ベート・ローガが【イシュタル・ファミリア】で男娼をしているのは間違っているだろうか。 作:❁❀✿✾
麝香が香る夜の街、淫靡な明かりに照らされる白亜の宮殿、朱に染まる女の横顔。その下で冷えた目をする灰髪の青年。
長い黒髪を振りみだし嬌声を上げる女とは対照的に、青年はただされるがまま、呼吸をするだけだった__否、それすらも分からない。生きているかどうかも分からないほど、身動ぎ一つせずに行為を続ける青年に、痺れを切らしたように女が何かの液体を口に含んだ。そのまま唇をあわせ、男の口に流し込む。甘ったるいそれに顔を顰めるも、青年はしっかりと飲み込んだ。
それを確認すると、女はまた腰をふり出す。火照ってきた体を認識しながらも、青年は静かに溜息をついて目を閉じた。
燻った熱すらも心地いい。まだ若い肢体が何度も絶頂するのを感じて、此方も息が荒くなる。
最初に頼まれたことを思い出して、瑞々しい褐色の細い腰を掴み、思い切り突き上げると、一際高い声を上げて再度絶頂した。そのまま、此方も熱を吐き出す。
「はっ、ふ……、ありがと、ベート・ローガぁ……」
「ぁあ……」
短い会話をして、秘部から萎えた自身の性器が抜かれるのを、ぼんやりとした頭で感じていた。どぷ、と少女の膣から搾り取られた白濁が溢れ出る音が、耳に届く。
「「は、ぁ……」」
思わずと言ったように、二人の口から溜息が漏れた。盛すぎたと自覚があるのか、アマゾネスの少女は頬を軽く赤く染めて、顔を隠すように服を服を着ないで顔に当てた。だが、その腕も上がらないと言わんばかりに直ぐに服を投げ出して、青年の上から避いた。
疲れた。こればっかりは、相手も同じ感想のようだ。
ごろりと横に転がる少女にも思考が回らない。無理矢理な熱から開放された体がだるくて仕方が無い。そのまま、泥に沈むように1枚の布団の上で夜を終えた。
「今日の稼ぎはこの分だ、あとは頼んだアイシャ」
「おいっ、娼婦に何もしないで頼めると思ってるのかい?」
「うっせぇ!今日はもう出ねぇよ。通いつめてるやつが、しばらく来てなかったせいで随分がっついてきやがったからな」
「あー……レナ・タリーか?」
「……なんで知ってんだよ」
「顧客名簿位持ってるし、把握してるに決まってるだろう。ていうか、それ、うちの奴」
「……は?」
「うちの、派閥」
「はぁああああ!?」
〇▲▼〇
これは正史を外れた、1匹の狼の物語。
空っぽな心を埋める何かを探し続ける、孤独な狼の物語。
主人公はベート・ローガ。対になるのはレナ・タリー。助演は【イシュタル・ファミリア】でおくる眷族の物語、【孤狼恋歌】である。