ロマニside
(君たちはもうこの世界の住人だ。英霊なのではない、一介のものに過ぎない。そのことをゆめゆめ忘れぬように)
ゼルレッチ翁の最後の言葉─その言葉に改めて一から人生を送るワクワク感が湧いていた。
「どうしたんだい?もしかして高揚してるのかい?」
「高揚してて悪かったなこの人でなし」
「ひどいやつだなキミは。こう見えて私も少し好奇心をくすぐられるというかだね…」
と、いつも通り小言を言った後状況の確認に入る。
「とりあえず僕が10歳、お前が11歳でとある孤児院に預けられている状況」
「うん」
「名前はロマニ・アーキマン、マーリン・ペンドラ」
「うん」
「魔術は僕は一通り試した。召喚系が若干衰えた程度だったけどお前は?」
「私はどれも変わらなかったよ」
「じゃあ最後に聞くけど─千里眼は?」
「うーん、流石というか核心を突いてくるねぇ。まあ
「...やっぱりか。僕は目視範囲内くらいが適用範囲だが…」
「私はもう少し広いね。ざっとひとつの小さい村くらいかな」
魔術がそれほどスペックダウンしなかったのは幸いだったが千里眼の大幅ダウンはなかなかきつい。
「これじゃあ
「はぁ...」
そう、僕達がこの世界でやるべき事は前と変わっていなかったりする。
(具体的に話すとこれから行く平行世界では
「しかし、
「ああ、間違いない」
そう、この世界では
「...こうなるとアレだね。今のままでは厳しいかな...?」
マーリンの口調はいつもと変わらないが目はいつになく真面目だ。
「そうだね。快適する前になにか方策を立てないと─」
「そこでだ!」
僕の言葉に待ってましたと言わんばかりに大声を張り上げるマーリン。
「な、なんだい急に...」
「私たちは今まで魔術でこっそりコソコソ戦ってきたね?」
「ま、まあ、そうなる...かな?」
「そろそろ
「ま、まさか─」
─3年後
「やあ、孤児院卒業おめでとう」
「はいはいどうも」
ニヤケ顔のマーリンから全く嬉しくない祝辞を貰い、無事孤児院を出る運びとなった。あまり本意ではなかったとはいえじっくり腰を据えて戦力をあげられたのは良かったと思う。
「それで、ちゃんと調べたんだろうな?」
「もちろん。とは言ってもまだ情報は少し足りないんだけど」
やはり1年では...と納得しつつマーリンの話に耳を傾ける。
「どうやらこの世界は人外─もとい妖怪やら悪魔やらが裏で蔓延ってるようでね。なかなかにスリリングだよ」
「そうか、それで
「
「なんだ?気がかりなことって」
「この世界での
「プライドの高さゆえ他族を排斥する、か。人間味が溢れているといえばそうだけれど...」
「まあこの3年間、私達も少しは武力行使できるようになっただろ?なんとかなるさ」
「そうだといいけどね..」
不安がる僕をいざとなったらキミに英雄作成の気持ちよさを体感してもらうよ、などと横で笑うマーリン。
「で、これからの予定は?」
「その
「問題ないだろう。で、その一族はどこにいるんだい?」
「ここからずーーーーーっと東に行った国さ。私たちのマスターの故国、と言えばわかるかな?」
「マスターの故国.....日本か!!」
僕達は今欧州にいる。ということでこれからの移動手段に頭を悩ませるハメになったのであった。
つぎはステータス的ななにかをまとめたやつになります