「ああ、最高だぜ楯無。そのまま胸で扱き上げてくれ」
「はぁい」
更衣室のシャワールームで繰り広げられる行為。それを眺め、箒達は苦笑していた。
「すっかり楯無さんも一夏の女だな」
「ま、でしょうね。あれで貫かれたら……ね」
「オチンポに夢中になるしか道はない。姉でさえそうだったのだ」
ラウラの言葉に誰もが頷く。感情に乏しいクロエさえも女に、雌にしてしまう一夏とのセックス。あの束でさえ屈服し従属させる程の暴力なのだ。それに、もう彼女達は分かっている。あれは女である以上抗う事の出来ない攻撃だと。
「それにしても、学園祭の一夏様はかなりでしたわ。まさか一人で侵入者を撃退してしまうなんて」
「零落白矢は撃たれたら最後、回避は間に合わないし防いでもエネルギーをかなり持っていかれる。しかも、聞いたら相手は逃走してたんでしょ? 避けられるはずもないよ」
セシリアとシャルは共にヴァギナから白濁を流しながら平然としていた。もう彼女達にとって、一夏の名残を垂れ流しながら会話するのは日常と言えたのだ。
「そう言えば、未だにあのサイレント・ゼフィルスの操縦者に関して何も言わないのか?」
「ああ。姉さんも既に尋問は諦めている。今は、メイドの真似事をさせて遊んでいるぞ」
「うわ、束さんらしいわ」
「イギリスは隠してるんでしょ? やっぱり表沙汰には出来ないって?」
「のようですわ。私にも箝口令を敷いてきました。まぁ、既に篠ノ之博士のせいで一部に知られていると言ったら絶句してましたけれど」
オータムの一件を隠れ蓑に、箒達が調べているのはサイレント・ゼフィルスの事だった。正確にはその操縦者を。楯無から見て厄介な腕前の持ち主であり、専用機を五機相手に突破出来るだけの能力を有している存在故に。
楯無でさえ撃退がやっとであり、撃破は不可能ではないが厳しいと認める相手。おそらく最初からオータムが失敗か、あるいは白式のコアを奪取した時点で襲撃する手筈となっていたと予想され、そこからもサイレント・ゼフィルスの信頼度が分かると言うものだ。
「一夏、お前も映像で見たのだろう? どうだ? 勝てそうか?」
「そうだな……」
楯無のパイズリフェラを堪能しながら一夏は平然と考える。その片手は彼女の頭を優しく撫でている。もう片手は近くにいる愛しい妻達へのちょっかいに忙しいらしく、今などは五人の可愛らしい突起となった乳首を弾くようにしていた。
「勝てる可能性はあるけど、正面切っては無理だろうな」
「やはりか……んっ」
「ああ。箒と二人でなら確実だろうけど」
「そういえば、白式は変化したのだったな。ああっ……姉さんが調べたところ、かなり推力などが向上しているそうだが」
「まあな。瞬時加速が二段階で使えるようになったおかげで戦術の幅が増えたのはいいんだが、エネルギー効率は悪化してさ。痛し痒しってとこだ」
楯無との試合を経て進化した白式は、当然束によって詳しく調べられた。そこで束は白式自体が一夏の希望に合わせて変化したと結論付ける。何せ二段階加速は、まさしく彼が望んでいた事だったからだ。
「千冬姉と同条件で超える。それは今でも変わらない。たしかに白式は千冬姉のISよりも高性能かもしれないけど、その分色んな面で扱いが難しいから単に上とは言えないし」
「下手をすれば扱い次第では退化と言えなくもないな。それで、この後はどうする?」
箒の視線の先では、楯無が口内射精されていた。その溢れそうな精液を、彼女は蕩けた表情で味わうように飲み下している。その味を思い出してか、五人の少女達は揃って似たような顔をした。
それと共にポタタっと愛液が零れ落ちる。白濁混じりの、粘液が。
「それなんだがな。実はちょっとした考えが楯無にあるらしいんだ」
「……ごちそうさま。で、今夜の消灯時間を過ぎたら大浴場に来てくれる?」
