大勢の人が行きかう中、一つの集団がその中で異彩を放っていた。女性ばかりの集団なのだが、その誰もがそれぞれ目を惹く美少女であり、引率者だろう女性はそのスタイルで男性の目を惹いていた。そして、もっとも人目を惹く理由。それは、その集団の中心にいるのが一人の少年である事だった。
「それで、一体どこで買うんだ? デパート?」
「一夏、さすがにそれはないぞ」
「あたし達、小学生とかじゃないんだからね」
幼馴染二人からの呆れ声での指摘に少年は申し訳なさそうに頬を掻いた。だが、そんな彼に二人はらしさを感じて内心苦笑していたが。
「私達が行くのは、ショッピングモールです」
「ショッピングモール?」
「うん。そこなら水着専門店があるんだ」
「既に事前調査済みだ」
胸を張るラウラに一夏は笑みを浮かべた。彼女がそれを行ったと察してだ。セシリアとシャルの前を歩くその姿は、まるで二人の妹のように見えなくもない。あるいは、親戚の子だろうか。どちらにしろ、友人とは思われないだろう。
「分かってるとは思うけど、あまり過激なのはダメですからね。あくまで授業の一環なんですから」
「「「「「「はい」」」」」」
「よろしい。あ、でも……」
「でも? 何ですか?」
真耶の口振りが先生から一転した事に気付き、一夏が不思議そうに問いかける。だが、周囲はもう分かっているのだろう。楽しげに笑う真耶と同じ顔をしていた。いや、ラウラだけが一夏と同じ顔をしている。
「プライベートな物に関しては、その限りじゃないのでお好きにしてね。分かった? 一夏君」
「……そういう事か。分かりました」
言外に二着買うぞと聞かされ、一夏は自分の仕事を理解した。今日自分がするべきは、学校行事用とそういうプレイ用の水着のチョイスであると。
そう考えると胸と股間が膨らみそうになるので、一夏は少し慌てて思考を切り替える。それは、つい最近行ったある決断に関する事。
実は、彼のISである白式の装備などを開発していた倉持技研へ連絡し、今後自分は雪片弐型以外を使う事もないし、他のパッケージも必要ないと明言したのだ。あくまでも自分は姉と同じスタイルでISを運用し続けると。
当然向こうは翻意するよう説得をしたが、一夏の意思は固く、最終的にはデータ収集とメンテナンスだけを引き受けてもらう形で相手側が折れたのだ。
(さすがに、いざとなったら束さんを頼るって言ったらあっさり引き下がってくれたなぁ)
相手を黙らせた最終手段。それが束の名前だった。相手側も一夏が束と関わり合いがあると知っていたのだろう。研究者としての我を通せばデータさえも得られなくなる。そう思った倉持技研は苦渋の決断で一夏の要求を呑んだ。
実は、これである一人の少女の未来が変化したのだが、それを彼は知らない。白式の人員は減らされ、最低限の人数となった事でとある専用機ISの組み立てが再び進められる事となるのだから。
一夏がこれに関して考えるのは、白式がどうして頑なに雪片弐型以外の武装を受け付けなかったかだ。倉持技研もそこの原因を突き止められず、精々がコアに何か理由があるのではないかという物だった。
そう言われた時、一夏はふと思い出した事があった。それは、世界にあるISコアの数。その限られた数の中に、白式が含まれていないと察したのである。しかも、それだけではない。それを用意したのが束と言う事は、白式は新しいコアになるはずなのだ。
にも関わらず、むしろ武装としては旧世代の雪片。そう考えた時、一夏はとあるくだらない想像をしたのだ。
白式という文字をある種のアナグラムと考え、白と式に分ける。平仮名に直すと、しろしき。そこでISに関係するとある言葉が出来るのだ。
そう、しろきし、白騎士である。世界最初のISであり、今もコアがどこにあるか不明なもの。そのコアを束が持っていて、白式として生まれ変わらせたのではないか。それが一夏のくだらない想像だった。
まだこれを彼は誰にも話していない。もしするとすれば、束とまた会った時にしようと思っていたのだ。
「一夏、一ついい?」
「ん?」
思案に耽っていた一夏を現実へ引き戻す声。それに彼が視線を動かすと、シャルが笑みを浮かべていた。
「一夏さ、海に行ったらしたい事とかある?」
「そうだなぁ……」
定番の問いかけに彼は一瞬面食らうも、すぐに考え込む。周囲はビーチバレーや遠泳、スイカ割りなどを想像していた。だが、一夏はそのどれでもない事を思い付いた。それだけ彼が変化したという事を周囲へ再確認させるように。
「青空の下で仲良くしたい。出来れば浜辺で」
「? どういう意味だ?」
周囲が意味を悟り赤い顔をする中でラウラだけが小首を傾げる。それを予想していたのだろう。一夏は小さく笑って彼女を手招きして耳打ち。その内容に成程と頷いて、頬を朱に染めている女性達へ不思議そうに問いかけた。
「何か問題があるか? 臨海学校に男性はいないぞ」
「ラウラ……」
「よし、その話は後よラウラ。とりあえず、一夏はエッチな事考え過ぎっ!」
「したい事って言われたからな。素直に言っただけだぜ? それと、他にもあるぞ。みんなに日焼け止め塗るとかな」
「も~、結局エッチな感じのやつじゃん」
「一夏さん、もう少しそういう事は控えてくださいまし」
呆れるように苦笑するシャルと苦い顔をするセシリア。声には出さないが箒と真耶も似たような表情をしている。一夏はそんな周囲に悪戯を成功させたように笑うと、片手を上げて詫びを入れた。彼なりの冗談と本音の半分半分だったのだ。
ただ、許しはされたが場所を考えろと鈴がやや照れが混じった声で告げた時には、申し訳なさそうに頭を掻いた。さすがに少々調子に乗ったと思ったのだろう。
「悪い。俺も初めての事で浮かれるみたいだ」
「ず、ズルいわよその言い訳。……嬉しくなるじゃない」
「鈴、気持ちは分かるが絆されるのが早いぞ」
「そ、そういう箒はどうなのよ?」
「私は……嬉しくない事もない」
「箒さん、箒さん。同じですわ」
