※この作品はR-18です。

IS(一夏が生殖するための)学園物語   作:拙作製造機

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初めてのデート話になる……はずだったんですがメインはどちらかと言うと別の事に(汗


デートの尾行と歩み寄り

「一夏は優勝目指すの?」

 

 その日の昼食時、一夏は鳥の唐揚げを箸で掴んだところで鈴からそう切り出された。IS学園では、定期的にISを運用するイベントが開催されるので、クラス対抗戦が終わった後は学年別トーナメントがあるのだ。

 

「……正直無理だと思ってる。俺の戦い方って良くも悪くも一つだからな」

「そうですわね。一夏さんの戦い方は接近戦のみ。しかも雪片を稼働させると自身のシールドエネルギーまで消費してしまいます。これでは……」

「だけど、逆に言えば相手の対処も分かり易いよ。だって、一夏の攻撃は一撃必殺だし」

「実際、それで千冬さんが世界一になったからな。そういう意味では威圧感はあるか」

 

 箒の言う通り、千冬は零落白夜を使って世界一になった。つまり、それだけ強力だという事。使い勝手が難しい分、その見返りも大きい典型と言える。

 

「後は、俺の技量がそこへ少しでも近付けられれば、か」

 

 それが出来れば苦労はないが、という心情を飲み込むように一夏は鳥の唐揚げを口へ頬張った。箒達もそれが分かっているのだろう。苦笑しながらそれぞれの料理を食べる。そんな光景を、少し離れた場所で見つめる者がいた。

 

「教官と同じ武器、か。そういう意味でも、あいつは教官と同じ道を歩んでいる。自分以外の誰かを守るための力を身に着けるために……」

 

 トーナメントの開催はラウラにとって願ってもないものだった。一夏に敗北した後、彼女は再戦の機会を求めていたのだ。だが、あの約束がある以上、自分から再試合を申し込むのは潔くないと思われかねない。よって、どうしたものかと思っていたところへの学年別トーナメントの開催だ。渡りに船とばかりにラウラは飛び付き、今は少しでも一夏の事を知ろうとしていた。

 

 それが、彼女の中に起きた小さな変化の結果とも知らずに……。

 

「……ふむ、食べ物は肉食を好むようだ。少々栄養バランスが悪い気がするが、それを自覚し他の物で補っているか。……ほう、基本的には魚が好みとは、さすがは島国育ちだな。……白米が進む物がいい、と。味噌汁は可能であれば……」

 

 傍から見れば、読唇術の無駄遣いと言われそうな光景だ。ラウラがしているのは一夏達の唇の動きから会話を読む事だったのだから。しかも、それで収集している情報が一夏の食についてのものなのだから目も当てられないだろう。

 

「……奴は、一回戦突破を目標にしているのか? 私に勝っておきながら……」

 

 ラウラの軍人としての思考は、一夏のそれを適切で冷静な判断と支持しているが、一人の人としては歯がゆさと情けなさを感じて怒りを抱いていた。

 

「確かに公式戦ではあの時のような手段は使えないだろうが、それでももっと上を目指してもらわねば……」

 

 自分に勝った以上、一夏には上位入賞を目指してもらいたい。それがラウラの正直な心情であった。それでなくても彼は千冬の弟なのだ。ラウラにとって、それはどれだけ目指しても届かない地位。故に憎しみが薄れた今、彼へ抱くのは羨望と激励の念である。

 

 そんな事は露程も知らず、一夏は四人の彼女との食事に夢中だった。シャルが自他共に認める彼女となった今、再び彼のセックスライフは本来の形へ戻っていたのだ。

 

「とりあえず、明日なんだが……」

「ああ。誰と過ごすつもりだ?」

「先週がセシリアと箒だったろ? だから、鈴とあの人だ」

「ま、それが無難でしょうね」

 

 鈴は少しだけ喜びを見せながらシャルへ視線を送る。彼女はその視線に若干の苦笑いを返すのみ。そう、未だに彼女は表向きは男子のまま。それが一夏とデートするにはやや面倒事が多いためだ。

 

「そうだな。で、鈴は土曜日か?」

「いや、日曜で頼む」

「そういう事ですの。まぁ、月曜日が大変なのは私達よりもあの方ですものね」

 

 真耶の名を伏せるのはある意味当然と言えた。ここは学園の食堂。どこで誰が聞いているか分からない以上、教師である彼女の名を出す訳にはいかなかった。それが、ある意味でラウラの運命を変えたとも知らず。

 

(あの人? あの方? ……一体誰だ?)

