Train Cinderella ~A Prohibition Lover~ 作:如月ライト
ドクンドクンと心臓が大きく脈打っている。
今私はお兄ちゃんの部屋の前にいる。
後できてくれと言われたからだ。
ここまでくればあとはもうなるようにしかならないだろう。
「お兄ちゃん…」
私はぽつりとそうつぶやいた。
自分の中の決意を固めるように。
もしここでお兄ちゃんがちゃんと話してくれたなら…
そしてその答えが私の求めているものなら…
お兄ちゃんは私が好きだったら…
その時は過去に決着をつけよう。
そう決めていた。
私の過去、今だ夢に見る過去。
後悔してもしきれなかった過去から一歩を踏み出そう。
「ふぇ…お兄ちゃん…ほんとに離れなくちゃいけないの…?ソラ、お兄ちゃんと離れたくないよ…」
それは4年ほど前の事だった。
お兄ちゃんが17の時だ。私は12歳だった。
親の離婚が決まり私は泣きじゃくっていた。
お兄ちゃんと離れ離れになっちゃう、昔の私はそう思っていたからだ。
何故ならドラマや漫画の影響が大きかったからだ。
その中では離婚すると決まって兄妹は引き裂かれていた。
だから私達も引き裂かれてしまうんだと思っていた。
お兄ちゃんもそう思っていたらしく必死に涙をこらえながらも私をなだめてくれていた。
最後に見るソラの顔は泣き顔じゃなくて笑顔の方がいい。
そういうキザなセリフを言っていた気がする。
そして私が泣き止むとえらいえらいと言って頭を撫でてくれた。
お兄ちゃんと離れるのは寂しくて怖くて…。
だからかな、私はそんなことを言っていた。
「ソラね、お兄ちゃんのことが好きなんだよ…だから絶対に忘れてほしくない、ソラの事も、ソラの気持ちも…」
人生初めての告白だった。
年に見合わずおませさんだったと思う。
しかし好きという気持ちだけは本当だった。
女の子は男の子よりも恋愛観が固まるのが早いと聞いたことがある。
私も早熟の恋愛感情を持っていた。
だんだんとお兄ちゃんのことが男の子として好きになってしまっていたのだ。
昔からお兄ちゃんっ子だというのも相まってかお兄ちゃん以外の人を好きになれなかった。
お兄ちゃんは私のことをどう思っているだろうか?
好きでいてくれたらうれしいな…
そんな思いを抱きながら私は精一杯背伸びしたセリフを放つ。
「お兄ちゃん…ソラと…せっくすしてください」
お兄ちゃんは驚いた顔を私に向ける。
色々と困った顔を私に向けてくる。
「どうしてオレとしたいなんて…ってセックスってどういうモノか知ってるのか?」
「うん!ソラ知ってるもん!大好きな男のこと大好きな女の子がするんだよね?ソラ、お兄ちゃんが大好きだからせっくすしたいの!」
お兄ちゃんに私の気持ちを忘れてほしくない。
ただその一心で迫っていた。
もうそこからは無我夢中だった。
困り顔を向けるお兄ちゃんをよそにムリヤリズボンとパンツをひん剥いた。
するとそこからぶるんと何か飛び出してきた。
幼かった私はそれがおちんちんだとは分からなかった。
お風呂で見たおちんちんと照らし合わせていたため男の子の成熟してしまったおちんちんは何が何だかわからなかった。
性教育でおちんちんは勃起するんだよという話は聞いたことがあるが当時の私は曖昧にしかわからなかった。
好きな人同士でセックスするというのが魅力的でそれしか覚えていなかったのだ。
もちろんおちんちんを入れるとかは学校で習っていなかったが。
そこはクラスの男の子が言っていたのをきいて学んだ。
「あれぇ?お兄ちゃんのおちんちんどこ?なんかおっきいのしかないよ?」
当時の私は精一杯おちんちんを探る。
無垢な小さな手がお兄ちゃんの本物のおちんちんをぺたぺたと触っていた。
「くっ…ダメだって…それに曖昧にしか知らないお前となんてできない…」
「え?お兄ちゃん、ソラのことキライなの?…ソラが嫌いだからおちんちん隠しちゃうの?それにせっくすもしてくれないの?」
お兄ちゃんが私と出来ないという言葉をどうやら私が嫌いということにはき違えていた。
お兄ちゃんに嫌われたと思った私はかんしゃくを起こしたように泣き出してしまった。
今度はお兄ちゃんがいくらなだめようとも泣き止まなかった。
その時廊下で足音が聞こえてくる。
私もお兄ちゃんもそれに気付いていた。
それはママのモノだろう。
ママが私がワンワンと泣き喚く物だからしびれを切らしてやってきたのだろう。
今私はお兄ちゃんのパンツを引き摺り下ろしておちんちんを取り出している。
それが意味するのは言わなくてもわかるだろう。
「そ、ソラ…!離れて…!じゃないと母さんに…」
「いや!お兄ちゃんと離れちゃったらもう会えなくなっちゃう!」
「ソラ!よく聴け!」
泣き喚く私にお兄ちゃんはガッと肩を掴んでこう叫んだ。
「俺もソラが好きだ!セックスはできないけど…でもソラが大好きなんだ!」
そういったお兄ちゃんは私を押し倒してくる。
ガツンと背中に痛みが走る。
だけど私の胸の中には嬉しいという気持ちが支配しており痛みなんて感じなかった。
「ゴメンな…ちょっと痛いけど、ガマンしてくれ…」
お兄ちゃんはそう言って胸を乱暴に握ってくる。
ちょうどそのとき部屋の扉が開く。
そこから先は何が何だか覚えていなかった。
ママの悲鳴がおこって私の上に覆いかぶさっていくお兄ちゃんが突き飛ばされて…
それで…なんだったかも私は忘れた。
大きくなったある日に聞いた話によると私がお兄ちゃんに犯されかけていたから二人を引き取るのをやめたとされていた。
私がお兄ちゃんにあんなことをしたから…
お兄ちゃんが私のことをかばって一人で悪者になって…
私がお兄ちゃんを不幸にしたんだ…
その時私の中のある感情が忘れ去られてしまった。
(そう…お兄ちゃんが好きって気持ちが…)
なぜ今までそんな大切なことを思い出せなかったのだろうか。
原因はありすぎて分からない。
だがそんなこと今はどうでもいい。
だが最近になって私は思い出したのだ、お兄ちゃんが好きな気持ちを。
カノンにお兄ちゃんが好きなんじゃないかって指摘された時から。
そういう予兆はあったけどずっと目を逸らしてきた。
だけどもう私は逃げないと決めた。
だから…続きをするんだ。
私がお兄ちゃんと出来なかったことを…。
今度は幼稚なモノじゃなくて大人になった私が大人になったお兄ちゃんにする本当のセックスを…。
胸の奥にそんな思いを込めて私はお兄ちゃんの部屋のドアノブを回した。