「し、仕方ないだろう。私も初めての事で浮ついた気持ちではあるんだ」
そこで全員が小さく笑う。多かれ少なかれ皆が同じ気持ちと察して。その後も緩く和やかな雰囲気で彼らは歩く。その中心は当然一夏。もう、その姿は動物の群れのようになり始めていた。
そうして彼らは目的地へ到着する。休日ともあり、かなりの人出がある中を一夏達は目的の店目指して歩き出す。彼の周囲が目を惹く美少女達であるためどうしても注目を浴びるが、実は一夏も衆目を集める存在であった。
何せ国際色豊かな女性に囲まれているのだ。否応にも目立つと言うものである。更に彼も容姿は整っている方であるため、その野性的な目付きも含め女性の目も惹いていたのだ。
「凄い人だな……」
「休日のこういう場所だ。賑わっていない方が問題だろう」
「箒さんの言う通りね。それにしても、家族連れが目立つけど何かイベントでもあるのかな?」
真耶の指摘通り、子供連れの姿が目立つのだ。特に男の子の姿が多い。しかも一夏達が目指す方向へ向かって歩いている。
「あー、これみたい」
「どれ? えっと……ヒーローショーか」
「見世物ですの?」
「簡単に言えば、子供向けの特撮番組のキャラクターを使った、な。成程、道理で子供が多い訳だ」
「ふむ、この国はそういうものが盛んとは聞いていたが、こんなものまでやっているのか。いくらだ?」
「お金はとらないぞ。基本無料だ。サインとか写真とかが別料金だったんじゃないか?」
「一夏君もこういうの見た事ある?」
真耶の質問に一夏は苦い顔をした。それが何よりの答えである。周囲も彼の表情だけで察したのだろう。そしてこうも思ったのだ。彼には幼少の頃からヒーローのような存在が常にいたからだと。
「まぁ、見た事ない訳じゃない。でも、熱中はしなかったな。やっぱり、どこか入り込めなかった」
「そうだろうな。私もお前がそういうものについて話したり、あるいは真似するところを見た事が無い」
「ま、らしくない子供だったんだよ。とにかく、目当ての店に行こう」
この話題はここまでだと言わんばかりに打ちきって、一夏は先んじてその場から動き出す。その後をすぐに追い駆けるのはラウラだった。それにやや遅れる形でセシリアとシャルが歩き出す。ただ、箒と鈴はその場を動かずに何故か苦笑していた。真耶はそんな二人を見てその場に留まっていた。
「どうしたの?」
「いえ、一夏が照れているのが珍しくて」
「ホント。多分だけど、今の自分が目指してるのがそういうのと近いって思ったんでしょうね」
「……そういう事か」
幼い頃は熱中も出来なかったものを、今になって追い駆けているようなもの。そう考えれば照れくさくなっても当然というものだ。それを正しく理解したのが幼馴染二人だった。だからここに残って苦笑していたのだから。
「とりあえず、私達も後を追おうか?」
「「はい」」
笑みを見せる真耶に続く形で箒と鈴も歩き出す。その視線の先には一夏達が三人を待っている。それに笑みを見せて彼女達は少しだけ足を速めるのだった。
様々な水着が並べられた店内。様々な色が目に入るそれらを眺め、一夏は早々に自分用の物を決めていた。元々彼はそこまでファッションにこだわりなどなく、故に水着の選択もそこまで悩む事はなかった。さすがに水泳選手のような水着は避けたが。
「さてと……」
自分のを早々と決めたのはメインの目的のためでもある。女性達の水着へ意見を出すためだ。まず彼は近くにいた鈴へ接近する。彼女はビキニタイプにするようで、今は色をどうするかで悩んでいるようだった。その手には、オレンジと真紅という暖色系の物が握られている。
「うーん……どっちがいいかな?」
「鈴ならどっちも似合いそうだけど、俺としては赤ってイメージだな」
「そう? じゃ、こっちにするか。ついでに一夏、こういうのどう?」
「ん?」
即決を下し、鈴はオレンジを元あった場所へ戻すと、一夏へ真紅の水着を手渡してある水着を見せた。それに、彼は思わず唾を飲む。
それは、スリングショットと呼ばれる紐のような水着であった。当然露出度は高く、最低限しか隠せない。それを一夏へ見せる理由。それを察して彼は勃起させないように気を付けながらこう答えた。
「いいと、思うぞ。それを着た鈴が見てみたい」
「ふふっ、そっ。色は同じがいい?」
無言で頷く一夏へ鈴は満足げに頷いて彼の手から水着を受け取り歩き出す。おそらくオレンジのスリングショットを戻しに行くのだろう。そう思って見送る一夏へ一度だけ鈴は振り向いた。
「楽しみにしててね」
悪戯っぽく微笑み、鈴は店の奥へと消えていく。その背が上機嫌である事に彼は静かに息を吐いた。
「……これ、ヤバイな」
鈴でさえ先程の水着を着たら劣情を煽るに決まっているのだ。もし、あれを他の者達も選んでいたら。そう考え一夏は股間が膨らみそうな気配を感じて意識を切り替える。その脳内では、臨海学校で行う内容を反芻していた。そうやって高まっていた性欲の熱を冷まそうとしていたところへ、次なる刺客が現れる。
「一夏、ちょっといい?」
「……シャル? ラウラも一緒か」
声に意識を向けると、そこにはシャルとラウラがその手にそれぞれ二つの水着を持って立っていた。シャルはレモンイエローとライトグリーンのビキニタイプを、ラウラはピンクとホワイトのワンピースタイプを所持している。
「一夏、どちらがいい?」
「ラウラはワンピースタイプにするのか?」
「僕もビキニの方がいいって言ったんだけど、ラウラはそういうのがいいって……」
「私のような体型ではこちらの方がいい。それに、全員同じでは余計差が顕著だ」
どこか拗ねるようなラウラの声に一夏は思わず笑みを浮かべた。ラウラが女らしく、体型をコンプレックスにしていると察して。だからこそ今言うべき事は一つだ。そう思って彼はその表情のままピンクのワンピースタイプを選ぶ。
「ならこっちだ。今のラウラには、可愛いピンクが良く似合う」
「っ! そ、そうか?」
「ああ。それと、今回はそれを見せてもらうけど、いつかビキニも着てみてくれよ。俺、見てみたいんだ」
