※この作品はR-18です。

最低無敵の霊能チン〇、ネギま世界で無双する   作:人工シメサバ三号

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超うすうす

女子中学生が二人でも集まればきゃいきゃいと五月蠅く、

三人以上集まろうものならぎゃーぎゃーと五月蠅い。

勿論、物静かな女子中学生というのも存在しない訳ではないが

大体はそんなもんだ。

ましてや1クラス集まった場合の騒がしさというのは推して知るべし、である。

 

昨夜、横島と関りを持った三人の女の子が所属する2-Aは、

その中でも特に騒がしく、学年指導の先生からも要注意とされているクラスだった。

始業前、ギリギリになって楓、刹那、真名が飛び込んでくる。

一度帰ってシャワーを浴びて急いでまた来たのだ。

この三人の身体能力でなければ遅刻確定だっただろう。

 

「楓ねえ、間に合ったね」

「さすが楓ねえだね」

「かえでー、あんた昨日どうしてたのっ!

 心配かけちゃダメじゃないっ!」

「いやー、すまんでござる。

 ちょっと修行に熱が入りすぎてしまって……」

 

只でさえ賑やかだったクラスが増々騒がしくなる。

といっても人が来るのは楓の周りだけだ。

刹那も真名もあまり級友とは関わらないようにしている。

楓も一旦寮に戻った際に同室者の鳴滝姉妹には謝っていたので、

混乱は少ない。

純粋に心配していた者、騒ぎに乗っかって楽しもうとする者が

入り乱れているだけである。

 

わいのわいのと囲まれている楓がちらりと目をやると、

先に席に着いた刹那も視線を返した。

一緒に来たように見えて、実は違う。

刹那は寮から近衛木乃香の護衛をして来たのだ。

疲れ切っていても、この使命だけは忘れはしない。

一時間ぶりに再会した楓と刹那は視線だけで昨夜の事を確認しあった。

互いの痴態を見せあったライバルであり戦友である。

 

「ん、今、桜咲笑わなかった?」

「え、いや……」

「き、気のせいだ」

 

刹那の口角が上がったのを目ざとく見つけた、自称ジャーナリスト朝倉和美が

話しかけてくる。

だが、返事をした事は悪手だ。

昨日までの刹那なら仏頂面で無視したか、睨みつけたかだろう。

横島にコンプレックスを取り除いて貰ったおかげで、

態度が柔らかくなっているのを本人も気づいていない。

 

「んん?

 本当にどうしたの?」

 

ぐっと朝倉が身を乗り出してくると、

今度は何かを嗅ぎつけた図書館探検部の早乙女ハルナが声を上げる。

女子中学生ともなれば他人のでも色恋沙汰には目が無いが、

この二人はその中でも特に騒がしい。

 

「はっ、桜咲からラブ臭がするっ!」

「……そんなものはしないっ!」

 

ツッコミを入れてしまったのは更に不味かった。

また、すぐに反応しなかったのもリアル感がある。

朝倉と早乙女が騒ぐ分には相手にしないクラスメイトも

こうなってくると目の色を変えてくる。

結果、いつも以上の喧しさの中に珍しく刹那がいる事になってしまった。

 

「せっちゃん……」

 

結局、ネギ先生が来るまで彼女達が大人しくなる事は無かった。

いや、来てもならなかったのだがネギが困った事により

いいんちょこと雪広あやかがクラスメイトを一喝し、静かにさせた。

近衛木乃香のもらした呟きは誰にも聞かれる事無く、クラスの喧騒に溶けていった。

 

 

一方、横島はというと麻帆良学園の中をぶらぶらと歩いていた。

やった事と言えば銀行口座を作って、携帯電話を契約しただけだ。

学園長との約束というより、楓と刹那と連絡する為だ。

女の子との繋がりが最優先である。

それだけ確保したなら、好奇心のまま街の散策を開始した。

 

「ほえ~、路面電車まであるのか。

 凄いな。

 っていうか、初めから計画的に作った感じが凄い。

 コンセプトアートならぬコンセプトシティってか」

 

巨大校舎に横も広い大階段、学園都市だからか、

車の往来よりも歩行者の往来を重視している広い道、

街路樹の配置も街灯のデザインも日本とは思えないものだ。

レンガを敷き詰めた道といい、ヨーロッパの方に雰囲気は近い。

 

「なーんか、洒落てるなー」

 

もっと学生の多い時間帯だと人の多さに印象も違うのだろうが、

今は授業中である。

メインである学生がほとんど出歩いていないので、

広さの割に閑散としている。

ナンパ対象がいないので横島はのんびりと街を観察していた。

 

大人達の為か、サボリ生徒の為か、

喫茶店やファストフードなどのわずかに開いている店もあるが、

ほとんどは準備中である。

 

「意外に店も多いなー。

 学園を支える程度の都市機能じゃないぞ」

 

『そうね。

 初めは貴方の言う通りだったけど、

 今では一般人も多いからね』

『魔法使いの街と言いながら、もう数は逆転しとるしのう』

『魔法使いはどうしても『立派な魔法使い』への憧れから

 商売っ気の薄い人が多いみたいだ。

 魔法で便利な事も出来るから発明も遅れてしまう』

 

