※この作品はR-18です。

年上キラーがIS学園に!?   作:ピカリーノ1234

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 シャル救済回です。


偽りの貴公子の涙を拭うはガンマン

 クラリッサさんの部屋を後にした俺は、自分の部屋の前まで来ていた。

 ドアを開けると、そこには目の下に隈が出来たシャルルが立ってきた。

 

「あ……正一が言いたかったことって、これのことだよね……」

 

 シャルルは生徒手帳のとあるページを指差した。

 そのページには、『IS学園特記事項第二一号:本学園における生徒はその在学中においてありとあらゆる組織・国家・団体に帰属しない。本人の同意がない場合、それらの外的介入は原則として許可されないものとする』と記載されていた。

 

「わかったようだな。お前の親父さんの……不器用な愛情が」

 

「う、うん……なんか、恥ずかしいものを見せちゃったね」

 

「これで、むこう三年間はデュノア社……いや、デュノア社長夫人はこちらに手は出せない。だが、問題はその先だ……」

 

 俺はシャルルにとある書類を手渡した。

 それは、束さんが調べ上げたデュノア社長夫人にまつわる《黒い霧》の資料であった。

 

「正一。これって……」

 

「それは俺が束さんに頼んでお前の身の上調査を調べていた際についでで調べていたデュノア社とフランス政府を調べていた際にワンサカ出てきた黒い霧だよ……」

 

「黒い霧……」

 

「もしこれが公表されれば、デュノア社はおろか、フランス政府、ひいては国際社会を揺るがしかねない一大スキャンダルとなる。恐らく、君も親父さんもタダでは済まないだろう」

 

「…………」

 

 シャルルは黙って俺の言葉を聞いていた。恐らく、ことの重要性を察しているのだろう。

 

「だが……手は残っている」

 

「え…………?」

 

 シャルルは首を傾げるが、俺は続けた。

 

「実を言うと、この情報は学年別トーナメントの後に公表する手筈を整えている。だから、いくらでも手の加えようがあるんだが……それには君の許可が不可欠だ」

 

「僕の……許可?」

 

「そうだ。ぶっちゃけてしまうと、一部の情報に手を加えて君と親父さんに罪を着せないようにして、全ての罪をデュノア社長夫人におっ被せるように仕向けることだ。無論、これはジャーナリストの精神に反する行為だが……つっても、俺はジャーナリストじゃないし、そんな美学に追随する義務はないしな。でも、勝手に改竄しては後々後悔するかもしれないし、一応お前さんの許可が欲しいんだ」

 

「…………」

 

「口約束でも構わない。君さえ良ければ、後は束さんが全て行ってくれる。だから……」

 

「…………どうして」

 

「へ?」

 

 ボソッと呟いたシャルルの声に、俺は話を止めてしまった。すると今度は、ハッキリと聞こえる声で、シャルルが問い掛けてきた。

 

「どうして……僕の為にここまでするの?」

 

「…………」

 

 …………ああ、なんだ。そんなことか。

 思えば、ベルベットさんを助けたときも、同じ質問をされたな。

 俺はシャルルに背を向けると、その問いに答えた。

 

「…………ふっ、理由なんかねぇよ」

 

「えっ…………」

 

「人が人を殺す理由は知らねえが、人が人を助けるのに論理的な思考は必要ねぇよ」

 

「…………プッ、フフフ」

 

 あれ?俺なんか変なこと言ったか?いや、たしかにカッコつけすぎたかなーとは我ながら思っていたけど、笑われるくらい変だったか?

 

「いや…………珍しいなって」

 

「珍しい?」

 

「うん。こんなにお人好しでお節介な男性(ひと)も、中に入るんだなって……」

 

 まぁ、そうだろうなぁ。こんなお人好しでお節介な野郎はそうそういねぇよなぁ。

 なんだろう、無性に恥ずかしくなったなぁ……

 

「ハハ……まぁ、自覚はしている」

 

 俺は恥ずかしさのあまり頭をかいた。別に痒いわけではない。恥ずかしさをごまかしたかっただけだ。

 

「フフッ」

 

「……ハハッ」

 

 しかし、そんな俺を見て、シャルルは再び笑った。それは、昨日のような自嘲するような笑いではなく、喜びの笑いであった。

 そんな明るい笑いに、つい俺も笑顔になった。

 

「ふぅーっ。なんか正一を見ていると、今までウジウジしていた自分が恥ずかしくなってきたよ」

 

「そうか。で、これの件だけど……」

 

「いいよ。折角正一が僕の為にここまでやってくれたんだ。その親切を踏み躙ることはできないよ」

 

「じゃあ……OKってことでいいな?」

 

「うん」

 

 シャルルは強く頷いた。どうやら腹を括ったらしい。

 

「よし、これは後で束さんに渡しとくとして……シャルは洗面所で顔を洗ってきたらどうだ?そんな顔でみんなの前に出たらみっともないぜ」

 

「うん!ついでにシャワーも浴びてくる!」

 

 シャルルは明るい返事を返すと、クローゼットから着替を取り出して洗面所に入ったが、直様洗面所の扉を開いて顔だけ出してきた。

 

「の、覗いちゃだめだよ///」

 

「覗かねぇよ!そこまでスケベじゃねぇよ!」

 

「そ、そうだよね。安心したよ」

 

 頰を赤らめたシャルは、顔を引っ込めてそのまま洗面所の扉を閉めた。

 俺は一応安堵するが、今自分が着ている制服が、昨日のものだというのに今更ながら気付いた。

 しかも、昨夜クラリッサさんとシた後、シャワーも浴びていなかった。

 時計の針は、もうすぐ5時になろうとしていた。

 

「…………今日、朝食抜きでいいかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく

 




 この後自分の活動報告でシャルの享受に関するアンケートを取ろうと思います。
 皆さま奮ってご参加下さい。
 そろそろグリフィンさんメイン回書きたいなぁ……
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