※この作品はR-18です。

年上キラーがIS学園に!?   作:ピカリーノ1234

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 どうも。やっと書けました……
 どうもこの件はシリアスになってしまう……


偽りの貴公子

 職員室を後にした俺は、自分の部屋に戻った。

 

「たれーまー……」

 

「おかえり……って、どうしたの正一?」

 

「いや、専用機の登録手続きってあんなに紙書くんだなって……」

 

「は、はぁ……」

 

「取り敢えず俺はシャワー浴びるから、着替え終わったら飯食いに行こうか」

 

「わかった」

 

 俺はそう言うと、クローゼットから着替えを取り出して、洗面所に入った……

 

 

 

 

*

 

 

 

 

「時のうつろいわぁ〜悲しみを〜忘却の〜彼方へとぉ〜つれぇてぇぇゆっくぅ〜♪」

 

 シャワー室の中で昭和の歌謡曲を歌いながら、正一は身体を洗い流していた。

 

「明日になぁればぁ〜埃ぃまみれのぉ〜かぁわぁいたぁとかぁぁいにも〜花は咲くだろぉぉ〜咲くだぁぁろぉぉ〜♪」

 

 大都会で角刈りのグラサン刑事がショットガンをバカスカ撃ちまくりそうな刑事ドラマのエンディングで流れそうな歌謡曲を心地よく歌う正一だが、シャワー室の隣にある洗面所に、怪しい影が忍び寄っていた。

 

(大丈夫…気づいていないよね……)

 

 音を立てず扉を開けたのは、なんとシャルルであった。シャルルは音を立てずに洗面台の前に立つと、置かれていた待機状態の種子島を手に取った。

 

「ごめんね、正一。でも、こうするしかないんだ。今の僕には、こうするしか……」

 

 シャルルは罪悪感を感じつつも、音を立てずに洗面所を後にした。

 その直後、シャワー室のドアが開き、頭にバスタオルを被り腰にタオルを巻いた姿の正一がいた。

 その右腕には、先程シャルルが持ち去ったはずの種子島が装着されていた…………

 

 

 

 

*

 

 

 

 

「すごい…これほどの性能を持つISを新参の企業が開発できるなんて…………」

 

 薄暗い室内で、シャルルは先程持ち出した種子島をコンパクトタブレットに接続して内部データを解析していた。しかし、種子島のスペックは明らかに新参の企業が開発したISの第一号機にしてはあまりに性能が良過ぎたのだ。更にその先にはプロテクトがかかっており、それを解除しようを試みたその時だった。

 

『チャ〜ン♪チャンチャンチャンチャンチャラララ〜ン♪』

 

「え、何!?」

 

 突如、気の抜けた音楽と同時に画面に目付きの悪いメカ兎が現れた。

 

『チャチャラ♪チャラ〜ン♪チャ〜ン♪チャカチャカチャ〜ン♪チャ〜ン♪チャカチャカチャ〜ン♪』

 

 メカ兎は踊りながら横断幕を掲げると、そこには『ニセモノだよ〜ん!』と記されていた。

 

「ま、まさか……」

 

 シャルルが画面を見て悟った、その時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、ご感想はどうかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

 突然声が聞こえ、部屋の明かりが灯った。

 シャルルはドアの方を向くと、そこには照明ボタンに手を掛けた制服姿の正一が立っていた……

 

 

 

 

*

 

 

 

 

「い、いつからそこに!?」

 

 シャルルが力のない声で俺に問いかけた。ま、ここはご丁寧にお答えしますか。

 

「お前さんが洗面所から出た後直ぐにジャージを着て同じように音を立てずにここで待っていたのさ。お前さんがダミーに仕込んだプログラムに手を出すまでね。シャルロット・デュノアさん?」

 

「どうして僕の本名を!?」

 

「それはな……」

 

 俺は指パッチンで合図すると玄関のドアが開き、そこから束さんが現れた。

 

