「ラウラと?」
「ああ、友人となった」
さすがに月曜の朝帰りは色々と不味いと思い、夕方に鈴と共に寮へと帰った一夏を待っていたのは、少々驚きの知らせであった。場所は一夏とシャルの部屋。そこに、箒達もいれて五人で話していたのだ。
「あたしともなってくれるのかしら?」
「聞いてみたらどうでしょう? 今日の感じですと、きっと大丈夫だと思いますけど」
「うん、ラウラも一夏との約束を守ろうとしてるんじゃない?」
「そっか。やっぱり根は良い奴なんだな」
にこりと笑って返す一夏だが、そんな彼はその両手で箒とセシリアを抱き締めている。鈴はもう今日十分可愛がられたので平然とし、シャルはこの後たっぷり相手されるので苦笑していた。ただ、されている箒とセシリアは嬉しそうに微笑んでいる。何せ彼の抱き締め方はいやらしさの欠片もない、愛情のみの抱き締め方だったのだ。
「それで、もう一つお前の耳に入れておきたい事があってな」
「ん?」
「ラウラさん、どうも一夏さんへ恋をしているようですの」
「俺に?」
「間違いないと思うよ。だって、一夏と山田先生のデートを尾行してたらしいし」
「そ、そうか……ラウラが……」
どこか意外そうな顔をした一夏は、ラウラの変化に戸惑いながらも、なら確かめてみるべきだなと考えた。この辺りは、もう箒達との経験からの変化としか言いようがない。もし本気で好きなのであれば自分の想いをぶつけて、その結果次第では彼女も嫁としたいと、そう思うぐらい今の彼は男であった。
「何か、こう言ったらなんだけど、一夏に惚れる女、多くない?」
「まったくだ。小学生の頃はこんな事はなかったんだが……」
「きっと、女の園に一人だけいるのが大きいかと」
「それと、織斑先生の弟ってのもあるかな。だから人気者ではあると思うよ」
「でも、本気で俺を好きだって奴はいないだろ? 箒達レベルの視線や気持ち、感じた事ないし」
その一言は箒達四人の顔を笑顔に変えた。特に喜んだのは箒と鈴である。かつての思い出の彼は、彼女達の好意に鈍感であった。それが今やしっかりそれを理解し受け止めている。更に他と違うとまで言っているのだ。それは彼が間違いなく四人の気持ちをはっきり受け入れて感じている証拠であった。
「それに、俺を千冬姉の弟として好きってのは、例えてみればテレビのスターを好きってのと同じみたいな感覚だろ? 織斑一夏っていう一人の男として意識してる訳じゃないなら、俺としては踏み込む理由にはならないし」
「踏み込むと、セシリアや僕のようになっちゃうだろうし」
「ええ、確実にそうなります。一夏さんのアレはとても強力ですもの」
「ある意味、零落白夜よね」
「鈴、気持ちは分かるが……」
「そうだな。たしかに一撃必殺かも。な、セシリア?」
「い、一夏さんっ!」
「はいはい、イチャイチャするのはいいけどエッチはダメだからね? 今そうなったら全員でになっちゃうよ」
「俺は構わないけど、たしかに控えるべきだな。悪い、みんな。それとセシリアもごめんな。あまりこういう事は女の子に言っちゃダメだった」
たしなめるようなシャルの言葉に一夏も苦笑を返してセシリアへ謝りを入れた。それに彼女は小さく笑みを浮かべて首を横に振る。セシリアはむしろ嬉しく思っていたのだ。一夏が気を置けない相手と自分を認識してくれていると思えたためである。
「気にしていませんわ。これが公共の場であればたしかに怒りもしたでしょう。でも、ここはそうではありませんから」
「サンキュ、セシリア」
「でも、たしかに一夏が注目されてるのは事実よ。きっとそれは卒業した後も続くでしょうね」
「ISを唯一起動出来る男性。織斑千冬の弟。専用機持ちでどの国家にも所属していない人間。たしかにな」
「今は学園にいるからある程度は遮断されてるけど、きっと卒業近くになったら色々な企業や国が接触してくるはずだしね。一夏もそういう事を頭の片隅に入れておいた方がいいと思う」
「ああ、分かった。出来ればこれを受け入れてくれるような環境がいいなぁ」
その心からの声に、女性達は呆れるでも嘆くでもなく、嬉しそうに微笑んだ。そんな事があった翌日、一年一組の教室にはちょっとした異変が起きていた。
「えっと……」
「どうした?」
「いや、何でラウラが俺の席に座ってるんだ?」
そう、ラウラが一夏の椅子に座っていたのである。しかも悪びれもせずに。
「例のトーナメントの組み合わせは見たか?」
「え? いや、まだだけど」
「そうか。ならば教えてやる。お前は一回戦目、私とだ」
「そうなのか。じゃ、よろしくなラウラ」
「う、うむ。あの時の雪辱を果たすから覚悟しておけ」
「俺も簡単には負けないぜ。じゃ、席どいてくれ」
「……ああ」
