KEY(ドM)と申します。
おじさんがダサい言われて笑った。
確かに言い訳できないな、これ。
挽回しろよ、おじさん。
カニとかめっちゃ怒っているぞ。
それでは、ご覧ください(KBTIT)
KEY(ドM)
「ワン!!ツー!!」
頬に感じる冷たい感触。
だらりと力が抜けて、動かない体。
なんだ、一体何が起きた。
耳には、つんざくような歓声と館長が何かを言っているのがかろうじて聞こえる。
『レオおおおおっっ!!起きろおおおっ!!てめっ、そんなダサいやられかたしてんじゃねーよぉおおおっ!!』
「つ、対馬くーん!!」
「対馬―!!あんた、早く起きなさい!!」
「レオっ!!戻ってこい!!早く立てっ!!」
仲間たちの声に意識が戻り、目を開ける。
青い床がまず見えて、近くに立っている館長の足が続いて見えた。
首をわずかに動かすと、にやにやと笑っている男子生徒がコーナーで立っているのが見える。
(・・・そうか、俺は---。)
情けない。緊張で、体が動かせずにパンチをもらうなど、スバルやフカヒレになんて言い訳すればいい。
カウントが進んでいる。
ここで立ち上がらなければ、点数の大きいこの種目で勝ちを逃すこととなる。
悲鳴をあげてきしむ体を起こし、グローブをはめた手で地面に手をついてなんとか立ち上がる。
「ファイブっ!!・・・対馬。目を見せろ。」
「・・・・・・・。」
立ち上がった俺の足がふらつく。
館長がファイティングポーズをとった俺の目を見てくる。
だが、今はそんなことはどうでもいい。
頭の中の血が沸騰し、目の前にいる敵だけが目に入る。
音は消え、敵と自分だけがいる感覚に陥る。
「うむ。闘志は萎えておらんようだな。・・・ファイッ!!」
『おおーーっとぉ!!館長から試合続行の合図がでたあああた!!
おいレオォッ!!次ふざけた姿見せたらボクがぶっとばすからなー!!』
「・・・・・。」
まったく、心配しているのかあおっているのかわからない。
けれども、ちょっと頭が冷えてきた。
笑みを浮かべながら相手が近寄ってくる。
「ふふ。もうそんな調子じゃ無理でしょ(笑)あきらめて、降参したら?」
「・・・・・・。」
ジャブを軽く打ち、調子を確かめる。
・・・・まだ若干脳にダメージが残っている。
体力回復する必要があった。
とん、とんとステップを踏む。
・・・できれば、判定で勝ちたい。
「せいっ!!」
「・・・っ!!」
相手のこぶしが頬をかすめた。
ギリギリの距離でよけたつもりが、当たりかけてしまう。
まだ、距離感がくるっているようだ。
修正。集中。次は効かない。
『ああーーーっと!!タンデム大野の連撃だあああっ!!
凄まじい手数っ!!しかし!!』
「くっ!!このっ・・!!」
「・・・・・・。」
だんだんと、ギアが乗ってきたのを感じる。
最近、喧嘩をしていなかった割には上出来だ。
完全にこぶしが見え始めた。
こんなもの、スバルの攻撃に比べれば止まって見える。
『かわすかわすかわすううううっ!!何とっ!!
あのパンチをすべてよけているぞおおっ!!できるんだったら最初っからやれよなっ!!』
『・・・まあ。』
「さっさと・・・落ち・・ろぉっ・・・!!」
「・・・・・。」
よけ続ける俺にしびれを切らしたのか、さらにペースアップし、早さを増す攻撃。
こちらも負けじとさらに回転をあげる。
だんだんと思い出してきた。
『攻め続けるパンダムとっ!!よけ続けるレオっ!!
先に音をあげるのはどっちだぁっ!!』
「対馬っ!!」
「いけーっ!!対馬くーん!!やっちゃいなさーい!!」
「・・・・・・・・ふん。」
そして、ついにチャンスがやってきた。
相手は攻めているのに攻撃を当てられず焦る。
体力を消耗しているのは相手も自覚している。
と、なると次の一手は当然----。
「---しつこいんだよぉっ!!」
しびれを切らした相手が、大きなモーションで振りかぶってくる。
きた。これを待っていた---。
『----竜巻旋風!!』
ごああっ、という轟音が響き、観客の視線がそちらを向いた。
今のは、別の競技に出ている鉄先輩の声か。
(・・・いろいろな意味でチャンスっ!!)
大振りに合わせて、最短距離の右ストレートを顎に叩き込む。
その際に、全体重をのっけて威力を上乗せする。
「ごっ・・・!」
どたり、と相手が倒れる。
館長が、俺に離れるようにいい、指示されたとおりにコーナーに。
『ああああっと!!なんだ!?一体何が起きたあああっ!!