「……覚えておく」
頬を赤めてラウラは一人背を向けて歩き出す。その後ろ姿を苦笑して見送り、シャルはならば次は自分とばかりに水着を一夏へと突き出した。
「シャルは……こっちだな」
「こっち、ね。分かった」
そう言って一夏が指さしたのはレモンイエローの水着だった。シャルもその選択に頷き、ラウラを追うように背を向けて歩き出す。一夏は鈴に聞かれたような事を期待していたので内心でがっかりしていたが、二人の水着を決める事が出来たため、一定の満足感は覚えていた。
が、少しすると二人が再び戻ってきた。その手に一夏が選んだ水着と同じ色のスリングショットを持って。
「い、一夏……その……」
「これを鈴が薦めてきたが、こういうのが好みなのか?」
「……ああ。二人も着てくれるのか?」
「私は構わないぞ」
「ぼ、僕もいいよ?」
「そっか。じゃあ、期待させてもらうな?」
先程とは違ってシャルが赤面し、ラウラが平然としてレジへと向かう。そこで一夏は店内を軽く見回した。箒達を捜そうとしていたのだ。と、そこで彼は直感的に店内の奥へ向かった。鈴やシャル達が水着を戻しに行った方である。
そこに箒達がいた。手にしているのは南国系の色合いでパレオが付いているものだ。スタイルもあり、彼女達三人にはよく似合うだろう事請け合いの水着を。
「ん? 一夏か」
「どうしまして?」
「いや、もう残りの三人は決まったっていうか」
「そういう事ね。じゃ、私達も一夏君の意見もらおうかな」
その言葉に一夏は首を傾げた。その手にしているものは三人して一着だけなのだ。他にも迷っていた物があるのか。そう思って彼は彼女達の提示する物を待った。そんな彼を見て、三人は揃った笑みを浮かべる。とても妖艶な笑みを。
「これなんだけど……」
「一夏さんのご意見は……」
「どうだろうか……」
彼女達が見せたのは、やはりと言うか当然と言うかスリングショットだった。しかも、真耶が紫、セシリアが白、箒が黒という色だ。それを彼女達は自分達の体へ当てる。そのため、一夏は着た三人を明確に想像してしまい、遂に抑えきれず勃起させてしまう。
「……反対する理由がない。俺だけに見せるのなら、だけど」
「そうか。ならば問題ない」
「ええ。一夏さん以外に見せるつもりも気もありません」
「そうだよ。じゃあ……」
そこで三人の視線が動いて合わせられる。小さく頷き合い、真耶が一夏の手を引いて試着室へと動き出した。箒とセシリアもその後をついて歩き出して、真耶は靴を脱いで試着室へ入る。一夏はそれで彼女の考えを察して靴を脱ぐと、それを持ったまま試着室へと入った。
「じゃ、後はお願いね」
「ええ」
「お任せを」
真耶へ笑みを返して箒とセシリアが試着室近くで水着を眺め始める。見張りを兼ねてだ。カーテンを閉めた中では、一夏のペニスを取り出して真耶が舌なめずりをしていた。だが、一夏はそんな彼女へ申し訳なさそうな眼差しを向ける。
「真耶、出来れば一度で頼む」
「分かってるよ。あくまで本番は、ね」
「そういう事。てか、これはそっちがしたようなもんだからな?」
「うふふっ、あれを着てるとこ、想像してくれたんだ?」
「当然だろ。みんなで示し合わせたな?」
「さぁ? とりあえず……」
そこで会話は終わりとばかりに真耶は一夏へ背中を向け、スカートを捲り上げると下着をずらした。そうすれば、当然一夏の視界に雄を誘う雌の穴が見える。そこに会話はなく、彼は無言でペニスをそこへあてがった。
「っと」
「んっ……一夏君、かたぁい」
公共の場、店内の試着室。そんな状況で普段よりも興奮している一夏だが、彼は気付いていた。真耶も同じく興奮している事に。締め付け方がいつもと違うためだ。
出来るだけ音を出さないように腰を振る一夏と、声を押し殺すために片手を口に当て続ける真耶。やがてその近くに鈴達も来たらしく、声が聞こえてくる。
「あれ? 真耶さんは?」
「試着中ですわ」
「そっか。一夏は? お店の中にはいないみたいなんだ」
「さあ、私達も見てないぞ」
「そうなのか。では、一体どこへ……」
「っ!?」
別に知られても構わない相手ではある。それでも真耶には興奮材料であった。薄布一枚隔てているだけで、彼女は交尾の真っ最中なのだ。もしカーテンを開けられたら、そこに他の客もいるかもしれない。そうなればどうなるか。そうしないために箒とセシリアがいるのだが、それでも絶対安全とは言い切れない。
「真耶、締め付けきつくなったぞ。何だよ、見られたいのか?」
「そ、そんな事……」
ない。そう言おうとしたが、一夏がそれに先んじるように真耶の耳元へ顔を寄せてこう告げた。
―――真耶の中、いつもよりも熱いぜ。
言葉と共に最奥を強く突き上げられ、真耶は咄嗟に両手で口を押えた。その瞬間、彼女の両脚がガクガクと震える。絶頂したのだ。それによる締め付けを受け、一夏は更なる攻撃を真耶へ行う。
「おっ……」
射精したのだ。その熱に真耶の体が再び震え、遂には仰け反った。一夏は素早く真耶のヴァギナ下へ手を滑り込ませて試着室の床へ精液が垂れるのを阻止する。
「ふぅ……真耶、これ綺麗にしてくれ」
「わかったぁ……」
どこか腑抜けたような声で返事をすると、真耶は一夏の手についた精液を舐め取り始める。それは五分程続き、真耶は一夏の精液を膣内に貯えたまま、店を後にする事となる。当然だが、その匂いで鈴達も何があったか察しており、真耶がトイレへ向かうと同時に一夏へジト目が向けられた。
「何やってんのよ?」
「俺だってそんなつもりはなかったさ。だけど、みんなしてあんな水着見せるから限界がきたんだよ」
「一夏ぁ……」
「生理現象かもしれんが、少しは場所を考えろ」
「すまん。でも、積み重なってだからさ。そこだけは勘弁してくれって。これが鈴だけとか、シャルやラウラだけとかじゃない。全部積み重なっての結果なんだよ」