一夏のペニスを綺麗に舐めてから、楯無は口の端に白い物を付着させたままでそう笑って告げる。箒達はそれだけである程度把握した。IS学園の寮には大浴場が存在する。ただ、そこは基本女性用。一夏は唯一の男性なため、そこを使う事が中々出来ない。なので、消灯時間後に使用させるとして許可を取ったのだろうと。
他ならぬ楯無が、である。
こうしてこの日の夜、一夏達は何も知らぬまま大浴場へ向かう事となる。彼らは知らなかったのだ。この企てに束も関与させられている事を。
「束様、本当にいいのでしょうか?」
「へーきへーき。メイドさんは現状だと逃げ出しても死ぬしかないからね。大人しく留守番してるよ。ね?」
「……チッ」
「とゆーわけでおっきなお風呂へレッツゴー」
「はい」
箒達が大浴場へ向かっていた頃、ラボの中でもお風呂セットを用意して束とクロエが動き出していた。メイド姿のオータムを残し、二人も大浴場へと向かうためにラボを出る。残されたオータムはメイド服を脱ぎ捨て、一糸まとわぬ姿となって用意された寝袋へと入った。
「絶対にこのままじゃ終わらない。終わってたまるか……っ!」
毎日呪詛のようにそう呟いて彼女は眠りにつく。その願いは当然のようにこれまでの悪行のために届く事なく、無残にも地へと叩き落され続ける。
さて、大浴場では一夏達が到着しその広さや景観に息を吐いていた。実は、一夏はともかく箒達も諸々の事情でここへ来た事はなかったのである。主な理由は彼との性交を優先したためであるのだが、それはまぁ仕方ないだろう。
「どう? 貸切なんて中々出来ないのよ? 一夏君も、当分使えないだろうから今日は思う存分堪能してねん」
「ああ、ありがとな楯無。俺、こういう広い風呂が好きなんだ。やっぱ日本人はこういうのだよなぁ」
本来ならば男子禁制というか、その侵入が有り得ないはずの場所。そこに一人だけ入る事を許された一夏は、純粋に広い風呂という点でテンションを上げていた。そういう意味では、箒達の裸体より見慣れていないからだろう。
「それにしても、本当に良かったんですか? いくら何でもここでは」
「ふふっ、箒さんは本当にいい奥さんになるわね。お湯を汚してはって事でしょ? 心配無用よ。実は、明日は週に一度の本格清掃日。つまり、使用不能になるのよ。だから大丈夫。たっぷりオマンコ出来るから」
その言葉に女性陣から安堵と期待の吐息が漏れる。更に視線は一夏の股間へ向けられた。そこには、反り返る雄の象徴がある。これまでも何度か大人数で交わった事はあったが、シャワールームが精々。広い湯船で愛されるというのは誰しも初体験である。
それはつまり、一夏がいつもよりも猛る事を意味していた。
「なら、まずは体を洗うか。みんな、頼めるか?」
一夏がいとも容易く告げたのは、普通ならそこまで驚く事ではない。これだけの美女と親密な関係となった男ならば王様気分を味わいたくなるものだ。箒達もそう考えて笑みを浮かべながら彼の傍へと近付いていく。と、そんな彼女達に一夏は平然とした顔でこう告げた。
「体を使ってな」
その一言で全員が動きを止める。ただ、楯無だけがやや顔を赤くしながら一夏へ問いかけた。
「全員で?」
「ああ。箒と鈴は腕を頼む。楯無とシャルは足を、ラウラは背中だ。セシリアは」
「お尻ですわね?」
「おう」
我が意を得たりとばかりに笑みを見せる一夏。その嬉しそうな笑顔は発言内容と噛み合っていないようにも思えるが、箒達には分かっていた。これが彼なりの甘えである事を。故に苦笑する。そして内心で喜びを噛み締めるのだ。愛されていると、そう感じて。
六人もの乙女が体を泡だらけにし一人の男へ奉仕するために近付いていく、まさにその時だった。
「へー、中々だね」
「これが、大浴場ですか。風呂は知っていましたが、こういうものなのですね」
束とクロエがそこへ姿を見せたのは。一夏だけでなく全員の視線が二人へ注がれる。束の箒を超えるプロポーションに鈴とラウラがため息を吐けば、クロエの可憐さにセシリアが嘆息した。だが、一夏は違う。彼は二人を見るなり笑みを深くしたのだ。
