも出来たし、此処はこのままにしておくとしよう。どうせ、
少女はそう呟くとふと何かを思いついたかのような表情を浮かべ、ポン、と手を叩いた。
「そうだ、あの子もこの世界に
悪戯好きな妖精のような笑顔で笑った少女は、眼下の街並み……その中の一軒家、士道の家を見据えて微笑んだ。
「今は夢に、微睡んでいて……私は、
少女の呟きは虚空に消え、少女の姿もまるで最初からそこには何もなかったように消え失せた。
こうして、少女は楽園から離れて行った。幾ばくかの、手土産を残して……
というわけで存在そのものがネタバレなあの子の話です。作中は名前を出さないよう徹底し、一応18巻を読んでなくても読めるようにはしてあります。
彼女ならこの世界を壊す事も簡単だったんでしょうが、自分の目的の為に精霊達を裏切る後ろめたさは感じていたようなので、この世界を贖罪のつもりで見逃す事にしてあります。同時に、此処では士道に接触しても現実世界の士道には記憶が還元されないので、遠慮なく接触する絶好の機会でもありましたし。ちなみにタイトルの『エクスマキナ』は彼女の識別名が『デウス』なので、伏字部分を識別名に置き換えれば『デウスエクスマキナ』となります。実際、デウスエクスマキナの呼び名には相応しいですしね彼女。
最新刊、読みました。成る程、確かにトゥルーエンドでした。物哀しくはありつつも、一つの終わりの形ではあるのかな。
しかし、どうやらまだ物語は続く模様。次巻タイトルはもしかして十香ハッピーエンドだったり? 1巻タイトルが十香デッドエンドだったし。