申し訳なさそうに、だけどこれだけは理解してくれとばかりに言い訳をする一夏。その言い分に鈴達も一定の理解は示した。何せ、アレを見せた時の彼は少なからず興奮していたと分かっていたのだ。それでも、やはり彼が限界を迎えたのが箒達巨乳トリオというところに引っかかるものを覚えたのだろう。それでも、鈴達はそれ以上文句を言わなかった。
何故なら、一夏が普段であれば一度で切り上げる事も満足する事もないと分かっているためである。故に仕方なく処理をしただけだと割り切ったのだ。
「それぐらいにしてやってくれ。その、私達も少々煽り過ぎたかもしれん」
「そうですわね。何しろあれを体へ当てて見せましたので」
「それは……」
「成程ねぇ。箒達の行動がたしかに決め手みたいだわ」
シャルと鈴は呆れるように箒とセシリアを見つめた。ただ、ラウラは一人視線を一夏へ向けていた。彼はヒーローショーの会場を遠い目で見つめていたのだ。
「どうした、一夏。あの見世物が気になるのか?」
「……俺、ああいうのに共感出来なかったんだ。泣きも笑いもしないって。だけど、逆に考えるとさ、何があってもああいう存在って信念を貫くって事なんだよな。泣く事も笑う事もせず、平和や世界のために戦う。自分以外の誰かのために、全力で」
「……教官の強さ、か」
「そう思うと、俺はやっぱり何も分かっちゃいなかった。ヒーローも千冬姉も同じだった。どちらも俺に涙も見せず、強くあろうとしたんだって今気付いたよ」
「そうか。教官とあれは同じ在り方か」
揃って子供達の視線の先を見つめる二人。そこでは、五色のスーツに身を包んだヒーロー達が声援を受けて戦っている。その構図が一瞬だけ幼い自分と千冬に見え、一夏は小さく驚いた後、微かに微笑んだ。もう、自分は応援するだけの存在ではない。今度は千冬と肩を並べて戦える存在になれるはずだ。そう思い、彼はふと感じる視線に振り向いた。
「一夏、真耶さんも戻ってきた事だし、次へ行くぞ」
「時は金なり。出来るだけ早く移動しませんと」
「ぼんやりしないでよ」
「ラウラもはぐれないようにね」
「大丈夫だ。既にここの構造は把握済みだ」
「そういう事じゃないんだよ、ラウラさん」
六人の女性達の姿を視界に捉え、一夏は思い直した。今は自分が守る側で、彼女達が肩を並べて支え合ってくれる存在だったと。歩き出す彼女達を後ろから追うように足を踏み出そうとして、彼は一度だけ後ろを振り返る。そこの風景を見やり、小さく告げる。
「俺も、みんなのヒーローになってみせるよ」
誰への誓いかは本人にしか分からない。自分へなのか、千冬になのか、それとも守りたいと思う女性達へなのか。織斑一夏。その在り方は、今や立派な男のそれになりつつあった。
「こ、ここって……」
次なる店へ到着した一夏達だったが、そこは男性が入るには少々腰が引ける場所だった。
「一夏君に選んでもらいたいんだ」
「そ、その、男性目線が必要かとな」
「少々恥ずかしいですけど、一夏さんのためでもありますし」
「そういう事よ。その……嫌?」
「そ、そうじゃないけどさ」
そこはランジェリーショップ。決して男一人で入る事は許されない場所であった。そして、何故一夏はそこへ彼女達が来たのかも理解している。自分のために彼女達がそこへ来たと。ラウラが代表的ではあるが、やはり箒やシャルも男を誘惑するような類の下着を持ってはいないのだ。
セシリアはそういうためではなく自分が気に入った物の中にそういう類があるだけで、真耶も彼女同様主目的は別にあった物がそういう類の物と言うだけ。鈴はそもそもそういう物を買う事に抵抗というか恥じらいがあって選択肢にさえ入ってなかったのだ。
「ぼ、僕達としては一夏の好みを知りたいんだ」
「今後活用していくものだ。ならば、それを使われる側の意見が聞きたい」
「そ、そうか……」
どこか恥ずかしそうな箒達の中でラウラだけが平然としているのは当然だったのだろう。何故ならラウラはそういう一般女性の羞恥心がまだ身についていないためだ。一夏はそこに彼女らしさを感じて苦笑するも、店内を軽く眺めて息を吐いた。
(恥ずかしいのは俺よりもみんなの方だ。なら、ここで怯んでたら申し訳ないよな)
意を決して彼は小さく頷く。覚悟完了。大切な女性達の想いに応えるべく、一夏は彼女達へ出来るだけ普段の調子で声を掛けた。
「じゃ、行こうぜ」
「ああ」
「はい」
「ちょっと、二人で両腕取らないでよ」
「そうだよ。僕らもいるんだから」
「わ、私は手を繋いでくれれば……」
「ふふっ、周囲の目が凄い事になりそう」
こうして入った店内で、一夏は水着の時よりも辛くまた幸せな時間を過ごす事になる。試着した姿を見せてもらったためだ。全員が過激なデザインの下着をこれでもかと彼へ見せ、意見を求める。それに興奮するのを抑えられるはずもなく、股間を膨らませてはいたが一夏は辛うじて性欲の暴走に耐えた。
それはまだだと自分へ言い聞かせ、まるでエネルギーをチャージするかのように欲求を溜め込んでいったのだ。ラウラには数点普段使い用の可愛らしい物をシャルが見繕いもしたが、基本的にセクシー系ばかりを彼女達は選んで購入した。
店を出た時には、もう一夏は精神的に疲弊していた。そのおかげで最悪の状態は免れていたのは、不幸中の幸いだろう。いくら性行為を重ねているとはいえ、まだ一夏は大人の男には程遠い。しかも、何度も見ている裸体とは違い、下着姿というのは不思議なもので下手な裸よりも色気があるもの。
結果、彼は改めて彼女達の魅力と色気にやられていたのだ。それがまた彼女達の自信を深め、同時に彼への愛情も増す効果をもたらして。
「……訓練よりも疲れた」
「大げさだな」
「いや、実際一夏の疲労は見ていて分かった。喜んでいると思ったが、同時に疲れもするのだな」
モール内に置かれている長椅子へぐったりともたれるように座る一夏を箒が苦笑しながら見つめる横で、ラウラが彼をフォローするように意見を述べる。何せ、男性である彼には女性用下着はそもそも刺激が強い。それにも関わらず、更に過激な物を見せられ意見を出し、最後にはそれを身に着けた愛する女性達の艶姿を見せられ判断を下すのだ。余程の男でない限り、精神的疲労は避けられない内容である。
