※この作品はR-18です。

グランドキャスターが往く   作:エミヤ好きのギルファン

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刈愛side

 

「くうっ……待っ…て………ダ…メ」

 

突如現れた大男の強さ─パワー、スピード申し分ないものだった。まったく対応が出来ずに痛手を負わされてしまった。

 

「カッカッカ、なんだ?まだやるのかい?」

「…………」

 

首領格の男は圧倒的戦力を手にしてロマニを挑発し始める。ロマニは何も言わず大男の方に歩みを進める。

 

「おいおい、それ以上進んだらキミ死ぬよ?死ぬよ?」

「…………」

 

それでもロマニは歩みを止めない。

 

「チッ、無視かよ。じゃあお望み通り─行けっ!!ヘラクレス!!」

「■■■■■ーーーーーーー!!!!」

 

ついにロマニへの抹殺命令が大男に出され、大男は咆哮をあげる。

 

「…いやっ!」

 

私がちゃんと避けていれば…私がもっと強かったら…そんな後悔が頭を過ぎる中、ロマニが殺される様を直視出来ずに私は目を瞑った。

 

「ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

 

やめて…やめてやめてっ!!私は祈るが絶叫は止まない。

 

「か゛あ゛あ゛あ゛っ!!な、なぜ!なぜ私か゛あ゛あ゛あ゛……」

「…えっ?」

 

しかし、よく聞いてみるとロマニの声というより─確認するために私がゆっくりと目を開くと─。

 

「…終わったぞ」

「………なん……で…?」

 

さっきまでと何一つ変わらないロマニの姿がそこにあった。

 

「まあ、種明かしはできないが私にはこ(・)う(・)い(・)う(・)能力があるとだけ覚えておけばいい」

 

どういう事なのか。そしてなんかロマニの口調がいつもより固い気がする…。

 

「─いや、さすがに僕もア(・)レ(・)相手に殴り合いなんてできないからね。ちょっと裏技みたいなものさ」

 

と思ったらいつの間にか普段のロマニに戻っていた。

 

「それより─」

「きゃっ!?」

 

すると突然ロマニが私を俗に言うお姫様抱っこしてきた。

 

「ちょ、な、お、下ろし…ゲホッ!?」

「ほら、まだ身体治ってないんだから、このまま車まで送るよ」

「う……ありがとう…」

 

そしてロマニの言う通り、私はお姫様抱っこされたまま車に連行された。

 

 

 

 

「体調はどうだい?」

「だいぶ良くなったわ」

「よかった……」

 

それから宿泊先に戻り、ロマニの治療の甲斐あって腹部の痛みと吐き気はほとんど治った。

 

「…ごめんなさい。今日はなんの役にも立てなくて…」

 

正直今回の仕事はロマニ1人の方が何事もなく終わったと思う。私にはまだ実力が足りない…。

 

「…まったく」

「ふぇ!?ちょ、え、」

 

すると突然ロマニは私を優しく抱きしめてきた。あまりに突然過ぎて何も言葉が出てこない。

 

「いいかい、まだ僕もキミも子供だ。いちいち完璧なものを求めていては疲れてしまうよ。子供は子供らしく失敗しなきゃ。キミは少し思い詰めすぎだ」

 

そう私の背中を優しく撫でながら諭すように言うロマニ。

 

「……うん」

 

そんなロマニの優しさに甘えたくなり、私もロマニを抱きしめ返し、涙がこぼれた。

 

 

 

 

「…いつもありがとね」

 

それから互いに流した汗を洗い落とし、明かりを消して2人でベッドに入った。そして数分くらい経って私はロマニに感謝の言葉を述べた。

 

「なんだい?突然」

「ふふ、とぼけないで。いっつも気にかけてくれて、私嬉しいの」

 

そう、ロマニは朱染家(うち)に来てからずっと私のことを気にかけてくれていた。

 

「…だから、これからは私もロマニのこと、ケアして…あげたいな…って…」

 

そう告げて私は向こうを向いているロマニの背中を抱き寄せた。

 

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