ロマニside
「オラァ!!ごふっ!?」
「だら─がふっ!?」
現状、僕と刈愛は
「ちょっ、ちょっと聞いてたのと違くないかい?よっと」
「ハッ!そ、そうね、ここまでとは─フッ!!」
聞いた話では多くて20人程度ということだったが、乗り込んでみればなんと100人近くの敵が集まっていた。
「はぁ、は─やあっ!!」
ようやく残り10数人となり終わりが見えてきたが、刈愛ちゃんは明らかに疲弊している。
「だ、大丈夫かい?あとは僕が─」
「大丈夫っ!!」
しかし、刈愛ちゃんは心配させたくないのか僕の再三の呼びかけを拒否する。
「─ったく、やってくれるねえ君達。おかげで私の計画は御破算だ」
すると突然おそらくこの集団のボスと思われる人物が口を開いた。
「まあいい、君達の力はわかった──」
そこからその人物はぶつぶつと呟き出した。
─カッ!!!
「くっ!?」
突然魔法陣が出現し、直視できないほどの光を放出した。
「出よっ!!旧きギリシアの大英雄よっ!!」
そしてそう叫んだ瞬間、魔法陣の中から見覚えのある
「お前はっ!?」
「■■■■■■■ーーーーーーー!!!!」
「な、なに?」
ヘラクレス─誰もが知っている大英雄。突然現れた大男に刈愛ちゃんは気が動転し、動きが止まってしまっていた。
「刈愛ちゃん、あぶないっ!!」
「え─」
─どぼっっ!!!
その隙を大英雄は見逃してはくれなかった。その大きすぎる拳は刈愛ちゃんの身体をお腹を支点にくの字に曲げ、壁まで吹っ飛ばした。
「─ぅう゛っっ…?」
壁に叩きつけられた刈愛ちゃんはどうやらまだ何が起こったのかわかっていないようだった。口からヨダレを垂らしながら目を見開いている。
「んくっ!?…っぷ……んぐぷ……っ」
そこから徐々に前かがみになり、お腹を抱えつつ口元を手で抑えだした。
「…っく…んぶ……んへ゛へっっ!?」
なんとか我慢しようとしていたが、やはり耐えられず嘔吐してしまった。
「ハッハッハ、私に逆らうとはこういう事だ。よく覚えておきたまえ─ま、ここで死ぬから意味ない、か」
なんか言っているのは聞こえたが、僕は刈愛ちゃんの容態の確認作業を行った。
「う゛っ!?ん゛へ゛っっ!?ゲホッ、ゲホッ……お゛え゛…」
やはり内臓─主に消化器系へのダメージは深刻で、胃か何かが傷ついたのか吐血も激しい。
「ロマ……ニ…逃げ……て…」
「…………」
そんな中でも刈愛ちゃんは僕の身を案じてか逃げるよう促す。けど─。
「まったく、言っただろ?自分を大切にしなさい、って」
僕は最低限の治療を行いながら刈愛ちゃんを諭した。
「で……でも……」
「大丈夫。ちゃんと倒してきてあげるから」
─そこから『私』はかの大英雄と相見えんと戦場に戻った。