※この作品はR-18です。

最低無敵の霊能チン〇、ネギま世界で無双する   作:人工シメサバ三号

7 / 9
繋ぎのエロ無し回
前後編の前編だったけど後編との繋がりがまるで無かったので独立



JCにやにや眺め罪

外観は普通のビルだ。

それが横島の家に着いた刹那の感想だった。

横島は色々と普通じゃない男だ。

新築にしか見えない奇麗さに、

「こんな所にビルを建てる工事などやってただろうか?」と

疑問は浮かんだが、他に目立った特徴は無い。

それがむしろ違和感ですらある。

 

一通り外周をぐるっと周っておかしな部分は無い事を確認すると、

正面玄関らしき両開きのドアを眺める。

”男は入るべからず”

”美女専用ドア”

ドアの右と左にそれぞれ書かれた言葉に呆れつつ、

前に立つとドアはさっと開いた。

普通の自動ドアなのか、本当に美女が立つと開く仕掛けなのかは刹那には分からない。

常識で考えればただの自動ドアだろうが、

横島という男にかかれば美女検知システムぐらい作れそうでもある。

そして、横島が自分を美女の範疇に入れてくれている事も刹那は疑っていなかった。

何しろ、横島がどれだけいきり立たせていたか身をもって知っているのだ。

昨夜、忙しいから来れないと伝えた時の横島の落ち込みようも、だ。

今度会った時は覚悟をしないといけないと、下着を濡らした事も思い出す。

 

中に入ると何も置かれていない広いフロアだった。

奥の方にトイレと階段。

窓は無く、換気扇だけがある。

防犯性は高いが、普通にはあり得ない構造だ。

材質もよく分からない。

床は石材と思うがつるつるに磨き上げれていて、まるで鏡のようだ。

まさか横島がスカートっ娘のパンツを覗く為に鏡面仕上げにしていると思わず、

刹那は土足でいいのかと不安になりつつ階段まで辿り着いた。

 

四階まで続く階段は吹き抜けの螺旋階段だ。

踏板も手すりも骨組みも踊り場も、透明度の非常に高いガラス製である。

これもミニスカ娘でも来た時の為のものだが、やはり刹那には理解できない。

いきなりお洒落な階段に驚くだけだ。

恐る恐る階段を上り、刹那は聞き耳を立てる。

すると微かに二階から音が聞こえる。

話し声に思えるが、内容は不明だ。

そろりそろりと慎重に階段を上っていく。

二階のドアの前まで来ると刹那はもう一度、中の様子を伺った。

出来れば一方的に木乃香を確認したい。

しかし、そういった刹那の思いもむなしく中の様子は分からなかった。

今度のドアはノブがついている。

 

”この門をくぐる美女、一切の衣服を捨てよ”

 

入口と同じような謎の文の書かれたドアを、そーっと刹那が開く。

そして、その中で見た光景は、

全裸の横島に後ろから抱かれ脚を掴まれて、

M字開脚させられている着物姿の木乃香と、

その木乃香そっくりの幽霊が露わになったその局部をまじまじと覗いているという

全く理解の出来ないものであった。

 

 

「せやから、言うたのに……」

『ごめんなさい……』

「ごめんな、木乃香ちゃん」

 

背を向けて拗ねる木乃香に、さよと横島が謝り倒す。

呆然としていた所を見つかった刹那が中に入っても、

やっぱりよく分からない光景は続いていた。

 

「木乃香ちゃんのお願い何でも聞くからさ。

 機嫌直してよ、ね?」

『うう……私に出来る事ならやりますから~』

 

パンツ一丁で横島が何とも情けなく謝る姿に、

刹那はちょっと思う所もあるが、木乃香が怒るのも分かる。

詳しく説明された訳では無いが、木乃香は横島とこの謎の幽霊に頼まれて

局部を見せる事になり、見せている最中を自分に見つかったという事らしい。

怒っているというよりも恥ずかしいのだろう。

刹那は木乃香の感情をそう推理し、

そして自分では木乃香を宥める事は出来ないと諦めていた。

 

「ほんまに何でも?」

「ほんとほんと、木乃香ちゃんの機嫌が直るなら何でもするって。

 木乃香ちゃんに嫌われるのだけは勘弁や」

「ほんならな……」

 

木乃香が何事か横島に耳打ちする。

その仲良さそうな光景に何となく二人の関係を察し、

刹那の胸に黒い感情が湧く。

 

「そんな事でいいなら全力を尽くすよ」

「ほんま!?

