「本当に基礎固めしかやらないのね……」
「ああ。一夏の戦い方は昨日お前が経験した通り、接近戦での零落白夜による一撃で決めるのみだからな。故にセシリアは戦い方ではなくISの基本動作の習熟に重きを置いているらしい」
「ふぅん、ま、理には適ってるわ。あたしも接近戦主体だけど、一夏とは違うからアドバイスの出し方が難しいもの」
アリーナにて行われている一夏とセシリアの訓練風景を眺め、箒と鈴は会話をしていた。本来であれば、戦うべき相手であるはずの鈴が一夏の訓練を見るのはどうかと思われるのだろうが、彼は素人の訓練を見たところで国家代表候補が参考になるはずもないと気にもしなかったのだ。
こうして鈴はむしろ何かあれば意見を述べようとまで考えてその場にいた。
「そういえば、鈴、お前のISは近接戦がメインのものなんだろう? なのに何故アドバイスが出しにくいのだ?」
「一つは武装面。あたしはいくつか武器があるけど、一夏は一つだけ。これじゃ戦術も限られる。二つ目はそれこそ技術面よ。あたしとあいつじゃ動きから何から差があるもの。いきなりあたしと同じ動きしろって言われても無理でしょ」
「……たしかにな」
「それに、あたしってISを勘で動かしてるから説明とか無理なのよね」
「おい」
「仕方ないじゃない。あたし、天才肌なのよ」
たった一日で仲良くなっている箒と鈴だが、それにはちゃんとした理由がある。勿論前日の後始末が関係しているのは間違いない。だがそれだけではないのだ。
それは、今朝の一夏と箒の部屋での出来事まで遡らねばならない。そう、箒がセシリアへ譲ると言ったモーニングフェラ。その時まで。
寝ている一夏を見つめ、微笑みを浮かべるセシリア。箒はそんな彼女に苦笑していた。初めてみる彼の寝顔だからと理解してだ。しかし、そこにはセシリアと同じ顔をしている者がいた。鈴である。
「寝顔は昔のままなのね……」
「ああ、そうだ。だが起きれば……」
「あっという間に男らしい一夏さんですわ」
美少女三人に見下ろされながら眠る一夏だが、その下腹部、股間の辺りは盛り上がりを見せている。朝の生理現象である朝勃ちと呼ばれるものであった。その怒張に三人はそれぞれ異なった表情を浮かべる。箒は優しい笑みを、セシリアは妖艶な微笑みを、鈴はやや呆れを見せていた。
「で、どうなさいますか?」
「あ、あたしもやるわ。だって、昨日はいい様にされたもの」
「鈴、分かってると思うが」
「分かってるわよ。奉仕の心、でしょ? あたしだってそれぐらいは理解してる。もう、一夏の女にされたんだもん」
顔をやや赤めながら鈴はそう言い切った。この辺りにも箒との会話で何か変化したのが窺える。そんな彼女に箒は小さく頷くと早速とばかりに上着を脱いだ。それに応じてセシリアも上着を脱いでブラジャーさえも外し出す。鈴もやや慌てて上着を脱ぎ出した。
やがて三人は上半身だけ裸になると一夏の下半身へと顔を寄せる。そこから漂う雄特有の匂いが彼女達の顔を蕩けさせ、それはセシリアが布団をどける事でより顕著となった。寝間着の布を突き破らんとするかの如き怒張。その雄々しさに三人が揃って喉を鳴らした。
「では、手はず通りにいきますわ」
「分かった」
「ええ」
セシリアの言葉に頷き合い、箒と鈴も動き出す。そして一夏のペニスが大きな乳房に左右から挟まれると同時に、可愛らしい舌がその亀頭を舐め始めた。
「ん……?」
今まで感じた事のない快感で一夏もすぐさま目を覚ましたのか、目を擦りながら顔を上げる。そこで彼が見たのは……
「……何だよ、それ。最高の眺めじゃないか」
自分のペニスが箒とセシリアの胸に挟まれながら、鈴から懸命に亀頭を舐められている光景だった。その三位一体の性技に彼は寝起きとは思えないような猛々しい笑みを見せる。それが三人の女を刺激した。それと同時に自分達の行動で彼が喜んでくれているという自信も得て、その顔に笑みが浮かぶ。
「ふふっ、いかがですか?」
「私達なりのサプライズだ」
「チュッ……あ、あたしもあんたの女になったってこれで分かるかなって」
「ああ、嬉しいぜ鈴。男の夢って感じだよな、こういうの」
「「「あっ……」」」
とてもイイ笑顔で言ってのける一夏だが、それと共にペニスが小さく動く。それに彼女達は無意識のまま声を出した。その表情を淫らなものへ変えながら。
「……続けてくれるか?」
「「「っ! ああ(ええ)」」」