どこか名残惜しそうに椅子から立ち上がり、ラウラはやや上機嫌で自分の席へと向かう。その背を見送りながら一夏は不思議そうな表情を浮かべた。
「一体何だって言うんだ? ……俺の席に座って待ってる必要あったか?」
そう自問した瞬間、一夏は考えた。好きな人の場所へちょっかいを出したい。それが出来て、しかもちゃんとした会話も出来た。自分を意識してくれていると伝わった。そう思っているのではと。
(試してみるか……)
ラウラが本当に自分を強く意識してくれているのか。それを確認するべく、一夏は席へ座ったラウラへと近付いていく。するとすぐに目があった。と、同時に微かに赤くなるラウラの頬。彼女の脳裏には、あのラブホテルで見た一夏の雄の顔と、試合後の男の顔が強く印象付いていた。
「な、何だ?」
「いや、もし良かったらなんだけどさ」
「ああ」
「鈴、覚えてるだろ? あいつもラウラと友達になりたいって言ってるんだ。だから、今日から一緒に昼飯食べないか?」
「い、いいのか?」
「ああ。俺としてもドイツにいた時の千冬姉の事を聞いてみたいし」
「いいだろう。なら、昼休みにな」
「おう」
口調こそ変わらないものの、表情は嬉しさを隠せない感じに綻んでいるラウラを見て、一夏は脈ありかもと思っていた。だが、まだ確信は出来ないとも思ってはいたが。それでも、周囲とは違う熱のようなものを感じてはいた。なので昼食時に関わってみて確かめてみたいと考えたのだ。
こうしてこの日も一日が始まる。授業内容もセシリアとシャルを得た一夏は理解を始めており、ゆっくりとだが着実に成長を遂げていた。実技の方も日々の訓練で磨いているため、基本動作ならば千冬からも及第点を与えられる程度にはなってきている。
ラウラも最初の刺々しさは薄れ、何より箒が率先して彼女へ教えを請うた事が他のクラスメイト達の警戒心を解き、布仏本音まで彼女へ教えを請う事で完全に打ち解けが始まった。そうなれば小柄で愛らしいラウラが人気者にならぬはずはなく、かなり戸惑いながら真面目に教えようとするところに余計人気が出るのは当然と言えただろう。
そんな様子を眺め、一夏達はそれぞれ苦笑しながら他のクラスメイト達へコツなどを教えていく。その授業が終わる頃には、ラウラはヘトヘトに疲れていた。慣れない事をしたためである。まあ、箒や本音のフォローもあったため、難なく教導を終える事が出来ていたが。
「大丈夫か、ラウラ」
「あ、ああ……些か疲れはしたがな」
「ラウラ頑張ってたもんねー。おつかれさま~」
「いや、二人には助けられた。その、色々と礼を言う」
「気にするな。お前が悪い奴ではないと知ってもらうには直接関わるのが一番だからな」
「うんうん、ラウラって実はかなり素直でカワイイってみんなも分かったと思うよ?」
「わ、私が、可愛い?」
理解出来ないとばかりに尋ねるラウラへ、箒と本音は笑みを浮かべて頷いた。更にそれを聞いていた一夏達までも頷いた事で、ラウラは顔を赤くして慌てて背を向けて歩き出す。まるで逃げるようにだ。
「お、おい、どこ行くんだよ?」
「着替えるっ! もう授業は終わったからな!」
当然と言えば当然の返しではあるが、そこに恥じらいか照れが混じっている事は誰の目にも明らかだった。それがまたラウラの可愛さを感じさせ、より彼らに笑みが浮かぶと知らずに。
そうして迎えた昼休み。食堂の一角に現状での一年生の専用機持ちが全員揃った場所が出来上がる。そこへ初めて参加したラウラは、鈴本人から友人になろうと言われて戸惑いつつ、その出された手を握り返していた。
「これであたしとあんたも友達よ。過去の事は水に流しましょ?」
「ああ。こちらもそれは同意する。改めてよろしく頼む、凰」
「鈴でいいわ。この集まりはみんなそう呼ぶの」
「そうか。ならば鈴、私もラウラでいい」
「ええ、分かったわ、ラウラ」
それは、戦い合ったからこその握手と言えた。鈴は素直に自分を負かした相手に敬意を表し、ラウラはラウラで自分を追い詰め一夏に敗北する切っ掛けを作った相手へ敬意を表して。そんな事があった後は、一夏からラウラへある頼みがされた。
「私に訓練相手を?」
「ああ。セシリアや鈴、シャルにも頼んでるんだけどさ。出来ればラウラにも頼めないかなって。勿論トーナメント後でいい」
「それは別に今日からでも構わないが、何故だ?」
「俺、色々あって千冬姉を超えたいんだ。いや、超える。そのためには、この学園にいる間に少しでも強くならないといけない。卒業までに千冬姉から一勝をもぎ取らなきゃ、俺は守る事の出来る奴になったと思ってもらえないから」
静かにだが力強く告げられる言葉。その内容にラウラは驚きを浮かべた。千冬に勝つ。それが意味する事の重さと困難さを彼女もよく知っているからだ。
