あの後、なんとか息を吹き返した俺は午後の授業になんとか間に合い、放課後の日課である射撃場での自主練を行なっていた。
今日は愛銃であるアンシュツ1827Fを使って、50mライフル伏射の練習であった。
オリンピックのライフル射撃の種目の一つであるこの種目は、一番狙いが安定する種目であるため、600点満点が出ることもある競技である。
「まだまだだな……」
俺は電光掲示板に表示された自分の点数を見て呟いた。ここ最近装薬銃から離れていた影響か、点数は著しくなかった。
「いや、全然凄いと思うよ。流石はジャパニーズ・キッドだね」
待機椅子で観戦していたシャルルが、素直な感想を述べた。
千冬さんから、俺とシャルルが同室になったことを聞かされたため、俺はシャルルを自主練に付き合わせていたのだ。
「しかし、これからはここに来る回数も減るな……」
「仕方ないよ。今月は学年別トーナメントがあるから、そっちの練習もしないと……」
正直、あまり気乗りはしない。そんな事より射撃の練習がしたい。しかし、
「どうだシャル。明日の放課後、アリーナで自主練してくれないか?」
「僕は構わないよ」
「うし。じゃあよろしく」
「う、うん!」
しかし、どうもシャルルは男に思えない……もしかしてこれが世に言う“男の娘”って奴か?
「さて…………ん?」
ふと、俺は視線を感じ取りその方向を向くが、そこには誰もいなかった。
「正一、どうしたの?」
「いや…シャル、先に戻ってもいいぜ。俺は銃のメンテもあるから」
「う、うん……」
シャルルは首を傾げながら退室した。シャルルが退室したのを見越して、俺は呼びかけた。
「いるのはわかってますから出てきてくれませんか?……クラリッサさん」
その呼びかけに応えるように、部屋の隅から黒いスーツに眼帯をした女性が現れた。
「やはり見破っていたか……正一」
彼女の名はクラリッサ・ハルフォーフ。ラウラが隊長を務める
そして、隊のメンバーで一番俺と仲が良かった女性……なのだが、この人、一番の欠点は日本の知識が殆どサブカル系の知識(所謂オタク)だったため、隊内の日本知識がかなりら偏っていたのはこの人のせいである……
おかけで俺が正しい日本文化を教えるのに凄い苦労したけど。
最も、この人とはそれ以外でもかなり共通する趣味が多かったため、そこから仲良くなっていたのが正しい。
一応言っておくが、まだクラリッサさんとは関係を持っていない!ここ重要な。
「朝のHRの時スモークグレネードを投げて俺たちを助けたの貴女ですよね?どうしてここに?」
「そこまでお見通しとはな…貴様は探偵になった方がいいんじゃないか?」
「質問に答えてませんよ」
「いやなに、本国の命で隊長の護衛任務のため用務員として潜入していてね、これは教官も承認済だ」
「なるほどね……」
俺は呆れながら、ライフルを分解してケースにしまった。
「しかし、相変わらずの腕だな。
「それは前に警視庁の人からも言われましたよ……ところで、話はそれだけですか?」
「いや、その……」
突然、クラリッサさんは身体をくねらせると、顔を下げてしまった。ん?トイレか?
「取り敢えず、俺はそろそろ寮に戻ります。話の続きは明日にしませんか?」
「そ、そうだな。で、ではまた明日に」
クラリッサさんは落ち着かない様子で射撃場を後にした。トイレ間に合うかねぇ……って、そろそろ部屋に戻るか……
*
(結局、言えなかったな……)
クラリッサ・ハルフォーフは、IS学園内にある職員用の寮にある自室のベッドで仰向けになって黄昏ていた。
彼女は、隊長であるラウラ・ボーデヴィッヒの護衛任務としてIS学園の用務員として潜入していた。
だが、彼女はこの任務を引き受けたのは別の目的があった。
「正一……」
実は彼女もまた、正一に心奪われた女性の一人であった。
彼女は昨年のISSFW杯ミュンヘン大会で彼に一目惚れして以来、一度たりとも彼のことを忘れたりはしなかった。
このIS学園に来たのは、その想いを伝えるためであった。
だが、進めない。
どうしても、「好き」の一言が出ない。
「本当に…駄目だな…私という女は……」
クラリッサはそんな自分を慰めようと、Yシャツの胸辺りのボタンを外してブラをずらすと、千冬ほどではないにしろ充分豊かな双丘が露わになり、それを左手で揉み始めると、右手で陰部を慰め始めた。
「はぁ…あぁ…んん…」
淫らな息を上げながら、クラリッサは自分を慰め続けた。
(正一………好きだ……好きなんだぁ…………)
その心中に、愛する者を思いながら……………
今回登場したアンシュツ1827Fは、ドイツ製のスモールボアライフルで、バイアスロンでも使用される競技用小銃です。
次回はそろそろ千冬さんのエロを書こうかなと思いますけど、本筋も書きたいなぁ……