「束、クロエ、二人もこっちへ。で、束は俺が体を洗ってやるよ。クロエはラウラと一緒に俺の背中を洗ってくれ」
「だそうです、束様」
「だね。じゃ、いっくんの事よろしくね、くーちゃん」
「はい」
こうして総勢七人の少女に体を洗われながら、一夏は束の体―――主に胸や臀部―――を洗う事となる。箒と鈴がその股間の陰毛で腕を磨くように洗う中、楯無とシャルは体を足へ滑らせるようにして洗う。かと思えば、背中の義姉妹は仲良く悪戦苦闘しながら胸をスポンジに見立てて洗い、セシリアは一人恍惚の表情で胸で大臀筋を、舌で肛門を綺麗にしていく。
「ひゃんっ! い、いっくん、くすぐったいってばぁ」
「束の体を綺麗にしないとって思ってさ。っと、こことか念入りに」
「んんっ、おっぱいの下側はたしかに汗掻きやすいけどぉ……」
何気ない束の発言にラウラとクロエがそういうものなのかと小首を傾げ、鈴が一人悔しげに顔を歪め、残りの者達は同意するように頷いていた。そんな中でも一夏は束の胸を愛撫するのを止めない。その大きな乳房を揉み、揺らし、撫でる。洗う事など二の次でただその弾力や大きさを堪能するのみであった。
「一夏、そろそろ束さんを普通に洗ってあげなさいよ。そういうのは程々に」
「別に束さんはいいよ。いっくんの気の済むようにしてくれればね」
「姉さん、それじゃ私達がいつまでもお預けになる。だから鈴はみなを代表して言ってくれたんだ」
「そうよ一夏君。篠ノ之博士もいいけど、お姉さん達も洗ってくれるんでしょ? クロエさん、だっけ。彼女だって洗ってもらわないと可哀想じゃないですか。ね、篠ノ之博士」
「いえ、私は」
「ダメダメ。くーちゃんもほーきちゃん達と同じにしてもらわないと。君、良い事言った。いっくん、そろそろほーきちゃん達とこーたいこーたい」
楯無は箒や一夏からアドバイスをもらっており、どうすれば束と上手くコミュニケーション出来るかを学んでいた。要するに彼女が意識を向けている存在を引き合いに出し、その人物のためになる事を言う事だ。事実、今ので束にしては珍しく親しくもない楯無の事を認識していた。
束の催促もあったため、一夏はならばと次に楯無を洗い始める。既にこの後を期待してその乳首は勃起しており、そこを重点的に愛撫されて彼女は綺麗な嬌声を上げる。
「乳首、クリクリしちゃダメぇ! 声ぇ、声が抑えられないからぁ!」
「いいんだって。どうせみんなエロい声出してもらうんだ」
「で、でも、恥ずかしいの……」
「そういう顔が見たいから出させるんだってのっ!」
「ああっ! 引っ張っちゃ嫌ぁぁぁぁぁっ!」
達した瞬間、楯無のヴァギナから流れる液体があった。それは透明な液体。だが、潮ではない。この事を見越して既に用を済ませていた楯無は、せめて失禁するとしても色がないようにと水を多めに取っていたのである。
「あー、またイった事でおもらしか」
「いやぁ。そういう言い方しないでぇ」
言葉とは裏腹に楯無のヴァギナは愛液を多く分泌していた。内面のMっ気が感じさせている証拠である。彼女はソフトMであった。セシリア程ではないので過激な事は好まないが、それも一夏が強く頼めば受け入れる程度には被虐心も持っているのだ。
楯無の次はクロエ。彼女は優しく全身を普通に洗われた。ただし、一部だけ念入りにされる事となる。
「い、一夏さん。そこは、あまり……」
「そこ? どこの事だ? 教えてくれ、クロエ」
「そ、その、クリトリスです」
「クリトリスが何だ?」
「あ、あまりナデナデしないでください。そうされると……」
「じゃ、こうか?」
「っ~~~~~~っ!?」
プシャっという音と共にクロエが仰け反り、潮を吹いた。彼女は陰核を最後一夏に扱かれたのである。執拗な陰核攻めはクロエにとっては強烈な快感となった。この日からクロエは自慰行為を行う際、フィニッシュを陰核でするようになる。