 

 そこでラウラは推測を立てる。名前を出せない人物で、自分達よりも月曜日が大変。そして一夏と関わりが深く、箒達が一日を過ごす事を許す存在。そうなれば、彼女に浮かぶのは一人しかいなかった。

 

「まさか……教官か?」

 

 ぼんやりとではあるが、ラウラも一夏達が特別な関係性である事は分かっていた。しかも、人に隠している事があると。一夏を今までと違う意識で見るようになってから、彼女は何度か見ていたのだ。

 昼休みに人気のない道場へ一夏達が入って休み時間ギリギリまでそこで過ごした後、妙に箒達が艶めいているところ。あるいは、放課後のアリーナでの訓練終わり、何故か一夏達は揃って同じ更衣室へ入り、そのまま一時間以上出てこなかった事を。

 

「もしや、私がまだ知らないだけで、教官とも何か秘密の時間を?」

 

 それらに共通しているのは、一夏達がとても満足そうにしていた事だ。ラウラはそれを自分の知らない事をしていると判断していた。何度か調査しようとしたのだが、あの一夏との約束が頭を過ぎり出来なかったのだ。

 仲良くしよう。それは具体的にどうすればいいのかと思った彼女は、同じ部隊の人間を頼るしかなかった。そこで聞いた副官だったクラリッサの意見は、必要以上の干渉は仲たがいの原因となるというもの。ならばとラウラはロックを解除し侵入する事や、気心の知れた者達で食事を行っている場所へ顔を出すのを止めていたのだから。

 

「……クラリッサには必要以上の干渉は不味いと言われたが、教官が関わるのであれば私にとっては必要だ」

 

 自問自答し、ラウラは決心した。土曜日に一夏の後をつける事を。そして、その日はやってくる。

 

「……午前九時に学園から近くの繁華街、とは……。やはり姉弟とは言え学園で待ち合わせは憚られるのだろうか?」

 

 駅前で人を待つ私服姿の一夏の少し後方の柱。そこへ背をつけて監視するラウラの姿があった。時刻は午前八時五十三分。待ち合わせ時刻よりも前に到着という理想的な時間である。

 

「……ん? 来たのか?」

 

 一夏が人混みへ手を挙げて歩き出すのを見て、ラウラはその先を確認するも当然ながら千冬の姿などない。あったのは……

 

「ご、ごめんね。待たせたかな?」

「いや、俺もついさっき来たところだから」

 

 可愛らしいイエローのブラウスに淡いピンクのショルダーバッグ、そして真っ白なスカートの真耶がいただけである。

 

「……山田先生? では、奴らの言っていたあの人とは彼女の事か?」

 

 いきなり予想が外れ落胆するラウラであったが、眼前の光景に目を疑う事になる。彼らは躊躇う事無く腕を組んで歩き出したのだ。これにはそういう事に疎いラウラも驚いた。

 

「どういう事だ? まさか、織斑一夏と山田先生は男女の関係……?」

 

 ラウラの知る限り、真耶はクラスの副担任でかつての代表候補生。それと千冬へ強い尊敬や憧れを抱いている女性というだけだ。だが、そこでラウラも移動を開始。二人の尾行を始めた。理由は一つ。何となく気になるためだ。

 

(クラリッサに尋ねている暇はまだない。今は、見失わずにいる事が最優先だ)

 

 仲睦まじく歩く二人を周囲から若干訝しまれながら追うラウラ。本人は目立たぬようにしているつもりだろうが、銀髪で小柄にアイパッチをしていれば嫌でも目立つ。それに格好も問題だ。彼女には私服がほとんどないため、IS学園の制服を着ていたのである。白が基調のそれは余計目立つというもの。まぁ、その制服であった事で周囲も大きな騒ぎはしなかったというのもあったが。

 

 そう、学園の生徒には当然ながら外国籍の者が多い。ラウラもその一人でまだ日本に慣れていないのだろうと判断されたという訳だ。

 

「でも、嬉しいな。一夏君とデートなんて出来ると思ってなかったから」

「真耶の予定もあったし、つい最近までは対抗戦のために休日も訓練してたからさ」

「そうだったね。まさか凰さんがそのまま優勝なんて」

「専用機持ちが一年に俺やセシリア以外いなかったのが大きいって鈴は言ってたけど、それだけじゃないよな。でも、鈴が優勝してくれたおかげか、俺が負けたのも仕方ないって言われるのは正直何だかなぁ……」

「ふふっ、悔しかったら次は勝ってね?」

 

 からかうような笑みを向ける真耶に一夏は苦笑しながら頷く。そんな様子を見ながらラウラは言いようのない気持ちを抱いていた。

 

(何故だ? 何故あの二人のやり取りを見聞きしているだけで、私の心がこんなにも騒ぐ?)

 

 一夏が真耶へ笑みを向ける度に、真耶の言動で一夏が反応する度に、ラウラの中にこれまで感じた事のない感情が生まれる。それはやきもちと呼ばれる心の動き。単なる嫉妬とは似て非なる感情だ。初めての片想いは、ラウラにその正体を知られる事無く彼女の中へ根付き出す。

 

 途中の店々で足を止めて他愛ない会話をする二人や、学園や互いの事を話題に盛り上がる二人など、ラウラはそれらを見つめて少しずつではあるが着実に少女から乙女へ変化を始めていた。

 

(何なのだ、この気持ちは? 次第に織斑一夏へ苛立ちが募っていく……)

 

 時刻は昼時となり、二人はファミレスへと入った。ラウラも当然そこへ入り、運良く二人の近くのテーブルへ案内される。

 

「ごめんな。ホントはもっと洒落たとこに連れて行きたいけど」

「ううん、いいよ。一夏君の気持ちは嬉しいけど、やっぱりまだ学生だもの。身分相応って事かな」

「だけどさ」

「分かってる。二十歳になったら期待させてもらうから」

「ああ、約束する」

 

