いつものように二人への指導に励んでいた訳だが、稽古を終える。
今日もいい汗をかいた。
今夜もぐっすりと眠れそうだ。
……その前に俺には大切な仕事が待っている。
そう、お役目という仕事が。
まあ、就寝前の運動としては丁度いい訳だが。
「親睦を深める意味も込めて、近い内に二人を夕食に誘いたいのだが、予定を空けておいて貰えるか?」
乾酪(チーズ)と固形乳脂(バター)が近日中に届きそうなので、イオナとマキシーアにそう頼んでおく。
俺は料理が出来ない訳ではないが、上手くはないので折角の材料を活かしてくれる懇意の料理店に既に調理を依頼済みで、後は材料が届くのを待って日取りを決めるだけだ。
「シャルル様とお食事ですの? 喜んでご一緒させて頂きますわ!」
乗り気のマキシーア。
そして肝心のイオナはというと。
「お食事、とおっしゃいますと、ご注文されていた品が届くのでしょうか?」
さすがに頭の回転が速いだけに察しがいい。
「ああ。試食も兼ねて一度は味わっておいて貰いたい。イオナには好き嫌いはないか?」
「はい、大丈夫です」
「今、お二人の会話を聞いて合点がいきましたわ。イオナさんのためのお食事会、というわけですわね。それにわたくしが加わってもよろしくて?」
「勿論だ。シーアには俺とだけでなく、イオナとも仲良くなって貰いたい。それに食卓は大勢で囲んだ方が賑やかで楽しいだろう?」
「そういうことでしたら、遠慮なく参加させて頂きますわ」
「ありがとうございます、シャルル様。本当に何とお礼を申し上げれば良いか……」
恐縮し切りのイオナ。
本当に義理堅い性格のようだ。
「本当に律儀だな、イオナは。その件についてはもう何度もお礼を言って貰った訳だが」
「いえ、シャルル様には本当に感謝しておりますので、何度お礼を言っても感謝し切れません」
「その気持ちは大変嬉しい訳だが」
「はい」
「もう少し肩の力を抜いて貰えると俺としても助かる」
「はい。努力します」
言っている傍からこれだ。
その辺りが肩の力が抜けていない部分だと思うのだが。
まあ、あまり意識させ過ぎるのは逆効果だろう。
そう考えた俺はそれ以上の追及は止めておいた。
「シャルル様とイオナさんとお食事会。楽しみですわね。それで、服装はどうすればよろしくて?」
「普段着で構わないぞ。そんなに堅苦しい店じゃないからな」
「了解ですわ。普段着のお二人とお食事、というのも新鮮でよろしいですわね」
「普段着にこそ感性(センス)が出るからな。俺としても美女二人との食事会は待ち遠しくて仕方ない訳だが」
「あら、いやですわ。美女だなんて……」
そう言うマキシーアだが、満更でもなさそうだ。
「稽古後に着替えてから向かおうか。場所は俺と一緒に行くから気にしなくていいぞ。日時についてはもう少し時間をくれ」
「稽古後の空腹時にお食事ですか。それは美味しく頂けそうですね」
「今から楽しみですわ」
こうして、俺は麗しの女騎士二人との食事会の約束を取り付けた。
目当ての品が届いて数日。
全員の都合がついた日、稽古後に三人でそこに足を運ぶ事になった。
汗を流してから集まる訳だが、男である俺が当然のように一番早かった。
そんな訳で二人が来るのを待つ。
まあ、紳士たる俺としては淑女(レディー)を待たせるなど言語道断な訳だが。
次に俺の予想通り、イオナがやってきた。
着替えたイオナは青と白を基調にした爽やかな私服を身に纏っていた。
「本当にイオナは感性(センス)がいいな」
その姿を見て、俺はそんな感想を抱かずにはいられなかった。
「恐れ入ります」
俺のその言葉に深々と頭を下げるイオナ。
「イオナが普段着として着ている服だ。お値段はお手頃だと思う訳だが」
