※この作品はR-18です。

グランドキャスターが往く   作:エミヤ好きのギルファン

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亞愛side

 

『好きなら素直に好きと言ってくれたらいいのに』

 

「…っ!!」

「もらったッ!!」

「しまっ─!」

─ドスッッ!!ズドッッッ!!!

 

どうしてか萌香との組手の最中、昨日マーリンから言われた言葉が脳内に蘇り、動きが止まった所に萌香のミドルキック、そして後ろ回し蹴りが私の緩み切った腹部に突き刺さった。

 

「…っがは……はあぁぁ…っ」

 

お腹から発せられる鈍痛に身体を支配され、背中を丸めて半開きの口からねっとりとしたヨダレが垂れる。

 

「だ、大丈夫か?姉さん」

「…っぐ……大…丈夫……じゃないかな…」

 

萌香が心配そうに駆け寄ってくる。力入れてなかったし萌香の攻撃も喰らうとキツい…。

 

「どうしたんだ?急に動きを止めて…」

「そ、それは…」

 

マーリンの言葉に惑わされたから、なんて口が裂けても言えるわけなかった。

 

 

ロマニside

 

珍しく萌香が亞愛を連れて僕の元にやって来たと思ったら、なんと萌香が亞愛と組手をして勝ったらしい。悪いけど2人の実力差じゃそんなことめったに起きないはず…。とりあえずしきりに謝罪してくる萌香を落ち着かせて退出させる。

 

「…とりあえず、診せてもらうよ」

「…おね……がい…っくぅ…」

 

診てみると亞愛のお腹はひどく痙攣していた。これは─。

 

「…キミらしくないじゃないか。明らかに油断して緩み切ったところに攻撃をもらっただろう?」

「…っぐ……さすがね……」

 

辛そうな顔でそう答える亞愛。

 

「どうしたんだい?何か悩みがあれば聞いてあげるけど…」

 

おそらく心の中に何か気を散らす物があるのだろう、そう予見して亞愛に尋ねてみる。

 

「……いいわよ。その前に早く治して……ホント苦しいから…」

 

その言葉に僕は慌てて治療を始めた。

 

亞愛side

 

「ったく、やっぱりアイツはクズ野郎だな」

 

ロマニと隣同士ソファに座り、私がマーリンにされてきたことを話すとそんな独り言を呟いたロマニ。やっと味方が現れた、と私は心中歓喜していた。

 

「話はわかった。僕の方からアイツに言っておくから」

「ありがとう、助かるわ」

 

ロマニの言葉に思わず涙が出そうになる。

 

「けど──」

「…けど?」

 

ん?なにやら話の流れが変わりそうな予感…!

 

「…キミはキミでアイツのこと意識してるのは事実だろう?」

「なっ……!?」

 

ロマニの言葉に顔が急激に熱くなる、心臓がキュウと締め付けられる気分になる。

 

「そ、そんなわけッ!!」

「─あるだろう?現に今僕の横には顔を真っ赤にした女の子がいる訳だし」

「〜~~~~~~」

 

恥ずかしさのあまり私は隣のロマニの肩をぽかぽか叩いた。

 

「いたたた……まったく、そんなんだからアイツの思う壷なんだぞ?」

「う、うう、うるさいッ!!ロマニだってマーリンにいっつも弄られてるくせにっ!!」

「なっ!?そ、そんなことは…!」

 

それからしばらく私はロマニと口喧嘩を始めた。

 

「ふんっ!ロマニに相談した私がバカだったわ!」

「ああ、そうかいっ!じゃあキミがマーリンを意識してること本人にバラしてやるからなっ!」

「ちょ、それはやめなさいよっ!」

 

状況的にどうしても不利な私は徐々に言い負かされ始める。というか口喧嘩とかしたこともないし苦手なのよ!

 

「…うぅ……ロマニのオニ…」

「元はと言えばキミが自分の気持ちに素直じゃないからだろ!」

「自分の……気持…ち…?」

 

そんな…ホントに私はマーリンのことなんて…。

 

「……とりあえず、まずは意固地にならずに自分の本心に気づくべきだ。それから、また相談したいなら乗ってあげるよ」

 

その言葉を最後に私は部屋を追い出された。

 

 

「なによ……私はマーリンなんて…ブツブツ」

「亞愛?亞愛はいる?」

 

部屋に戻ってイライラしているとアカーシャさんが部屋にやってきた。

 

「…何ですか?」

「あら、あんまり顔色良くないけど…」

「…さっき萌香と組手をしてたから疲れてるんだと思います…」

 

ホントは心の中が滅茶苦茶にされたからだけど…。

 

「そう……いつも相手してくれてありがとう。とりあえず、私と一緒に一茶さんの部屋に来てくれない?」

 

お父様の部屋…?滅多な事じゃないと呼ばれないけど─今回はそ(・)の(・)滅多な事だろうか。

 

「分かりました」

 

私はそう返事してアカーシャさんの後について行った。

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