 会話自体はまさしく社会人女性と学生男子のカップルと言ったところだろう。ただ、それを聞いているラウラはメニューを眺めて首を傾げていたが。店員が水を持ってくると共に「ご注文はお決まりでしょうか?」と尋ねたためである。そこでラウラも何も頼まずにいるのも怪しまれると思い、自分も昼食を取る事にしてメニューを開いてみたという訳である。

 

「アイスバインは、やはりないのか……。だが和食、というのもあるしステーキなどもある。ここは一体何料理の店だ? 学園の食堂のようだ」

 

 実は、日本のファミレスのような様々な国の料理を一店で扱う店は世界にはあまり類が無い。そのため、ラウラもメニューを見て困惑していたのである。それでも彼女の目を一番引いたのはある意味でとても日本らしいものだった。言われた通り、呼び出しボタンを押して待つラウラ。そこで女性の店員が現れる。

 

「ご注文はお決まりでしょうか?」

「ああ、これを頼めるか」

「はい、キッズプレートですね」

 

 そう、所謂お子様ランチというものである。店員も少しだけ微笑みを浮かべて一礼と共に下がった。ラウラの事を可愛らしいと思ったのだろう。それを見送り、ラウラは意識を二人の会話へと戻した。

 

「この後は、どうするの?」

「その、真耶さえ良ければ……」

「……そういう事、か。いいよ。私も時間を気にせず一夏君と繋がりたいから」

 

 妖艶な笑みを見せて一夏へ答える真耶は、さすが成人している女性と思わせるだけの色気を放っていた。一夏も思わず勃起してしまう程に。だがラウラからはそれは見えず、むしろ彼女にはそもそも会話の意味も理解出来ていなかった。

 

「時間を気にせず繋がる? どういう意味だ?」

 

 注文が来るまで時間があると思ったラウラは、その場でクラリッサへ連絡を取る。そしてラウラはこう告げた。女性と男性が時間を気にせず繋がるとは何だと。それにクラリッサは少々ずれた回答を返す。

 

『おそらくですが、オンラインゲームなどでは? 日本はそういうものが盛んだと聞きます』

「ゲームか。それはそこまで時間を消費するものなのか?」

『ものによっては人生と言う者もいる程の代物です。会話から察するに、二人もヘビーユーザーと思われます』

「そうか。学園ではそういった事が中々出来ないからな」

『きっとそうでしょう』

「分かった。助かったぞ、クラリッサ。また何か困った時は頼む」

『はっ! また何かありましたら遠慮なくお尋ねください、隊長』

「お待たせいたしました。キッズプレートでございます」

 

 丁度良く注文の品が届き、ラウラはその内容に感嘆の声を漏らし、その味に笑顔を浮かべる事となる。こうしてファミレスでの食事は、ラウラにとって忘れられないものとなった。彼女は食べ終わって紙ナプキンで口元を拭うと、一夏達も食事を終えたらしく席を立って動き出していた。

 

「いかん」

 

 慌てて追いかけようとするラウラだが、そこで一夏達が何かを店員へ渡しているのを見て、慌てて会計を手にして動き出す。少しだけ二人に遅れたものの、むしろ距離を自然に取れたと思い、ラウラは特に気にも留める事なく尾行を再開した。

 

 やがて二人の向かう先から人気が薄れ始める。ラウラは尾行に気付かれたのかと警戒したが、そんな事もなく二人はとある場所へと入って行った。そこはラブホテル。ラウラにとっては知識さえない場所である。

 

「ここは……宿泊施設か? 何故こんな場所に……」

 

 ホテルという英語の綴りと休憩に宿泊と書かれたものを見て、ラウラはそこがどういう営業をしているかは把握したものの、何故そこへ男女で入るかが分からず首を傾げるばかり。

 普通であればここで尾行は終わりとなるところではあるが、ここでラウラに知識がない事が災いした。彼女はその中へ入って行ったのである。そこで見たのはエレベーターへ消える二人の姿。追い駆けようにもエレベーターはそれ一つのみ。階段は非常階段があるだけ。

 

「……仕方ないな」

 

 ラウラは停止階を確かめるや、迷う事無く階段へと向かった。そして急いで駆け上がると目的の階のドアを開ける。そこで彼女は再び首を傾げる事となる。

 

「何だ? この箱は?」

 

 彼女が見つけたのは、所謂大人のおもちゃが売っている物だった。初めて見る物ばかりで、ラウラにはさっぱり理解出来ない。と、そこで彼女は本来の目的を思い出した。

 

「織斑一夏達はどこだ?」

 

 いくつも部屋があり、とてもではないが突き止めるにはヒントが無さ過ぎる。それでもラウラは諦める事無く行動した。ISを部分展開しそのセンサーで一夏達を割り出そうとしたのである。程なくして人がいる部屋といない部屋が分かり、そこから更に白式の反応を追って部屋を突き止める事にラウラは成功する。

 

「そこか……」

 

 ISを戻し、ラウラは一夏達のいる部屋へと向かう。そこは当然ながらロックされている。それを見たラウラは、躊躇う事無く動いた。通気用のダクトを探し、室内へ入るために。程なくしてそれは見つかり、彼女はその小柄な体を活かして中へと入り込むや、先程の部屋を目指して動き出す。あちこちから聞こえてくる様々な声に内心で疑問符を浮かべながら。

 

(一体何だ、この声は? もしや、ゲームで興奮して奇声を上げているのか?)