 約束やえ」

 

知り合ったばかりのはずなのに、仲良い様子を見せられ

刹那はベッドの上の横島の隣に勢いよく腰かけた。

昨日の早朝は自分をあんなにしたくせに、と思う。

そういう自分に驚きながらも止める事は出来なかった。

 

「そろそろ説明してください!

 まずは何故お嬢様を攫ったのか。

 私は学園長に説明しないといけないんですかね!」

 

怒った顔で密着すると、横島の手が腰に伸びてくる。

刹那はスケベな顔して密着してくるぬくもりに怒りが霧消していく事を感じながら、

なるべく怒ったふりをして、横島に話を促した。

 

 

「―――――――取り合えず、お嬢様を攫った経緯については理解しました。

 そういう事情であれば、分からなくもありませんし……」

「いやあ、刹那ちゃんならそう言ってくれると思ったよ。

 というか居たら同じことしたんじゃないの?」

「せっちゃん……」

 

横島を挟んで反対側に座る木乃香が嬉しそうに見てくる。

 

「あ、いえ、そんな大それた事、私には出来ません」

「またまた~、じゃあなんで護衛から遠ざけられたんだ?」

「それは、どうにか中止にしようとはしたかも知れませんが

 お嬢様を誘拐という手段は…………じゃなくて、

 そもそも護衛とは何の事でしょう?

 私は捜索のお手伝いを引き受けただけですが」

 

言い訳はしてみたものの、自分でも嘘の下手さは理解している。

案の定、横島も木乃香も刹那の言い分を信じた様子はない。

 

「刹那ちゃんが普段は日中忙しいって言ってたの、

 木乃香ちゃんの護衛をしてるからじゃないのか」

「そうなん?

 せっちゃん、うちの事守ってくれてたん?」

「えっ、その、ちっ、違いますよ。

 えーーーーーっと、えっとですね……」

 

刹那はコンプレックスから拗ねたような態度を取ってたりするが、

元来素直すぎる性格である。

その上、コミュ力も無いし、トーク力も無い。

いい感じの嘘が全く思い浮かばなかった。

しかも横島の向こう側から覗いてくる木乃香が、

不安そうな表情を浮かべている。

 

「……護衛をしている事もあります。

 今日みたいにしていない事もあります」

 

結果、嘘は言ってないというギリギリな線が刹那の出した結論だった。

ほとんど毎日、護衛しているけども、極稀に出来てない日もあるので一応嘘ではない。

 

「そうやったんや。

 ありがとうな、せっちゃん。

 うち、せっちゃんに嫌われてるんかと思うとったんよ」

 

たたっと嬉しそうに木乃香が刹那の傍に駆け寄ってきた。

結果、今度は刹那が横島と木乃香に挟まれる形となった。

凄く嬉しいような、凄く恥ずかしいような、凄く怖いような気持ちになって

刹那は返事が上手く出来なかった。

 

「き、嫌いになど、私がこのちゃんを……

 す、すいません、お嬢様を嫌いになどなりません……」

「このちゃんってまた呼んでくれるん?

 お嬢様なんて呼び方やめてえな。

 昔みたいに、な」

 

木乃香と二人きりならまず逃げただろう。

今だって逃げられるなら逃げ出したい。

だが、横島の手が後ろからお腹を掴んでいて刹那は逃げようが無かった。

 

「こ、このちゃん……」

「んふー、せっちゃん。

 もう一回言うて」

「……このちゃん」

「せっちゃん」

 

にこにこの木乃香に釣られて、刹那の顔にも笑みが浮かぶ。

本当は、ずっとそう呼びたかったのだ。

正体を知られて嫌われるのが怖くて、

それならいっそと自分から遠ざかった。

逃げられない状態だから、という言い訳が刹那に一歩歩ませていた。

 

「そ、それより、このこのちゃんそっくりの浮かんでいる幽霊はどちら何ですか?」

『わ、私が見えるんですか?』

「おー、さすがは刹那ちゃんだな。

 さよちゃんが見えるなんてな」

「せっちゃん、凄いわー。

 うちやって、やっと見えるように……って。

 見えてるー、どないしよ?

