※この作品はR-18です。

本棚の赤い実   作:led2zap


原作:オリジナル作品
タグ:R-18
部屋に彼女を招いた。
彼女の興味は本棚に。
赤い罠はこの後の為、どうやろうかな。

そんな掌編。

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本棚の赤い実

住み始めて八年は経つ自分の部屋。

趣味の物、仕事の物、現在の自己を構成する物に満たされた部屋。

この部屋に、初めて彼女を招いた。

最低限の掃除はしているつもりだ。一人暮らしだってもうかなり長い。

仕事の関係上、気に入ったインテリアや雑貨もおいている。

それなりに気を使っている自負はある。

 

なのに、さっきから本棚しか、彼女は見ていない。

 

「これ、なんだっけな。こっちのは見たことある。これ知らないな」

 

彼女自身の知識と、眼の前の本棚との相違を確認しているのか、新しい発見を求めているのか。

そんな彼女が面白く、愛おしく、つい、後ろに立って、話しかけてしまう。

 

「なんか面白いものあった?」

彼女の肩越しから、少し気怠げに聞いてみる。

世代も違うのだから、何に興味を持ってくれるのかは実に興味がある。

 

「こっちのは、限定版とかかな。あ、同人誌もある」

 

突然背後から話しかければ、いつもなら少し睨んできたりもする。だが、今は本当に本棚に夢中のようだ。

これなら、もう少し本棚見せててもいいかなと考えはじめたとき、不思議そうな声が彼女から漏れ出た。

 

「これ、これって、ねぇ、これ!」

 

今までの小さなつぶやきとは違う、疑問と、そして理解した上での、少し強い口調と一緒に、右手で本棚の一角を指さしている。

やっと気がついた、もう少し早いかと思ったのに、な。

 

「うん、前に行った商談会で、何故かブースがあってな、もらった」

嘘はつかない、事実を言う。ただし、全ての事実までは、言わない。

彼女に以前教えたことを、こんなところで実践する。

伝えていない事実は、既に目の前で起こっているから。

 

「そっか、これが何か、知ってるんだ。なんの目的で、どんな風に使うのかも、わかるんだ」

なるべく優しく、意地悪く、彼女に問いかける。好奇心旺盛な彼女であれば、これが、男性が自慰で使うものなのは、知っているはずだから。

 

「…知らない、知らないんだから、ばか」

こちらの意図を察した彼女は、俯いてつぶやく。先程までの、本棚の全てを知るような好奇心に代わり、羞恥心が占めていくのが、頬の色の変化でわかってしまう。

 

「これは、貰い物だし、持て余してたからなぁ。欲しいんなら、あげようか?」

困らせるために、彼女がなるべく考えないような提案をする。

もっと困らせて、もっと恥ずかしがらせて、もっと、彼女を知るために。

もっと彼女に恋をするために、困らせる。

 

「…貰う」

 

彼女からの以外な、予想してなかった答えが返ってくる。

その場で身体の向きを男性に向け、真っ直ぐな目を向け、さらに言葉を続ける。

 

「ちょうだい、お願い」

 

にこり、と、音に出そうな笑顔を見せて、さらに言葉を重ねてくる。

彼女の顔から羞恥は消え、新しい遊びを見つけた子供のような笑顔と、淫靡な視線を向けてくる。

 

「いや、いやいや、これ男向けだし、あげても使い道ないぞ。それに、部屋のインテリアにするにもこれは」

「貰うの。使うの、今」

「今って、まてまてまて、今とかどう言うこと」

 

動揺しながら抵抗するも、彼女はにじり寄り、ベッドまで追い詰められる。

 

「うちが、今からこれ、使ってあげるんだから」

 

気圧されたのか、ベッドに腰を落としてしまう。魅力的な笑顔で迫ってくる彼女に抵抗する事も出来ないまま、膝の上に股がられてしまう。

 

「いつもの仕返し。今日はうちが、するんだから」

 

言いながら彼女に押し倒され、唇が重ねられる。罠を張ったつもりが、そのまま返された。今度はこちらが羞恥で顔色が変わる番かと、驚き、期待する。

 

「なら、お願い」

精一杯の抵抗として、彼女を抱き寄せ、耳に直接囁く。

彼女からの喜びの返事を聞いて、少しだけ覚悟と、期待をして、目を閉じた。

 

まぶたの裏には赤い点。

本棚に仕掛けた、彼女の印象を引きつけるつもりが、引きつけ過ぎだ、これでは。自分の浅はかさを後悔しながら、彼女も耳元で囁いてくる。

 

「うちが、壊してあげる」

 

 

 

 


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