(な、何だと? この男が守れるようになったと教官に思われるには、教官に勝利しなければならないというのか……)
当然ながら千冬は現役時代無敗である。そして、きっとそれは今も変わらないだろうとラウラは思っていた。一夏もおそらくそうだろう。だからこそ、彼は千冬に一勝する事を目標としているのだとも。
ラウラはそこで思い知る。自分は千冬に勝とうなど思っていなかった。いや、もう考える事さえしていなかったと。彼女の強さを目の当たりにすればそうなるのが普通なのだ。だが、一夏はそれでも勝とうとしている。それは何故か。それがラウラには分からなかった。
「教官にどうして勝ちたい。守る事が出来ると認めてもらうには、他の方法もあるだろう」
「……俺が守りたい人達を守り続けるためには、千冬姉がこっちへ何も言えないようにするしかないんだ。今のままじゃ、俺は泣かせたくない人達を泣かせるしかなくなるから」
しっかりとラウラの目を見つめての言葉は、その心へ深く響いた。やはり目の前の男は、自分へ言った通りに誰かのために力を得ようとしているのだ。そして、そこでラウラはこう考えた。一夏が千冬に勝ちたいのは、姉をも守れるようになりたいからではないか、と。
「……分かった。ならば私も協力してやる。教官に勝ちたいと思うその気持ちも、分からんでもない。かつては私もそう思った事があったからな」
「そっか。ありがとな、ラウラ」
この中で唯一全距離で高い戦闘力を持ち、更に千冬からISを教わったラウラが教官に加わった事は、一夏にとって大きなプラスと言えた。だが、勿論彼にとってはそれだけではない。自分へ強い想いを抱いているかもしれない少女との距離を詰める事が出来るのだ。これが、ある意味では一番大きいと言える。今の一夏は、抱けるものなら色んな女性を抱きたいと思ってしまいそうになる程、その精力が高まっているのだから。
それでも無理矢理は行かない。真耶もセシリアも自分への好意が見え、尚且つそれが強いと思えるものがあったからこそ手を出した。そういう意味で一夏はまだ雄ではなかったと言える。人としての部分を残していたのだ。だからこそ箒達も彼を心から想っているのだから。
「じゃ、早速今日の相手はラウラにしてもらったら?」
「そうですわね。勿論、アレは無しで」
「当然だ。あれは訓練には必要ない。それに、こいつへ使うとまたあの抜け方をしかねんし」
「いや、俺も普段はあんな無茶やらないぞ?」
「逆に言えば、そうでもして勝ちたい時はやるという事か? ……まったく、お前と言う奴は……」
箒の言葉に気まずそうな顔をして黙った一夏を彼女達は呆れた目で見る。だが、その根底には認めた男のらしさを感じ取って嬉しくも想っていたが。そんな和やかな昼休みが終わり、やがて放課後がやってくる。今日もアリーナの使用許可を取り、一夏は訓練に励んでいた。
「くっ、やっぱあの能力がなくてもラウラは強い……っ!」
「当然だ。私は教官からISについて一から叩き込まれている。いくら弟のお前でも簡単に正攻法で勝てると思うな」
基本の習熟は終わり、応用という形での訓練になった事もあって、一夏は実戦経験を積まされる事になった。セシリア、鈴、シャル、そしてラウラ。専用機持ちであり、四人中三人が国家代表候補という贅沢な時間を。
彼は、そんな周囲の期待と協力に応えるべく、全身全霊を以って訓練に臨んだ。千冬似の素質を磨き、零落白夜を最高のタイミングで炸裂させられるようにと。無論回避運動や瞬間加速の使いどころなども意識して。
「そういえば、僕はまだ一夏とこうなってから日は浅いんだけど」
一夏がラウラのワイヤーブレードを瞬間的に稼働させた雪片弐型で切断するのを見ながら、シャルがポツリと呟いた。それに他の三人の視線が動く。
「どうして、白式って追加武装とかがこないの?」
「それか……」
「実は、一夏曰く開発が難航しているそうだ。何でも、白式自体が雪片弐型以外を受け付けなくてな」
「どうも、かなりワガママみたいなのよ、あのIS」
「そうなんだ。じゃ、専用装備じゃないの試してみない? 僕のISが収納してる中には通常兵装もあるんだ」
「ああ、パッケージではなくという事ですの。それなら今の一夏さんでも使えそうですわね」
「じゃ、試してみましょうよ。ちょっと~っ! 一夏もラウラもストォ~ップっ!」
鈴の大声に二人の動きが止まる。そして即座にラウラが、やや呆れた顔で彼女の腕にある待機状態のISを指さした。その動きだけで彼女が何を言いたいかを察し、鈴は少しだけバツが悪そうに甲龍を展開した。
『呼び止めるのなら通信を使え』
「し、仕方ないでしょ。善は急げって言うじゃない」
『それで、一体何だよ鈴。何かあったか?』
