Train Cinderella ~A Prohibition Lover~ 作:如月ライト
「ふんふんふふ~ん♪」
私は上機嫌に鼻歌を歌いながら服を脱いでいく。
今は脱衣所、もちろん服を脱いでも大丈夫な場所だ。
さぁ、最後の仕上げだよ…。
服を脱ぎ捨てて私はお風呂場へ殴り込んだ。
ガチャリと勢いよくドアを開く。
「うわっ!?…え、そ、ソラ…?ちょ、お前何でここに…って前、隠せよ」
そこには先客がいた。
しかし勿論それは知っていた。
知っていて乱入した。
こうでもしないとお兄ちゃんは絶対はぐらかすと踏んだからだ。
「お兄ちゃんと一緒にお風呂入りたかったから来たんだけど…ダメ、だった?」
「いや、ダメだろ。こんなとこ母さんに見つかったら…」
なんだ、そんなことか。
「それなら大丈夫だよ。ママ、もう寝ちゃったから」
「はい?まだ8時過ぎだぞ?」
「疲れてたんじゃない?」
お兄ちゃんは私の答えに不満げに頷く。
まぁ違和感を覚えるのも無理はない。
なんせママには眠ってもらったのだから…。
種明かしをするとこうだ。
さっきあげたキャラメルには昨日見つけた睡眠薬を仕掛けておいた。
薬の専門知識はなかったがネットで検索をかけると一発だった。
どれぐらいの量を使えば快眠できるかなど書かれていたのでそれを利用させてもらった。
ちょっとだけ快眠できる量より増やしてみたけど…。
ま、そのおかげで今は早い時間からぐっすり眠ってくれている。
「ってそれより早く前!隠せよ!」
「え?なんで?兄妹だし隠さなくても大丈夫でしょ」
「兄妹だから隠さなくちゃダメなの!」
さすがお兄ちゃん、兄らしいセリフを吐いてくる。
「めんどくさいから嫌!それに兄妹なんだから間違いなんて…」
その瞬間お兄ちゃんの身体がびくんと震えるのが分かった。
それに表情もなんだか曇っていく。
明らかに動揺しているのがバレバレだ。
「ねぇ…お兄ちゃん…」
私はお兄ちゃんの身体にすり寄り優しい声でそう言った。
「教えてよ…何でこの前私にあんなことしたの?」
「あんなこと…?」
どうやらしらを切ってやり過ごそうとしているらしい。
しかしお兄ちゃんのその態度からして嘘だということは私じゃなくてもわかる気がする。
「うん、お兄ちゃんの…え~と、その…お、お、おち、おち…おちん、ちんを…私のお口に入れたこと…」
言って私は一気に顔が熱くなってきたのが分かった。
風呂場の熱気も相まってかとても顔が熱い。
(って何で無理におちんちんって言おうとしたの!?別にお兄ちゃんのあそことかモノとかあったでしょ!?それでもわかりづらいようだったら肉棒でもペニスでも…!)
ぶんぶんと私は頭を振った。
今考えることはそこじゃない。
次に出す手を考えないと…。
「その…あのときはホントにごめん…ソラに嫌なことさせちゃったよな…」
「別に嫌って思ったことは…」
いや、嘘だ。
ホントは嫌って思ってた。
おちんちんを無理やり入れてくるお兄ちゃんに恐怖さえ覚えた。
「理由はちゃんと話すから…でも、もうちょっとだけ俺に時間をくれないか?この後俺の部屋に来てくれ、そこで話すから」
私はこくんと頷く。
それを見届けたお兄ちゃんは立ち上がりお風呂場から出ていこうとする。
「待って…お風呂、一緒に入ってからにしよ?」
私はお兄ちゃんの太い手首をつかんでそう言った。
見たところお兄ちゃんはまだ湯船につかっていない。
その証拠にお兄ちゃんの身体は火照っていない。
少なくとも湯船につかれば自然と身体は火照るモノだろう。
「…分かった、でもこっち見るなよ、精神衛生上ちょっとな…」
お兄ちゃんはやれやれとため息をつき湯船に浸かった。
私もそれに続いて湯船の中へ。
私達は背中合わせでお湯へと浸かった。
二人も一気に入ったものだからお湯はざばぁっと外へあふれ出る。
