Train Cinderella ~A Prohibition Lover~ 作:如月ライト
あ…みんなソラだよ~…
ふわぁ…夏休みだから早く起きないとだけど…眠たいよぉ…
やっぱり昨日の晩お兄ちゃんを襲ったのが響いちゃったかなぁ…
うぅ…今度から起きてるときにお兄ちゃんにおねだりしてみよっと…
窓の隙間から朝の香りが立ち込めてくる。
それにミンミンと煩い蝉の声も共に流れ込んできた。
日差しも程よい明るさで部屋を照らす。
朝の気配を感じて私は大きく伸びをしながら起き上った。
「ふわぁ…もう朝かぁ…むにゃむにゃ…」
いまだにうつらうつらしている眼をごしごしと擦りながら窓を大きく開ける。
むっとした熱気と爽やかな風が私の髪の毛を撫でた。
なんだか朝がいつもよりすがすがしく感じた。
それもそのはず。
今日から夏休み、うきうきした気分が無意識に朝をすがすがしくさせていたのだ。
それに今日は親友のカノンが泊まりに来る。
ウキウキするなっていう方がおかしい。
私は朝の空気をめいいっぱい吸いこむ。
そしてパジャマを脱ぎ捨て朝ご飯を作りに行った。
「ふぅ…やっぱりソラの作る朝ご飯はおいしいなぁ…」
「ありがとお兄ちゃん」
朝ご飯を作り終えた私はのっそりと起きてきたお兄ちゃんと一緒にそれを食べる。
「おっ…今日の占い俺3位だ」
「私は…11位…」
朝のニュース番組の占いを見て私はため息一つ。
12星座占いで11位の私って…
「大丈夫だって!最下位じゃないんだから」
「お兄ちゃんはわかってないなぁ…最下位はラッキーアイテムとかで対処法が出てくるでしょ?でも11位は何も触れられない…むしろ11位が最下位みたいなものなの」
そう、12位になると本日のラッキーアイテムなどが紹介される。
それにアナウンサーのお姉さんがどう過ごしたらいいかのアドバイスをくれる。
けど11位はどうだろうか?
画面にちょっと文字が出てきてそれでおしまい。
この扱いの差は正直酷いと思う。
「ま、まぁまぁ…書かれてた内容にもよるんじゃないか?」
「…大事なモノを無くすかも…だって…」
「うわぁ…そりゃちょっときついな…よし!俺がソラの今日の運勢を占ってやろう!俺の占いはそこらのモノとは的中率が違うぜ?」
そう言ってお兄ちゃんは私の方へ手をつきだしてムムムとうなってみせる。
あまりにも真剣そうにそうやっているお兄ちゃんに私はこみあげてくる笑いを抑えるのに精一杯だった。
「出た!今日のソラは…大好きな人と仲が深まるイベントが発生するでしょう…だ!」
「何それ曖昧だよ」
「し、仕方ないだろ!俺のチカラじゃこれくらいが限界!」
「もう…お兄ちゃんったらぁ…でも、ありがと」
お兄ちゃんの優しさが改めて身に染みた私はそのままぱくぱくとご飯を食べていった。
ご飯後お兄ちゃんが唐突に口を開いた。
「なぁ…ソラは夢の続きを見れるって思う?」
あまりにも唐突な事に私はぽけぇとしてしまう。
「え、何で?」
「昨日の夢にソラが出てきたんだよ」
「うん」
「それでいっぱいえっちなことしたんだけど…途中でソラが何処か行っちゃってさ…それで探そうとしたんだけどそこで夢が終わっちゃったんだ」
「へ、へぇ…」
ってお兄ちゃんそれ現実だよ!
お兄ちゃんは覚えてたんだ…
夢って錯覚してたけど昨日私がしたことをおぼえてたんだ…
そう考えると途端に恥ずかしくなってくる。
夜這いする妹ってお兄ちゃんやっぱり嫌なんじゃないかな…?
「じゃあお兄ちゃん…夢の続き…今からしてみない?」
気付けば私はそんな言葉を口にしていた。
朝からこんなこと言ってお兄ちゃんを誘惑するなんてはしたない妹だと思う。
それでお兄ちゃんに幻滅されるかもしれない。
けど私の口から出たその言葉は確かに重みがあり意思があった。
「…い、いいのか…?」
「う、うん…」
「ソラぁ!」
お兄ちゃんが私に飛びかからんとしたその時
ピンポーン
とインターホンが鳴り響いた。
ピンポンピンポーン
硬直してしまった私達をせかすようにインターホンは鳴り響く。
「と、とりあえず私が出てくるよ…」
そう言って私は玄関まで。
ガチャリと扉を開くと…
「ソラ!きたよ~」
「カノン!」
そこにはあざやかな金色の髪の毛を朝日に反射させながらたたずむカノンの姿があった。