「そのさ、シャルルが白式の武装の事で一つ試してみないかってね。えっと……」
鈴の説明で一夏とラウラも事情を理解、ならばと訓練を中断して、急遽白式への武器お試し会が開催される事となった。
「じゃ、これ使ってみて」
「ああ。銃火器は違和感強いけどな」
「もしこれで使えれば、一夏にそれをしばらく貸すよ。ただ、データはもらうけど」
「ちゃっかりしていますわね、シャルルさん」
「まぁ、それが元々の目的だったしな」
「こうなると専用装備で形成せざるを得ない我々は柔軟性に欠けると分かるな」
ラウラの言う通り、ほとんどの専用機はその装備が固有の物で形成され、シャルのISのような高い拡張性を武装面で有するのは珍しいのだ。一応専用機には、パッケージと呼ばれる拡張装備が存在するが、それも専用の武装を運用する事に変わりはない。
「でも、あまり他のISへ武器を貸すって発想自体がねぇ……」
「ですわね。そういう考え方で言うと、シャルルさんのも本来の用途はそこではありませんし」
「様々な武装を持ち、状況に応じて使い分ける。言うのは簡単だが、それはかなり高い判断力と技術を要求される。そういう意味でシャルルは優秀なのだな」
「や、止めてよ。国家代表候補に褒められると恐縮しちゃうから……」
「まぁ、実際優秀なのは本当だからな。諦めろ、シャルル」
「箒までぇ……」
照れくさいやら嬉しいやらとシャルは少しだけ落ち着きがない。そんな中、一夏は一人静かに渡された銃火器を見つめていた。そして、その引き金を引く事なく小さく息を吐くとシャルへと返したのだ。
「え?」
「ありがとうな、シャル。でも、やっぱりいいよ。その、俺は雪片だけで戦う」
「……いいの?」
「ああ。千冬姉を超えたいと思うのなら、同じ条件じゃないとな」
その言葉に秘められた一夏なりの想いを汲みとり、シャルは小さく苦笑しながら渡された武器を再び収納する。男の意地をそこに見たのだ。箒達もそれが分かったのだろう。シャルと同じような笑みを浮かべている。ただ一人、ラウラだけが不思議そうに一夏を見つめていた。
「そこまでこだわるのか?」
「ま、俺なりのプライドみたいなもんだ」
「そうか。プライドか」
「て事で悪いな手間取らせて。ラウラ、続きを頼むぜ」
「分かった」
こうして再開される訓練を眺め、シャルは思うのだ。
(男の子って、本当にいくつになっても子供なんだな。純粋に、ひたむきに、夢を追い駆けるんだ……)
千冬と同じ条件で超える。それがどれ程困難で苦しい道か分からぬ一夏ではない。だけど、それだからこそ行こうとしている。そうシャルは思った。そして、きっとその在り方を自分以外も好ましく思っているはずとも。そう、今彼の相手をしている少女とて例外ではないだろうと。
(教官と同じ条件で超えなければ意味がない、か。織斑一夏……お前という男は……)
ワイヤーブレードを掻い潜って接近を試みる一夏を見つめながら、ラウラは無意識に笑みを浮かべる。それは、好ましく思っての優しい笑み。すると、それに一夏が見惚れて動きを止める。そして当然そうなれば彼をワイヤーブレードが襲った。
「ぐっ!」
「何を呆けている! 訓練に集中しろっ!」
「分かってるよっ!」
ラウラの笑みが怒りに変わり、一夏の動きが元に戻る。だが、その一瞬が実力者相手には命取り。ラウラの怒りも相まって攻撃は激しさを増して一夏を襲い、訓練は彼の敗北で終了となるのだった。
「一体何故急に動きを止めた?」
訓練終わりの反省会。開口一番ラウラが尋ねたのはそれだった。一夏はその問いかけにどう答えようとかと考えて素直に告げる事にする。この辺りに彼らしさがあった。
「いや、ラウラが可愛く笑ったもんだからさ」
「なっ!? か、可愛い?」
「ああ。ラウラってあんな風に笑うんだなって、そう思って少し見惚れてた。悪い」
「っ! そ、その、訓練中は他事に気を取られるな。次に同じ事をやったら承知しないぞ」
「ああ、分かった。ラウラ、今日はありがとな」
「べ、別にいい。私はこれで失礼する」
頬を朱に染め、ラウラはやや早口にそう告げると一人先に動き出す。その背を見送り、苦笑する箒達女性陣と、腕を組んで思案顔の一夏。
「どうやら、ラウラは可愛いと言われる事に慣れないようだな」
「ホント、可愛いとこあるじゃない」
「ですが、分からなくもないですわ。気になる異性に褒められると舞い上がってしまいます」
「そうだね。にしても、ラウラってどうして眼帯してるんだろ? 誰か知ってる?」
揃って首を横に振る箒達。一夏はその会話が聞こえてないのか、ただ黙って考え込んでいた。
(ラウラは昔自分も千冬姉に勝とうと思ってたって言った。だけど、何で昔なんだ? 今はもう思ってないって、そういう事か?)