 

 ここで行われているのはオンラインゲームだと思い込んでいるラウラは、男女のそういう声や音をそれで興奮しているからだと判断。ある意味で興奮しているのは間違ってないので完全に不正解とは言えないが、それが良いのか悪いのかは何も言えない。

 

「いた……が、何故裸だ?」

 

 目的の部屋へ到着したラウラは、通気口から見える一夏と真耶の姿に小首を傾げた。と、そこで始まるのは全裸で抱き合いながらのディープキス。互いの舌が絡み合い、淫らな水音が響き始める。

 

「な、何をしているんだ? 何故キスを……」

 

 あまりの事に理解が出来ないラウラを余所に、二人はキスをしながら互いの性器へ手を伸ばし出した。そこで初めてラウラは一夏のペニスを目撃する。

 

「なっ!? あんなに大きなもの、なのか……」

 

 彼女も最低限の知識はあるが、それは性器の名称や役割ぐらいであり、子作りの詳しい内容までは知らない。そんなラウラでさえ、一夏のペニスは異様に見えた。見ているだけで体の内側から熱が生まれ、喉が渇いて行くような錯覚を覚えるように。

 

「んはぁ……一夏君、もう入れたい?」

「いや、その前に真耶にフェラをお願いしたいんだけど」

「ふふっ、いいよ。じゃ、アレ、してあげるね?」

 

 そう言って真耶はその立派な乳房を使ってペニスを挟み込んだ。そしてそれでペニスを扱きながらフェラチオを始めたのである。一夏の好きなパイズリフェラだ。箒やセシリア、最近ではシャルまでも覚えたそれは、当然ながら真耶の得意になった技でもあった。

 

「うふふ、我慢汁でおっぱいがヌルヌルになっちゃった。ね、気持ちいい?」

「ああ、最高だよ。真耶のおっぱいは柔らかくてあったかくて」

「篠ノ之さんやオルコットさんに張りで負けても、大きさや柔らかさでは負けないから。ほ~ら」

「ああっ! 今のすっげぇイイ」

「そう? なら……ふぉふぁっふぇ~」

「それ! それイイっ!」

 

 目の前の光景を無言で見つめるラウラ。その顔は紅潮し、息は荒くなり出していた。そして、その手は無意識に自分の胸へと動いている。

 

「ハァ……っハァ……」

 

 もう、彼女の頭の中には何故自分がここにいるのかも、どうして来たのかもなかった。ただ、目の前の光景に夢中となっていたのだ。初めて見る男女の性行為と、意識し出していた異性の性器。初めて聞く一夏の声と顔。それらがラウラの中へ影響を与え、彼女を急速に女へと変えようとしていた。

 

「真耶っ、そろそろ一旦出すぞ!」

 

 無言で真耶は返事をするようにフェラを激しくしていく。それに一夏も笑みを浮かべ、彼女の頭を両手で掴んだ。

 

「出る……っ!」

 

 真耶の口内へ大量の精液が放たれ、それを彼女は驚くでもなく平然と受け止めながら飲み下していく。それでも入りきらなかった分が口から漏れ、ゆっくりと胸元を流れていった。

 

「ご馳走様。こんなに濃いのは初めてだよ」

「当然さ。今日は一度も出してないからな」

「……全部私に出すつもりで?」

「ああ。嫌、だったか?」

「っ! ううん! 凄く嬉しいっ! だって今ので……ほら」

 

 そう言って真耶は一夏へ自分のヴァギナを見せつけるように体勢を変えた。ベッドへ両手を付いて臀部を突き出すそれは、明らかな誘いである。一夏も真耶の気持ちが伝わったのか、一度だけペニスを大きく動かすと無言で彼女の臀部を掴んだ。そして、ペニスをヴァギナへと擦り付けたのである。

 

「あんっ、一夏君のオチンポ熱ぅい」

「真耶のマンコもトロトロで熱々じゃないか。そんなにチンポハメて欲しいのかよ?」

「そうなのぉ! 教師なのに生徒のオチンポ欲しがる淫乱女なのぉ! だからハメてぇ。一夏君の逞しくてふっとぉいオチンポで、私の子宮を敗北させて?」

「分かった。じゃ、たっぷりアクメさせてやる、よっ!」

「ああああああっ! オチンポ来たああああっ! 私の子宮まで一気に届く極太オチンポぉ!」

 

 一夏に抱かれる真耶の姿は、まさしく色狂いそのものと言えた。普段学園で見せるドジで愛らしい顔は消え、淫乱で妖艶な顔がそこにはある。ラウラは生憎顔は見えないものの、その声などで変貌ぶりは理解しており、余計彼女も知らぬ内に興奮させられていた。

 

(山田先生があんな声を出すのか。それだけ、おちんぽというのは凄いのだな……)

 

 ペニスの俗称である事も分からず、ただ聞こえてくる言葉を無意識に学習してしまうラウラ。そんな彼女が思う事は、おちんぽで子宮を突かれるとはどういう事か、いくとはどういう意味か、おちんぽミルクとは何かと、様々な淫らな内容への疑問ばかりであった。

 

 そして気付けば二人は体勢を変えて交わっていた。真耶が一夏の上になってする騎乗位。それも対面騎乗位である。

 