傍から見たら横島は独り言を話しているように見えるだろう。

だが、実際は会話をしている。

相手は麻帆良の街の霊達だ。

 

初めは荒んでいる霊だった。

なんでだ、なんでだと聞こえない叫びを上げる男に、

安らぎの霊波を与えて落ち着かせた。

このぐらいは通り過ぎるだけで出来る。

 

次に、泣きに泣き続けて悪霊化しかけている子供の霊を清め、

微笑んで抱っこしてやると成仏していった。

他に見えてる人のいない子供と遭遇したら、誰だってそうする。

実際はどうだろうと横島はそう思っている。

 

するとこっちを見ていた女性の霊がいたのでナンパした。

断られたが、とっても嬉しそうだったので世間話をした。

ここら辺りから霊の方から寄ってき始めた。

 

横島からすれば特別な事はしていない。

前の世界でも野良霊を悪霊化しないよう、

見かけたら声をかけたり、時間がある時は話を聞いてあげたり。

祓うだけがGSじゃない、と言うのが横島の指針だった。

金だけの話をすれば悪霊化するのを待って、

迷惑をこうむった誰かがお金を払うから除霊してくれ、というのを待つ方がいいだろう。

そういう事をするGSも実際に存在する。

しかし、それは横島のやり方では無かった。

霊の気持ちを誰よりも分かる女の子と親しかったせいもある。

どうにもならない感情に振り回されて悪霊と化す者の悲しみが分かるのだ。

 

ともあれ、そんなこんなで霊達を引き寄せ始めた横島だが、

これが横島にとっても有難い事になった。

この街の事を知るのに、彼等の話ほど有益な話は無かったのである。

霊体となった彼等は秘匿義務も何もなく、

認識阻害は働くが、そもそも魔法使い達も彼等の目を気にしてないので、

死んでからこの街の裏側を知った者達も多い。

中には元魔法使いだ、という幽霊もいたりする。

彼女の話から「立派な魔法使い(マギステル・マギ)」

という存在の話まで聞き、横島は今日の予定を変えた。

 

当然の事ながら魔法使い達は霊力を重視している者は少ない。

いない、と言い切ってしまってもいい。

よほど生まれつき霊力の才能に恵まれていなければ、意識すらしないだろう。

極稀に才能のある子が生まれても体系だっていて先達のいる魔法があるのに、

好き好んで霊力を磨こうという人間はいない。

おかげで横島は対策されてない情報ソースを得ている。

とはいってもほとんどが一般人であり、

魔法使い達の裏側だとか、個人情報だとか深い事を知っている訳ではない。

ただ、それでも横島には非常に有益だった。

何しろ違う世界から来たのだ。

この街の常識すら知らない。

楓や刹那もどうも一般人とは言い辛く、

この視点からの情報を怪しまれずに聞く事が出来るというのは有難かった。

 

幽霊達もこうはっきりと自分達の姿を見て話す人間が珍しいので、

自分から寄って来てくれるし好意的だ。

現世とのつながりに飢えてもいる。

物質と関りをほぼ持てなくなった幽霊達にとって、

向けられる思慕の念、敬愛とか心慰こそが何よりも嬉しいものだ。

 

「ちょっと付いて来てくれるか?

 買い物してくる」

 

スーパーのような店を見つけた横島はそう言って

ぞろぞろと幽霊達を引き連れて、買い物をした。

両手いっぱいにレジ袋を5,6個程下げた横島に幽霊達が

「すごい、すごい」と褒めそやす。

重そうな気配もさせずに横島は今度は人目に付きにくい場所へと移動する。

と言っても街の中だ、

昨日の山にまで行くのは遠い。

そこで横島が選んだのは閉まってしまっているビルの屋上だった。

元は何だったのか、通りから少し離れた三階建ての廃ビルである。

横島は荷物を両手に下げたまま、壁を蹴って登りきると、

買ってきた箒で素早く掃除をし、

塩をまいて酒を四隅に振り、祝詞をあげて場を清めた。

簡易な清め方だが、横島ほどのGSがやると十分効果がある。

というか、効果が出過ぎて幽霊達を祓ってしまわないよう気を付けたぐらいだ。

 

『おお、なんという暖かな……』

『ああ、なんかとっても安らぐわ』

『神社でもこんなにキレイな空気では無いぞい』

 

幽霊達が清められた場に顔を輝かせた。

コンクリート剥き出しで、中には抉れたりしているのに

彼等から見れば光に溢れた美しい空間となっていた。

中には徐々に恨みを抱き始めてたり、悪霊化しそうになっていた者もいて、

清められた事に喜んでいたりもする。

 

「さあ、これは俺からのお供えだ。

 遠慮なく頂いてくれ」

 

そう言って横島はスーパーで買ってきた酒や魚、料理や菓子を並べた。

物品を幽霊は食べれない。

極稀に例外は存在するが、普通はそうだ。

だが、お供えされた物に宿る心は味わう事が出来る。

幽霊達の喉が鳴る。

法事でも無いのに降って湧いたご馳走である。

喜ばないはずが無い。

中にはもう血縁からもお供えされたり、

顧みられたりする事の無くなった幽霊もいて、大喜びだ。

横島としては情報料として、当然のお礼だった。

 