こうして一夏はこの後それぞれに一発ずつ精液を飲ませ、しっかりと絶頂させた。当然それで終わるはずもなく、三人が満足するように力強く交わりもした。高校生男子の従来の性欲に、ナノマシンによる精力増強、そしてトドメに相手が指折りの美少女と来れば結果は言うまでもない。
この日、クラスへ顔を出した鈴はクラスメイト達から揃って聞かれるのだ。何をしたらそんな艶々の肌になるのか、と。それに彼女は小さく笑みを浮かべて秘密と返したのだった。
そんな朝を過ごし、昼食は四人で道場ではなく屋外スペースで食べ、すっかり鈴も一夏ハーレムの一員となっていたのである。昼にも優しくも激しい交わりをしたのは言うまでもない。箒とセシリアはそれをこう考えていた。一夏なりの鈴の迎え方なのだ、と。
話を戻そう。一夏とセシリアの訓練は佳境に入っていた。即ち実践である。言葉と見本で覚えた事を体へ染み込ませる。一夏にとっては一番気合が入る瞬間だ。何故なら、今の彼はセシリアのご主人様ではなく教え子。故に良いところを見せるか、無様なところは見せたくないと思っているためだ。
「では、行きますわよっ!」
「ああっ! いつでも来いっ!」
セシリアのIS、ブルー・ティアーズがビットを展開して一夏へと攻撃を開始する。それらを可能な限り最低限の動きで回避しながら距離を詰める事。それが一夏への課題だ。
零落白夜は強力な一撃だが、自身のエネルギーも大幅に消費する諸刃の刃。故に極力回避や間合いを詰めるのにエネルギーを使わないようにしなければならない。そんな初心者が使う物ではない能力で、一夏は足掻く事を決めていたのだ。
(千冬姉に文句を言わせないためにも、箒達を嫁に迎えるためにも、安い妥協はしたくないっ!)
鋭い眼差しで襲い来る射撃を見極め、体を動かす一夏。セシリアはそんな彼を正確に狙い撃つ。ビットの制御へ意識を向けつつ、射撃にも気を向けるという凄まじい集中力を要求されるIS。それが彼女の使うブルー・ティアーズの特徴である。
(一夏さんには悪いですが、初心者を脱しつつあるような方相手に遅れを取る訳にはいきません。今回は、勝たせて頂きます……っ!)
(っ!? ヤバイっ!)
後方からの熱源反応。それがいつの間にか背後に回ったビットからの攻撃と気付き、一夏は内心で舌を巻いていた。それまでセシリアが意図して先方からの攻撃ばかりしていたと悟ったからだ。彼の意識を前方へ向けさせ、ここぞというところで背後からの奇襲で仕留める。それが彼女の立てた戦術だった。
「
このままではやられると踏んだ一夏は、一か八かの賭けに出た。集中砲火を受ける前に無理矢理ダメージ覚悟で前方を突破、セシリアへ特攻をかけようとしたのである。一瞬にして一夏の体が凄まじい加速を発揮しセシリアへ迫る。ビットの攻撃を受けつつも絶対防御が発動しないように体を動かし、最短距離で向かって行った。
「これでっ!」
「終わりですわっ!」
「っ?!」
射撃の雨を抜けた先で一夏を待っていたのは、セシリアではなくビットだった。咄嗟にそれを雪片弐型で払い落とした一夏の頭上で響くセシリアの声。そして一夏が回避しようとした時には全てが遅かった。
先に攻撃していたビットが三基、彼を半包囲して攻撃していたのだ。一度瞬時加速を使った以上、すぐにはそれが使えない。こうして一夏の体を四方からの閃光が貫いたのであった。
「……どう見る?」
「ま、セシリアの作戦勝ちでしょ。一夏の咄嗟の判断も悪くはないわ。でも、博打過ぎたわね」
「こうして外から見ていたから分かったが、やはり国家代表候補生というのは伊達ではないな」
あの一夏が咄嗟に払い落とした物こそ、彼を後方から攻撃したビットだった。セシリアはビットで後ろを取った後、攻撃と同時に一夏の先回りをするように彼女が元いた場所へと移動させたのだ。
「あれにまぐれとは言え勝利出来たのが信じられん」
「驕り、油断、慢心。それらがあれば、まぐれは偶然ではなく必然になる時もある。あたしが一夏に負けたのだって、そういう事よ」
「……ならば、クラス対抗戦は一夏の負けが濃厚、か」
「そうなるでしょうね。一試合目があたしじゃなければ一勝ぐらいは可能性あったけど」
現状の一夏が勝利を収めるには、相手の油断や隙に付け入るしかない。そう鈴は確信していた。今の彼では、真っ向勝負で実力者に勝てる程の力はないと。それは箒も同感なのだろう。鈴の言葉に反論する事なく息を吐くのみだ。
そんな二人の目の前で、一夏は悔しげに拳を握りしめていた。彼もまた己が未熟さを痛感していたのである。セシリアと鈴、二人の代表候補生相手に非公式とは言え勝利した事。それでどこか自分が天狗になっていたと戒めていたのだ。