「どう? 一夏君、この眺め好きだよね?」

「ああ、大きなおっぱいが揺れるのを下から眺めるのは最高だぜ。それに……」

「やんっ! もう、すぐそうやって手を出す~」

「だけど嫌いじゃないだろ? 乳首、甘噛みしてやるよ」

「あっ、はあんっ! 乳首甘噛みしながらもう片方をクリクリしちゃダメぇ! またイっちゃうからぁ。すぐ負けましたアクメしちゃうからぁ」

 

 一夏の上に跨り、その大きな乳房を上下に激しく揺らす真耶。言葉とは裏腹に表情は喜びに満ちている。その姿はラウラの心を捕らえて放さない。嫌がる言葉を言いながら顔は心から笑っているのだ。その笑顔の何とも言えない魅力に、ラウラは小さく唾を飲む。

 

 そのまま真耶はまるで自分を煽るような言葉を並べ、一夏の興奮を高め嗜虐心を満たし、より自身の快楽を得ようとする。それらをラウラは吸収するように記憶していく。一夏の反応と共に。

 

 今や、真耶は背面座位となり、一夏に背中から抱き着かれながらキスをしている。その性器は繋がったままだ。一夏の両手は真耶の乳房を激しく揉みしだきながら乳首を刺激していた。ヴァギナからは白くなった愛液が流れている。精液と混ざっているためでもあるが、真耶が本当に感じている証拠でもあった。

 

「あ、あんな風にするものなのか、性交とは……」

 

 目の前で行われる二人の絡み合い。それがラウラにとっては唯一のセックスの手本となる。ただ、その内容はお世辞にも教科書にしていいものではない。それも知らず、ラウラはまるでスポンジが水を吸い込むように二人のセックスを覚えていく。

 

「真耶、また出すぞ!」

「うんっ! 出して! また子宮に一夏君の子種を注いでぇ!」

「孕め真耶っ! 孕めぇぇぇぇっ!」

「んはああああああっ!!」

 

 突き上げられる腰と同時に両乳首を強く掴まれ、真耶は白目を剥いて絶頂を迎える。だが、それで終わる訳ではない。意識を失った真耶をそっとベッドへ寝かせ、一夏はペニスを抜く事なく動き始める。俗にいう寝バックと言う体勢だ。

 

 その容赦のない、だけど慈しむようなセックスをラウラは見つめ片手を自分のヴァギナへと触れさせた。

 

「……濡れている。私も、私の体もあの行為を求めているのか」

 

 引き抜いた手を見つめ、ラウラはその指にまとわりついた粘液をそう判断した。そして、ぼんやりする頭で彼女は帰る事を選んだ。そこから彼女の記憶は曖昧である。ただ、気付けば寮の部屋のシャワーを浴びていた。その下腹部の熱を、洗い流すかのように……。

 

 

 

「それで、昨日は一日中ヤってたんだ?」

「ああ」

 

 日曜日、一夏は鈴と二人で実家にいた。ここは鈴にとっても日本で過ごした思い出の場所である。そのため、普段出来ないお家デートと相成ったのだ。

 

「シャルルに聞いたわ。朝帰りだったって」

「……ああ」

「しかもシャワーを浴びてきましたって感じの匂いさせて。あのね、一夏。シャルルは気を遣って言わなかったでしょうけど、いくら何でもそれはない」

「だよな。シャルにも本気で謝っておいた。いい気分じゃなかったろうし」

「そうよ。特にあの子はデートに行けないんだから。……ん? ここへなら連れてきても問題ない?」

「……だな。じゃ、今度連れて」

「ちょいまち。それ、セシリアを先にするべきよ。あたし達を出来るだけ公平に扱いたいならね。もしくは二人一緒。箒やあたしは昔来た事があっても、あの二人はないんだから」

 

 鈴は家族というものを大事にする中国人であり、両親が離婚した事もあって一度自分の身内と考えると、とことん気遣いをするタイプであった。今も、セシリアやシャルの事を考えて一夏へ意見を述べたように、彼女もまた慈愛深い性格なのである。

 

「そう、だな。そうする」

「ん。で? 今日は何をするの? ナニをするのかしら?」

「それもいいけど、出来れば昼辺りに飯食いがてら弾のとこ行かないか?」

「……ま、いいか。久々にあいつの間抜け面でも見てあげようじゃない」

「でもその前に、な」

「あっ、ちょっと一夏ぁ……」

 

 優しくベッドへ押し倒される鈴だが、その顔はどこか期待に満ちている。その頃、箒達は揃ってため息を吐いていた。

 

「「「はぁ……」」」

 

 昨日と今日、二日も一夏と一切交わっていないからではない。いや、それもあるのだろうが、一番はそこではなかった。

 

「まさか、セシリアがここまで料理下手とはな」

「うん、想像以上だった」

「わ、私は上手く出来たと思ったのですが……」

 

 一夏の傍にいる女性達は皆それなりに料理上手であるが、唯一セシリアのみ料理がまったく出来なかったのだ。そのため、彼女は一夏のためにと箒とシャルに指導を頼み、ならばと二人が付きあって朝食作りを行ったのだが、その結果は散々なものだった。

 

「目玉焼きは焦がす……」

「ベーコンは炭にする……」

「「あげく下手な事をして味を変えようとする……」」

「わ、私は良かれと思って……」

 