聞こえる者のいない宴会が白昼の廃ビルの屋上ではじまった。

勿論、横島も一緒になって輪に加わり、食べて飲んだ。

 

ただでさえ心地よい波動を出しているのに、

このような事をされて幽霊達はメロメロになった。

横島はわずか数時間で麻帆良の幽霊達のカリスマになったのだった。

 

 

 

昼休み。

女子中学生達の昼休みはやっぱり騒がしい。

特に2-Aの騒がしさは他クラス以上だ。

喋るな、と言われていても騒ぐ彼女達が、自由時間に静かな訳が無い。

そんな中、何も食べずにいる娘がいた。

前髪を切りそろえたロングヘア―の古風な女の子である。

 

「ねえ、桜子、購買に付き合ってよ。

 あんたが来てくれたら限定美容幕の内弁当買えそうだし」

『あら、美容幕の内弁当ってなんだか凄いですね』

「いいよー。

 ジュース一本で手をうとう」

「もう、ちゃっかりしてるわねぇ」

 

チア組三人が連れ立って教室を出ていく。

 

「わぁっ、ちづ姉の弁当すっごーい。

 手ぇこんでるねー」

「私のはどうも所帯じみててねぇ。

 お野菜取らなくちゃと思うとつい和食になりがちで。

 裕奈さんこそ、お上手ですわ」

『本当ですねー。

 どちらもすごくお上手だし美味しそうですよ』

「にゃはは、お父さん忙しいからって、

 遅くなるとすぐコンビニ弁当とかで済ませてるからさ。

 お昼のお弁当ぐらいバランス取れたの食べさせてあげないと」

『裕奈さんはいつもお父さんの事を気遣ってて偉いですー』

 

お弁当自主製作組が互いに批評したり賛辞したり、

お弁当を広げて楽しそうに話をしている。

だけど、彼女に返事は無い。

ずっとずっと話しかけてるけど、返事をして貰った事は一度も無い。

それもそのはずだ。

彼女、相坂さよの姿はクラスメイト達に見えていないのだから。

 

「桜咲ー、ご飯一緒に食べようよ」

「……勝手にしろ」

「勝手にするね」

『うふふ、今日は仲良しさんですね』

 

ふよふよと近づいて仲間に入れて貰った気分でいると、朝倉が不意に振り返った。

 

『あ、朝倉さん、私の声が―』

「龍宮も一緒にどう?」

「私は遠慮する」

「あ、そう」

 

さよはがっくりと項垂れた。

彼女もまたさよの向こうの人へと話しかけただけだった。

だけど、くじけない。

いつかきっと、見えるはず。

いつかきっと、聞こえるはず。

そうして相坂さよは60年過ごして来たのである。

 

聞き慣れない声が聞こえたのは、その時である。

 

『あの子?

 わっ、すっげー可愛い。

 貴女によく似てるよ』

『そう?

 ありがとう。

 ……ありがとう、本当に。

 貴女が力を貸してくれなかったら、学校でのあの子は見れなかったわ』

 

さよが振り返ると、いつの間にかクラスの中に二人の霊が入って来ていた。

男と女の二人づつ。

男性はビカビカに光ってるスーツ姿の青年で、

女性は昔話の魔法使いみたいな恰好の20代の美女。

 

『あら、あなた達はどちら様です?』

 

話しかけてはみたが、聞こえてないらしい。

さよは幽霊仲間にすら感知されにくい体質らしく、

たまに見かける幽霊さんにも返事を貰えた事は無い。

女性はうるうるとクラスメイトを見ていて、

男性は口に指を当てて「しー」っとウインクしている。

しかし、そのジェスチャーでお願いされた事とは逆に、

刹那は百面相をして周りから心配されていた。

 

『はー、幽霊さんでもあんなにビカビカだと気付かれるんですね。

 凄いなぁ、私もあんな風に出来ないですかねぇ……』

 

さよはいつの間にか、心の中で黙っている事をしなくなっていた。

口に出しても誰からも聞かれないから、である。

だけど、この時ばかりは違っていた。

 

『ん?

 君、気づかれたいの?

 じゃあ、そうしようか』

『…………え』

 

気のせいだと思い、さよは反応が遅れた。

 

『今日はもうずっとここにいるんですよね。

 家には帰れます?』

『ええ、帰る事は出来るわ。

 家の周りだけははっきりと分かるから』

 

侵入してきた幽霊同士で会話を始めている。

 

『え、嘘、いま私の声に返事しました……

 ……偶然?

 で、でも……』

 

期待を裏切られる事には慣れない。

何度目だって辛いものだ。

だけど、どうしても期待してしまう。

もしかしてと見つめていたさよに、青年は笑いかけた。

 

『君、可愛いね。

 でも、確かに他の人じゃ見え辛いかもな~。

 君が望むんなら、他の人にも気付かれるようにしてあげようか』

『え、ほ、本当に私に言ったんですか……?

