亞愛side
「…はいっ!動いていいわよ」
「うぅ……なんか恥ずかしいな…」
パーティ会場に着き、アカーシャさんにドレスの着付けをしてもらったわけだけど…。
「ほぉ、なかなか露出が激しいじゃないか。眼福眼福…」
「黙れ!」
「ぶっ!?」
今回用意されたチャイナドレス…脇腹から背中にかけて肌が見えるようになってる上、足のスリットもかなり上まである。
「はは……確かに目のやり場に困る恰好だね、これは…」
「うぅ、ロマニまでぇ…」
「いたた…でも凄くキレイじゃないか。自信持って♪」
「ヒィっ!?どこ触ってんのよッ!!」
マーリンのアホが露出した脇腹に直に触れてきたので再度ビンタしてやった。
「…まったく、で、今は刈愛待ち?」
「そうだね、キミの恰好を見ると少し不安─」
「ん?どした─」
ロマニが突然固まってしまったので視線の先を見ると─私も目の前の光景に言葉を失った。
「いや……見ないで…」
「ほほお、これはまた…ホントにキミ、11歳なのかい?」
初めてマーリンの言葉に賛同するかもしれない。刈愛のドレスは胸とお腹の部分が大きく開いており、胸の谷間と程よく引き締まったお腹が顕になっている。
「アカーシャさん…やっぱり変えてほしいよぉ…」
「ご、ごめんなさい…替えのドレスがなくて…」
「うぅぅ……ぐすっ…恥ずかしい…」
なんとか腕で肌を隠そうとするけど、余計に胸が…。いや、言わないでおこう。しかしこのまま泣きべそ状態でパーティーに出席する訳には─。
「─刈愛」
「いやっ!?み、見な─」
─ギュッ
そう思っていた矢先、ロマニが刈愛を呼び止めるとそのまま抱き締めた。
「キレイだよ、刈愛」
「ふあぁぁ…」
ロマニに抱き締められた上に褒められて、刈愛の顔が真っ赤に染まる。
「…だから、もっと見せて欲しいんだけど、ダメかな?」
「……う…ん」
いや、ロマニカッコよすぎない?いつものロマニとのギャップが凄すぎて開いた口が塞がらないよ…。
「あらあら、仲が良いわねぇ」
…もうデキてると言っても過言ではない、と私は思う。当の本人達にそう言うと全力で否定されるけど。
「私たちも彼らに倣ってスキンシップするかい?」
「嫌よ」
どさくさに紛れて何を言い出すのかこの男は。
「アンタもさっさと着替えなさいよ。ほら!ロマニもイチャイチャしてないで着替えてきなさいよ!」
「なっ!?イ、イチャイチャなんか…!」
「そ、そうよ!何を言ってるのかしら姉さん!?」
いや、どう見たってイチャイチャだからアレは…。
「ふぅ、慣れない恰好は辛いね」
「まったく、スーツなんて何時ぶりだい?」
数分後、スーツ姿のふたりがやってきたわけだけど…。
「どうだい?私のスーツは」
「……似合ってるじゃない」
うぅ、悔しい…悔しいけど─マーリンのスーツ姿に見惚れてしまった。普段の服装では体型がわからなかったけど…こうして見ると結構鍛えられていることが分かる。
「ハハハ、ようやく素直に─」
「~~~~~~~!!」
「いだだだ…や、やめないか!」
ムカつくので髪の毛を思いっきり引っ張ってやった。
「ハハハ…やっぱり似合わないかな。こんな服装…」
「そんなことないわ。とっても素敵よ」
向こうではまたイチャコラ始まったし…。まあ刈愛が凄い幸せそうでこっちも心が温まるし、なにより刈愛に密着された時のロマニの表情の固さは写真に収めておきたいくらいだ。
「朱染様、お時間でございます」
気づけばもうパーティー開始5分前になっていた。
「じゃ、行こうか」
そう言ってマーリンが私に腕を差し伸べてくる。何を求められているのかすぐわかり、顔に熱が集まる。
「…うん」
私はその顔を直視出来なかったが、しっかり腕を組んでマーリンの横を歩くことを決意した。