 そう、セシリアは典型的な料理下手であった。すぐ火元から目を離し、味見もせず調味料を加え、それなのに見た目だけは良く出来るのだから恐ろしい。事実、出来上がった洋風の朝食は見た目だけなら十分合格点だった。ただし、味はお世辞にも及第点はやれない出来で。

 

「とりあえず、セシリアは味見をまず覚える事だね」

「そうだな。それと、レシピ通りに作る事を順守しろ」

「で、ですが……」

「あのねセシリア? レシピって言うのは、誰でも美味しく作れるようにって大勢の人達が試した結果出来たマニュアルなんだ。言うなれば、基本中の基本だよ? 今のセシリアは、基本が出来ない内に応用をやろうとしてるんだ」

「それがどれだけ無謀で危険な事かは、お前の方がよく分かっているだろう。ISの国家代表候補である、お前なら」

「はぅ……返す言葉もございません」

 

 シャルの分かり易い説明と箒の指摘にセシリアは小さくなるしかない。それで十分だと思ったシャルであったが、箒は更に釘を刺すようにこう締め括ったのだ。

 

「大体、お前が料理を学びたいと思ったのは何のためだ? 人に、一夏に食べさせるためだろう? なら、自分の独りよがりな物を食べさせるんじゃない」

「あうっ!」

「ほ、箒それぐらいに。セシリアももう十分反省したから」

「私は何もセシリアが憎くて言っている訳ではない。同じ女として、好きな男に手料理を食べさせてやりたいという気持ちが痛い程分かるから言っている。それと、無理に料理を作らずともいい。人には向き不向きがあるんだ。セシリアは、自分の得意な事で一夏を支えてやればいいと思うぞ」

「ほ、箒さん……」

「その、きっとあいつはこれから大変な目に遭うだろう。それを私達で支えてやるには、皆が同じ事を出来るよりも、それぞれの得意分野が違う方がいいと思ってな。私には生憎社交界や経済界への繋がりなど作れん。おそらく鈴もだろう。逆にセシリアはそういう方面に明るいはずだ。なら、そういう面であいつを支えてやってほしい」

 

 それは、まさしく正室の在り方だった。側室達を蔑ろにするのではなく、自分に出来ない事で男を支えて欲しいと、そう頼む事で他の女達の自信を強める事を行う。自分の地位を高めるためではない。全ては支えると決めた男のためにと、そう率先して動く事で正妻らしさとその地位を結果的に高めるのだ。

 

「箒さん……分かりました。私、お料理は最低限で留めておきます。その分、他の事で皆さんの上へ行かせて頂きます」

「ああ、そうしてくれ」

 

 互いに笑みを見せ合う箒とセシリアを見て、シャルはぼんやりと思う。自分は、それで言ったら何があるかと。政治経済に関わりはないし、そもそも社交界との縁はない。かと言って国家代表候補でもなければ、身内に凄い存在がいる訳でもない。

 

(箒は篠ノ之博士の妹、セシリアは貴族の令嬢、鈴は国家代表候補、山田先生はかつての代表候補生で現IS学園教師。僕だけが、僕だけが何もない……)

 

 デュノア社の社長令嬢ではあるものの、それは名目だけとシャルは思っている。自分は妾の子であり、存在価値は精々が広告塔だろうとも。

 そんな風に思って一人沈むシャルに気付いたのか、箒とセシリアは少しだけ首を傾げた。が、そこで二人は若干その沈んだ理由を勘違いする。

 

「シャルルさん、そんなに気になさらなくともいいですわ」

「そうだぞ。その、お前は家の事情で色々大変だろうが、いつかそれらから解き放たれる時が来るはずだ」

 

 二人はシャルが女を出せない事で沈んだと思ったのである。シャルはそんな二人の励ましに苦笑して顔を上げた。

 

「ありがとう。そう、だね。うん、あまり気にしないようにする」

 

 シャルは、二人の言葉でこう考えるようにした。自分にしか出来ない事やないものなど関係ない。ハーレムなどというものを本気で目指す一夏を支える気持ちさえあればいいのだ、と。そうして和やかな空気が戻った食堂へ、一人の人物が姿を見せたのはそんな時だった。

 

「お前達か……」

「ボーデヴィッヒ?」

「何か御用ですの?」

 

 姿を見せたラウラは、どこか様子がおかしかった。顔はやや上気しており、視点は定まらずフラフラと動き、その両手も所在なさそうにブラブラしている。彼女らしくないと、三人揃って思う程だ。

 まさか思うまい。結局あの光景と熱が忘れられず、彼女がよく眠れていない事を。しかも、最後には自分で無知なままヴァギナを刺激し、絶頂を迎えて意識を手放していたのだ。そして、目覚めてから今までも、その快楽が忘れられず自慰に耽っていたところで空腹に気付いて食堂へ来たと、そういう訳だ。

 

「何かあったの?」

「いや、その……」

 

 シャルの真っ直ぐな視線で何故か正直な理由を言うのが気恥ずかしくなり、ならばとラウラは昨日見た事で気になった事を尋ねる事にした。

 

「……お前達は織斑一夏と山田先生が男女関係だと知っているのか?」

 

 その瞬間、箒達は気付いた。気付いてしまった。ラウラが一夏へ恋心を抱いている事に。本人に自覚はないが、間違いなくかつての自分達と近い状態であると察していたのだ。

 