 私が見えるんですか……?』

 

恐る恐るさよが尋ねる。

ついに、ついに貰えた返事だ。

涙が出そうになる。

 

『見えるよ、勿論。

 確かに君は存在感が薄いみたいだけど、大丈夫。

 この俺、GS横島忠夫に任せておけば、

 美女と美少女の悩みは絶対に解決してやるから』

『はわ~、お話出来てますっ。

 今、私、お話してますっ。

 私、相坂さよです。

 横島さんと仰るんですね。

 よろしくお願いします~』

 

話をする事、という実に低レベルな願いを叶えて貰ったさよは

大喜びで横島に話しかけた。

60年の孤独である。

それはもう喜んだ。

喜びすぎて霊視出来るのに普段見えてないクラスメイトに見えてしまったぐらいだ。

 

『取り合えず、場所を変えようか。

 今、向こうで宴会やってるからさよちゃんも行こう。

 きっと楽しいと思うよ』

『え、宴会ですか。

 私、初めてです。

 宴会行ってみたいですっ』

 

はしゃぐさよの肩を横島が掴み、引き寄せる。

何故か、クラスメイトの一人がそれを見て立ち上がったが、

さよはそれどころでは無かった。

初会話の後に抱き寄せられ、そのまま教室の外へと飛び出したのだ。

誰にも知られないまま皆勤賞だったさよの初めてのサボリは、

霊体同士の空中浮遊デートだった。

 

『わっ、うわ~。

 と、飛んでます。

 飛んでますよ~』

『さよちゃん、飛んでなかったの?』

 

幽霊になれば基本的に浮けるし、飛べる。

逆に歩く方が難しいのだが、ここは個人差がある。

飛ぶという感覚は生きてる時には無かったものだから、

生前の感覚を忘れてない者は下手だったりするのだ。

 

空を飛んでしまえば、中学校から廃ビルまで大した距離では無かった。

空のデートではしゃいで、きゃーきゃー言ってたさよは

廃ビルに着いてまた驚く事になった。

 

『おーっ、やーっと戻ってきた』

『お主がおらんと始まらんぞい』

『お神酒がぶがぶやってたくせによく言うよ』

『おいおい、横島の旦那の前で喧嘩なんかすんなよ』

 

ここら辺りの幽霊達が何人も何十人もいるのだ。

長年、住んでいるだけあって顔は全員知っているさよである。

しかし、彼等が集まっている所なんて見た事が無かった。

 

「おう、ただいま。

 そんで、一人仲間の追加だ。

 この可愛い女の子は相坂さよちゃん」

 

幽体離脱していた横島がさよを抱きしめたまま身体に戻り、

紹介する。

生きてる人だったの、とか

じゃあなんで私を触れるの、とか

目を白黒させていたさよだったが、

幽霊達の視線が集まってる事に気付いてぺこりと頭を下げた。

 

『あ、あの、相坂さよです。

 60年幽霊やってます。

 よろしくお願いします』

『60年だって!

 儂らより先輩じゃないか』

『待て待て、俺は見かけた事無いぞ』

『おめえ、さっきまで地縛されてたから、

 そば屋の電柱しか知らねえじゃねえか』

『なんだと、俺は電柱登れるから遠くまで見渡せるんだよ』

『範囲が狭いつってんの』

『あんだと、てめー未練解消したろかっ』

『いいから先輩に御饌の良い所を差し上げろ』

 

様々な年代の様々な幽霊達が楽しそうに騒いでいる。

そして、その誰もが横島を慕い感謝している様子も見せる。

いよいよ何か凄い所に来ちゃった、とさよはわくわくし始めていた。

 

「この子、ちょっと存在感が薄いみたいだから気付かなかったんだろうな。

 今は俺が触ってるから認識できるけど。

 これから仲良くしてやってくれ」

『よ、よろしくお願いします』

 

改めてさよが挨拶すると、幽霊達も当然のように受け入れてくれた。

ここが清浄な場になっている事も幽霊達のハイテンションに繋がっている。

 

「という訳だから、さよちゃんは俺の膝の上ね」

『は、はい、よろしくお願いします』

 

あぐらをかいて座り込んだ横島の太ももの上にさよが横向きに座る。

そして、その前に何とか物理干渉出来る霊が、お神酒や御饌なんかを置きだす。

まあ、横島がスーパーで買ってきたものだが、

本気の思いを込めて供えればスーパーの総菜でも御饌となるのだ。

それは別に横島の霊力とは関係なく、込められた気持ちの話である。

 

「ほら、さよちゃん、あーんしようか。

 ほら、あーんって」

『そんな子ども扱い、恥ずかしいですぅ』

 

これはさよの容姿が可愛くて、セクハラしたいというだけでなく

干渉力が弱いさよの為にやっている事でもある。

脚でさよの尻の感触を楽しんでいるし、

セーラー服の胸元覗き込んでるし、

自分に寄りかからせて柔らかさを愉しんでいるけども、

さよの為にもなる事なのは確かだ。

実際、さよは大喜びしている。

それは間違いない事だった。

 

 

それから宴はどれ程続いただろうか。

昼休みの半ばにさよが連れてこられて、

もう小学生達なんかは下校し始めている時刻となった。

幽霊の中に子供達の登下校見守り隊がいた事からお開きとなった。

幽霊達に予定も何も、と思うかもしれないが

実は結構縛られているのだ。

 