その次に呼ばれたのは何と束。彼女は絶頂させていないからという理由である。嬉々として再度一夏の手で愛撫され始めた束であったが、彼女の場合は少々前述の二人よりも激しいやり方となった。
「んにゃあぁぁぁぁっ!」
「束、気持ちいいか? クリとGスポの同時攻撃は」
「こ、こりぇだみぇぇぇぇぇっ! バカににゃりゅうぅぅぅぅっ! なっひゃうぅぅぅぅっ!」
「いいよ。なれなれ。馬鹿になってセックスの事しか考えられないようになっていいよ。どうなっても俺が嫁にもらうからさっ!」
「イッグぅぅぅぅぅぅぅっ!!」
弱点二ヶ所を同時攻撃という事をされて、束は誰よりも恥ずかしい醜態を晒されてしまう。当然最後には失禁し、改めて一夏に自分は敵わないと認識させられてしまう有様であった。
白目さえ剥いてピクピクと痙攣する様は、まさしく完全敗北と言える。そんな彼女を見て残る五人は唾を飲んだ。気付いたのだ。一夏の攻め方が容赦なくなっている事に。
「次は、挙手制にするよ。誰から洗って欲しいんだ?」
そのぎらつく眼差しに、五人は子宮が疼いてくるのを感じざるを得なかった。どう扱われてもいい。この雄に愛してもらえるのなら、と。
「あああああっ! 一夏様のチンポでオマンコゴシゴシ最高ですわぁぁぁぁぁっ!!」
「綺麗だぜセシリア。もっとそのエロくて可愛い声を聞かせてくれ」
歓喜の叫びを上げるセシリア。箒達五人への洗い方はペニスをブラシと表現しての膣内清掃であった。つまりセックスである。焦らされた子宮へのそれは、セシリアの前にそれを味わったシャルと鈴がヴァギナから精液を垂れ流して意識を手放している事から窺える通り、恐ろしい程の快楽を彼女達へ与えていた。
更に対面座位で抱き合っているため、一夏は常に貫いている相手の乳房をやや強めに愛撫しているのだ。更には正面からの愛の言葉付き。心身を包んで堕とす抱き方であった。
「あの、少しいいでしょうか束さん」
そんな中、楯無は密かに束へと接触を試みていた。一夏に抱かれた今なら、多少なりとも会話をしてくれるのではと、そう考えて。束は楯無の呼びかけに気怠そうに顔を動かした。だが、そこに以前程の拒絶感がないと楯無は感じ取っていた。
「何?」
「その、実は私には妹がいるんです。一つ下の妹なんですけど、とある事情で若干距離を取られてまして」
「……それが束さんとどう関係するのさ」
「箒さんに聞いたところ、以前までお二人も距離感があったと。それをどうやって取り除いたのかを、同じ姉として良ければ聞かせて欲しいなと思いました」
同じ姉として。この言葉に束は目を細めた。これが束を懐柔ないし絆そうという目的での発言であれば、きっと楯無を彼女は嫌っただろう。だがしかし、この発言に嘘はなかった。楯無は本気で妹との仲直りや関係改善を求めている。そう束は直感で感じ取ったのだ。
「どうやっても何も、束さんからは何も。ほーきちゃんから束さんを嫌いだけになりたくないって言われただけだし」
「嫌いだけに……」
「ん。ま、今なら少し分かるんだよね。束さん、ほーきちゃんやいっくんへ自分の意見しか言ってなかったからさ。あと、自分の好き勝手に生きてたし」
「それで嫌いになり始めていた箒さんが束さんへ想いをぶつけた。このままだと嫌いだけになってしまうかも、と」
「そーんな感じ。ほーきちゃんが泣いちゃって、いっくんは怒っちゃって、で眼鏡の人はちーちゃん並の剣幕で批判してきたしで大変だったんだから」
「眼鏡の人?」
「ちーちゃんの同僚さんだよ」
「……山田先生、ですね。元国家代表候補生だった方です」
真耶の情報に束は「ふーん」と気の無い返事をしていたが、あの束が反応すると言う事は多少の意識はしていると言う事である。やはり面と向かって自分へ意見をはっきりと述べ、箒や千冬の事を思えと忠告した真耶を束はそれなりに気に入っているのかもしれなかった。
「と、ゆーわけで束さんからは以上」