「こういうことなのだ〜!」

 

「し、篠ノ之博士!?どうしてIS学園(ここ)に!?」

 

「おお、いい反応だねぇ〜。まぁ話せば長くなるけど……」

 

「その辺は気にするな。簡単に言うとこの天災兎(バカタレ)がシスコン発症してここに勤めてるだけだ」

 

「ちょっとしょーくん!?いくらなんでも酷いよその説明は!?」

 

「さっきあんた『話せば長くなる』って言ったから簡潔に言っただけじゃないですか?」

 

「ぐぬぬ……」

 

 歯軋りする天災兎(バカタレ)だが、シャルが呆気にとられていたため、本題を切り出すことにした。

 

「え、えっと……」

 

「ああ、そうそう。なんで俺が君の本名を知っているのかだったな。実を言うとな、転校初日の時点でおかしいとは思っていたんだ。だから秘密裏に束さんに頼んで君の身辺とフランス政府とデュノア社の関係を調査させてもらったけど……」

 

「……知っちゃったんだね、僕が愛人との娘だという事を」

 

「不本意だったがね……」

 

 俺は書類に記されたシャルの身の上話を話し始めた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 彼女はデュノア社社長であるアルベール・デュノアとその妾の間に生まれた子だった。

 彼女が父に引き取られたのは2年前のことで、丁度その年に母親が病死していた。その際検査でIS適正が高かったことから非公式のテストパイロットとしてデュノア社に在籍した。

 そこからが、彼女の受難であった。

 引き取られて以降、彼女は本妻であるデュノア夫人の執拗な虐待を受けた。理由は「妾の子だから」ただそれだけだった。

 更に父親のアルベールと直接会う機会も少なく、彼女だけ別邸で暮らしていたという……

 その後、デュノア社は経営難に突入し、打開策として彼女は父の命で男装してこのIS学園に転入したのだという。デュノア社の広告塔として、そして俺と一夏に接触するために……

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………以上が、俺が束さんに頼んで調べてもらったお前さんの身の上だが、相違はないな?」

 

「…………」

 

 シャルは無言で頷くと、溜め息をついて俺に質問した。

 

「それで、正一は僕をどうする気なの?学園と政府に報告して追い出すの?」

 

「…………」

 

 俺と束さんは、その質問に対し黙秘を貫いた。

 

「隠さなくていいよ。どの道これが公になれば僕は強制送還されて、会社は倒産……正直、うんざりしていたところなんだ。利用される自分がね……」

 

 シャルは俯いた姿勢で続けた。

 

「母が死んでから、僕の人生は誰かに利用される日々だった…“妾の子”というただそれだけの理由で……もう嫌なんだよ……こんなことになるなら、いっそ……」

 

 シャルルの目から一筋の涙が零れたその時、俺の心の中にある堪忍袋の緒が遂に切れた。もう勘弁ならねぇ!

 

「ちょ、しょーくん落ち着いて!」

 

 俺は束さんの制止を振り切って、シャルルに詰め寄って、右手を挙げた。

 

「歯ぁ食いしばれぇ!」

 

「えっ…うぐっ!?」

 

 俺はシャルルの顔を握り拳で殴った。殴られた衝撃で彼女が床に尻餅をつく。

 殴られたことに呆然とするシャルルだが、俺はそんなこといざ知らずに彼女の襟首を掴んだ。

 

「馬鹿野郎!そんな簡単に自分の人生を諦めんじゃねぇ!」

 

「しょ、正一……」

 

「しょ、しょーくん流石にやりすぎ……」

 

「束さんは黙っててください!いいかシャル!俺を馬鹿にするのもいい加減にしやがれ!人間は生まれに違いなんかねぇ!人間の違いってのはなぁ、生き様で決まるんだ!そこにいる束さんや千冬さんを見てみやがれ!殆どの人は天才だ最強だとか讃えるがな、俺からすりゃあ女子力のじの字もねぇまるでダメな生活無能力者だ!それでもあの人たちが胸張って生きてんのはな、自分らしく今この時を生きているからなんだよ!今のお前は命令に従うフリしてただ逃げているだけじゃねえか!」