「……何故そんな事を?」

「じ、実は昨日あいつを尾行していた」

「尾行? どうしてそんな事を?」

「……お前達が人目を避けるように行動している事が分かったからな。そして、ある時ここでの会話で名前を伏せられていた存在が出てきた」

「あ~っ、それで織斑先生だと思ったんだね? 一夏に近しくてデートする事を大っぴらに出来ない相手って」

 

 シャルの言葉にこくんと頷くラウラ。そしてそれだけで箒とセシリアは悟った。一夏と真耶がホテルへ入るところを見たのだろうと。実際はそれ以上の事をしていたが、それを彼女達が知る由はない。

 そのまま黙り込んでしまったラウラを見ながら三人は顔を寄せ合った。何せ真耶との関係を千冬に知られれば一夏は一気に危うくなる。ラウラの様子からまだこの事を誰にも言っていない事は間違いない以上、最悪の事態だけは避けなければならない。その想いを秘めて彼女達は小声で話し始めた。

 

「どうする? 一夏の判断を待つ余裕はないと思うが?」

「そうですわね。ですが、だからといって私達と同じにするのも……」

「……ここは、僕に任せてくれないかな?」

「何かいい案でもあるのか?」

「そうじゃないけど、悪いようにはしないとだけ」

「箒さん、ここはシャルルさんを信じましょう。この中で一番ボーデヴィッヒさんも話しやすいでしょうし」

「……そうだな。なら、頼む」

「うん、任せて」

 

 ラウラは国家代表候補生。セシリアとはある意味で同じ立ち位置で、箒とは性格的なもので相性がいいと思えない。そうなるとシャルが一番適任となるのも仕方なかった。二人の信任を受けたシャルは、席を立つとラウラの近くまで歩み寄った。

 

「ね、ボーデヴィッヒさん。そもそも一夏を尾行しようと思ったのは、織斑先生だけが理由じゃないよね?」

「……何故そう思う?」

「だって、そうなら山田先生と分かった時に帰ってきてると思ったから」

「…………気になったのだ。その、腕を組んで楽しげに歩き出したものだから」

「そっか。で、二人はどんな話をしてた?」

「学園の事や互いの事を話題にしていた。それと、よく笑っていたな」

「行先はどこだった? 映画とか行ったの?」

「いや、特定の場所での滞在はどれも短時間だった。長かったのは昼食ぐらいだ」

 

 そこでラウラの声が若干弾んだ事を気付いたシャルは、そこを少し掘り下げてみる事にした。

 

「そうなんだ。ボーデヴィッヒさんはお昼に何を食べたの?」

「私か? キッズプレートと言うものだ。様々な物が載っていたので目を引いたからな。名前は気に入らなかったが、味には関係ない。玉子で米を包んだ物が美味かった」

「オムライスかな? 他には何があった?」

「ハンバーグもあったな。フライドポテトに……そうだ、カレーもあったぞ」

「凄いね。どれも美味しかった?」

「ああ。値段以上の価値があった」

 

 キラキラと輝く笑顔を見せるラウラに、シャルだけでなく箒とセシリアも軽い驚きを浮かべた。美味しいものは人を笑顔にするとはよく言うが、まさかここまでとは思わなかったのだろう。と、そこで食堂に響く可愛らしい音。

 

 箒達は視線を音の出所へ向け、ラウラだけが恥ずかしそうに俯いていた。それがラウラの腹の音と気付いたシャルは閃いた。時刻はまだ午前十時と早いが、ラウラと仲良くなるなら今しかないと考えて。

 

「ボーデヴィッヒさん、ご飯は食べた?」

「……いや、まだだ」

「なら、良かったら一緒に食べない? 朝昼兼用で作ろうと思ってさ」

「その、いいのか……?」

 

 そのラウラの問いかけはシャルではなく後ろの箒とセシリアへのものだった。戸惑う二人だったが、シャルのウインクに小さく息を吐いて頷いてみせる。

 

「箒、サンドイッチにしよう。それなら簡単に出来るし、失敗しないから」

「そうだな。なら、準備するか」

「ボーデヴィッヒさんもこちらへ。まずは手を洗いませんと」

「あ、ああ」

「僕、薄めのハンバーグを作ってそれを挟もうかな」

「なら、私は厚焼き玉子を作ろう。従来のたまごサンドよりも食べ応えがあるぞ」

「わ、私はオーソドックスにハムレタスサンドでも……」

「私は何をすればいい?」

「好きな物挟めばいいよ。ボーデヴィッヒさんの好きな物を」

「そうか。それと、ラウラでいい。そちらもだ。呼び辛いだろう」

 

 何となしに放たれた言葉ではある。だが、三人にとってそれは軽い物ではないと思えた。ラウラからの名前呼びの許可。それは、彼女なりの歩み寄りの最たるものと感じて。

 

「分かった。なら、私の事は箒でいい」

「私もセシリアで構いませんわ」

「僕もシャルルでいいから」

「分かった。では、これよりサンドイッチ作成に取り掛かる」

「ら、ラウラ、作戦行動とかじゃないんだから」

「いや、らしいと思うぞ。ああ、実にラウラらしい」

「ですわね。さ、ラウラさん、パンにバターなどを塗るのはお任せします」

「任された」

 