「くそっ、俺は本当に昔から変わらないな。すぐ調子に乗って痛い目を見るって、これまでの事で分かってるはずなのに……っ!」
「仕方ありませんわ。初めての試合で私を、二度目の試合で鈴さんを結果的に負かしているのです。例えそれがまぐれにせよ、勝利は勝利ですから。ただ、油断や慢心ではありませんが、一夏さんの中にどこか慎重さや思慮深さが欠けていたのも事実ですわ」
「慎重さに思慮深さ、か……」
「ええ。最後の場面、賭けに出た事自体は悪くありません。ですが、少々急ぎ過ぎました。瞬時加速を使うタイミングが早かったと、私は思います。あれならもう少し私へ接近してから、一瞬で踏み込める距離で使うべきでした」
セシリアの指摘に一夏は小さく声を漏らした。賭けをするなら少しでも勝ちの目が見えるようにしろ。そう言われていると悟って。故に彼女はこう言ったのだ。慎重さや思慮深さと。
こうして反省会の様相を呈してきた事を悟り、箒と鈴もそこへ合流する。四人での反省会は、主に一夏のための意見交換会となった。そういう意味では、彼は恵まれていると言える。剣道の実力者である箒、遠距離戦のエキスパートのセシリア、近接戦が得意な鈴という、彼にとって有益なアドバイスを送れる三人であったのだから。
「いいか、一夏。お前の武器は一振りの剣のみだ。故にどうやっても相手は距離を取ろうとするだろう。だからこそ、剣道の基本に立ち返れ。距離を取る相手へ踏み込む時、何に気を付け、何を心がけるかを」
「で、これも分かってると思うけど、あんたの
「最後に、距離を取る相手には二種類います。そうする事で自分が有利になるからする者と、そうしないと本領を発揮出来ない者とに。私は後者です。そういう相手には、例え零落白夜を使えずとも接近し続けるべきですわ。それだけで圧力となり、相手の動揺やミスを誘えます」
それらは、彼がこれまで何度も言われてきている事ではある。だが、だからこそ何度でも言ってくれるのだと一夏は知っている。今、三人は自分のために意見を述べてくれていると。
おそらく、一夏ぐらいの年齢であれば同年代の異性から言われたアドバイスを素直に受け止められる者はそこまで多くないだろう。しかし、一夏にとって彼女達は大事な嫁であり守りたい存在なのだ。故にその助言を真摯に受け止める事が出来る。ただ、実行に移せるかは別問題だったが。
反省会を終えて今度は一夏と鈴が手合せをする。遠距離戦と近・中距離戦。双方の経験を積むために、一夏は贅沢な教官を得ていた。セシリアと鈴は、共に国家代表候補生であり、それぞれの得意距離は異なっている。そのため、一夏は入学して間もないにも関わらず、体で一線級の動きや技術を学んでいた。
それも、彼が姉と同様の資質を有していたからだろう。着実に成長進歩し、ルーキーとして考えれば目を見張る実力を身に付けつつあったのだから。
鈴との試合も終わり、それに関する反省会も行った後、四人は更衣室へと向かう。そう、同じ更衣室へ。そこで裸となり、シャワーで彼らは交わるのだ。
「ああっ! 最高ですわぁ! 後ろから突かれる度に、私は一夏様のものだと刻まれるのですぅ!」
壁に手を突き、臀部を突き出すような体勢で抱かれるセシリア。一夏はそんな彼女を力強く抱きながら箒と舌を絡め合う。鈴はと言えば、しゃがんで一夏の睾丸を舐めたりしゃぶったりと奉仕の真っ最中。
美少女三人を侍らせる一夏は、まさしく群れの雄であり圧倒的な支配者であった。実際、一度行為が始まれば彼に抗える者はなく、むしろ屈服させられたのだと思い出させられる事の連続なのだ。雄々しいペニスに貫かれ、あるいは荒々しくもどこか優しい手つきによる愛撫で達して、彼女達は更にその身を雌へと落としていく。
「んはぁ、一夏ぁ……ジュルッ」
「レロレロはむっ……っぱ。一夏ぁ、あたしもそろそろ抱いて欲しいよぉ」
「……ああ、いいぜ。セシリアを一回イカせるからその後代わってくれ」
「うん。じゃ、あたしセシリアの胸いじるわ」
「あんっ! り、鈴さん!? 両乳首同時はいけませんっ! そんな事されたら……」
「はいはい。して欲しいって事よね? ほら」
「ひゃああああああんっ!!」
「くっ、いい締め付けだ! じゃあこっちも……おおっ!」
「ああんっ! 出てますわ! 一夏様の子種がいっぱい子宮へ来てますわぁぁぁぁぁっ!!」
