デスノート--シャドウワールドオーダー-- 作:御殻糸也
「デスノートを正義感を持ったら何するか?先輩それって禁句ですよ」
年功序列が根強い警察署内でそんな質問をされた、松田はそれに対してあからさまに苦い表情をした。
「いや、松田君はキラ逮捕に貢献した男だからな、公安が使うのをは考えた事はないかね?」
「公安…………ですか?」
「あぁ、公安は一般的にはいないとされてる組織だ、サクラ、ゼロ、なんでもいい、近頃はそういうのを題材にされるから目の上のたんこぶだが実際にはいるんだ、いなければ日本は既に亡国だ、最近は獅子身中の虫退治に精力を出していたが」
「でもデスノートを使う事は殺人鬼になるってことですよ?警察官としてはタブーですよ、あれですかね、最近流行りのダークヒーローとかアンチヒーローとかの感じですかね、それより週刊少年ジャンプなら戦国モノとかやらないんですか?」
「週刊少年ジャンプで戦国モノはただ設定を張り付けるだけじゃダメだろ、それで一回打ちきりになった、しかし精密に描くと少年モノではなくなる、って話をそらすな、せめてダークヒーローとはこんなヤツがいるとか言えないのか?」
「殺人の資格を持っている忍とかいました」
「殺人の資格?」
「どちらにしても国家が誰かを処刑人役にするって感じですよ」
「あぁ山田浅右衛門みたいなものか」
「誰ですか?」
「江戸時代の首切役人の専門職が代々名乗る名前だよ、たまに辻斬りが成っていたらしいぞ?」
「でもジャンプで片一方はSF混じりで片一方は北海道行ってるじゃないですか、今更そういうキャラは出ませんって」
「お前は例をあげただけで食いつくな、いや、その食い付きこそが操作の執念に繋がったのか?むしろ名探偵みたいだな」
「僕が名探偵だなんて、名探偵はLですよ」
「それもそうだな、話を戻すとお前ならデスノート使ったか?」
「…………もちろん使いませんよ」
「ところでデスノートを非公式に使うという案は法務局のお偉いさんの一部が考えたそうだ」
「へぇ、ってそんな機密情報漏らしていいんですか!!!?」
「だからはお前に聞いたんだ」
「あぁそれで」
松田はぼんやりと状況を認識した。
視線が冷たいモノに変わる。
「…………夜神総一郎の息子がキラだと分かった時、射殺をしようとしたんだろう?」
「そ、そうですが」
「なら使いたい気持ちを少しは分かるんじゃないか?」
「それはないですって!!!」
「…………本当にか?」
「えぇ」
その言葉を発した時、幼い頃、仲間外れにされた子の寂しさを感じさせる眼をしてたのが松田は気にかかった。
「じゃあ仮に使ったとしよう、キラ同士が戦うという結果になる、その他のキラは最近の若者らしくネットに本名を晒す事に忌避感がない、それが偽名かどうかは相手を直接見れば死神の目が教えてくれる、ここで相手を今すぐに殺すべきか?」
「警察ならまず犯人逮捕を優先すべきです」
「だろうな、ならもう一つだ、その死神の目で見える本名が戸籍上の名前と違ったらどうする?」
「あれ?ちょっと待って下さい、その前に死神の目の事を何で先輩は知っているんですか?」
それを聞いた時、吹っ切れたように返答された。
「……君のような勘の良い後輩は好感を持てる」