 横島さんから離れたのに見えてるー」

『ええー、木乃香さんも見えるようになったんですかっ』

 

木乃香も木乃香に似ている幽霊もはしゃぎ出す。

木乃香に似ている分、嫌いにはなれないが

何なんだこの幽霊、という思いはある。

 

「この子は相坂さよちゃん。

 刹那ちゃんや木乃香ちゃんのクラスメイトだよ」

「クラスメイト……?」

『あ、あの、私、出席番号一番、相坂さよですっ』

「ほら、せっちゃん、この子あの座らずの席の子やえ」

「え……座らずの席?

 出席番号一番って……本当にいたんですか」

 

出席番号一番は名簿に載っているが会った事のある者がいない存在だ。

一年生の初め頃は話題にもなったが、

そのうち不登校かなんかだろうと忘れてしまっていた。

 

「幽霊だったんですか……」

『はいっ、私は誰からも気付かれなかったけど、

 ずっと皆さんを見てたんですよ。

 それで、横島さんが見つけてくれて』

「これでも大分存在力を強化したんだよ。

 刹那ちゃんも今まで見えてなかったんだろ?」

「なるほど、そういう事ですか……

 存在力を強化ってそんな事出来るんですか」

 

京都神鳴流はただの剣術ではなく、退魔を請け負ってきた流派だ。

当然、妖怪だとか怨霊だとかとも戦う。

知識もあり、霊気を使える分、刹那の方が横島の無茶苦茶さが分かってしまう。

 

「……出来るんでしょうね、貴方なら。

 どういう事をするんですか?」

「霊気を纏って撫でてやるんだ。

 こういう風に」

『ひゃんっ!?』

 

今度こそ刹那は目を見開いた。

横島の手がさよの頬を撫でるのが、

素手で幽霊を触っているようにしか見えないのだ。

霊能者だとしても余りに非常識である。

 

「ま、まさか、それで霊気を纏ってるんですか!?」

「うん」

『ひゃうぅ』

 

耳の裏を擦られてさよは悶えている。

信じられない神業だが、やっている事は女子中学生の幽霊を

卑猥な触り方で感じさせているだけだ。

そのギャップに刹那は頭を抱えた。

 

「せっちゃん、それ凄い事なん?」

「凄いどころじゃないですよ。

 霊体を攻撃するでなく触るだなんて聞いた事もありません」

「そーなんやー。

 横島さんって凄いんやなー」

 

木乃香の呑気な言葉に気が抜ける。

そうこうしている内にさよはくったりとして、宙に漂い出した。

 

「まあこうして撫でる事で輪郭を認識させてやる事で

 存在力を高めていくんだけどさ。

 一つ問題があるんだ」

「問題……ですか?」

「そう、さよちゃんは自分のあそこをはっきりと見た事無かったらしくてね。

 魂に思い出させるのに時間がかかる。

 それで木乃香ちゃんに協力して貰ったんだ」

「……そういう事だったんですか」

 

初めに見た光景の謎が明かされ刹那は頷き、木乃香は顔を赤くした。

男の子と違い、女の子は自分のを見るには鏡が必要だ。

自分のものをちゃんと見た事無いという女子はそこそこいる。

 

「うん、そういう事なんだ。

 けして恥ずかしがる木乃香ちゃんが可愛いからとか、

 着物着たまま脚を開くのが素敵だからとか

 そういう理由では無いんだよ、うん」

 

言い訳めいた横島の言葉が逆に思惑を伝えてくる。

ただ、今も恥ずかしそうにしている木乃香を見ると

刹那は気持ちが分かる気がした。

 

「もぉっ、横島さんっ」

「うおおおっ……」

 

ごちんと木乃香が金槌で横島の頭を叩いた。

なかなかの音がして横島が痛がってのけぞるが、刹那は全く心配もしない。

 

「話は大体分かりました。

 私は学園長に報告に行ってきます。

 出来ればお嬢様も無事なお姿を見せて上げられるとよろしいかと思いますが……」

「お嬢様?」

「……このちゃんも一緒に来てくれた方がいいと思うんだけど」

 