「ふぅ…気持ちいいね、お兄ちゃん…」
「…そうだな」
心地よい熱が私の身体を包んでいく。
背中にはそれとは違いお兄ちゃんの熱が伝わってくる。
おっきくて丈夫でどこか安心できる、そんな背中だった。
「昔はよく一緒に入ったっけ」
だんだんと思い出の海から様々なモノが浮かんでは消えていく。
よくお兄ちゃんと一緒にお風呂にオモチャを持ち込んで怒られたりしてたっけ。
一緒に曇ったガラスに落書きしたのは楽しかったなぁ…。
懐かしさとともに子供の頃の私達に嫉妬した。
楽しそうにお兄ちゃんと接していた自分に嫉妬が芽生えた。
今の私はもう昔のように純粋にお兄ちゃんと接することが出来なくなっていた。
「そういえば…お兄ちゃんとこうしてお風呂に入るのって何年ぶりだっけ…?」
いつからだったのか自分でも記憶にない。
気が付けば私は一人でお風呂に入っていた。
「多分俺が思春期真っ盛りの頃だろうな…なんか恥ずかしくなってきてやめたんだと思う…」
確かにその年代ならもう一緒に入れないだろうな。
そういや初めて一人で入ったお風呂は怖くて泣いちゃったんだっけ。
それでお兄ちゃんと入るんだぁ!ってダダこねちゃって…
「あ、そだ。昔みたいにさ水のかけっこする?それともどっちが長く潜ってられるか勝負する?」
「はは、確かにそんなこともしたなぁ…でも今の俺たちはもうそんなガキじゃないんだ。それにするとしても風呂が小さすぎるって」
そうだねと二人して笑った。
昔はあんなに広いと感じていた浴槽も今では小さいものだ。
もう二人は子供は卒業していた。
チラリとお兄ちゃんを横目で見た。
筋肉質でごつごつとした男の子特有の体つきにどきりとしてしまう。
昔の色白くて柔らかな肌はもうそこにはなかった。
そして変わってしまったものがもう一つ。
身体の無数の傷跡、それがこの前から特に気になっていた。
「ねぇお兄ちゃん…その傷跡って…」
「あぁ、これか?う~ん…あんまりソラには話したくないんだけどな…」
そう言ってお兄ちゃんは苦笑いをこぼした。
多分それをきけば私が気にすると思ったのだろう。
ここで気にしないよって言えたらいいがたぶんそれは無理だ。
絶対に気にしてしまう、自分のせいで…とか言って責めてしまう。
そんなのお兄ちゃんは望んでいない。
「いいよ、話してくれなくても…私、お兄ちゃんがいつか絶対話してくれるって信じてるから…」
だから私は待つことにした。
絶対にお兄ちゃんが話してくれると信じて。
「はぁ…そろそろ俺出るわ…ソラはどうする?」
「私?う~ん…もうちょっと入っておく」
お兄ちゃんはそっかと言って浴槽のふちに手をかける。
そして思い出したように私にこう言ってきた。
「少し、目をつぶっててくれないか?」
もうお兄ちゃんったら可愛いんだから!
私はきゅっと目を閉じる。
ザパンと激しい水音が耳を刺激する。
びちゃびちゃと風呂場の床に水が垂れる音、ぺちゃぺちゃとお兄ちゃんの濡れた足が移動する音。
さまざまな音が私の耳を犯していく。
(…ちょっとだけならいいよね…?)
好奇心に負けた私は薄目を開けてお兄ちゃんを見る。
がっちりとした体が目に入ってくる。
案外筋肉質で引き締まっている。
後姿だけどとても男らしい。
ガチャリとドアを開けるとき一瞬お兄ちゃんはこちらに体を向けた。
「!?」
私は驚きで息が詰まるのを感じた。
お兄ちゃんのおちんちんがおっきく膨れ上がっていたからだ。
それもこの前見たのよりも大きい気がした。
この前の事でおちんちんに恐怖を抱いているという気持ちがある。
しかしそれを打ち壊すほどにお兄ちゃんのおちんちんは雌の本能を刺激した。
ぼーっとのぼせたように頭が上手く働かない。
お湯の少なくなった浴槽、私はそこでボーっと数分間過ごした。