ロマニside
「...どうしたものか」
目的地まであと少しといったところで結界に行く手を阻まれる形になった。
「亞愛ちゃん、解いてくれない?」
「し、知らないわよ.....私だって今日初めて行くんだし...」
「えっ、そうなのかい?」
突然の仰天発言に僕は動揺した。家なのに初めて...?
「まあ仕方ないさ。嘘は言ってないようだからね。僕がちょちょいと解除しておくからちょっと待ってておくれ」
するとおそらく千里眼で亞愛ちゃんが嘘を言っていないことを見抜いてマーリンが(珍しく)自ら結界解除を始めた。
「...亞愛ちゃん、家に行くの初めてって言ってたけど何があったんだい?」
その間、さっきの発言が気になったので質問を投げかけた。
「あ、アンタには...カンケーない...」
「そうか、まあ話したくないなら無理にとは言わないけど...」
まあ込み入った話になのかもしれないし深入りはしなかった。
「よっと、終わったよ。さあ早く行こう」
するとちょうどマーリンが戻ってきたので改めて車を走らせた。
「ほぉ〜、これがキミの家、いや、お屋敷と言った方が相応しいかな?」
行き着いた先にはとてつもない豪邸がそびえ立っていた。
「おい!なんだ貴様らはッ!!」
その佇まいに圧倒されてると門番のような者達に取り囲まれた。
「いやあ、ここに用事がある子をたまたま拾ってね。送ってあげたというわけなんだが…」
「何っ!?貴様の話は胡散臭い!とりあえず降りろ!!」
─やっぱり
「おやおや、血気盛んだねえ。とりあえず、ここの主人を呼んできてくれないかなっ!!」
あ、めんどくさくなって幻術かけたな。さっきまで敵意むき出しだった門番があっさり言うことを聞いてどこかに向かっていったし。
「私に何か用かしら?」
「あなたがここの?」
「主人が不在なので私─アカーシャ・ブラッドリバーが代わりに対応します。」
「アカーシャさん、ね。私はマーリン・ペンドラという者でね。この屋敷に行きたいって子が立ち往生していたものだから連れてきてあげたのさ」
あれから少し経つとすごく美人な女性がやってきた。
「その前に─どうやってここまでやってきたのですか?周囲には厳重な結界が張ってあったはずなのですけど」
「ああ、その結界なら解除して入ったよ。アレくらいなら数分あれば問題ないかな。あ、心配しないでくれたまえ、穴はしっかり塞いでおいたから」
「おいバカっ!!そんなこと言ったら怪しまれるだろ!」
結界のことを聞かれ、バカ正直に話すマーリンに僕は思わず声を荒らげた。
「─そうなんですね...なかなか油断ならないですね、アナタ達は。それはそれとして、その
「ああ、それなら─」
この子です、という声に合わせて僕は亞愛ちゃんを車から降ろす。
「あ、アナタは...!」
「いやあ、彼女大変でしたよ?何十人という男達にひたすら嬲られてましたから。僕達が見つけた時には瀕死だったんですから」
「な─」
マーリンの言葉にアカーシャさんの顔が強ばる。
「ほ、ホント...なの?」
「...まあ.....一応は...」
アカーシャさんの問に亞愛ちゃんが答える。
「まあ、そういうことで彼女は渡します」
そして僕はアカーシャさんの元に亞愛ちゃんを連れていく。するとアカーシャさんは亞愛ちゃんを抱き締めた。
「ごめんなさいっ!助けに行ってあげられなくて...」
「えっ、哎呀っ、わ、私が弱かっただけだから...」
突然のことに亞愛ちゃんは体が硬直している。
「─で、ここからが本題なんだけど」
そんな中マーリンが再度口を開く。
「恩を着せるようで悪いけど、私達をここに居候させてはくれないだろうか?」
「.......はっ?」
この時の亞愛ちゃんの驚いたような引きつった顔はなかなかインパクトが凄かった。