マーリンside
「さて、最後は刈愛ちゃんだね」
「お、お願いしますっ」
律儀にあわあわとお辞儀してくれた刈愛ちゃんだったが、すぐに真剣な眼差しになって向かってきた。
「くっ、つっ...!」
「ほっ、よっと」
やはり年長者なだけあって萌香ちゃんよりも洗練されている、と言った印象だ。けれど性格が災いしているのか勢いという点でいえば先の2人に比べると劣ってしまっている。
「はっ、はっ...」
「ほらほら、この前の亞愛ちゃんの時みたいにもっと容赦なく来てもいいんだよ?」
「うっ...」
正直亞愛ちゃんと交戦した時の方が動きはよかった。やっぱり
「...仕方ないか」
「えっ!?くうっ!?」
今度はこちらから攻め立ててみることにした。まずは手始めにギリギリガードが間に合いそうな顔面狙いのストレートから─。
─どぷっ
「う゛えっ!?」
土手っ腹にボディーアッパー。先日のタフさから想像もつかないほど柔らかいお腹にびっくりして慌ててお腹に埋まった拳を引き抜く。
「う゛.....うぷ...」
「だ、大丈夫かい?まさかこんな─」
─ドゴッッッ!!!
刈愛ちゃんが心配になり、駆け寄ると刈愛ちゃんが顎めがけて蹴りを繰り出してきたので間一髪でガードする。
「...うえぇぇ.....まだ...終わってない...」
「...そうかい」
口からヨダレをダラダラと垂らしながらまた向かってくる刈愛ちゃん。さっきの萌香ちゃんとは違い、動きのキレは全く落ちていない。
けど─。
─どぼっ
「う゛ぐっ!?」
─ズムッッ!!!
「く゛け゛ぇぇ...」
─ドムッッッ!!!
「ぇけ゛ふうっ!?」
刈愛ちゃんの大振りになった攻撃をかわしてボディーストレートをみぞおちに、左フックを脇腹─
「んぶふぅっっ.....け゛っ.....はっ...」
けれどまだ刈愛ちゃんはお腹を両手で抱えつつも座り込むことはなかった。なんて耐久力だ、と内心驚愕していた。けれど─。
「...まだやる気かい?」
「あ、当たり前.....よ...まだ.....参った...して.....ない...」
そう言って刈愛ちゃんはまた構える。けれどその足はガクガクと震え、胃の中身が上ってきているのか時折目を見開いて頬を膨らませている。
「...わかった。降参だ。私の負けだ」
「「「「...えっ?」」」」
私が突然告げた『降参』の言葉に彼女達4姉妹は揃ったように驚きの声をあげた。