「ありがとうございます。要するに会話をしに行けと言う事ですね」
「……会話、か。うん、そーだね」
楯無の告げたまとめにやや噛み締めるような声を返して束は笑う。どうやら楯無は自分が分かってなかった事を理解しているようだと、そう思って。ならきっと自分達と似た結末になるだろう。そんな風に思い、彼女は視線を一夏達へ向けた。
「オチンポぉ! オチンポブラシでイクっ! イってしまうぅぅぅぅぅっ!」
既にセシリアは終わり、ラウラが洗う対象となっていた。その姿と声に束は子宮が疼き出すのを感じていた。
「……束さん、最後に一ついいでしょうか?」
「何?」
以前までの束であれば自分の欲求を優先して動いただろうが、ラウラの次は箒である事と一夏に嫌われると察している事で自制心を働かせていた。そこへ楯無から再度の会話希望であったからか、若干束の声に険があった。それでも楯無は何一つ気にするでもなく笑みを浮かべて、束へ体を寄せると耳元へ囁いたのだ。
「一夏君や箒さん達のために、私に一つ考えがあるんですが……ご協力いただけません?」
スッと束の目が細くなって楯無へ向けられる。そこには、以前までの冷たい彼女がいた。その拒絶感を正面から浴びながらも楯無は笑顔を崩さない。しばらく見つめ合う二人。やがて楯無が笑みを苦笑に変えて頬を掻いた。
(どうやら、まだそういう話までは聞いてくれないようね……)
折角詰めた距離もまた戻ってしまったか。そんな風に思って楯無が申し訳なさそうな顔をして頭を下げた。せめて関係悪化だけでも避けようと、そう思って。
「失礼しました。どうやら気分を害してしまったよう」
「聞くだけ聞いてあげるよ。同じ姉として、ね」
楯無の言葉を遮って束が告げたのは彼女にしては幾分好意的な答えであった。その理由も、束自身から告げられている。同じ姉として。それが、単なる姉同士であるからとは楯無も思わなかった。愛する妹と距離がある事と、無自覚か否かの差はあれど関係性に悩んでいた事を加味してだと。
勿論それだけではない理由もある。束としては、自分が冷たい眼差しを向けたにも拘らず、簡単に狼狽える事も取り繕う事もせず、ただ束の心境を害した事だけを丁寧に謝罪したためだ。
そこに、束は楯無の人となりを見たのである。千冬や一夏達と同じく、己をしっかりと持っていて権威や周囲の評判に流されない部分を。だから応じた。同じ男に抱かれ、醜態を晒し合ったのもそこには影響していたが。
こうしてラウラの嬌声をBGMに話される楯無の計画。その内容に束は徐々に表情から険しさを抜いていき、最後には笑みを浮かべていた。
「いいね、それ。束さんとしても面白いって思うよ」
「協力してもらえます?」
「するする。なーんか燃えるね、こういうのも。誰にも知られる事なくおっきな事かぁ。前なら面倒だなで終わらせてたけど、今だとやってみてもいいかもって思うよ」
「きっと、これまでやってこなかった事に挑戦してみるかという気持ちの余裕が出来たのかもしれません。あるいは一夏君と関係を持ったからでは?」
「かなぁ。今ね、束さんは自分とほーきちゃんの赤ちゃんを同時にだっこするのが夢なんだぁ」
普通に会話している二人だが、その片手は自身のヴァギナを愛撫しもう片手は乳房を愛撫している。表情は蕩け、目は虚ろであり、ただある一点を見つめていた。
「も、もっと奥を、奥を突いてぇ。一夏のチンポで私の子宮を壊すぐらいにぃ」
甘えるような声を出しながら箒が一夏の上に跨っている。その光景を眺め、二人は自らを慰めていた。どこかで気付いているのだ。箒が終われば自分達が今度は同じ洗い方をしてもらえると。故に準備している。最高の快楽を味わうために。そう、逞しいペニスで貫かれ、膣内を何度も擦り上げてもらって絶頂する時のために。
(一夏君のチンポっ! あの逞しいのでまた突き上げてもらえる! ああっ! 早く抱いて欲しい……っ!)