何故ラウラが千冬に勝つのを諦めてしまったのか。それが一夏には分からなかった。彼女は千冬に憧れている。そんなラウラならば、いつの日にか超えてみせると思うものではないか。そう一夏は考えていたのだ。そんな彼の肩を軽くシャルが叩いた。
「一夏? どうしたの?」
「え? あ、ああ、悪い。考え事をしてたんだ」
「ラウラの事だろ。まぁ、その感じからするとスケベな事ではないようだが」
「ああ、何でラウラは千冬姉に勝つのを諦めたんだろうなって」
その瞬間、一夏を除いた全員が何かを悟ったかのように声を漏らした。彼女達には分かったのだ。ラウラが何故千冬に勝つ事を諦めたかが。
「多分だけど、ドイツ時代にこれでもかって程負けたんでしょ」
「そこで心を折られたかと……」
「その反動で心酔しちゃったんじゃないかな?」
「お前は千冬さんに直接負け続けた訳じゃないだろう。ラウラはそれをされたんだと思うぞ?」
「…………成程」
想像して一夏も理解した。千冬はラウラ以上に徹底する人間だ。それこそ反抗心でも見せればこれでもかとばかりに折りにかかるだろう。教官という立場ならば当然と言うように。そこでラウラは完璧に反抗心や反骨心を砕かれたのだと思ったのだ。
「それでも、俺に協力してくれたのか。いや、だから余計にかもな」
「そうだな。ラウラもお前にかつての自分を重ねたのかもしれん」
箒の言葉に一夏も頷き、彼らはアリーナから歩き出す。目指すはいつもの如く一夏と同じ更衣室だ。これからの事を考え、四人の少女はそれぞれにそれとなく少年への性的アピールを始めた。箒は前を歩きながら不自然に臀部を左右に振って、セシリアは腕を組むようにしながら胸を強調、鈴は一夏の右手へ臀部を軽く触れさせ、シャルは流し目を向けつつ時折右手で彼の股間を撫でる。
「ったく、お前達は……」
言いながらペニスを勃起させ、分かってると言外に告げる一夏。その瞬間、四人は雌の顔になる。そしてそのまま五人は更衣室へと入って行く。
一方その頃、ラウラは更衣室で着替え終わって長椅子に座っていた。
「……遅いな」
初めて出来た友人達を待っていたのである。一緒に食堂へ行って夕食をと、そう思っていたラウラはシャワーを浴びて着替え終える頃には箒達が来ると思っていたのだ。だが、一向に来る気配がない。もしや、まだ一夏との反省会をしているのか。そう思った彼女は、確かめに行こうと立ち上がった。
更衣室を出てアリーナへと向かうラウラ。しかしすれ違う事もなければ声が聞こえてくる事もない。内心で小首を傾げながら遂にアリーナへと到着してしまう。そこには誰もいない。
「どういう事だ?」
置いて行かれたという発想はラウラにはない。そんな事をする者達ではないと思えるだけの強い信頼を箒達へ抱いている証拠だ。だから考える。一体一夏達はどこへ行ったのかと。そこで思い浮かぶのはある意味で当然と言える場所。
「もしかして、あいつの使っている更衣室で続きを話しているのかもしれない」
アリーナは当然使用許可を取って時間制限もある。だからあまり長話などは出来ないのだ。それがあったから彼らは一夏の更衣室へ移動したのではないか。そう結論付け、ラウラは来た道を引き返した。
そして一夏の使っている更衣室へ辿り着き、ラウラは躊躇う事なくドアを開ける。そこには誰もいない。だが、ラウラは気付いていた。何か音が聞こえる事に。それは、併設されたシャワールームから聞こえる声だった。
「何だ、あいつだけか」
そう思って予想が外れたと思ったラウラであったが、その時誰かがシャワーから出てくる。その足音で一夏だと分かったラウラは、彼に箒達の居場所を尋ねようと決めてその場で待った。
「ん?」
「な……」
しかし、そこに現れた一夏は全裸のままだった。バスタオルで頭を拭きながら現れたが、当然のように一糸まとわぬ姿でラウラの目の前に現れたのだ。しかも、ペニスを勃起させたままで。
(あ、あれは……心なしか、あの時よりも大きい気がする……)
見た事のある時よりも逞しく雄々しいペニスに息を呑みながら魅入るラウラ。それもそうだろう。何せ、箒達四人を一度ずつ絶頂させて意識を軽く飛ばしてきたところなのだから。