大げさに頭を押さえている横島を刹那はちらりと見る。

事情は分かったから必須では無いが、

誘拐実行犯の横島抜きで行くのもおかしいかなと思ったのだ。

だが、無理に連行など出来ない。

しかし、意外にも横島の方から解決してくれた。

 

「そういう事なら俺も行った方がいいな。

 俺が悪いんだし。

 嫌がる木乃香ちゃんに見合いをさせた事に一言いってやらんといかんしな」

『私も行きますっ。

 木乃香さんは友達ですからねっ。

 もし、木乃香さんを怒るような事したら、わって驚かせちゃいますよ』

 

と、さよまで言い出したので全員で学園長の所に行く事になった。

歩き方がぎこちない木乃香を横島が抱きかかえて歩こうとして刹那に止められ、

結局、刹那が木乃香を支えて歩く事になり、木乃香が喜ぶといった事があったが、

言うべき事はそれぐらいだった。

スーツ姿の青年と豪華な着物姿の少女とそれを支えて歩く制服姿の少女。

おまけに見える者には浮遊霊の少女まで連れた一団がどう見えたかは分からない。

ただ、いくら賑やかで派手な者が多い麻帆良の街でも、奇抜だったのは間違いない。

 

学園長室。

夕方と言ってもいい時間になって、ようやく横島達は到着した。

遅くなったのは木乃香のペースに合わせたのと、

途中、喫茶店で食事をしてきた為だ。

 

「こんちはー」

「失礼します」

「お邪魔するえ~」

『こんにちはー。

 ここが学園長室なんですね。

 初めて来ましたー』

 

入るや否やさよは室内をきょろきょろと見渡し始めた。

どこにでも自由に行き来できるはずの幽霊なのに、

さよは学校内でも行った事の無い場所が多かった。

生来の怖がりらしく、暗い所も知らない所も怖いらしい。

 

『あれ、私が見えてます?』

 

只でさえ洋梨のような頭をして人間離れした見た目の学園長が、

目を見開いて口を開けている様はホラーでしかない。

孫娘の挨拶に返事も忘れて目で追っているのだから、

見えてないはずが無かった。

 

「あ、ああ、勿論じゃ。

 しかし、随分とはっきりくっきり見えておるのう……」

「俺も一応霊能者ですからね。

 それぐらいの事は出来ますよ。

 あー、じゃあさよちゃんの席を確保してくれてたりしたのは学園長ですか?」

『そうなんですか?

 ありがとうございます』

「お爺ちゃん、さよちゃんの事知ってたん?

 ほなら言うてくれたら良かったのに~」

 

この発言にたまげたのは学園長である。

魔法とか裏関係とかから遠ざけていた孫が、幽霊を見れるようになっている。

幽霊を見れる事と魔法は直接は関係無いが、

秘匿されているという共通点はあるし、幽霊に禁則事項は無いので

このまま幽霊と交友させれば、魔法も裏もすぐに知られてしまうのは間違いない。

 

「ほしたら、もっと前からさよちゃんと話したり出来たのになぁ」

『あー、でも私も横島さんに特訓つけてもらってますし』

「ほっかぁ、知ってても横島さんおらんかったら見えてへんかったんやねぇ」

 

しかも、既に仲良くなっている。

これには学園都市を治め、関東最強の魔法使いとして知られる近衛近右衛門といえども

すぐに対処を思いつかなかった。

 

「心配かけたみたいですみません。

 木乃香ちゃんを攫ったのは俺です」

 

横島が机の前まで進み出て、深々と頭を下げた。

なかなか堂に入った謝り方である。

謝罪初心者では到底出せない熟練の気配を感じさせる。

だが、その姿勢とは裏腹に出てくる言葉は謝罪とは思えないものだった。

 

「ただ、心配かけた事と無関係な相手側には謝りますけど、

 今後も木乃香ちゃんに見合いをさせるなら、毎回攫いますよ。

 それだけは了承しといてください」

「な、なんじゃと!?」

「あんなぁ、お爺ちゃん。

 横島さんはうちの為にやってくれたんえ?

 怒らんといてやって?」

 

木乃香が手を合わせてにっこりと微笑む。

 

「し、しかし、まだまだ会いたいという人が……」

「いや、だから、いいですよ、セッティングしてくれても。

 ただ、毎回木乃香ちゃんが攫われて俺とデートする事になるだけです」

「そうなん?