「ま、それでもしっかり見てはいたけどね」
「むしろそれで疲れたんじゃない? ほら、抑えなきゃいけないし」
「かもしれませんわね。皆さん、かなり過激な物を選んでましたし……」
「だね。一夏君の目、途中から段々野獣の眼差しになっていったから」
苦笑しつつ一夏の隣へ座る真耶。すると、一夏が少しだけ鋭い目つきで彼女を見る。その眼差しの鋭さに真耶だけでなく箒達も一瞬息を呑んだ。
「真耶、さっきの忘れたのか? 今は真耶が一番下」
「ご、ごめんね」
「分かってくれればいい。その、こういう事を俺もあまり言いたくないんだけどな」
慌てて立ち上がる真耶へ一夏も申し訳なさそうに告げる。先程の水着専門店での行為を理由に、真耶にしばらく控えるようにと一夏は言ったのだ。これが二人きりなら何の問題もなかっただろうが、箒達もいる以上彼はしっかりと示さねばならない。そう、明確な特別扱いはしないという事を。
「一夏、気持ちは嬉しいが今のは他意は無かったと」
「それでもだろ? そうやってケースバイケースで曖昧にすると、今度はそういうところで面倒な事になるかもしれない。だったら、俺は多少厳しくてもはっきりさせる。その、こんな関係だからこそ、俺はみんなを同じぐらい想って扱いたいんだ」
真剣な表情で言い切る一夏に誰も言葉がなかった。もう、彼は男の顔をしていたのだ。自分に惚れ、自分が愛した者達を守るために。その凛々しい表情に彼女達が見惚れる中、彼は時間を見て立ち上がった。
「丁度いいな。メシ、行こうぜ。少し早いけど、その方が混雑せずに済む」
そう言うや彼は若干沈み気味な顔をしていた真耶の手を軽く引いた。そして彼女がやや驚くように顔を上げたのを見て、苦笑を返して手を離すと歩き出す。それが先程の詫びと理解し、真耶は嬉しそうに微笑むとその後を追った。箒達もその様子を眺めて動き出す。
「あの方が厄介事になりそうだが」
「そうだね。あんなフォローされたらキュンキュンしそう」
「実際真耶さんなってるでしょ。大人の女さえ、か……」
「まぁ、真耶さんは多少ロマンティックな傾向がありますから」
「ところで、食事が終わったらどうなるんだ?」
ラウラの質問に四人は同じような笑みを浮かべると、揃ってこう返した。
「「「「水着の試着会だ(よ)(です)」」」」
一夏を中心に歩く六人の女性。その手には今回買った水着や下着が……なかった。それらの荷物は、全て一夏が持っている。彼氏として、唯一の男手として当然の如く彼が持つ事を希望したのだ。
そんな中、彼らが向かうのは何と学園の生徒寮。そう、一夏の部屋で過ごすためだ。一夏の自宅も候補に挙がったが、千冬がいるので却下となった。他の生徒に見られたら面倒になると思うところだが、一夏はそれに関して心配はしていなかったのだ。何せ彼は未だに学業面では落ちこぼれ。そして毎日のように真耶がそれを考慮して個人授業をしていると思われている。それを利用すれば誤魔化しは簡単だと思っていた。
「意外と誰とも会わないものだな」
「ま、休日だしね。出かける人間はとうに出かけてるし、そうじゃないのは部屋にこもってるわよ」
「だとしても、中々思い切った行動ですわ。一夏さんはやはり行動基準が大胆です」
「ああ、そうだな。私との模擬戦といい、セシリアとの模擬戦といい、一夏は思い切りが良すぎる」
「それが結果として勝利に繋がるんだから怖いけどね。えっと、何て言うんだっけ。虎穴にいらずんば虎児を得ず?」
「あってるわよ。たしかに一夏ってそういう傾向強いわ。一か八かとか、当たって砕けろみたいな」
「教師としては困るけど、時にはそういう判断も必要なのは必要だから注意するのも難しいなぁ」
廊下を歩きながら話す女性達。一人一夏は黙り、まるで周囲の気配などへ意識を向けているように真剣な表情をしている。実は、彼はナノマシンの影響で女性に関してのみ察知能力が向上していて、女性フェロモンを感知する範囲が広がっていた。そのため、ここIS学園においてはラウラ以上の鋭い気配察知を可能としているのだ。
「……誰か来る」
「何? 私は何も感じないが……」
「誰か来るって、ホントなの一夏?」
「ああ。説明は俺がするからみんなは適当に合わせてくれ」
突然の発言に軽い驚きを見せるラウラと首を傾げる鈴。一夏はそれに平然と対応し、そのまま進んだ。すると、曲がり角から一人の女子生徒が姿を見せた。金髪碧眼のその相手に鈴は小さく声を漏らすや手を振った。
「ティナ~っ」
「ん? 鈴? もう帰ってきたの?」
そう、彼女は鈴のルームメイトのティナ・ハミルトンだったのだ。鈴の顔を見て足を止めるティナだったが、その目がすぐに別の者を捉える。
「あっ、もしかして彼が噂の?」
「そうよ。一夏、紹介するわ。ルームメイトのティナ」
「よろしく。ティナ・ハミルトンよ。ティナでいいわ」
「はじめまして。織斑一夏だ。よろしく、ティナ」
握手を求めるように手を差し出すティナへ一夏も自然な感じで手を出して握手をしようとするも、その手には複数の袋があって握手出来ない状態であった。
その光景に同時に苦笑する一夏とティナだったが、そのやや野性的な眼差しに彼女は思っていた以上に興味を示した。
「握手はまたの機会、かな」
(あまりISでの試合結果は芳しくないって聞いてたけど、どうしてどうして中々ワイルドな感じじゃない。ジャパニーズの割に、なよっとしてないだけでもポイント高いわ)
「そうしてくれると助かるよ」
「あー、ごめんねティナ。臨海学校用の買い物だったから」
(ティナの奴、前から一夏に興味持ってたのよね。ま、今のあたしは紹介するぐらい何て事ないけど)
アメリカ人であるティナはスタイルも悪くなく、今の一夏からすれば十分お近づきになりたい相手ではあるが、それでも自分から行くつもりはなかった。箒達がまず自分へ強い好意を持ってくれたという前提があった結果が現状なので、自分から相手に気に入られようとするのは違うと思っていたのだ。