(子宮が疼くよぉ。切ないよぉ。いっくんのオチンチン、早く入れて欲しいよぉ!)
箒達と違い、そこまで明確に一夏へ強い異性愛を抱いていた訳ではなかった二人。だからこそ、余計彼の雄としての強さに負けてしまった後は従順な雌となっていた。共に負ける事など考えていなかった二人は、一夏に抱かれて頭と心に刻まれてしまっているのだ。
抱かれてしまったら自分は一夏に勝てないのだ、と。
「「イっ!?」」
揃って絶頂しそうになった瞬間、咄嗟に口を片手で押さえる楯無と束。声を出すのを恥ずかしがったのではない。そうする方が自慰の場合はより快感を得られると知っているからだった。両脚を伸ばし、仰け反るようになりながら彼女達はゆっくりと脱力していく。
「やだ。もう完全に子宮下りちゃったぁ……」
「いっくんの赤ちゃん、早く欲しいなぁ……」
「……双子とか?」
「三つ子とかでもいいかもぉ。あっ、排卵誘発剤作っちゃおうかな? いっくんのナノマシンへも細工してぇ……」
もしここで楯無が絶頂直後でなければ気付いただろう。束が口にした内容の疑問点を。だが、悲しいかな。絶頂した直後の楯無の思考は、既に視線の先の一夏のペニスへと注がれている事からも分かる通り性交の事で占められていたのである。
「さっ、次は束だ。こいよ」
「はぁい。いっくん、いっぱい種付けしてね?」
嬉しそうに微笑みを見せながら束が一夏の下へとフラフラと歩き出す。その背を見送りながら楯無はおぼろげに思うのだ。
(簪ちゃんにも一夏君を紹介したら、篠ノ之姉妹みたいになれるかしら……?)
彼女の視界には、一夏に抱かれながら箒とキスをする束の姿が映っていた。その表情はとても幸せそうに蕩けていて、楯無はそれに自分達姉妹を重ねて笑みを浮かべる。もうそれぐらいに彼女も毒されていた。それは、彼女が溜め込まないといけない存在だったからだ。
不平不満を口に出せない環境と立場。そこに居続けなければならない楯無にとって、一夏との時間は唯一と言っていい何の配慮もいらない時間。その心地良さと気持ち良さに彼女が溺れるのに時間はかからなかったのだから。
「いつもよりいっくんのオチンチンかたぁい! 気持ちいいとこ、ずっと当たり続けてるよぉ!」
「一夏、どうだ? 姉妹丼、だったか。その味は」
「最高だぜ。箒も束も美人だしな。それに……」
「「ああんっ!」」
揃って喘ぐ姉妹の姿。二人は一夏によってその豊かな乳房をやや乱暴に掴まれていた。痛みよりも快感が強いそれは、一夏の力加減によるものだと二人も分かっている。だから余計に感じてしまうのだ。それは肉体的な快楽ではなく精神的な快楽も加わるために。
一夏に想われている。大事にされている。そう思う事で肉体が感じている以上の快感を得る事が出来るためだ。
「私も、いつか簪ちゃんと一緒に……」
姉妹仲良く愛される事を妹がもしも望んでくれるなら。今はまだそう思う楯無であったが、これもその内に変化していく事になる。そう、一夏に抱かれ、箒達姉妹やラウラ達義姉妹が普段以上に可愛がられているのを見る内に。
自分も、もっと一夏に愛されたい、求められたいと……。
一夏達が学生寮の大浴場で爛れた時間を過ごしている頃、織斑家の千冬の部屋は暗闇に包まれていた。だが、そこに静寂は無かった。漆黒の空間には、荒い息遣いと滑り気を帯びた水音が響いていたのである。