一夏と鈴の連携にセシリアは満足そうな声を上げて大きく仰け反る。それが治まると、ゆっくりとその体は下がり始めた。意識を飛ばされたのだと察して箒がセシリアの体を支える。だが、彼女は気を失ってはいなかった。
「だ、大丈夫です。ちゃんと意識はありますわ」
「そうか。だが、辛いだろう。肩を貸そうか?」
「お気持ちだけで結構です。さぁ、次は鈴さんですわね」
「……何企んでるのよ?」
「うふふ、私へしてくれた事をし返して差し上げるだけです。ええ、それだけですわ」
微笑みながら移動するセシリアを見て鈴は不安を覚えるも、内心ではその快感を想像してヴァギナを濡らしていた。一夏のペニスによる刺激と他者からの乳首への強い刺激。それを同時に与えられたら……と、そう考えて。
「セシリア、まずは俺とキスだ。舌を出してくれ」
「はい、一夏様。レロォ……」
「いやらしい出し方だな。なら私も……レロォ」
「いいぜ、二人共。すっげぇエロくて綺麗だ」
二人の美少女が見せる淫らな顔。それにペニスを大きく動かして一夏は二人を抱き寄せる。そして鈴の可愛い臀部を両手で掴むと揉み始めた。
「んっ、一夏ぁ。それも嫌いじゃないけど今はオチンチン入れてよぉ!」
「ジュバ……分かってるって。よっ……と!」
箒とセシリアとの舌の絡め合いを一時中断し、一夏は片手でペニスを支えて鈴のヴァギナへとあてがい、一気に腰を強く打ち付ける。その瞬間、鈴の小柄な体が大きく弓なりになった。子宮まで到達したためである。つまり、軽く達したのだ。
「んんっ!? ……い、一夏のオチンチン来たぁ……」
「すっかり鈴もセックスに夢中だな」
「当然ですわ。何でも聞けば、初めてで覆いかぶさるように抱かれたとか。私もされた事がありますけど、あれはかなり強烈ですもの」
「ああ、常にチンポが子宮を捉え続け、射精は思考を焼き尽くすように熱く強い……」
「更にキスまでされればもう無理です。何も考えられず、ただ一夏様の子を孕みたいとだけ思ってしまう……」
「そう、そうなのぉ! おかげであたし、もう一夏無しじゃ生きていけないんだからっ! 一夏とエッチしないと体が落ち着いてくれないのよぉ!」
箒とセシリアの言葉でその時の事を思い出し、鈴は半ば叫ぶように本音を告げる。一夏はそんな少女を愛しく思い、ならばと雄々しくその体を求めた。
「嬉しいぜ鈴っ! 安心しろっ! 俺がずっと愛してやるから! いつもお前を求めてやるからっ!」
「ホント! ホントよね! あたし、信じるからね!」
「おう! それに……よっと」
「ふぇ?」
いきなり腰の動きが止まり、代わりに抱き締めるように腕を回されて、鈴は疑問符を浮かべながらその力に身を委ねる。すると、そのまま一夏が体を密着させたのだ。はっきり感じる彼の体温と鼓動。それに鈴が安心感を覚えていると、一夏がそっと耳打ちした。
「毎日酢豚、作ってくれるんだろ?」
「っ!? …………うん」
じんわりと感じる心の温かさ。今、自分はこの人と心が通じ合ってる。そう実感して鈴は目を閉じて頷いた。セックスは体だけではなく心も繋ぐ事。その事を強く認識し、鈴は嬉しそうに笑みを浮かべながら下腹部へ意識を向ける。そこに感じる逞しいペニスを締め付けるように、と。
「おっ……鈴?」
「一夏、動いて? あたしでいっぱい気持ち良くなってよ。それであたしも一緒に気持ち良くなるから。あたし、セシリアや箒みたいに胸は大きくないけど、出来る限り一夏を気持ち良くさせてみせるから。その、お、オマンコで」
「ありがとな、鈴。でも、大丈夫だ。今の鈴でも十分可愛いって。俺は鈴の事、好きだぜ」
「一夏ぁ……」
「不安にさせたのならごめんな。俺、別に胸が大きいとかで女の子の好き嫌いないから。でも、鈴が大きくしてくれって言うなら、毎日揉んで大きくしてやるよ」
「…………バカ。オチンチン反応させながらじゃ台無しよ」
そう返しながらも鈴は笑みを浮かべていた。自分で興奮してくれている。それが何より嬉しくて。
(そうだ。一夏は別に胸がどうとかで女を選んでる訳じゃない。一夏は自分を好きだって言ってくる女を受け止めてるだけだ。だからあたしも受け止めてくれてる。……こっちが好きている限りずっと求め続ける、か。ホント、最低な男かも。たまには自分から迫りなさいよね)
最後に小さく微笑み、鈴は再び壁へ手を付いた。それが何を意味するか理解し、一夏も小さく頷いて腰を動かし始める。そんな二人を箒とセシリアはどこか微笑ましく見つめていた。
「もう鈴さんもこちら側ですわね」
「そうだな。一夏と本気で求め合ってしまえば無理もない」