 こうして始まる四人での、朝食にはやや遅く、昼食にはやや早い食事作り。セシリアも朝の反省を活かし、シンプルにハムやレタスを切ってパンで挟んでいく。ラウラは栄養を考えた物を作ろうとしていたところを、シャルからやんわりと止められ、自由にしていいと告げられて少々困惑しつつ、食べたい物ばかりを挟む凄い物を作り上げる。

 箒は厚焼き玉子やシャルの作ったハンバーグを焼き、更には冷凍コロッケを見つけそれを使ってのコロッケサンドを製作。これが他の三人には驚きを与える事となる。そしてシャルは甘い物も必要だろうと、ピーナッツクリームを塗った物に刻んだチョコを混ぜた物を作る。

 

 こうして出来上がったサンドイッチと紅茶やコーヒー、緑茶というバラバラな飲み物をそれぞれ手元に置いて四人はテーブルを囲んだ。

 

「では、いただくとしよう」

「まずは自分のが気になりますわ」

「僕は逆に人のが気になるかな。っと、ラウラ?」

「何だ?」

「さすがにそれは手掴みじゃ食べにくいと思うよ」

 

 ラウラが手を伸ばした先にあるのは、彼女が作ったボリュームサンド。レタスにトマト、ベーコンやチーズなどをこれでもかと挟んだ一品である。サンドイッチとしては破格の厚みとなっており、ラウラの体格も相まって更に凶悪な見た目となる事は想像に難くなかったのだ。

 

「では、どうすればいい?」

「ほら、これを使えラウラ」

「ナイフとフォーク?」

「それとお皿も」

「……すまん」

 

 差し出された物を受け取り、ラウラはボリュームサンドを小皿へ移し替えると、ナイフとフォークで食べやすい大きさへカットしていく。その間にも箒達はそれぞれの作ったサンドイッチを手に食べて始めた。

 

「……我ながら美味しいですわ」

「セシリア、さすがにそれで失敗されたら困るぞ」

「だけど、何度かアンチョビ入れようかとか言ってたよね?」

「あ、あれは……酸味もあった方が良いかと思っただけです」

「阻止したのか?」

「ううん。入れようとしたら止めるつもりではいたけどね」

「その、まずは基本に忠実にと思い直しまして」

 

 仲良さそうに喋る三人を見つめ、ラウラは何とも言えない寂しさを感じていた。一緒にいるのに遠い気がすると、そう思って。だが、そんな彼女へ肉の焼けた良い匂いをさせるサンドイッチが差し出された。

 

「一口どうだ? シャルルのハンバーグは中々美味しいぞ」

「……一口しかダメなのか?」

「すまんが、これは二つしかなくてな。っと、そうだ。なら、すまないがそれを貸してくれ」

 

 箒に言われるまま、ナイフとフォークを差し出すラウラ。すると彼女はそれを受け取り、手早くサンドイッチを半分へカットしてその片方をラウラへと手渡す。

 

「これでいいだろう」

「……なら、遠慮なく」

 

 はむっと小さな口でかぶりつき、ラウラはその迸る肉汁と胡椒の香り、マスタードの辛味やトマトの酸味を味わい笑顔を浮かべた。その表情だけで箒達に笑みが浮かぶ。こんな顔が出来るのだと、そう心から思って。

 

「どうかな? 美味しい?」

「ああ、美味い。こんなに美味い物は初めてだ」

「そうか。なら、私の厚焼き玉子サンドもどうだ?」

「私のハムレタスサンドもありますわ」

「出来れば僕のチョコピーナッツサンドも食べて欲しいなぁ」

「ま、待て。全て食べさせてもらうが、いっぺんには無理だ!」

 

 向けられる笑顔に狼狽えながら、ラウラはそう返す事しか出来なかった。だけども、それは彼女にとっては初めての経験。自分へ心からの笑顔を向けてくる相手など、これまでいなかったのだ。こうしてラウラは初めての友人を得る。

 そして、そんな三人から一夏と真耶の事はくれぐれも内緒にしてくれと頼まれるのだ。もし千冬に知られでもしたら、一夏が学園にいられなくなるかもしれない。それを自分達は避けたい。それに、千冬も弟と関係がこじれるかもしれないので、まずは事実確認をさせて欲しいとも。

 

 そう言われれば、生真面目で素直なラウラがどうするかは言うまでもない。尊敬する千冬と、意識し出した一夏、それに出来たばかりの友人達のためにと口を噤む事にしたのである。

 

「すまないな。お前の性格ではこういう事は嫌いだろうに」

「いや、任務上機密や秘匿する事があるのは知っている。これもそれだと思えばいいだけだ」

「ありがとうございます、ラウラさん」

「何、美味い飯の礼だ」

「それは嬉しいけど、少し違うよラウラ。あれは、みんなで作ったんだからね」

「……ならば、私と友人になってくれた礼だ。これならいいか?」

「「「ああ(ええ)(うん)」」」

 

 三人の笑顔にラウラも知らず笑みを浮かべた。余談ではあるが、結局夕食も彼女は箒達と共にする事となる。表向きの理由はその方が効率がいいからと言っていたが、実情は一人で食べるのが寂しくなったからであった。無論、それを三人も気付いており、そんな彼女に微笑ましさを感じたとか。




ラウラと箒、セシリア、シャルが友人となりました。ラウラが性に目覚めました。ラウラのエッチフラグが立ちました。
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