「じゃあまたな。

 みんな、成仏したくなった時は俺の所に来いよ」

『ふふ、その時は頼むわね。

 さよちゃん、また会いましょうね』

『へへ、旦那、今日はありがとな。

 相坂さんもまたな』

「お互い様だろ。

 俺も話が聞けて助かったし」

『はい、またお話ししましょう』

霊達は口々にお礼を言うと、また街の中に戻っていった。

地縛は横島が解いてしまっているが、

それでもぞれぞれに気に入った場所や見ていたい人間がいる。

清浄な土地でリフレッシュして気分爽快、

また新たな霊生活を、ってなもんである。

 

「行ったか」

『はい、皆さん、優しい方達ですね』

「霊は現世のしがらみを忘れて、心穏やかに

 恨みも苦しみも忘れてしまえば後は楽しいばっかりなんだよ。

 優しい自分を取り戻させるのが、成仏させる基本だしな」

『そーなんですか』

「そうなんですよ」

 

話しかければ返事がある。

笑いかければ笑顔を見れる。

それだけの事がとても嬉しくて、他の霊達が解散しても

さよは横島に抱き着いたまま、離れる事が出来なかった。

 

「じゃあ、さよちゃんが皆に気付かれるように特訓しようか」

『そんな事が出来るんですか』

「最初、なんて言って付いてきたんだっけ」

『……そうでした。

 よろしくお願いします』

 

他の人と会話できる事が嬉しすぎて、忘れてしまっていたさよである。

 

「うーん、でも、明るすぎて雰囲気出ないな。

 場所変えるか。

 ちょっと待ってて」

 

そう言って横島は宴の後を片付け始めた。

といっても散らかっている訳ではない。

物質的にはほとんど動いてないのだ。

ただそのままにはしておけない。

それは場に対して礼を失した事になる。

土地神と交流したり、無機物だった物に芽生えた魂と

気持ちいい事したりしていた経験から横島は自然とそういう考えをする。

今はまだ、自我の芽生えてない物でも

これから芽生えた時にどう扱われてきたかで性格が変わるのだ。

どうせ土地神とか付喪神とかになるなら、

可愛い女の子になれよ~、という邪念が混ざるのはご愛敬だろう。

 

「こんなもんかな。

 でも、場所どこにするかなー。

 山は遠いし、ホテルも遠いし……」

 

さよは特に何も言わず、にこにこと横島にひっついている。

一緒にいれる、ただそれだけで嬉しいらしい。

少し考えこんだ横島は不意に一階のシャッター前に飛び降りた。

シャッターに張り紙はしてあるが、売り物件とは書いていない。

ただ、連絡先として学園事務局の電話番号が書いてあるだけである。

騒めく通行人を無視して、横島はまた屋上に駆け戻った。

 

「あ、もしもし、学園長さん?

 ちょっと言いたい事があるんですけどいいですか?」

 

買ったばかりの携帯電話を取り出し、

横島は嫌そうな顔をしつつ学園長に電話をかけた。

よりによって、最初につかう相手が爺さんか、と思うが

楓や刹那はまだ授業中だろう。

仕方がない。

 

「もしもし、学園長さん。

 ちょっと話したい事があるんですけどね」

 

横島の要望は簡単だ。

このビルをくれ、というものだ。

普通にこんな事を言えば狂人だろう。

図々しいクレクレとかいうレベルを超えている。

だが、横島の力と立場でなら成り立つ。

ここを活動拠点にしてやるから、と。

学園側にとっても横島の居場所、連絡先の把握は重要である。

学園長室で美女もいないのに力の一端を見せたのはこういう時の為だ。

 

ただ、それだけでは暴力を背景にした脅しのような物だ。

だから、それだけではない学園側のメリットも提示してやる。

それは霊達の鎮魂、慰撫。

行うだけでなく、霊達への接し方から指導する。

学園の霊能方面でのアドバイザーになってやろうというものだ。

魔法使いばかりがいて、そちら側の知識、力が不足しているのは明らかだ。

街にいる霊達の不満まで合わせて教えてやると、学園長は

「儂の方からお願いしたい話じゃ」と言って承諾した。

 

横島が電話をして20分足らず。

それで一つの物件を手に入れていた。

しかし、話術は使っても詐術ではない。

霊達の為に、この街の住人の魂の安らぎの為に横島がいた方がいいのは事実なのだ。

横島はしめしめ、と悪い顔をしていたが、さよは単純に感動していた。

霊達の不満、不安を解消してくれる人。

生身の状態のはずなのに、さよには横島がきらきらと輝いて見えていた。

 

「という事で、ここが当面の俺の家だね。

 さよちゃん、おいで。

 一緒に中を見よう」

『はいっ』

 

屋上のドアのノブをバキッと力づくで壊し、中に入る。

廃墟探索であり、新居探訪でもある。

屋上階段部屋には何も無い。

照明が点いているはずもなく、古びた窓から差し込む光だけが光源だ。

コンクリート剥き出しの壁に、急な角度の階段。

エレベーターも無いし、階段に手すりもなく、滑り止めも無い。

 

