原作のこの件に関してはマスクドライダー・ストラトスでは取り上げないことにしている(そうしないと色々ややこしいので)ので、この作品でやろうと前々から思っていました(その代り、ラウラ関連を掘り下げる予定)。
アリーナで自主練を終えた俺は、シャルルより先に着替を済ませて、更衣室の前でシャルルを待っていた。
因みに一夏は、着替を済ませるとサッサと箒と一緒に部屋に戻ってしまった。ご丁寧に恋人つなぎで。ケッ!バカップルが……まぁ、俺も人の言えるわけではないが。
ちなみになんでシャルルを待っているのかというと、アイツが一緒に着替えるのをがんなに拒んだからだ。
ますます怪しい…ひょっとしたらシャルルは…………
「やぁ、こんなところで出会うとは奇遇だね」
そんなことを考えていると、そこへロランさんがタイミングを計ったかのように現れた。
「そりゃ僕も
「ふむ、それは一理あるね。しかし丁度良かった、実は君に話があってね」
ロランさんが僕に話?またどうして?まさか……
「君のルームメイトであるシャルル・デュノアの事でね……」
「っ!?」
やっぱり!流石はロランさんといったところか。
「そういう反応をするということは、君も疑っているようだね……彼女が
「まだ確証は得てません……けど、おかしいとは思っているんです。もし3人目が見つかっていたのなら、フランスはあの時俺が受けた検査の時期に公表してもおかしくなかった筈です。それなのに、フランスはこの時期に男性操縦者を転校させてきた……」
「しかも、ご丁寧に姓が“デュノア”……デュノア社の社長と同じ姓とはね」
「デュノア社といえば、第二世代最後期の傑作汎用IS《ラファール・リヴィイヴ》を開発した世界3位のIS企業。最近第三世代ISの開発難航で経営難に陥ってると聞きます……クサいとは思いませんか?」
「君だけじゃなくても、殆どが疑うだろうね」
「ロランさんは、どうしてシャルが女かもしれないって思ったんですか?」
「ん?まぁ、私は長年男性役をやってきたからね。だから直感でわかったね」
うわぁ、凄い説得力。流石はロランさん。
「で、君はどうするんだい?」
「実は昨夜、束さんに連絡してシャルルの経歴についてとデュノア社及びフランス政府の内情を調査させています。最も、ご褒美は“コレ”ですけど……」
俺は溜め息をついて、フィグ・サインをした。
「それはそれで大変だね……最も、そろそろ私も君のペニスが恋しくなってきたよ」
「廊下でそんなこと言わないでください……恥ずかしいんで」
「あ、雑賀君。此方にいましたか。デュノアさんとは一緒ではありませんか?」
そこへ、真耶さんが書類を持って現れた。するとロランさんは寮の方向に歩き始めた。
「では私はこれで失敬するよ。ではまた明日」
エレガントな別れ挨拶でその場を立ち去るロランさん。俺とシている時とはえらい違いだ。流石はオランダのタカラジェンヌ。
「山田先生、お話というのは……」
「既に織斑くんにはお伝えしたのですが、今月下旬には大浴場が使用できるようになります。教員の間で様々な案があったのですが、結局男子は週に二回使用日を設けることになりました」
「マジっすか!よっしゃあ!」
良かった……これでラッキースケベ(年上特効)を恐れずに大浴場に入れる!
「よ、よかったですね雑賀君……」
俺は思わずガッツポーズを取った(某熱男のあれ)ため、真耶さんが少しびっくりして引いてしまった。
「あ。す、すいません。つい嬉しくて」
「い、いえ、これも教職員の務めですから……」
思い起こせば、長く、苦しい歴史であった。遂に、遂に念願の風呂に入れるのだ。興奮せざるを得ないではないか!
「さっきからうるさいけど……どうしたの正一」
そこへ、着替を終えたシャルルが更衣室から出てきた。
「喜べシャルル!遂に大浴場が解禁されたぞ!我々が待ち望んでいた大浴場が!遂に!」
「そ、そうなんだ……」
おっといかん、少々興奮してしまった。んんっ!よし。
「ああ、そういえば雑賀君にはもう一件用事がありまして、ちょっとサインしてほしい書類がありますので、教員室まで来てもらえませんか。種子島の正式な登録に関する書類ですので、結構枚数が多いんですよ」
「わかりました。そういうわけだから、シャル、先にシャワー浴びて結構だぞ」
「うん、わかった。」
「それじゃ山田先生、行きましょうか」
「はい。では……」
*
「はぁ……」
部屋に戻ったシャルルは、鍵を閉めて一人溜め息をついた。無意識に出たそれは、恐らく誰かがいたら心配して声をかけるレベルだった。
(シャワーでも浴びてスッキリしよう)
シャルルはそう思うと、クローゼットを開けて着替えを取り出した。
*
「はい、これで種子島は正式に雑賀君のものになにました」
「や、やっと終わった……」
教員室で種子島の正式な登録手続き書類を書き終えた俺は、そのまま机に伏した。
全く、なんであんなに書類が多いんだよ。銃の登録ライセンスの手続きより多いんじゃねえか?
ちなみに種子島は表向には《ガロイ重工》という企業が開発したものになっている。
ちなみにこのガロイ重工、言わずもがなダミー企業である。世間的に篠ノ之束が作ったことが公になると色々と厄介だから、とのことだ。
兎に角、これでやっと名実ともに種子島は俺のものになったわけだ。さて、部屋に戻るか。
「お、しょーくん!やっと見つけたよぉ!」
教員室から出てくると、基本的に部屋に籠りっぱなしの束さんが僕の前に現れた。これはまさか……
「終わったんですか?」
「もちのロンだよー!いや~、フランスも中々ドロドロしてるねぇ~」
束さんはクリアファイルからクリップ留めされた書類を取り出した。
俺はそれを手に取って読むと、読むにつれ怒りが込み上げてきた……
「…………許さねぇ」
「え?」
「束さん。ちょっと耳貸して下さい」
「う、うん」
俺は口許を束さんの耳に近づけると、誰にも悟られないように囁いた。
「…………え゛、それマジでやるの?」
驚きの表情を浮かべる束に、俺は満面のゲス顔で答えた。
「マジです。寧ろ狙いがそれなら、くれてやりますよ。ただし……」
「ただし……?」
「……ただし、只ではくれてやりません。“連中”には……
社会的に消えてもらわないといけませんからね(ニヤァ)」
(怖い!しょーくんの笑顔がマジで怖い!((((;゚Д゚)))))))ガクガクブルブル)
この時、束さんは俺の笑顔を見てすんごく血の気が引いたそうな……
ちなみにダミー企業の名前は超操縦メカMGの「ガロイ工房」からとってます。