「はい」
「体型(スタイル)のいいイオナが着ると、その何倍も高価な服に見えるな」
「ありがとうございます」
もし、店の中にイオナと同じ体型(スタイル)をしたマネキンが置いてあったら、この服の売り上げに大いに貢献してくれる事だろう。
大袈裟でも何でもなく、俺はそう思った。
「そうおっしゃるシャルル様のお召しになっているものは?」
「ああ、この服か。この服のお値段はお手頃だぞ」
上着を指で摘まみながら、俺はそう答えた。
「そうは見えませんが……」
「イオナからはそう見えているのか。それは嬉しい限りだな」
その褒め言葉を素直に受け取って、俺は言った。
「正直、俺も高価な服ばかり着ているのは肩が凝るからな。庶民派の俺としては綿製の服が一番着心地がいい訳だが」
立場上、絹の服なんかも着なければならない機会も少なくはない訳だが、それが正直な俺の気持ちだ。
イオナとそんな会話をしていると、漸く待ち人がやって来る。
やはり、と言うべきか、最後に姿を見せたのはマキシーアだった。
「お待たせ致しましたわ」
そう言って現れた彼女は普段着、と俺が言ったにも拘わらず、豪華な真紅のドレスを身に纏っていた。
「シーア」
「何ですの?」
「普段着、と言った筈だが?」
確認を取るように俺は言った。
それに対する彼女の返答はというと。
「これは普段着ですわ。似合っておりませんでしょうか?」
そう言って僅かではあるが立派な眉毛を下げ、不安そうな表情を浮かべる。
どこからどう見ても、豪華過ぎるそのドレスも彼女の中では十分普段着に属するらしかった。
「いや、似合っているぞ。それは否定しようがない」
だから、困る。
だから、何も言えない。
「それなら良かったですわ」
マキシーアが安堵の表情を見せる。
彼女がそのドレスを普段着として認識している以上、仕方あるまい。
俺は無粋な物言いをするのをやめた。
「それはそれとして」
二人に向き直る。
「二人共いい匂いがするな」
以前アシュレイに言った通り、俺は石鹸と混ざり合った女の香りが大好きだ。
今の二人からはそのいい香りが漂っている。
「それはその、お風呂上がりですからね」
稽古の最中ににおいを嗅いだら、本気で抗議をしてきたイオナが特に抵抗を見せない。
今の状態なら嗅がれても構わないと思っているようだ。
そんな事を考えていると、マキシーアが俺に近付き、すんすん、と鼻を鳴らす。
「そうおっしゃるシャルル様からもいい匂いがしますの」
「当然だ」
俺は断言した。
「俺はいつ、如何なる時も抱かれてもいい、という対象でいなければならないからな。不潔なのは論外。そんな訳で、身嗜みには相当気を遣っているぞ」
冒険者時代には決してする事のなかった気遣いを俺は二人に語った。
もっとも、身嗜みに無頓着であっただけであって、決して不潔にしていた、という訳ではないが。
「シャルル様にはシャルル様なりのご苦労がございますのね……」
その俺の言葉に、しみじみとマキシーアがそんな感想を漏らす。
「その通りだ。だが」
「何でしょう?」
何か含みのありそうな俺の物言いにイオナが疑問を投げ掛けてくる。
「大切な処女を俺に捧げて貰う訳だからな。それを考えれば、苦労と言えるような苦労じゃない」
むしろ、当然、と言える気遣いだろう。
「シャルル様……。そうおっしゃって下さる方がお役目を任されておいでで良かったです」
イオナがそんな言葉を掛けてくれる。
「イオナさんのおっしゃる通りですわ」
それに続いてマキシーアも。
「お役目のお相手がシャルル様でなかったら、きっとまだわたくしは男性にも、自分自身の胸にも絶望したままだったと思いますもの」