「真耶さんもですし、年齢は関係ないようですわ」
「当たり前だ。一夏はそこで判断している訳ではない。まぁ、それも限度はあるだろうがな」
来る者拒まずな一夏ではあるが、何も手当たり次第と言う訳ではない。彼へ明確な好意を抱いている事。これが今は絶対条件となっている。だからこそ、軽い感じの好意を見せるクラスメイト達へは手を出そうとしていないのだ。
そういう意味で言えば、真耶だけがやや強引に女にされたと言える。ただ、彼女も抱かれる事を望んでいたので特殊と言えば特殊ではあったが。
「箒さん、実は私懸念している事があります」
「織斑先生だな?」
箒の問いかけにセシリアは黙って頷いた。最近千冬の自分達を見る目が少々変わったと感じ取っていたのだ。その理由も彼女達は何となくではあるが察している。自分達の関係が変わった事による距離感の変化を怪しんでいるのだと。
だが、それを隠すつもりは一夏にも、箒達にもなかった。それは、彼らが自分達にやましい所はないと思っているからだ。たしかに複数の女性と関係を持つ事は一般的には好意的な捉え方はされないが、それは隠し事としていればこそだ。女性達が認識した上であり、婚姻関係を持っていないのであれば何ら問題はない。故に彼らは開き直りにも近い心で過ごしている。
「真耶さん、いえここは山田先生とお呼びします。あの方が明らかに変わりました。初めてお会いした時よりも、かなりお綺麗になられましたし、それにドジをなさるのも減りました。私達で気付くのですから織斑先生が気付かぬはずありません」
「そして、それが一夏に関わるともな。こう言っては何だが、真耶さんは一夏へ隙あらば迫っているし」
「まったくですわ。まぁ、お気持ちは分かります。私達と違い教師である以上、どうしても接点が作り難いですもの」
「だから夜は二人きりで過ごしてもらっているのだが、それでも足りないと思うのが女心か」
「回数の問題かもしれませんね。私達は最低でも二回は設けられますし」
「……かもしれん。これは、一夏に考えてもらうしかないな」
「ええ」
割と真剣な話をしている二人の近くでは、鈴が一夏のペニスによって何度も何度も喘ぎ声を上げさせられていた。時に激しく時に優しくの緩急をつけたピストンで絶頂を迎える寸前で焦らされ、冷まされ、それを繰り返されながら。
「んんっ! い、一夏ぁ! お願いっ! お願いだからイカせてぇぇぇぇぇっ!」
「どうしてだ? ずっと抱き合いたいって」
「そうだけどぉ! そうだけどこれは辛いのっ! こ、壊れちゃうからぁ……あたし、ダメになっちゃうからぁ……」
涙さえ浮かべて一夏へ最後のトドメを懇願する鈴。そんな姿に一夏は背中へ電流のようなものが走るのを感じ取った。嗜虐心による快感である。セシリアとの行為で彼に芽生えたそれは、他の女性達へも少しではあるが影響を与えていた。普段は勝気な箒や鈴が自分へ懇願する様や、いつもは貴族の令嬢らしいセシリアが虐めて欲しいと自分へ願い出る姿など、それらが一夏へ大きく影響するのだ。
女は好きな男に支配されたがっている。強く愛して欲しいと思っているのだ、と。
「……でも、嫌じゃないんだろ?」
「そ、それは……」
「それは? 鈴、はっきり教えてくれ。お前が俺にどうして欲しいのか。何を望んでるのか。俺だってそれを察しようとしているし、分かるようになろうとしてる。でも、やっぱりどうしても不安が付きまとうんだ。だから、お前自身の口で言ってくれ。何を、どうされたい?」
その時の一夏は、どこか笑みを浮かべていた。その微かな恐ろしさを秘めた笑みに、鈴は息を呑みながらも迸る快感を抑えられなかった。長きに渡るつれない日々。初恋の相手が今やその気持ちに応え、しかも望みを教えてくれと言ってくれている。例えそれが屈辱的な事でも、今の鈴にはそう思えないのだ。何故ならそれは……
「一夏の逞しいオチンチンで! あたしの子宮をガンガン突いて意識飛ばしてぇぇぇぇっ!!」
本当の自分の、心の声を告げる事なのだから。
こうして一夏はクラス対抗戦を迎えるまで、爛れすぎず、色々な意味で飽きる事ない時間を過ごす。そして迎えたクラス対抗戦一試合目、一夏は鈴を相手にし見事―――敗北したのだった……。
「悔しい……」
医務室のベッドで横たわりながら呟く一夏。鈴との試合は激戦を極め、小細工なしの真っ向勝負に観客は大いに盛り上がった。両者共に手にした武装で切り結び、接近戦とはこういうものだとばかりにやり合ったのだ。
