Train Cinderella ~A Prohibition Lover~ 作:如月ライト
「う~ん…あれって何だったんだろ…」
さっきの写真の事で私は頭がいっぱいであった。
いくら悩めど誰も答えを教えてくれるはずもなく、考えることをやめるように料理へと没頭する。
「お兄ちゃんも私のごはん楽しみにしてくれてることだし…気合い入れて作らなくっちゃ!」
私は久々に本気で料理をすることに。
とりあえず冷蔵庫の中を覗く。
そこは驚くほどにすっからかん。
あるのは少量の野菜とひき肉、そして調味料だけであった。
「…これ、どうしよ?」
早速出鼻をくじかれた私は大きなため息をつく。
今から買ってくるにしてもお兄ちゃんが帰ってくるのに間に合わないし、かといってお兄ちゃんに買ってきてもらうのもダメだ。
私は精一杯頭を働かせてこの食材たちをどう調理するか考える。
「…あ、あれがいいかな!」
私は頭に思い浮かんだ一つの料理を作るために必要な材料をそろえる。
「うん!これだけあれば二人分ぐらい余裕だね」
さっきまでの落ち込みはどこへやら私は意気揚揚と調理を開始した。
「ただいま~」
「あ、お兄ちゃんお帰り」
料理を始めて数十分後、お兄ちゃんが帰ってきた。
「まだ料理中だったか。ゴメンな、俺が帰ってくるのが早くなったから…俺に間に合わせようとしてくれたんだろ?」
「う、うん…そうだよ…」
ここでオナニーしてましたなんて言えない。
ましてお兄ちゃんの部屋でお兄ちゃんのパンツでお兄ちゃんのえっち本でしてたなんて。
さっきの自慰を思い出しまたお股がきゅっとなる。
完全にいけなかったことにより私のお股はちょっとのことでまた感じたくなる状態だった。
それにまだお兄ちゃんのパンツをはいたままだし。
「え~と…そうだ、お兄ちゃんお風呂、先はいらない?まだご飯までには時間あるし」
お兄ちゃんの顔を見てるとさっきまでのことがよみがえりヤバくなってしまうために言った言い訳だったけど、ちょっとつらかったかな。
「そうだな。外暑かったし汗かいちゃったんだよなぁ…じゃあお言葉に甘えて」
ほっと胸をなでおろす私。
「じゃあちょっと待っててね。お風呂の栓だけしてくるから」
「ん、わかった。俺、部屋にいるからお風呂わいたら呼んでくれよ」
私はそれに頷きお風呂場へ行く。
お風呂場の扉を閉めた私はふとこんな考えがよぎる。
(ここでオナニーしちゃおっかな…さっきイケなかったし…)
ぶんぶんと頭を振りそんな考えを頭から追いやる。
(ダメダメソラ!そんなことしちゃダメだよ!)
いつまでもこんな一人の空間にいてはダメだ。
私はおふろの栓をして逃げるように風呂場から飛び出す。
いや、飛び出しかけた。
(あ、ここでパンツ履き替えちゃお…いつまでもお兄ちゃんのパンツはいたまんまじゃ…)
しかし私のこんな考えはすぐに崩れ去ることになる。
(これからお兄ちゃんが入るんだっけ…洗濯機にパンツ入ってたら驚くもんね、やめとこ)
とにかくパンツをはきかえるのはお兄ちゃんがお風呂に入った後だ。
そう考えた私はさっさと台所へと向かった。
「お、いい匂いだな。何作ったんだ?」
お風呂から上がってきたお兄ちゃんがそう尋ねてきた。
ちょうどお兄ちゃんのお風呂上りと同時にご飯を作り終えた。
「ロールキャベツだよ。お兄ちゃん好きだったよね?」
昔の記憶をたどって作った料理。
昔お兄ちゃんが好きだった料理をチョイスした。
「うん、好きだぞ。よく覚えてたな、さすが俺の妹だ」
よかったと私は高鳴る胸をなでおろす。
これで間違えてたらどうしようかと思ったぐらいだ。
私はご飯をよそって食卓に並べる。
「じゃあお兄ちゃん、食べよ」
「おうそうだな。いただきます」
お兄ちゃんがロールキャベツを口に入れる。
私はドキドキしながらその評価を待つ。
「うん!ウマいぞ!はぁ…やっぱり妹の手料理は最高だなぁ…」
「お兄ちゃんったら!褒めても何も出ないよぉ」
高評価だったことに私は嬉しさを隠せない。
言葉の端々から漏れだしていることだろう。
「なぁソラ。食事中にこんなことをいうのもあれなんだが…お前、見た?」
むせそうになりそうなのを必死にこらえておどけてみせる。
「え?何のこと…?」
「え~と…その、なにも書いてない段ボールの中身…」
やっぱりばれてたんだね。
そりゃ適当に入れたし急いでたからガムテープも適当に貼ったからばれるのは当たり前か。
私は白状して正直にそのことについて話す。
もちろんオナニーしたことや写真の事は内緒で、だ。
「え~と…お兄ちゃんのエッチな本とかのことだよね…だ、大丈夫だよ、ちょっとしか見てないから…」
「そ、そうか…ならあれは見たのか?その中に入ってた他の…」
おどおどした感じでお兄ちゃんがそう尋ねてくる。
アルバムのことを言いたいのかと私はすぐに思った。
このことをいうのはこの機会しかない、そう感じた私は口を開く。
「…お兄ちゃん何言ってるの?私、あんまり見てないから…」
(って私のヘタレ!ちゃんと聞かなくちゃ…!)
お兄ちゃんは私のその言葉をききほっとした様子を見せる。
どうやら本当にあのアルバムは見てほしくない秘密らしい。
(あれは本当になんなの…!)
お兄ちゃんに対する疑惑がひとつ追加される。
でも私はお兄ちゃんを信じてる。
「ゴメンな。兄ちゃんのエロ本とか見て…ショックだったろ?お詫びにしちゃ安いかもしれないけどまた今度コンビニでアイスおごってやるよ」
「べ、別にショックとかそんなことはないから安心してよ…あ、でもちゃんとアイスはおごってもらうからね!」
「まったく、ちゃっかりしてるな、ソラは」
へへへと私は微笑む。
こんなにも私を心配してくれてるお兄ちゃんを疑うなんてこと、私にはできなかった。