特にマキシーアは相手が俺で良かった、という思いが強いらしく、程度の差こそあれ、二人共俺との出会いによって男嫌いが緩和された事は間違いないようだ。
「そこまで言って貰えれば、男冥利に尽きるな。これからもそう思って貰えるように心掛けるようにするとしよう」
俺の仕事はただ子作りだけをしていればいい、というものではない。
可能な限り気持ち良く、俺の子を産んで貰う、というのが肝要なのだ。
俺の方も初心を忘れずにお役目に臨んでいく事を改めて心に誓う。
「さて」
あまりしんみりした雰囲気を引っ張るのもやり難いので、それを振り払うように俺は口を開く。
「こんな所で立ち話しているのも何だし、店に向かおうか」
「はい」
「そう致しましょう」
城を出て城下町へ向かう。
麗しの女騎士二人と、自画自賛になってしまうが、美形である俺。
その三人が揃って目立たない訳がなく、注目されているのは感じつつも、おいそれと声を掛けるのも憚れるのか、遠巻きに眺めているだけで声を掛けてくる者はいない。
何となく居心地の悪さを感じながらも、俺達は目的の場所へと辿り着いた。
「ここだ」
「冒険者の胃袋亭」。
その名の通り、冒険者が集う大衆食堂だ。
飾り気のない頑丈なドアには「本日貸切」の札が掲げられている。
その貸切の客は俺達の事なので、構わずドアを開けて店の中に入る。
駆け出しの頃は猪なんかの肉をよく卸していたし、客としてもよく足を運んでいたので、顔馴染みだ。
「いらっしゃい。連れが二人いる、とは聞いてたが、こんな美人を連れてくるとはね。シャル坊も隅に置けないな」
そう俺に声を掛けてきたのはここの店主だ。
「ああ。今日はよろしく頼むよ」
「で、そちらのお嬢さん方は?」
二人に視線を向けながら、訊いてくる。
「イオナ=クッコローセにマキシーア=グロースン、二人共前途有望な王国の騎士だ」
会釈する二人。
「イオナ=クッコローセの名前はよく耳にするな。美人とは聞いていたが、こんなに華奢だとは思わなかった」
彼の言う通り、イオナは細い。
そして、町で噂に出る程度には有名人のようだ。
「恐れ入ります」
「そちらのお嬢さんもとても騎士には見えないな。お姫様、って言われた方がまだ納得できる」
彼がそう思う程に、マキシーアは優雅な雰囲気を纏っている。
「褒め言葉として受け取っておきますわ」
「彼女達は見込みがありそうなんでね。剣の稽古をつけさせて貰っている。今日はその帰りの食事会、という訳さ」
「へえ、シャル坊も人を指導する立場になったかい。私も歳を取るわけだ」
「いつまでもフラフラしていられないんでね。後進を育てるのも大切な俺の仕事さ」
「シャル坊も立派になったもんだ。これならこの国の将来も安泰だな」
「俺なんてまだまださ。勿論、出来るだけの事はするつもりだが」
「ああ、期待してるぞ。おっと、お喋りばかりしてられないな。すぐに料理を持ってくるから待っていてくれ」
「ああ、楽しみにしている。ここの料理を食べられるのは久々だからな」
「腕によりを掛けて作ったからな。期待してくれて構わないぞ」
その言葉通り、程なくテーブルの上には温かな料理を盛りつけられた皿が所狭しと並べられていく。
献立(メニュー)は牛の母乳(ミルク)がたっぷりと入った野菜と猪肉のシチュー、鶏肉と野菜、そして乾酪(チーズ)がふんだんにのった薄焼き、固形乳脂(バター)が惜しみなく使われ、粉|乾酪(チーズ)を振り掛けられた、卵の黄身を絡めた麺料理、それとソースの代わりに蕩けた乾酪(チーズ)を付けて食べる温野菜だ。
「それじゃあ、ゆっくり食事を楽しんでいってくれ」
「ああ、そうさせて貰うよ」
「後ででいいから、感想をもらえるとありがたい。そちらのお嬢さん方も」
「承りました」
「わかりましたわ」