そこに、それぞれのISの特性を見せるという発想はなく、自身の強さを見せようという気もなかった。あったのは、勝敗を超えたところ。互いに実のある試合を、純粋な接近戦のみでどこまでやれるかを確かめようとしていたのである。結果、やはりそうなれば経験の差が勝負を分けた。先に切り札を抜いた一夏がそれを冷静に鈴によって処理されてしまったのだ。ただ、その際に彼女が使ったのは龍咆と言う名の切り札であったため、ある意味では彼の勝ちとも言える。
「……今度は、どんな事されてもいい勝負が出来るようになりたい」
一夏は気付いていた。鈴がその気ならば、もっと自分があっさりと負けていた事を。その理由は、最後に使った龍咆だけではない。鈴が本当に得意とするのは至近距離ではなく近距離や中距離。そこの使い分けで相手を翻弄するのが本来の姿なのだと察していたのだ。
「俺に、恥をかかさないでくれたんだろうな」
何度も訓練をしてきたから分かる鈴なりの気遣い。ある程度手の内を見せてくれたのも、全ては今日のため。そう思えば一夏に惨めさはない。同情でも憐みでもなく、一夏の力をある程度信じているからこそ手の内を見せる事で対応出来ると鈴は踏んでいたのだ。なら、それは信頼である。体を重ねたからこそ分かる事があるとすれば、それは彼女達の気持ちであろう。
愛する男に花を持たせたい。だが、自分も結果を出さねばならない以上簡単に負ける事も出来ない。ならば、負けるにせよ勝つにせよ、好勝負を繰り広げなければ。それが鈴の考えだったのだ。
「あいつに最後奥の手を出させた。なら、及第点ではあるって事だよな」
最後の一瞬、一夏は鈴の懐を狙って瞬時加速で一気に踏み込み零落白夜で勝負を仕掛けた。それを読んだ鈴は、自身のIS、甲龍に隠された秘密兵装を解禁しこれを迎撃。ある意味で結果は一夏の敗北であるが、試合内容で言えば勝利。
「……ただ、これはなぁ」
カウンターで喰らった龍咆の威力は凄まじく、絶対防御があったとは言え一夏は意識を失いここまで運ばれたのだ。そして、ついさっき目が覚めたという訳である。その時には箒がいたのだが、彼が目を覚ました事を養護教諭へ伝えに行って今はいない。
既に意識はしっかりしているし、体も動かせない訳ではないのだが、箒は「何が起きるか分からないから大人しくしていてくれ」と彼へ優しく言い付けていた。それもあって一夏は静かに天井を眺めていた。と、その時だった。医務室のドアが開閉される音が聞こえ、誰かが彼のいるベッドまで近付いてくる。
てっきり箒か養護教諭が来たのだと思って一夏はカーテンへ視線を向けた。すると、そこから現れたのは兎の耳を付けた、一見おっとりしていそうな美人。
「やっほー、いっくん。久しぶりぃ」
「た、束さん?」
そう、篠ノ之束であった。箒の姉でありIS開発者でもある彼女が、何故か一夏の前に姿を現したのだ。彼女はベッドに横たわる一夏を頭の先からつま先まで眺めると、満足そうにふんふんと頷いて何もない空間に透明なキーボードのようなものを出現させる。
「た、束さん?」
「ちょ~っち待ってねいっくん。今は質問タイムじゃないからさ」
「は、はぁ……」
一夏の視線の先には、束の立派な女性の象徴があった。彼女のタイピングに合わせて、それらが微かに揺れる。それが一夏の性欲を刺激していくのだ。何しろ気を失うまで試合中だった事もあり、彼の生存本能は高まっていた。最後に受けた一撃の痛みと重みもそれに拍車をかけている。死を意識しそうなものだったためだ。
「ん? ふぇっ!? い、いっくん?」
データ取りの最中に数値が急激に変動した事を受け、束は一夏の異変に気付く。彼女の視界の隅には、雄々しく勃起した彼のペニスが映っていたのだ。
「すみません束さん。束さんの胸が、その……」
「束さんの胸? おっぱいがどうしたの?」
「……大きくてしかも揺れるものだからつい目が」
「えっと、つまりいっくんがこうなったのは束さんのせい?」
「せいというか、おかげというか……」
やや気まずそうに答える一夏に束は何とも言えない気持ちとなっていた。これまで彼女は異性からそういう対象として見られた事はほとんどなかった。というのも、奇人変人の部類となる彼女は、そもそも他者との関わりを持つ事自体なく、千冬と箒に一夏以外で彼女の関心を惹ける者は皆無であったのだ。
(そっかぁ。いっくんは束さんの事もそういう対象にしちゃうんだね。う~ん……いっくんの赤ちゃん、かぁ。ちーちゃんどんな顔するかな? てか、そうなったらちーちゃんがお義姉さん? おおっ、それはいいかも!)