「結構、年代物って感じだなー。

 散らかってないだけマシってとこか」

『そういう物なんですか』

 

差し込む光の中をホコリが舞い上がる。

下に降りようとすると、さよはひしっと横島の腕に抱き着いてきた。

 

「柔くて気持ちいい……じゃなかった。

 もしかして、怖い?」

『は、はい……』

 

恥ずかしそうにしながら離れないさよの頭を撫で、横島が微笑む。

気弱な幽霊なんてどうしても、元同僚の女の子を思い出す。

 

「明るくするけど、離れないで欲しいな。

 いや、もっとぎゅっとしてくれたら嬉しい」

 

さよは横島のスケベな思惑に気付いていないのか、

無邪気に抱き締める力を強めてふにっと喜ばせた。

 

『わぁぁ、明るくなりましたぁっ。

 凄いですっ、

 何したんです?』

 

文珠である。

『明』で光る玉に変えて転がしたのだ。

それだけでフロア全体を照らす光源になる。

楓と刹那という安定供給源があるから、こんな事にでも使えるのだ。

 

「中は何も無しかな」

 

階段スペースとフロアの間にも区切りは無い。

階段を降りたら、ただがらんどうのフロアがあるだけだ。

きっちり片づけてある辺り、ちゃんと再利用する気の建物なのだろう。

窓はガラスは外され、外から木の板を張ってある。

光源を作らなければ本当に真っ暗になる。

 

『結構広いですね』

「住居にするには広いなー。

 店舗にすると思うと、ちょっと狭い。

 微妙だ」

 

場所も大通りには面して無い。

形式的には店舗というよりオフィスビルだったのだろう。

 

『お店するんですか?』

「いや、今の所そのつもりは無いよ。

 情報は色んな方向から必要だから、そのうちやるかも知れんけどな」

 

二階に降りてみる。

こっちも三階とほぼ同じ。

フロア一面何もなく、物もない。

 

「住居にすると思うと全方面に窓があるの邪魔臭いな。

 こっちなんかは隣のビルのおかげで日は射さんが……」

『そうなんです?

 私、お日様好きですよ』

 

仮にも幽霊とは思えない発言である。

静かな夜の方が好きなのが一般的な霊である。

さよは色々と規格外な霊のようだった。

 

一階。

外に繋がる両開きのガラスのはまったドアがあり、その向こうにシャッターがある。

店舗のドアにしては小さい。

オフィスビルだった可能性はより高まった。

 

「ドアとか窓とか、取り合えず後回し。

 まずは、さよちゃんだな」

『え、え、私ですか?』

「うん、待たせたけど、やっと処置できるよ」

 

そう言うと横島は『清』の文珠を作り出し、

一気にビルの中の汚れやほこりを取り除いた。

そうして、さよと向き合い両手を彼女の頭の上に置いた。

 

『あ、あのぅ……』

「これから、俺がさよちゃんを撫でていく。

 身体の表面をずっとね。

 さよちゃんは撫でられてる所を意識して。

 自分の輪郭をはっきりと強く認識するんだ」

『自分の輪郭を、ですか』

「この処置が終わったら、俺がいない時でも皆から見えるようになる。

 頑張ろう」

『はい、頑張りますっ』

 

ぐっと拳を握るさよの頭をてっぺんから横島の手がゆっくりと撫でていく。

切り揃えられた前髪も、ストレートに長く伸ばした後ろ髪も、

丁寧にゆっくりと。

 

傍から見れば横島は何もしてないように見えるが、

勿論そうではない。

薄く、非常に薄く、霊気を纏っているのである。

霊気を見る事が出来る者でさえ気付かない程。

よくみたら肌艶がいいような気がする、ぐらいのものである。

しかし、これこそ横島の真骨頂。

神族、魔族すら倒せる力に同業者ですら勘違いしている者が多いが、

横島の最も得意とする所はその繊細な霊力コントロールにある。

薄く薄く生身と変わらないレベルに霊気を纏う事で得られるメリット。

それは幽霊を押し倒せる事である。

攻撃意思を一切持たず、更にうすーくする事で

ほぼ生者との交わりと変わらない感触を双方が味わう事が出来るのだ。

 

開発経緯は正にそのまま。

温もりが欲しいと悲しむ女幽霊と出会った横島は、

ヤル事で成仏させる事が出来ると気付いた。

そして、相手も自分も悦ぶ最高の浄霊方法だとこの技術を磨いたのだ。

 

横島流奥義『超うすうす』

 

この技を身に着けた後、横島はどんなタレントなんかよりも

「最も抱かれたい男」となった。

ただし、アンケート投票者の生死問わずの条件付きだが。

 

「さあ、次は顔を触るよ。

 おでこ、こめかみ、まぶた、目の下、ほっぺた……

『あ、あ、温かいです……横島さんの手、あったかい』

 

触る場所を言いながら、さよの身体に触れていく。

すると、触られた場所の透明度が減って、はっきりと色づいていく。

認識を強化する事で存在力を増やす処置である。

 

「次は首なんだけど、その前にキスするね」

『き、き、きす?

 きすってあの、キス……?