そんな雌を屈服させる雄の象徴を見つめ、ラウラは忘れかけていたあの熱を思い出していた。下腹部を包む甘く激しい熱を。恥を忍んで相談した箒から「辛いかもしれないが、下手にするより何もしない方がいい」と言われて何とか克服したと思っていた、雌の疼き。それがまたラウラを襲っていたのだ。
「ラウラ、どうしてここに?」
「え? ……そ、その、待っていたのだが誰も来なくてだな」
「箒達か。そっか、ごめんな。俺が四人共足止めしててさ」
「そ、そうなのか。では、今はどこに?」
「そこのシャワーで気を失ってるよ。多分、今頃は誰か目覚めて精液とか洗い流してるんじゃないか?」
「な、成程…………ん?」
冷静に動かない頭で何とか受け応えるラウラだが、最後の最後で疑問を抱いた。そして少しの間を置いて彼女は急いでシャワーへと向かう。そこには……
「見てくださいまし。こぉんなにいっぱい注いで頂きましたぁ」
「あたしもよ。あ~あ、デキちゃったらどうしようかな?」
「言いながら顔が緩んでいるぞ、鈴。ふふっ、私はなにも後腐れなく学園を辞めるだけだがな」
「僕もそうかな。一夏の奥さんになって赤ちゃんを育てながら暮らせればそれでいいし」
全裸でそれぞれヴァギナから大量の精液を流しながら蕩けた顔をしている友人達の姿があった。ラウラはそこで知ってしまう。シャルがやはり女性であり、彼女達全員が真耶と同じ関係を一夏と持っていると。
「……そうか、そういう事だったのか……」
裏切られた。そう思ってもおかしくないのにラウラは不思議とそう思えなかった。理由は一つ。箒達が自分へ嘘を吐いた理由を何となく察していたからだ。それに、あの時言っていた事はあながち間違いでもないと思ったのもある。
(教官とあいつの事を考えたのは間違いないだろう。それに、自分達もそういう関係と明かせば、私がどう思うかを予想したに違いない。それでも友人となり、行動を共にしようと言ってくれたのは……)
箒達は自分達の関係性が漏洩する危険性を知りながら、ラウラと友人になろうとした。それが彼女には、彼女達の本心と思えたのだ。優しい四人の同級生だと、そんな風に思っているラウラの肩へ誰かの手が乗せられる。
「ラウラ、責めるなら俺だけにしてくれ。元々俺が箒達をこうしたんだし」
「こうした、とは?」
「えっとな……」
簡単に語られる彼女達の初体験。その内容を聞きながら、ラウラは愛液が流れるのを感じていた。箒のように組み伏せて欲しい。セシリアのように無理矢理犯すように抱いて欲しい。鈴のように荒々しく種付けて欲しい。シャルのように意識が飛ぶまで優しく愛して欲しい。
そう思いながらラウラは既に視線を一夏の顔からペニスへと向けていた。
「はぁ……はぁ……っ」
そして、もう一つ、ラウラの思考をセックス一色に変えている要因があった。
「だから、俺はみんなを嫁にもらって千冬姉に認めさせるんだ。そのためにも、俺はIS関係でかなりの地位へ登らないといけない」
ラウラの顔に付きそうなペニスの持ち主は、敬愛する女性の弟であると言う事。真耶と同じく、ラウラもまたそれが一夏へ想いを寄せる切っ掛けでもあったのだ。最早理性などほとんど残っていないに近いラウラへ、一夏は両肩へ手を乗せて告げる。
「でも、俺はラウラも欲しいって思っちまった。もし、ラウラもこんな俺でいいって思うのなら頷いてくれ。嫌なら、俺の事だけを千冬姉へ言ってくれていいから。頼むっ!」
「ぁ……」
勢い良く頭を下げた拍子にペニスがラウラの鼻先を掠めた。その瞬間、ラウラの鼻腔へ強烈な雄の匂いが入り込む。それは瞬時にその脳内をピンクに染め上げ、堪らずラウラはその場で軽く達してしまった。少しだけ仰け反り、反動で首を縦に動かしてしまうラウラ。それを視界に収めていた一夏は、それを了承と取った。
「そっか。ありがとな、ラウラ。嬉しいぜ」
「は? んんっ!?」
顔を上げてみればそこには笑顔の一夏。それに戸惑う暇もなく、ラウラは唇を奪われた。だが、その瞬間彼女は力強く両腕で抱かれる。
(こ、これはっ!?)