「んっ……はぁはぁはぁ……ああっ、一夏ぁ……」
全裸でベッドに横たわりながら自分の手で乳房を愛撫し秘部を弄る一人の女性。そう、部屋の主たる千冬であった。彼女は日課となってしまった自慰行為に耽り、見る者がいないからとその整った肢体を惜しげもなく晒していたのだ。
(一夏の名を呼ぶ度に、あのペニスの逞しさを思い出す度に体の奥が熱くなる。私は、私はやはりそうなりたいのか……)
いけないと思いつつ、どうしても自慰をする度に思い浮かべるのは弟と呼び、昔から強く想う男の事。以前はどこか頼りなかった。顔立ちも男らしさのようなものがそこまでなかった事もあり、千冬にとっては可愛さの方が強い印象でもあったのだ。
それが、IS学園に入学してから変わり出した。ぎらついた目をするようになり、以前よりも増して自分をしっかりと持ち、頼もしさや逞しさを感じさせるような雰囲気と顔立ちになっていった。更には、敗北しているとはいえ国家代表候補達といい勝負をするのだ。ここまで揃って、尚も一夏は先を目指している。
千冬は、楯無から聞いた言葉が忘れられないでいた。
「私を、超えようとしている、か……。ああ、そう思うだけでまた……」
トロリと流れ出す愛液は千冬の本音を物語る。男として魅力的になっていく一夏を、弟ではなく異性として認識していると。その切っ掛けは、あの旅館での一時にあった。生まれて初めてしっかりと実感した勃起した男性器。その硬さ、熱さ、逞しさに千冬の女が反応してしまったのだ。
「私は姉だ。近親間でのそういう行為は許されない。許されないのに……」
あのマッサージの際、一夏が彼女に言った言葉。それもまたこの自慰行為へ走らせる一因となっている。
―――いや、無理だろ。千冬姉だって女性だし、いい匂いするし柔らかいし。
既に禁忌の道を弟は歩き出しているのかもしれない。あるいは、そうでないとしても自分を異性として意識している可能性が高い。そう思うと、千冬は自分を律する事が難しくなってしまう。そう、下手に抑え付け続けるよりもこういう風に開放して本当の行為へ手を出さない方がいいのではないか。そんな言い訳まで浮かんでしまうために。
植え付けられたモノは、既に根付き芽を出し始めている。それが一気に花と咲かない辺りに千冬の強さと危うさがある。何せ彼女に生えたのは一般的には毒花と呼ばれる類の感情。弟という自分にもっとも近い存在への、欲情なのだから。
毒は長く放置すればするだけ体を蝕む。体が病めば心も病む。普通ならばその時点で耐えられなくなり、音を上げて解毒しようとするのだが、人一番強い千冬はそれが出来ない。いや、ならずに耐えられるのだ。そのため、より一層体と心が毒に犯されていく。本人は気付いていない。早く音を上げてしまう事が、実は一番自分にとって良い選択肢である事を。
「私は、決して道を踏み外さない……一夏のためにも……ああっ!」
理性と本能。そのせめぎ合いの中、千冬は懸命に戦っていた。彼女は知らない。とっくにその一夏こそが彼女を雌に堕として手に入れようとしている事を。姉を超える。それは、全てそのための最低条件であるとしている事を、まだ彼女は知らなかった……。
更識姉妹の姉妹丼フラグ2が立ちました。一夏と簪の出会いフラグが立ちました。
千冬の発情状態が深刻化しました。