乙女先輩の方を見ていたら、片方が倒れているぞおお!』
「・・・ナイン!!テン!!」
テンカウント。こちらの勝ちである。
どよどよ、と借り物競争の時とは違う意味で会場から困惑の声が上がった。
◆
「馬鹿。」
「・・・・・。」
ぐうの音も出ない。
試合が終わった直後、カニにそう言われてしゅんとなる。
無様なまま負けて終わるところだった。
霧夜さんや近衛さんからもジト目である。
みんなは、目をそらしていた隙に決着がついていたので、何があったか知らないようだ。
俺にとってはそちらのほうがありがたい。
「・・・まったく。次は油断しないように。」
「・・・ああ。」
後から合流した鉄先輩からも叱責され、正座させられた。
曲がりなりにも、同じ鉄の血を引いているものが醜態をさらせば無理もない。
スバルとフカヒレはやれやれ、と肩をすくめていた。
「んで。スバル。相手が棄権したんだって。」
「ん、ああ。楽できるからいいけどな。」
苦笑いして、ちょっと残念そうな顔をする。
学園で一番強いといわれているスバルが相手なら、
仕方のないような気もする。
俺だって、スバルとは戦いたくない。
冗談抜きで強いのは身をもって知っている
「んで、そろそろ休憩時間終わるけど、次ぎの対戦相手を見ようぜ。・・・げ。」
そう言って、椅子に座っている俺の膝元に載ってきたカニがトーナメント表が貼られている掲示板を見て、嫌な顔をする。
そこには、2-A,村田洋平と書かれていた。
優勝候補の一人である。
「あー。洋平ちゃんかー。・・・ドンマイ。」
「対馬君、お疲れ様。」
「エ、エリー・・・。さすがにひどいよぉ・・・。」
一気にお通夜ムードに。
鉄先輩も同じ拳法部である村田の実力を知っているからか、
渋い顔をしている。また拳法部かぁ、と肩を落とす。
できるだけ、判定に持ち込んで・・・。
「あ、レオ。いたいた。」
「フカヒレ?」
応援した時はいたのに、まだ戻ってきていなかったフカヒレが、
運営テントの中に入ってきた。
右手にはカメラを持っていた。
「それは?」
「かわいい子を撮っていた。」
「・・・・。」
こいつはぶれないな。
「おい、残念眼鏡。特別にボクを取らせてやんよ。
グラビア雑誌に載れるボクの魅力たっぷりな悩殺ボディをありがたりな。」
「嫌だ。せっかく取ったほかの写真が汚れちゃうだろ。貧乳。」
「あんだとこらぁっ!!」
「いてぇっ!!!こいつ・・・・!!カミツキガメみたいに噛みついてきやがった!!」
フカヒレの言葉に激昂したカニが、俺の膝からぴょいんとジャンプし、彼の右腕にかみついた。
もうちょっと、女子らしくお淑やかにできないものだろうか。
せっかく魅力はあるのに残念である。
「そういえばさ、いてっ!!おいこらっ!!離れろっ!!離れろって!!」
「ぐるるるるる・・・!!」
噛みついていたカニを振りほどき、
おーいて、と噛まれていた箇所を手でさするフカヒレ。
どうしたのだろうか。
「お前さ。たぶん、判定勝ち狙っているだろ?」
「ああ。」
「ま、妥当でしょうね。」
フカヒレの言葉に即答した。
霧夜さんはうん、うんとうなずいている。
優勝候補が相手だから、当然と思っているのだろう。
俺としても、そうしたいのが本音である。
「----たぶん、それ、無理だぜ。」
「・・・え?」
彼の言葉に目を丸くして呆けた声を出す。
「いやだってさ・・。」
気まずそうに、目を伏せるフカヒレ。
「--村田の奴、"対馬め・・・!!姫と手をつなぎおって・・!!
絶対に倒してやるっ!!"って殺気だっているの見たし。」
俺は、また痛み出した胃をいたわるために、右手でお腹をさするのだった。
汚名挽回したネ、おじさん()
次は名誉返上かナ()
猿も木から落ちる、かもしれない。
ガンダ〇
知らない人はいないであろうロボットシリーズ。
おじさんはリアルタイムでファースト、Z、ZZ、逆襲のシャア、F91・・・・と宇宙世紀シリーズを制覇しているガノタに片足突っ込んでいるレベル。
ガンプラが売り切れていた時、近くの工場に忍び込もうとしたこともあったとか。
シャアとアムロの中の人がいまだに現役であることに驚きを隠せない模様。
判定勝ち狙うおじさん。
ノックアウト狙ってガチってくる村越に対してどうするのか。
感想くれ。
やる気出るからくれ。
KEY(ドM)