「それにしても、随分大人数ね」
「ああ。実はさ、俺、対抗戦に続いてトーナメントでも一回戦負けだろ? それで、これから大反省会も兼ねた勉強会って訳さ。俺に付き合ってくれてるみんなも、あまりにもふがいないから色々言いたい事があるんだよ」
「オウッ、それは大変。だから山田先生までいるのね。個人授業の結果が芳しくないから」
「そういう事。ハミルトンさん、この事はくれぐれも内密に。あまり特定の生徒に入れ込んでるって、しかもそれが男子だと変な噂にされちゃうから」
「OK。じゃ、鈴、程々にね」
「ええ」
どこか苦笑しながらティナは一夏達の横を通って去って行く。その背を見送り、一夏以外の全員が彼を見た。
「本当だったな」
「まさかあれだけの距離があっても気付くとは……」
箒とラウラが驚愕に近い感情を見せると、一夏は困ったような顔をする。そのせいで、最近色々と困っているのだ。
「実はな、これのおかげで校舎内とかの匂いがきつい」
「まあっ! で、では私の香水も?」
「あー、セシリアのは平気だ。その、どうも嗅ぎ慣れてないのが辛いらしい」
「僕ら以外のって事?」
「……難儀ね。じゃあ、同じクラスの相手なら平気?」
「そっちは割と。それでもみんな程じゃない。これ、多分だけど香水とかじゃなくて体臭に近いものだと思うんだ。化粧品とかも匂うだろ? でも、俺が感じ取るのはそういうものじゃないんだ。何て言うか、人工の匂いじゃなくて自然な匂いっていうか」
「一夏君、どんどん敏感になってるんだね」
同情するような真耶の声。周囲や本人も同じ心境なのか何も言わない。ただ、一夏にとってこれがある意味で役に立つ時が来るとは、まだこの時本人さえも思っていなかった。
部屋に到着すると、一夏は現在使われていないベッドへ荷物を置いた。そして息をつくと女性達へ目を向ける。
「じゃ、俺はここで待ってるから」
「分かった。では、待っていてくれ」
「鼻血出すんじゃないわよ?」
「ふふ、違うものならいいんですか?」
「そっちは僕らが出してって言っちゃうやつだし」
「アナタ、期待してるといい」
「おう、そうさせてもらう」
「じゃ、また後でね」
六人はそれぞれ水着の入った袋を手にシャワールームへと移動開始。一夏は自分のベッドで座って彼女達が来るのを待つ事に。呼びかけられるまで見ないようにしようと、彼は窓から外を眺めていて、そこで念のためにカーテンを閉める事にした。見られる事はないだろうが、それでも念のためという事だろう。この辺りにも彼の独占欲の強さが見える。
暗くなった室内で、彼はただ何をするでもなく天井を眺めていた。目を閉じはしていないが、不意に見てしまう事がないようにという徹底ぶりである。そこから、彼がどれだけ彼女達の水着姿を楽しみにしているか分かろうものであった。
「一夏、待たせたな。もういいぞ」
聞こえてきた箒の声で彼は弾かれるように体を起こすと顔を声のした方へ向けた。
「……ごくっ」
そこで彼を待っていたのは、紐状の水着姿となった六人の女性達だった。箒を始めとするその男を誘うような格好に、一夏は唾を飲んで魅入る事しか出来ない。股間はみるみる内に膨れ上がり、窮屈になるのに時間は必要なかった。
その様子を見て、彼女達も嬉しそうな笑みを浮かべた。彼がスタイルだけで興奮している訳ではないと、改めて分かったのだ。鈴やラウラも舐めるような視線を感じているのがその証拠である。
と、そこでシャルが全員へ目配せする。一夏の興奮がある程度落ち着いたと察したのだ。それまで食い入るように前のめりとなっていた体勢が普通の状態へ戻ったためだ。なので、ここで着替えの際に打ち合わせた事をしようとしたのである。
「せーのっ!」
シャルの掛け声で六人がそれぞれポーズを変えた。それまではただ立っているだけだったのが、ここにきてのセクシーポーズである。箒やセシリア、真耶は胸を強調するように腕や上半身を使って、鈴やラウラは背中を向けてうなじから臀部へのラインの美しさを、そしてシャルは何とより水着を食い込ませるという手段に出た。
「…………よぉ~く分かった。みんなが俺にどうして欲しいのかは、な」
ぎらつく眼差しでそう告げ、一夏は服を乱雑に脱ぎ捨てていく。まず連日の訓練で引き締まり始めた上半身が露わになり、次に下着を突き破りそうな怒張を見せつけ、最後にはそれを脱ぎ捨てて反り返る雄々しいペニスを露出させたのだ。
「「「「「「……っ」」」」」」
瞬時に入る雌のスイッチ。六人の目が揃って蕩けたものへと変わる。それを感じ取り、一夏は野性的な笑みを浮かべてペニスを大きく動かした。その動きで六人が六匹へと完全に変わる。
一夏はその様子に満足そうに頷くとベッドから立ち上がり、ゆっくりと彼女達へと近付いていく。そしてその視線がペニスへ集中したのを見るや、たった一言告げたのだ。
「まずは全員で舐めてくれ」
雄からの指示に雌達は頷く暇さえ惜しいとばかりに群がり、陰茎や亀頭、陰嚢などを舐め始める。まだシャワーを浴びていないため、彼からは汗や尿の匂いがするのだが、それさえも彼女達には堪らない雄のフェロモンであった。無我夢中で舌を動かし、這わせ、味わう。
奉仕を受ける雄は、笑みを浮かべて雌達の頭を優しく撫でていく。愛おしむように、慈しむように。それがまた雌達の心をときめかせ、より奉仕へと意識を向けさせるのだ。
(一夏のチンポがどんどん逞しくなっている気がする。ああ、こうしているだけ分かる。私は、この男について行けば大丈夫だと……)
(一夏君、増々頼もしくなってきた。ここも、初めてした時より絶対立派になってるし。この人こそ、私の夫になる人……)
(強く濃い雄の匂い……薄れるどころかより強烈になる味……一夏様こそ私のご主人様ですわぁ)
(箒達のおっぱいだけじゃなく、あたしやラウラの体もジロジロ見てた。一夏は、やっぱりあたしだから好きなんだ! ううん、あたし達だからこうなるのねっ!)