初めて感じる男の逞しさ。初めて感じる他者の温もり。そして何より、腹部へ突き当てられている硬く熱い雄の感触。それらがラウラに抵抗と言う概念を失わせ、代わりに従属という概念を想起させた。この相手に抗ってはいけない。勝てるはずないと、そう思わされたのだ。もとより小柄な彼女が一夏のような男性に抱き締められた時点で勝ち目はなく、ISを起動しようにもそんな意識を持てるような状態ではなかったために。
「……ラウラ、可愛いぜ」
「か、可愛いと言うなぁ」
「でも、本当だ。嘘は言ってないぞ、俺」
「……そうか」
「ああ。ラウラ、もう一度キスだ。目を閉じてくれ」
「ああ……」
優しい口付けはあの時見た真耶とのキスと違う。それもラウラには嬉しく思えた。自分は真耶と同じ扱いではない。自分は自分のみの扱われ方をされていると思えたからだろう。気付けばラウラも一夏を抱き締め返していた。体格差があるにも関わらず懸命に。それを嬉しく思わぬ一夏ではなかった。
「ラウラ、少し待っててくれ。着替えるから部屋で続きを、な?」
「……分かった」
この時、ラウラの視線は一夏のペニスではなくその目をしっかり捉えていた。色欲だけではなく愛情も備わったと、そういう事だ。歩き出す一夏の後をフラフラとついていくように移動するラウラの背中を、箒達が妖艶に笑って見つめていた。
「ラウラも、か……」
「まぁ、分かっていた事ですけどもね」
「あたし以上に小柄なのに大丈夫かしら?」
「大丈夫だよ。だって、女の体は……さ」
シャルの言いたい事を察して鈴は頷いた。そう、女は皆子を産めるようになっている。それに比べればペニスぐらい受け入れられると。だからこそ鈴は体験を基にこう呟かない訳にはいかなかった。
「ま、ラウラには気の毒だけど、今回で思い知るわ。オナニーなんて可愛いもんだったって……」
明かりも点いていない室内に響いてくるのは、何かを打ち付ける音と荒い呼吸のみ。いや、時折混ざるうめき声のようなものもあった。
「ふんんっ! んんんっ!?」
それは、一夏のベッドに仰向けになって逞しいペニスで何度も何度も子宮をノックされているラウラのものである。だが、その行為はいきなりそうだった訳ではない。最初は一夏もラウラが初めてというのを考え、優しく挿入。それでも一気に子宮まで辿り着いてしまったため、そこでラウラは一度意識を手放したが。
しかし、一夏はそこで意識が戻るまで彼女の体をそっと抱きしめ続けた。その温もりでラウラは比較的早く意識を取り戻したのだが、そこから彼女の天国のような地獄が始まったのだ。
そう、鈴がされた種付け体勢。それをラウラもされたのである。だが、そうされてラウラは喜んでいた。初めて感じる快感と刺激。女としての喜びを全身で感じられるそれに、彼女は急激に溺れていたのだ。
「ああっ! ラウラ、すっげぇ締まるっ! チンポ気持ちいいぞ!」
「わ、私もだっ! こ、こんな感覚があるなんて知らなかったぁ! 快楽で死ぬっ! 死んでしまうぅぅぅぅっ!」
「うおっ?! 今、すっごい締まったぞラウラ!」
「おちんぽぉ! おちんぽで殺されるっ! 一夏ぁ!」
目に涙を浮かべながら一夏へ強く抱き着くラウラ。その愛らしさに彼は興奮と愛情を強く抱き、優しくも激しくペニスを打ち付けた。その一撃がラウラの頭を大きく動かし意識を揺らす。
「イクぅぅぅぅぅっ!!」
「ああああああっ!」
遂に子宮へ注がれる一夏の遺伝子。その熱さにラウラは目を見開いた。だが、すぐにその目が蕩けるように細くなっていく。雌としての本能と、女としての理性が揃って満たされているからだ。
(この温かさは何だ……? それに、この満ち足りた気持ちは……)
知らず一夏へ回した腕に力が入る。すると、それを気付いた彼が微笑みと共にラウラの髪をそっと払った。
「ラウラ、どうだ? 今のがセックスだ。ま、エッチとかでもいいけど」
「言い方が複数あるのか?」
「ああ。チンポと一緒だ。ペニスにオチンポ、チンコとか色々だ」
「……教えてくれ。私は、そういう事をまったく知らん。お前の、一夏のものとなったのだ。全部お前から教えてもらいたい」
「いいぜ。ただ、一つだけ訂正させてくれ」
「何だ?」
何も間違った事は言っていないはずだ。そんな気持ちが声からはっきり伝わるのか、一夏は小さく苦笑してから優しい顔でこう言った。
「ラウラは俺のものじゃない。俺の嫁になってもらうんだ。そこだけ、間違えないでくれ」
「……嫁、か。嫁とは何だ?」
「奥さんの事だよ。この場合は、男の家に入る女性って事か」
「そ、そうか。分かった。私はお前の嫁だ」
そう宣言するように言った瞬間、ラウラの膣内でペニスが動く。その事に気付いて、彼女は少しだけ驚きながら一夏を見つめた。彼は、少々照れくさそうに笑いながらラウラを見つめている。その表情と反応に少女の胸が高鳴った。
「い、今ので喜んだのか?」
「ああ、嬉しかった」
「……そうか。私も、嬉しい」
体型が子供のようなラウラにとっては、鈴さえも自分より女らしく見えていた。そんな事にそれまでは意識を向けていなかったが、こうして一夏に抱かれた事でそれが変わったのだ。だからこそ、より嬉しくなっていた。本当に一夏が自分を女として見てくれていると実感出来るためだ。膣内にあるペニスが嘘ではないと動きを見せるのだから。