 お魚じゃない方の……

 こ、恋人同士がやるとかいう、伝説の……』

「そうだよ。

 外側だけじゃ、片手間だし。

 さよちゃんの可愛らしいピンク色の舌を舐めないと」

『ふわぁぁぁ……』

 

目をぐるぐるさせているさよの桜色の唇に、横島の霊気を帯びた舌が這って行く。

あくまで、処置である。

唇の裏側、歯茎、歯、歯の裏側、舌、舌の裏からほっぺたの内肉。

丁寧に丁寧に舐めていく。

そうして霊気を含んだ唾液を飲まされる。

するとさよの身体全体が色濃くなっていく。

凝縮された霊気を取り込み、さよの霊としての力が上がっているのだ。

 

そうしている間にも手はほっぺたを包み、顎の下を撫でて、首をさすっていく。

さよが舐め返すまで、横島はたっぷりとしつこく舌を舐め続ける。

 

「じゃあ、いよいよ身体の方いくよ。

 セーラー服着たままも素晴らしいけど、今日は脱がすから」

『は、はぃ……』

 

生きている者なら服の下には身体がある。

当たり前の事だ。

だが、霊となった者は自分に一番しっくりくる恰好をしているので、

身体というのが無い事もある。

だからこそ、横島は予告する。

相手が自分の身体が女だったとはっきり思い出すように、

強く意識するように。

幽霊抱いた数なら世界一を自称していた男は、

しっかりとノウハウを確立していた。

 

「さよちゃんのおっぱいってどんなだった?

 脱がす前に教えてよ」

『ひゃっ、そんな……ふ、ふつうです。

 そんなに大きくも無いですし……』

 

だから、この発言も別に言葉で辱めている訳ではない。

しっかりと自分の身体を思い出させているのだ。

決して、さよの反応が可愛いから苛めている訳ではないのだ。

多分。

 

「はい、ばんざいして?

 みんなに気付かれて、お話するためだから、ね?」

 

さよは60年前の15歳なのだ。

婚前交渉などもってのほか、と言われてきた世代である。

恋愛したい、というのはさよの未練の一つだったが

ここまでの事は奥手のさよは想像していなかった。

それでも真っ白な肌を桃色に染めて、さよが頷く。

クラスメイトとお話したいという欲は羞恥を超える。

 

リボンをほどき、横島は手早くさよのセーラー服と下着を脱がせてしまう。

60年前の古いセーラー服だろうと、脱がせ方を熟知しているのは横島だからだ。

そして、手で隠そうとするさよの腕をつかみ、

ぷるんと現れた胸を凝視する。

 

「結構、大きいね。

 60年前でこんな大きかったら皆から見られてたでしょ」

『あぅ~……確かに男子とか、たまに先生からも視線は……』

 

自分の胸を見つめられている恥ずかしさから、

さよは斜め上なんかに顔を逸らしている。

さよが抵抗を諦めると、無骨な手が可愛らしい指を一本一本撫で、

手の平をなぞり、腕をまんべんなく擦りながら登っていく。

鎖骨を撫でて、脇に横島が顔を寄せる。

 

「さよちゃん、いい匂いがする」

『やっ……』

 

脇の匂いを嗅がれるというのは、

女子にとってこれほどの羞恥も無い。

そんな事されるぐらいなら裸見られた方がマシという子も存在するくらいである。

だが、それでさよは自分の匂いというものを意識した。

霊になると忘れてしまいがちな感覚が、嗅覚である。

自分から一切匂いのしない霊は、匂いそのものを忘れてしまう。

だからこそ、あえての匂いを意識させるのだ。

それが生前の記憶を強く思い出す。

 

さよもまた、思惑通りに生前の事を思い出し、

十代の少女特有の汗臭さとほのかな甘い匂いを出し始めた。

 

「乳首も小さめで可愛いなぁ。

 こうツンと誘っていやらしい」

『ひゃあ!?』

 

ついにさよの胸に横島の手が伸びてきた。

さよは刹那並に、むしろ以下かもしれない程小柄だ。

だが、胸はかなり違っていて身長の割には結構ある。

脇を嗅がれて泣きそうなさよの胸を

ふにゅふにゅと揉んで撫でる。

くにくにと乳首の形もしっかりと認識させ、念のためか口にも含む。

吸ってもみるし、舐めても見る。

 

あくまで処置をしているはずである。

そのはずだが、横島の手の滞在期間は何故か胸だけが異常に長かった。

それだけしっかりと存在感を増すべき場所だったのだろう。

 

そして、長らく胸を撫で続けた手が、

あばらの浮いた横腹を撫で、お腹、背中と進む。

途中、何度かまた胸に戻りつつ、

上半身を撫できってしまうと、横島はまた、さよの頭を撫でてキスをした。

そうして、今度は自分のズボンを降ろしたのである。

 

現れたのは鬼こん棒。

父親の通常時ぐらいしか見た事の無かったさよに、これは強烈すぎた。

嗅覚を取り戻したさよの鼻に、生臭い男の匂いが漂ってくる。

 

「という事で今日の最後の処置だ。

 舐めてくれる?」

『な、舐める……こ、こんな……だって、これって……』

 