(一夏から渡してもらった白式のデータ、受け取ったあの人は驚いただろうな。何せ私の事を全て知った上で人生のパートナーにしたいって、今後もデータを送るから僕を自由にして欲しいって、そういう手紙も添えたもん。本当に私を守ってくれた……最愛の人……)
(クラリッサは一人の男を複数の女で取り合うのは珍しい事ではないと言っていた。だが、取り合うのではなく支えるのは珍しいそうだ。であれば、それをやってのける一夏はやはり私を嫁にするに相応しいという事だろう)
目を輝かせ、ペニスへ奉仕する六匹の雌。すると、雄は一瞬だけニヤリと笑ってペニスを彼女達から取り上げるように離した。
「「「「「「ぁ……」」」」」」
「そろそろ出そうだからな。今日は、全部お前らの中に出したい」
その発言が何を意図しているかを真っ先に把握した箒とシャルが、その乳房を揺らして片手を上げる。
「一夏、私の中へ出してくれ。今日こそアナタの子を孕んでみせる」
「一夏ぁ、私の中に出して? 最初に一夏の赤ちゃん産むのは私がいいなぁ」
既に乳首は勃起しており、細くなった布地でギリギリ隠し切れない程主張している。そんな状態となっているのは、何も彼女達だけではない。先程の行為でセシリア達も同様の状態となっていたのだ。
「でしたら、私も。早くオルコット家に世継ぎを」
「はいっ! あたしも欲しい! 一夏との赤ちゃん、いっぱい産みたいのぉ」
「アナタ、私も妊娠させて欲しい。その、教官にアナタとの関係を認めてもらうためにもな」
「一夏君? 私はいつでも産休取れるから心配いらないよ?」
元気よく手を挙げる鈴。しっかりと上げるのはセシリアとラウラ。真耶は控えめに上げていた。しかし、共通しているのは、彼女達全員の股間は既に濡れている事だ。もう今にも挿入して欲しいのだろう。一夏が何も言わずでも、彼女達は揃って同じ行動を取ったのだ。
それは、彼へ臀部を向けてスリングショットをずらす事。それぞれ雄を待ちわびるヴァギナをしっかりと見せつけたのである。その瞬間、一夏のペニスが大きく反り返った。まるで咆哮を上げるかのように。
「なら、チンポへは箒が跨れ。俺へ背中を向ける形でな。セシリアと真耶は俺の両脇だ。鈴とラウラでタマを舐めろ。シャルは箒の胸を背中から可愛がってやれ」
完全な命令口調。それなのに、もう今の彼女達は気にもしなかった。屈服し服従する事を擦り込まれた今の六匹の雌達には、むしろそれが一番の幸せとなっていたからである。
ベッドに足を伸ばして座る一夏。その股座に箒が座る様に跨り、両足へヴァギナを擦り付けるようにしながら鈴とラウラが陰嚢を舐め、シャルは箒の乳房を両手で揉んだり乳首を摘んだりしつつその臀部を一夏に叩かれたり撫でられ、彼の乳首をセシリアと真耶が舐めて興奮を煽る。時にはセシリアや真耶と舌を絡める事もし、一夏は王のような振る舞いをしていた。群れの長であると彼女達へ見せつけるように。
「ああっ! しゃ、シャルロットぉ……乳首を優しく扱くのは止めてくれぇ……」
「言いながら感じてるよね? んんっ、私がされて感じる事、箒にもぉ! してあげる」
一夏のペニスを感じながらシャルによる愛撫を受ける箒。既に口の端から涎を流し、表情を緩めているので限界が近いようだ。そんなシャルも、その桃尻を一夏によるスパンキングが色付け始め、ジンジンとした痛みとその後にされる優しい手つきでゆっくりと思考を交尾へと染め上げられていた。
「こ、これあたし好きかもぉ。一夏の足でオナニーしながら舐めるの、濡れてきちゃう……」
「酸味が強くなってきた。これは、箒の愛液の影響か? んんっ! わ、私はダメだ。自慰をしながらでは集中出来にゃいぃぃぃぃっ!」
水着を食い込ませ、一夏の陰嚢を舐め続ける鈴とラウラ。恍惚の表情で自慰に耽りながら奉仕をする鈴を見てラウラも真似ようとするが、やはりまだ彼女は快楽に弱くあっさりと達してしまう。その声は一夏を興奮させていると知らずに。
「一夏様、いかがです? 気持ちいいですか?」
「ああ、悪くないぜ。そのまま舌を出せ、セシリア」
「えー……んぅ」
「一夏君、私にも後でキスしてぇ。チュッ、チロチロ……」
一夏の胸や体へその豊かな乳房を押し付けながら、キスをしたりあるいは彼の乳首を舐めたりするセシリアと真耶。彼女達は彼がシャルに行っているスパンキングをどこか熱っぽい眼差しで見ていた。今や一夏の女となった者達は少なからずMの気質を開花させている。その事もあって、シャルの臀部が一夏の手の形に赤くなり始めているのを羨ましいと感じていたのだ。
と、その時箒の動きが止まった。射精されているのである。煮詰まったような精液が箒の子宮を襲い、そのマグマのような熱が彼女の思考を完全に溶かし切っていく。
「ああ……来てる。子宮の奥まで一夏の精子が来てるぅ……」
叫ぶのではなく噛み締めるような声。それがどれだけ幸せを感じているかを周囲へ伝え、思わせるのだ。自分もそうなりたいと。
「……次、シャルだ。箒はセシリアと交代しろ。で、セシリアはシャルと交代」
「うん、分かった」
「はい」
「ま、待ってくれ。まだ……」
嬉々として動き出すシャルとセシリア。だが、まだ浸っていたいのか、箒が少しだけ動く事を躊躇う。その瞬間、一夏がペニスを膣内で大きく動かした。
「っ!?」
「箒、早く動くんだ。みんながいる時は誰一人として特別視しないぞ」
「わ、分かった」
「ん。ほら、こっち来いよ。キスしようぜ」