「久々なので一応言っておくが、用があったら呼び鈴を使ってくれ」
それだけ言い残すと、店主は厨房に消えていった。
「料理自体はそう珍しいものではありませんが、見慣れないものがトッピングされていますね」
それがこの食事会の主賓であるイオナの感想だった。
北の地域では酪農が盛んで、地元でなら比較的安価に手に入る乳製品も配送料金が加算されると、値段がべらぼうに跳ね上がる。
それというのも、危険な地域を幾つか抜けなければならないからなのだが、中流の騎士階級の家庭に定期的に並ぶには些か贅沢過ぎる品だ。
そんな理由で、これらの品々がイオナの口に入った事がなかったとしても何ら不思議な事ではない。
一方のマキシーアはというと。
「多少の食材の違いはありますけれども、こういった料理は我が家にも結構並びますわね」
そんな事を言ってくる。
イオナの生家であるクッコローセ家は武門としては名家ではあるものの、取り立てて裕福、という訳ではない。
なので、幾つもの事業を営んでいて裕福なマキシーアの生家であるグロースン家の方が生活水準が高いのは当然だろう。
そんな理由で、イオナが見慣れない食材をマキシーアが日常的に食べていても何ら不思議な事ではなかった。
「そうですか。シーアさんは幼少時からこういったものをお食べになっておられたのですね」
イオナの視線がマキシーアの豊か過ぎる二つの膨らみへと注がれる。
幼い頃から乳製品を摂り、剣の稽古で胸の筋肉を付け、十代初めで周りの男共から巨乳である事を揶揄される程までに成長したマキシーアという存在が目の前にいる以上、俺の推察は正しかったのだろう。
それを改めて確信する。
「確かに乾酪(チーズ)や固形乳脂(バター)は割と高価な訳だが」
そう前置きした上で続ける。
「それ以外の食材は栄養はあるが比較的安価なものを使って貰っているぞ。イオナには毎日、定期的に摂って貰いたいからな」
「お心遣い、本当にありがとうございます」
深々と頭を下げるイオナ。
本当に義理堅いな。
「お礼はこれで最後にしてくれ。そう何度も頭を下げられると、俺の方もやり難い」
「承りました。善処します」
「そのための大衆食堂、というわけですのね」
さっきの流れを引っ張らないようにする為にマキシーアが話題を振ってくれる。
「その通りだ。安価な素材を使って美味い料理を大量に作る。大衆食堂程、その技術(スキル)に長けたところはそうはないからな」
これでこの話題については一段落だろう。
「お喋りはこんなところにして、折角の料理が温かい内に頂こうか。皆、空腹の筈だからな」
そう促す。
「頂きます」
「頂きますわ」
生きていく糧を得られる事に感謝して、食事を始める。
「いけるな。想像以上の味だ」
「本当ですね。これなら毎日でも美味しく頂けそうです」
「我が家の料理人(コック)の料理よりも美味しいですわね。いい腕をお持ちですわ」
そんな感じで乳製品を使った料理に暫し舌鼓を打つ俺達。
俺達は食事を存分に堪能した。
俺達が主菜の料理を食べ終えるのを見計らって、食後の甘味(デザート)として、乾酪(チーズ)で作られたケーキと、苺と発酵乳(ヨーグルト)の飲み物まで出てきた。
正(まさ)に至せり尽くせり、と言っていい。
出された料理を綺麗に平らげた俺達は再度呼び鈴で店主を呼んだ。
「ご馳走様。また機会があったらよろしく頼むよ」
代表して俺がお礼を言っておく。
「ああ。たまに顔を見せてくれるとうれしい。それと、シャル坊」
俺にまとめられた紙の束を渡してくる。
どうやら料理の手順書(レシピ)のようだ。
今日作ってくれた料理はほんの一部にしか過ぎなかったらしい。
「これは?」
「お土産だ。献立(メニュー)は多い方がいいだろう?」