そんな女としての幸せを噛み締めているラウラを見て、一夏が気になっていたであろう事を問いかけた。
「な、ラウラ。その眼帯はやっぱり見えないとかなのか?」
「……気に、なるか?」
「そりゃあな。でも、無理に話さなくていいぜ。ラウラが話してもいいって思えたらでさ」
「そうか。なら、外してくれるか? 見えないとかではないのだ」
「そうなのか?」
「ああ、それに一夏になら構わん」
優しく微笑むラウラに、一夏は小さく頷くとそっと眼帯を外す。その下から右目とは異なる色の瞳が顔を出した。その色合いの美しさに一夏が黙り込んだのを、ラウラは違う意味合いに捉えたのか、少しだけ落ち込みながら口を開く。
「驚いただろう。これが、私の」
「綺麗だ……」
「……何?」
「ラウラって、両目の色がそれぞれ違うんだな。どっちも綺麗だと思うぞ。赤も金も、どっちも綺麗で吸い込まれそうだ。隠してるのがもったいないぐらいだぜ?」
今、一夏はその言葉が嘘偽りではないとラウラへ伝える状態となっている。そのため、ラウラは思わず感じてしまった。ある種のコンプレックスにもなっている左目。それだけでなく、右目も含めて受け止めるどころか褒められた事は、彼女にとって初めてにして最大の感激となったのだ。
「え? ら、ラウラ?」
「ん? どうした?」
「いや、えっと……気付いてないのか?」
「気付く? 何にだ?」
「その、ラウラ、お前……」
泣いてるぞ。そう言われてラウラはやっと気付いた。視界が滲んでいる事に。両目から涙が静かに流れ出ていた事に。それを自覚した瞬間、彼女は目の前の愛しい男へ感極まって抱き着いた。
「ラウラ!? も、もしかして今頃になって痛みが」
「違う……これは、そんな涙ではない……」
「じゃあ……」
「これは、嬉しいから出たものだ。私の目を、綺麗だと言ってくれた男はお前が初めてだから」
「…………そっか」
その一言で一夏もある程度察しをつけた。ラウラにとって左目を見せる事は、あまり良い思いをしなかった事だと。だからこそ彼の言った本音で涙を流したのだ。そう理解して一夏はラウラを優しく抱き締める。すると、それと同時にラウラの膣内が締まった。
「い、一夏、動いてくれ」
「ラウラ……」
潤んだ瞳で一夏を見上げるラウラ。その愛らしさに彼は息を呑みそうになる。銀髪が、汗でだろうか輝くように光り、異なる色の瞳による二つの眼差しが熱っぽく注がれるのだ。それは、もう少女の顔ではなかった。男を知った女の、雌の顔である。
「もっとお前を、いや貴方を感じていたい。私に刻み付けて欲しい。いや、こう言えばいいのだろうか。貴方の、子が欲しい」
「っ……ラウラっ!」
「ああっ! 力強い! そう、そうなんだ! 私は、私はこうされたいっ! もっと貴方を感じたいんだぁ!」
一夏のゆっくりとだが力強いピストン。それにラウラは蕩けた声を返して笑みを見せる。そんな彼女へ彼は何事かを耳打ちした。その内容にラウラはより一層笑みを蕩けさせ、小さく頷いて見せる。
「アナタぁ、大好きぃ! 私に、アナタのおちんぽミルクをたっぷり注いで母にしてくれぇ!」
「ああっ! ラウラ、可愛いぜ! 絶対そうするからな? 孕ませてやるからなぁ!」
「うん! うんっ! 孕むぅ! 私、絶対アナタの子を孕むからぁ!」
言いながらラウラは初めて見たセックスを思い出していた。そして理解したのだ。何故真耶があそこまで豹変していたのかを。この男に抱かれれば女は誰しもこうなるのだ。そう心から納得し、ラウラは体に似合わぬ妖艶な微笑みを浮かべる。
(ああ、私も同じだった。あの時見たのは、私の未来の姿だ……)
いつか自分も一夏とデートをし、あの場所で交わる時が来る。そう思うだけでラウラの膣内は収縮し、一夏のペニスを射精させようと動く。小さな体ではあるが、その構造自体はしっかりと大人のそれになっていた。一夏を全身で感じるように、ラウラは腕と脚を絡めていく。そんな彼女へ一夏はキスをした。舌を入れる、大人のキスを。
「っぷは、ラウラ、どうだ? 気持ちいいか?」
「ああ、気持ちいいっ! アナタはどうだ? 気持ちいいのか?」
「当然だろ? 可愛い嫁が求めてくれてるんだ! こんな風に、なぁ!」
「んあっ!? あ、アナタぁぁぁぁっ!」
子宮をしっかり捉えて離さないペニスの一撃。それがラウラの思考を焼き尽くす。チカチカと星が瞬くような感覚を覚えながら、ラウラは歓喜の声を上げる。感じる温もりと鼓動を放すものかとばかりに抱き着いて。そのいじらしい彼女へ、一夏は子宮をペニスで捉えたまま動きを止めると目を見つめてこう言い放った。
「愛してるぜ、ラウラ」
「っ!? あ……ダメだ……もう……っ~~~~~っ!!」
愛を囁かれた瞬間、放たれる精液。その熱と感覚がラウラの思考をドロドロに溶かして蹂躙していく。遠のいていく意識の中、ラウラは一夏にキスで口を塞がれて確信した。
―――ああ、もう私はこの人だけの女だ……。
とても幸せそうな表情でラウラは意識を手放す。もう今までのようには戻れないと、そう過去の自分へ別れを告げるように……。
無垢で素直なラウラ完堕ち。これでメインヒロインが五人揃ってのハーレムプレイが解禁されました。