キーボードを操作しながらそんな事を考える束。一方の一夏は彼女が気にしないのをいい事にその乳房を凝視していた。箒の姉だけあり、束のそれは妹を超えている。しかも、彼女は箒の姉、つまり束をものに出来れば姉妹丼が可能。それは、男子高校生には禁断の響き。母娘丼に姉妹丼。それら本来ならば有り得ない組み合わせとの性交は、それ故に憧れや欲望を掻きたてる。
(もし、束さんも俺の事が好きなら……)
四人もの女性を抱き、ナノマシンによって性行為全般への抵抗感が薄れてしまっている一夏にとって、今大事なのは束の気持ちのみである。彼女が彼を異性として意識してると告げたが最後、束はここで純潔を失ってしまうだろう。
どう切り出そうか。そう一夏が考えていると、束の手が止まった。そのまま彼女はポンと手を打ち、一夏へと視線を向ける。
「いっくん、とりあえずそのままだと辛いんだよね?」
「へ? あ、ああ、はい」
「じゃ、束さんが楽にしてあげよう。サンプル採取も兼ねてね」
「へ? サンプル?」
「いいからいいから。やり方なら大丈夫だよ。何度もほーきちゃんので勉強したから」
「はい?」
理解出来ない事を言いながら一夏の体を隠す布団を捲り、更に彼のズボンまで脱がす束。その力が妙に強い事に疑問を抱きつつ、なすがままの一夏は事態を把握しようとするので精一杯だった。
やがて彼のペニスが空気に触れる。束はそれを見て思わず目を見開いた。察したのだ。それがナノマシンによる影響だと。それと同時に感じる事がある。それは匂いだ。
「……いい匂いするね」
「そ、そうですか? そういえば箒達も似た事言ってたっけ」
「これもそういう事なのかな? う~ん……やっぱりサンプルが必要だね」
そう言うと束は躊躇う事なくペニスを握る。ただ、その力加減がおかしく一夏がかなり焦った顔を見せた。
「た、束さんっ! 強いです! もっと優しくお願いしますっ!」
「あー、ごめんね。えっと……こんなもの?」
「それぐらいなら……」
まるで悪びれていない束に少しだけ恐怖を感じながら一夏はその様子を見守った。彼女はそのままの強さでペニスを扱き始める。射精を促そうとしていると理解し、一夏は内心でため息を吐いた。ある事を期待していたのだ。
(まぁ、そうだよな。普通手コキだよ。フェラなんてする必要ないもんなぁ……)
が、ここで束も想定外の事が起きた。毎日のように四人の女性と行為に及んでいる一夏にとって、束の経験値ゼロの手コキはあまり気持ち良くなかったのである。しかも、彼ががっかりしていた事もあり、ナノマシンも活動を抑制され、次第にペニスは萎え始めてしまったのだ。
「あれ? あれれ? いっくん、萎んできたよ?」
「……こう言いたくないですけど、束さんが下手だからです。箒の見たって言ってましたけど、こういうのは見てるだけじゃ分からない事多いんで」
「むっ、言ったねいっくん。こうなったら奥の手だ」
天才である束にとって下手という表現は我慢ならないものがあったのだろう。彼女は、ペニスを扱く事を止めて亀頭へ舌を這わせたのだ。そのぬるっとした感触に一夏のペニスが反応を示す。すると、それに気を良くした束はそのまま舌を這わせ続けたのだ。それが、自分の運命を決めるとも知らずに。
「ペロペロ……ふふっ、どういっくん。束さんだって気持ち良く出来るんだよ?」
「はい、さすが束さんです。その調子でお願いします」
「うんうん、まっかせておいて。ペロペロ……」
褒められて気を良くしたのか、一層舌遣いに熱が入る束。だが、彼女は気付いていなかった。そうやって一夏のペニスから出てくるカウパーを味わう事で、雌としての本能が疼き始めるなど。ナノマシンへの対抗策は施している束でも、肉体そのものに備わったものへは対策を出来るはずもない。
「ジュプジュプ……っぷは、レロレロ」
「ああっ、束さん、それいいです! 裏筋を舐められるの俺、好きですっ!」
「裏筋だね? レェロォ……チュッ、はむっ」
「っ! た、束さん……そのまま割れ目に舌を……うおっ! そ、そうです! そんな感じでっ!」
結果、気付けば束は好ましく思っている雄の味とその反応に夢中となり、舐めるが咥えるになるのにそう時間はかからなかった。一夏の言う通りにフェラチオへ集中していく束の体内で、ゆっくりと確実に目覚めだす雌の本能。
女性器は愛液を分泌し始め、子宮は静かに受精のために下がり出す。それはいかな束であろうと制御出来ない動物としての反応であった。