「有難う、助かる。これはイオナの世話係に渡しておくよ」
「ああ、そうしてくれ」
一通り料理の感想を述べてから、店主との別れを惜しみつつも、俺達は店を後にした。
「美味しかったですね。手順書(レシピ)も頂きましたし、材料さえ揃えば作ってみたいです」
帰りの道すがら、イオナがそんな事を言ってくる。
「イオナは料理が出来るのか。それは益々いい奥さんになれそうだな」
騎士階級ともなれば世話係が付くのは珍しくない。
いい歳をして着替え一つ満足に出来ない者も少なくないこのご時世で、騎士の身でありながら、積極的に料理をしようとするその姿勢は感心なものだ。
そう思い、俺は言った。
「そう特別なことではありませんよ。自分の身の回りのことは自分でする、というのがクッコローセ家の家訓ですから」
質実剛健を絵に描いたようなクッコローセ家ではそれが当たり前の事らしい。
まあ、今俺の目の前にいるイオナを見れば、納得なのだが。
「イオナさんもお料理をなさるのですね。少し意外ですわ」
その言葉に俺は驚いた。
イオナさん「も」、という事はマキシーアも料理が出来る、という事を意味しているからだ。
イオナは兎も角、マキシーアが料理する、というのは俺にとって正直意外だった。
どう見てもマキシーアは作る側ではなく、食べる側だ。
もっと言えば、奉仕するよりも奉仕される側だ。
その方がどう考えても彼女らしい。
「へえ、シーアも料理が出来るのか」
そんな事を考えつつ、俺は言った。
「ええ、それはもちろん。女として当然の嗜みですわ」
やけに自信たっぷりなマキシーア。
それもまた、いつもの根拠のない自信だろうか。
その言葉を聞いて、俺は二人の作る料理に俄然興味が湧いてきた。
「麗しの女騎士二人の手料理か。それは是非ともご馳走になりたいな」
イオナの方は見栄を張るような性格(タイプ)ではないので、問題ないだろう。
問題はもう一人の女騎士、マキシーアの方だ。
それでも、多少の怖いもの見たさもあり、俺はそう返答していた。
「シャルル様がお望みでしたら、いつでもお作りしますよ」
「わたくしもシャルル様に食べて頂けるのでしたら、喜んでお作りしますわ」
二人共、俺の為に手料理を振舞うのはやぶさかではないらしい。
その反応を見て、俺の中に悪戯心が芽生えてきた。
「折角だから、二人の料理対決にしようか。二人共、自信はあるんだろ?」
「当然ですわ」
「シャルル様がそうおっしゃるのでしたら」
乗り気な二人。
お互いに勝利を信じて疑わないようだ。
これは面白い事になってきたぞ。
「決まりだな。ただ、勝負するだけじゃ面白くない」
「と、おっしゃいますと?」
「勝者には俺からご褒美を進呈しよう。その方が二人共やる気が出るだろ?」
そう言って、二人のやる気に更に油を注ぐ。
「シャルル様のご褒美……」
「ですの……?」
俺のその言葉に二人の目の色が変わった。
「シャルル様のご褒美はわたくしが頂きますわ。確かに剣技ではイオナさんに一歩後れを取っているのは否めませんけれど、お料理では負けませんわ!」
「その意気込みは買いますが、剣技同様、私が勝利を納めさせて頂きます」
「ほほほっ……!」
「ふふふっ……!」
零距離で見つめ合い、お互いへの対抗意識で目からばちばち、と火花を散らす二人。
煽った俺が言えた義理ではないが、少し怖いぞ。
「楽しみですわね……」
「ええ、本当に……」
二人は尚も見つめ合い続ける。
「ほほほっ……!」
「ふふふっ……!」
そんな、決して割って入る事の出来ない二人の様子を、俺は遠巻きに眺めていた。
ともあれ、こんな流れで俺は近い内に麗しの女騎士二人の手料理をご馳走になる事になった。