もう一度言うが、さよは60年前の15歳である。

フェラチオは一般的では無かった。

エロ本なんかも流通していない時代だった。

それから60年、呑気に誰とも交流もなく過ごして来たのだ。

フェラの事を知る事など無かった。

ぎりぎり性交の事だけは知っているという程度なのだ。

それも、男の人に迫られてもこれをさせてはいけない、

という事で教えられたようなレベルだ。

生殖器であるが、小便を出す所でもあるはずのモノを舐める。

それがさよにとってどれほど高いハードルか、

現代人では中々分かりづらい事だろう。

 

「無理そう?」

 

さっきまではなんだかんだ言いながら

気持ちよさそうに撫でられていたさよだったが、

想像もしていなかった事に驚き、声を失っている。

 

「どうしても嫌なら、今日した事を毎日何度もする方法もあるよ。

 時間はかかっちゃうけど……」

『……いえ、やります。

 お、おちんちんを舐めたらいいんですねっ』

 

グッと拳を握り、さよは意気込む。

 

『で、ど、どうすればいいんでしょう……

 あ、しゃがむといいのかな……』

 

えーっと、えーっととまごつきながら、さよが横島の前に正座をした。

座る、と言えば正座の世代である。

そして、ゆっくり、ゆっくりと顔をちんちんに近づけると、まじまじと見つめている。

禁欲を宗とする世代でも、異性への興味はある。

 

『じゃ、じゃあ……』

 

恐る恐る、近づくとちろりと舌をつける。

 

『な、舐めましたっ』

 

ガッツポーズである。

やってやったぞ、と鼻息荒く顔を輝かせるさよに横島から残酷な言葉が発せられる。

 

「あーっと、そうじゃなくて舐め続けて貰わないと……」

『ええっ!?

 まだなんですかっ!?』

 

ショックを隠し切れない様子のさよに、

やっぱり横島は懐かしさを感じていた。

産まれたのが300年前のあの娘もそうだったな、とか。

他にも妖怪娘なんかもそういう反応だった。

「口でするなんて汚らわしい」とか言いがちだ。

性には人間よりも開放的なのに、変態的な行為には劇的に嫌悪感を示す。

 

「ごめん、説明が悪かった。

 俺が良いというまで舐めて、出来れば口に咥えて欲しい」

『口に……分かりました』

 

目を閉じ、もう一度決意しなおすとさよは意を決してぺろりと舐めた。

一度やってしまえば、慣れてくる。

ちろちろ、からぺろぺろになり、べろべろになってちゅばちゅばと変わる。

さよは元々霊気に対しての素質が無かった。

だから、はっきり言ってとても不味いし臭い。

しかし、霊体にとって横島の精液は麻薬のように中毒性があった。

霊体そのものの強化にすらなる霊薬である。

先走り液をちゅうちゅうと吸って「なんで」と思いつつも、うっとりとしている。

小さな口を精一杯広げて、中に含んでいる。

 

「どう?」

『はぅ、なんか不思議です。

 臭いのに、なんでかもっと舐めたい気がしてきます』

 

ちゅばちゅばと下手糞に吸い付いて、もごもごとする。

忌避感は薄れたようだが、全く知識の無いさよはやはり下手だった。

ぎこちなさは興奮出来る要素だが、このままではいつまでもいけない。

そう判断した横島はさよの頭に手を添えた。

 

「さよちゃん、突くよ。

 喉で扱いて貰う。

 きついかもしれないけど頑張って」

『ふ、ふぐぅ!?』

 

ぐいっと肉棒をさよのか細い喉に押し込む。

すぐに引き抜くが、また強く押し込む。

 

『んー、んーっ!』

 

さよはじたばたと手を動かして慌てるが、横島の腰は止まらない。

生者にすればむせたり、息が出来なかったりで危険でもあるだろう。

だが、さよなら無茶しても大丈夫である。

それに、がんがん突いたりはしない。

さよも少しづつ落ち着いてきて、

喉を広げて受け入れればいいと気付いた。

苦しくても、臭くても、無視されていた頃よりずっと幸せだという思いが、

さよにはあった。

何をされたとしても、もう横島から離れられないと自覚していたのだ。

 

びゅるっとさよの喉奥を精液が叩く。

霊気を扱う素質の無さと、霊体である事で

さよには臭くて不味いのに中毒性があるという妙な事になってしまう。

 

「さよちゃん、飲んで」

 

素直に従い、ごくんと飲む。

すると身体がはっきりと色づいてきた。

 

『わぁ、すごいっ……

 これで私も皆から気付かれる霊になれるんですねっ』

「うん、今でも随分違うよ。

 これを毎日続けたら、物質化も出来るようになる」

『ま、毎日ですか……』

 

終わりじゃないと聞いて少し項垂れたさよだったが、

すぐに顔を上げて拳をぎゅっと握った。

 

『でも、頑張りますっ。

 きっとクラスメイトの一員になりますからっ』

 

横島だけしか見ている者がいないのが勿体ない、

華の咲くような笑顔だった。

 




リンパがですね~、ここで止めたら意味ないですよ、
な感じを出したかったけど無理だった
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