 

「…………」

 

 シャルルはただ、黙って俺の説教を聞いていた。だが、まだ彼女の闇が晴れる様子はない。俺はさらに続けた。

 

「…………それにな。お前の親父が、何も考えずにお前をここに転校させたと思っているのか?」

 

「え?…………」

 

 俺は掴んでいた手を離してシャルルを解放すると、制服の内ポケットに入れていた生徒手帳を取り出して、それを彼女に渡した。

 

「これは……」

 

「それを読んでみろ。親父さんの……お前に対する愛情がそこに詰まっている」

 

 俺はそう言い残すと、束さんを連れて部屋を後にした……

 

 

 

 

*

 

 

 

 

「しょーくん。あれで本当に良かったの?」

 

 部屋から出ると、束さんが俺に疑問をぶつけてきた。ま、そりゃそう思うよな。でも……

 

「今のシャルには、思いっ切り一人で泣く時間を与えた方がいいと思うんです。それに……今の俺には、彼女の涙を拭えるほど、大人ではありませんから」

 

 正直言って、今の俺にはシャルの涙を全て受け止められるほど、器は大きくないし、それよりも、今はシャルに、一人で考える時間を与えてやりたかったからだ。

 

「そっか……」

 

 束さんは俺の真意を察し、深く頷いた。

 

「それより、例のあの情報ですが……」

 

「あの《スキャンダル》のこと?」

 

《スキャンダル》とは、束さんが洗いざらい調査したデュノア社長夫人とそれにまつわる黒い霧のことである。

 

「ええ、あれについては学年別トーナメントが終わった後に公表してほしいんです」

 

「それはまたどうして?」

 

「もし直ぐに発表でもしたら、学年別トーナメントどころの問題じゃなくなりますし、最悪トーナメントが中止しかねませんから。折角の俺の種子島の初陣ですからね」

 

「あー……」

 

 そう。この情報、困ったことにかなり闇が深く、安易に公表すれば国際問題に発展しかねないものだった。もしトーナメントの前に公表すればトーナメントどころではなくなるのだ。

 

「……よし、わかった!何よりしょーくんの折角の初陣がパーになるのは束さんも嫌だしね!」

 

「助かります」

 

 よし、これであの情報がトーナメントに支障をきたすことは無くなった…………あれ、なにか忘れているような…………?

 

「と・こ・ろ・で、しょーくん♡何か束さんに忘れていることあるんじゃな~い?」

 

「へ?何のことですか?」

 

「もう!鈍いなしょーくんは!コレのことだよ♡」

 

 束さんは俺に見せつけるかのようにフィグ・サインをした。

 …………あ゛!そうだった!俺としたことがすっかり忘れていた!そうだよ!情報を調査する見返りに、俺は束さんとエッチの約束してたんだった!

 俺はダッシュで逃げようとするが、束さんに回り込まれて羽交い絞めにされた。

 

「さぁしょーくん♡というわけで束さんの部屋へレッツラゴー!」

 

「あ、明日じゃダメなんですか!?」

 

「ダーメ♡束さんは今すぐにでもしょーくんとエッチしたくて仕方がないのだー!」

 

「誰か助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

 

 こうして俺は、束さんの部屋に連行されてしまうところだったが間一髪通りがかったクラリッサさんになんとか助けてもらい、彼女に頼んで今夜はくらりっささんの部屋に泊まることになるのだが……実はそのクラリッサさんとまた悶着があるのだが、それはまた次に話すとしよう……

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく

 




 一応念を推しますが、シャルはヒロインではありません。理由は簡単、同い年だからです。ただ、ラウラに続く妹分になる予定です。
 さて、次回は遂にお待ちかねのクラリッサの告白&初夜です!お楽しみに!
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