Train Cinderella ~A Prohibition Lover~ 作:如月ライト
ゴメンね、いろいろ忙しかったから…
でもちゃんと本編はっじまるよ~!
注:本編のソラは現在のようなハイテンションではありません
変わり始める
何時間ずっと布団にくるまっていただろうか。
もしかすると何時間ではなく何日もくるまっていた感じだ。
私の頭の中では今でもずっとあの事がリピート再生されていた。
(お兄ちゃん…何で、何であんなこと…)
そりゃお兄ちゃんのオナニーを覗き見た私も私だけどさ…
しかしその代償が口淫だなんて…
(それに、私途中から喜んでた…よね?…あんなことされたのに、お兄ちゃんのこと…)
あんなことをされた私だが完全にお兄ちゃんをキライになれなかった。
心の奥底にはもどかしい感情がわだかまっていた。
PiPiPi…
と、私の思考を切り裂くように聞きなれた電子音が流れた。
ケイタイの目覚まし機能だ。
(もう朝…あ、学校…)
目覚ましを止めてのそりと布団から這い出す。
夏に完全になりきれていない外気が私の素肌を襲った。
ブルルと一度身震い。
そう言えば今服を着ていないということを思い出した。
それに顔もお兄ちゃんの精液がカピカピになって貼りついて不快だ。
このまま学校に行くなんて到底できない。
(シャワー、あびなくっちゃ…)
部屋を出るためにドアノブに手をかけた私だったがそれを開くのは勇気が必要だった。
もし部屋の外に出てしまえばお兄ちゃんと顔を合わせることになってしまう。
お兄ちゃんとどうやって話せばいいかわからないし、それに話せたとしてもとてもぎこちなくなってしまいそうだった。
しかしいつまでも安全なこの部屋に籠っていては埒が明かないというものだ。
シャワーも浴びたいし学校にも行かなければ…
私は思い切って重たいドアノブを回した。
廊下が朝の陽ざしを浴びて眩しく反射している。
ずっと暗闇に籠っていた私は一瞬目を瞑ってしまう。
と、がたがたと私の耳に音が聞こえた。
多分それは階段を駆け下りる音だろう。
「お、お兄ちゃん!」
私はとっさに走り出していた。
「待って、お兄ちゃん!」
しかしそれに追いつくことなく玄関のドアが開く音が聞こえた。
もうお兄ちゃんは出て行ってしまったのだろう。
私はため息を一つついてお風呂場へと足を向けた。
「ふぅ…さっぱりしたぁ…」
身体にこべりついていた汗、その他諸々の液体を流し落とした。
それと同時に幾分かの悩みも落ちたような気がした。
もしくはこのさっぱりとした感じが私の肩を軽くしたのだろうか。
とにかく今の私はつい数十分前よりはクリーンだ。
そのまま制服にそでを通して鏡の前で一回転。
「よしっ!これで大丈夫!」
制服が翻りまばゆい光を放っているようだ。
しかし大丈夫だと言いながらも大丈夫じゃない点が一つ。
笑顔、だ。
いつも通りの笑顔が出来ない。
どこかぎこちない乾いた笑みが表に浮かんでは消えていくだけ。
(たぶんカノンは気付くだろうな…)
知らず知らずのうちに大親友の名前が頭に浮かんだ。
彼女は多分私のこの顔を見て心配するだろうな。
でもカノンの性格上尋ねてくることはないだろうけど…
「ううんっ!こんなこと考えてても仕方ないよね!早く学校いこ!」
鞄を持ち学校に向かうための支度は整った。
しかし大事なモノを一つ、忘れていた。
お昼ごはんであるお弁当、だ。
学生にとってはお昼ご飯は唯一の命の源だ。
それがないということはもう死んだも同然だ。
(お小遣い残り少ないけど使っちゃうしか…)
ふらふらと家を出ようとすると玄関に見慣れた包みがあるのを発見した。
それは紛れもなく私のお弁当だった。
お弁当の舌には殴り書きで書かれたメモが一枚。
お昼ごはんです。しっかり食べて学校ガンバレ。
メモにはそう書かれていた。
(お兄ちゃん…)
もしかすると昨日のあれは私が見た夢なんじゃないかと思えてきた。
そんな淡い希望を抱かせるような優しい文章だった。
私は小声でありがとうと呟きお弁当をカバンに入れて学校へと向かった。