(何だかいっくんのカウパーが美味しいって思い始めたかも? ……こんなに束さんのする事で喜んでくれる人、いるんだ……)
初めての味、初めての匂い、初めての行為、そして、初めての感情。束にとって一夏へのフェラチオは刺激と新鮮味に溢れていた。それが束の中にある気持ちを呼び起こす。それは、誰かが自分の言動で喜んでくれるという事への喜び。
「束さん……凄いです。たったこれだけですっげぇフェラが上手くなってます」
「っぷは、と~ぜんだよ。束さんは天才だからね。エッチな事もこのと~りっ!」
「ですね。っと、続けてください」
「あ、ごめんね。はむっ」
束は気付かない。自分が今初めて誰かの言いなりになっている事に。それを嫌とも思わず、むしろ嬉しくさえ思いながら動いている事も。その光景が一夏へ大きな興奮を与える。天才科学者である束が、自分の言いなりでペニスへしゃぶりついているという、その光景に。
「っ!? た、束さん……そろそろ出しますっ!」
「
「ああっ! 咥えながら喋られると……っ!」
瞬間、束の口内を蹂躙するように一夏の精液が放たれた。その量に彼女は目を何度も瞬かせる。それと同時に体に凄まじい痺れのような感覚が駆け抜け、慌てて離れようとするも、既にその頭を一夏に押さえられており、束に逃げ場はなかった。
(な、何これ!? すっごい匂いと味! それとさっきの感覚はなんだろ……? ……ごくっ……ううっ、変な味だよぉ……。しかも飲み辛いし……。このままじゃサンプル回収出来そうにないなぁ……)
このままでは窒息してしまう。そう判断した束は仕方なく口の中のモノをゆっくりと嚥下していった。その度に下腹部から生じる熱に内心で首を傾げながら、全てを飲み干した彼女はやっと一夏から解放された。が、そんな彼女の視界には、未だ雄々しく反り返るペニスがある。
「…………さすがだね。一度ぐらいの射精じゃ萎えないんだ」
「た、束さん?」
「正直色々興味は出てきたけど、今日はもう時間ないから……」
そこで束は鈴口に残った精液をどこからか出した綿棒で素早く採取する。その早業に一夏が感心していると、もう彼女の姿はカーテンの外にあった。
「じゃ、これで束さんは帰るとするよ。ほーきちゃんによろしく言っておいて?」
「あ、はい。それは」
「じゃーね!」
元気よく手を振って去って行く束を見送り、一夏ははたと自分の状態に気付いてため息を吐く。
「……これ、どうしようか?」
養護教諭がやってきたら面倒な事になる。そう思った彼は、他事を考える事にした。そこで考えるのは試合の事。そういう意味では都合が良かっただろう。
やがて箒が養護教諭と共に医務室へ戻ってきた時には、彼は内心胸を撫で下ろしてベッドに横たわっていたのだから。ただ、束が来ていた事を知った箒は複雑そうな顔をした。それが、一夏には何故か無性に気になった。
「何かあったのか?」
「ん? そう、だな。いずれ話す。今は、それよりもゆっくり体を休めろ」
「……分かった。でも、いつか必ず聞かせてくれよ?」
「ああ、いつかな……」
「んっ……何だろうこれ。調べてみたけどナノマシンのせいじゃないみたいだし……んんっ!」
採取した精液を調べた結果、それが一夏の体にしか影響を及ぼさないものだと判明した。それは良かったのだが、束は今も謎の熱に悩まされている。下腹部を包む熱に。横になりながら乳房を揉み、女性器へと手を伸ばしているのが何よりの証拠だ。
「……くーちゃん、何か分かった?」
「いえ、ただ、これはおそらく性的衝動ではないかと思われます」
「ほえ?」
「多分ですが、男性の精液を体内に取り込んだ事で本能が反応しているのではと」
「つまり、束さんがいっくんの赤ちゃんを欲している?」
「……おそらくは」
クロエの説明に理解と納得を得て、束はならばとばかりに起き上がる。
「じゃ、作ってもらおっかな? いっくんに」
(そうすればあの感覚も分かるかもしれないし……)
細胞さえもオーバースペックと自称する束ではあったが、残念ながら生物である限り本能はなくせない。そして、それまで知らなかった快楽に人は総じて弱いものである。次に束が一夏へ迫る時、それが彼女にとっての放浪生活の最後となるのだが、それはまた別の話……。
束の雌堕ちフラグが立ちました。クロエの巻き添えフラグが立ちました。篠ノ之姉妹丼フラグが立ちました。