怖さを出したかと思うとすぐに優しく笑みを見せ飴を与える。その手口はやくざのそれに似ていた。一夏の中にある凶暴性や攻撃性。それらが性交時にはナノマシンの影響もあって表に出やすくなってきたのだ。セシリアというMの属性が強い女性を早めに抱いた事。元々女性がMの傾向が強い事。更に箒や鈴のような勝気な女性を屈服させた事もあり、性交時の一夏は完全なSとなっていたのである。
それでもその元来の優しさは消えず、結果として飴と鞭を使い分ける男となっていた。俗に言うベッドやくざらしくなってきていたのだ。
「んっ……一夏ぁ」
「子種がこんなにも……回収する。ジュルルッ……」
一夏とキスをし喜びを全身から漂わせる箒。そのヴァギナから流れる精液を密かにラウラが舐め取り始める。その隙に鈴はシャルと一夏の繋がっている部分を舌で攻撃し始めた。早く絶頂させて交代させようというのである。
「り、鈴っ!? それ、ダメだって! わ、私が一夏のチンポを感じる時間が短くなっちゃうからぁ!」
「それが狙いよ。チロチロ……さっさとイっちゃって射精されなさい」
「そうですわ。シャルロットさんも加入時期の割に伽の勉強に熱心ですし、ここは早くイっておしまいなさい」
「ああっ! セシリアまでぇぇぇぇっ!」
両乳首を強めの力で扱くセシリア。それが彼女の好きな強さなのだろう。雌同士のいやらしい争いの影で、真耶は箒に代わって一夏とキスをしていた。
「あはぁ……一夏君のキス、優しくて力強くて好きよ」
「そりゃ良かった。なら、今度は箒も一緒だ。舌出せ。いやらしく、な」
「「……レォロォ」」
「いい表情だぜ。それだけでチンポがおっ勃つ」
ハーレムプレイと呼ばれるだろうそれは、一夏にまた新しい認識を与えていた。雌は可愛がれば可愛がるだけ愛しくなり、より自分へ尽くしてくれる。そして、一度抱けた相手はどこまででも自分へ奉仕してくれるようになるのだ、と。
こうして全員の子宮へたっぷりと種付けを行い、夕食を食べる事さえも忘れて彼らは交わり続ける。深夜の校舎での露出プレイや散歩プレイなども行われ、セシリアだけでなく急速に箒達もMとして覚醒させられていく。
特に真耶は教師でありながら職場である校舎内で淫行を行うという行為に倒錯的な喜びを覚えてしまい、今度はまだ人が動いている時間や状況で体験してみたいと一夏へ述べたのだ。それにはセシリアも同調。一夏の中で、二人が紛れもない雌犬となった瞬間であった。
「この辺でいいか」
そして、校舎裏辺りに到着するや、一夏は六匹の雌達へ告げるのだ。
「ここでトイレ済ませておけ」
「「はぁい」」
「分かった」
即応したのはセシリアと真耶。それにラウラだった。前者は最早プレイにはまりきっており、後者はサバイバル訓練などの一環と考えての反応である。が、当然箒達はそうは出来ない。それを分かった上で一夏は言ってみたのだ。彼もまた状況に酔ってSっ気が暴走しているのだ。
「い、一夏、さすがにそれは……」
「ほ、本気?」
「でも、セシリア達を見ろよ」
「……本当にしてる……」
愕然となるシャルだったが、放尿するセシリアはとても幸せそうだった。
「ああっ、また私は貴族としていけない事を。人としてしてはいけない事をぉ……」
「やだぁ……どうしてこれで気持ち良くなっちゃうの? 私、こんな女だったんだ……」
恍惚の表情を浮かべるセシリアと真耶。共に背徳感と解放感から得られる快楽でだらしない顔をしている。一方ラウラは二人程ではないが、多少快楽を感じていた。彼女の場合はやはり単なる解放感からである。
「……こうしていると訓練時代を思い出すな」
「ラウラ、犬みたいに片足を上げてしてみろ」
「片足を? ……こ、こうか?」
「ああ、子犬みたいで可愛いぜ」
「っ!?」
だが、それを一夏がゆっくりと歪める。犬の真似をさせる事でそれが人としてではないと認識させ、更に可愛いと言う事で先程までと違った感情をラウラへ与えて。これを狙ってやっていないのだから恐ろしい。
「ま、箒達は別にいいぜ。これはセシリアのための行動みたいなもんだ。まぁ、真耶にも適性があるとは思わなかったけど」
「それは私達もだ。まさか真耶さんにここまでマゾヒスティックな面があるとは……」
「意外よね……」
「やっぱり抑圧されてる人程そうなのかな?」
「かもな。それと、俺はもうある意味みんなのそういうとこ見てるの忘れたか?」
「「「っ!?」」」
一夏が告げたのは、これまでの交わりで起きた失禁の事だった。これまで誰一人としての例外なく、一夏との初行為は失禁ないし潮吹きをしている。つまり体が完全降伏させられていたのだ。
「っと、そろそろ戻るか」
セシリア達の様子を見て戻る事を提案する一夏だったが、それに安堵の息を吐いた箒達三人へこう言い放つ。
「ここから部屋に戻るまでは全裸な」
それには、まったく否定も反論もさせない何かがあった。ただ、その指示には箒達もそこまで抵抗感を感じる事もなく、やや恥ずかしそうに脱いで全裸となって歩き出すのだった。
ちなみにだが、この後の交尾は全員がそれぞれ一度ずつ全力の種付けを行われ、そのSっ気全開の一夏の野性味にまた惚れ直してしまう事となる。
「校外学習かぁ。うん、これなら前よりも時間取れそうだね」
「束様、また会いに行かれるのですか? 織斑一夏様に」
「そうだね。それに、ほーきちゃんにあれを渡してあげなくちゃ」
セシリアと真耶に露出癖が芽生えました。セシリアと真耶が散歩プレイが可能となりました。六人の中に一夏への服従心が完全に根付きました。