 そんならお見合いの席作ってくれてもええよ」

『わー、今の熱々ですねー』

 

これでは謝罪ではなく、脅迫である。

しかし、実力行使に出られない以上、学園長に取れる手は限られている。

 

「学園長、働きすぎなんじゃないですか。

 土日が、休みがどれ程貴重か忘れてません?

 大人になっても大事だけど、中学生にとっても休みは大事なものなんですよ。

 大人の都合でそれを潰すのはやめてあげましょうよ」

 

実感のこもった横島の言葉に、学園長はハッとなった。

事実、近衛近右衛門はほとんど休みなく働いている。

近右衛門だけではない、立派な魔法使い(マギステル・マギ)なら

それが当たり前なのだ。

周りにもそういう人間が多い為に忘れていた視点だった。

普通の中学生として過ごさせてやりたいと思っていたはずだったのに。

 

「……そうじゃの。

 儂が悪かった。

 木乃香、すまんかったのう」

「え、う、うん。

 ええよ。

 美味しいもん食べたり、色んな人と会えたりするんも楽しかったとこあるし……

 これから無しいうんならそれでええから……お爺ちゃん、頭上げて」

 

刹那も「良かったですね」なんて声をかけ、

さよまで加わって女の子同士で仲良く喜びあっている。

女子中学生がきゃっきゃと喜びあっている光景に

学園長室に和やかな空気が流れた。

 

二十後半の男と年齢不詳の爺が女子中学生を見てにやにやしているという、

もはや犯行現場と言っても差し支えない部屋から数キロ先、

その部屋を覗いている者がいた。

頭から生えた白い突起物、無機質な瞳の奥の望遠レンズ、

メイド服に包まれた硬質ボディ。

ガイノイドにして木乃香や刹那達2-Aのクラスメイトでもある絡繰茶々丸である。

中等部校舎から数キロ先にある大学研究棟の屋上に彼女はいた。

 

「じぃ~…………」

 

更には普段は付けられていないコード類が多数、彼女に付けられている。

そしてそれを気にする風もなく、彼女は瞬きもせずに横島達を覗き見していた。

 

「ちっ、ジジイも腑抜けおって……!

 あんな怪しい奴を野放しにするなど」

 

苛立たし気に呟いたのは金髪碧眼の少女、エヴァンジェリンだ。

茶々丸の主人である彼女が見ているのは、彼女の視覚情報である。

といっても傍にいる訳ではなく、茶々丸のいる建物の中。

研究室の中でモニターに映し出された映像を見ているのだ。

 

「そうは言っても、エヴァも突っかける気はしないんダロ?

 同じコトではないカ?」

「ふん!

 全盛期の私ならあんなものどうという事も無いわ!

 ジジイも情けない。

 手下を突っかけるぐらいやればいいのだ!」

 

ぷりぷりと椅子でふんぞり返りながら苛立っているエヴァンジェリンの周りには

超鈴音と同じくクラスメイトの葉加瀬聡美が一緒にモニターを眺めていた。

 

「戦闘力を見たいのは同感ネ。

 未知のままじゃ作戦も立てられないヨ」

「そうだ。

 邪魔をしてくるかは分からんが、万難を排すには対策はいる」

「そうですねー。

 私はあの人が使うというその霊力というのが気になっているんですが、

 お二人は分かりますか?

 どのようなエネルギーなんでしょう」

 

葉加瀬聡美のキラキラとした目に見つめられてエヴァは顔を逸らした。

何も分からない訳では無いが、説明が面倒だったからだ。

この葉加瀬聡美という少女は研究者らしい探求心で、

完全に納得するまで詳しく説明を求めてくるのだ。

なぜ、なんで、どうして、と何度も何度も聞かれる事を思うと

エヴァのような性格の者からすると知っている事でも話す気が失せるというものだ。

 

「魂の力と聞いたあるネ。

 詳しい事は分からないヨ。

 感知するにも才能がいるとかいうふざけたモノらしいガネ」

「魔法以上に不可解な力だからな。

 生命とか魂とかに関与するらしいが、私も専門ではない。

 ただ茶々丸には反応しないという仮説は正解だったようだ」

「うむ。

 今の所気付かれた様子はないネ」

 

モニターの中では学園長と横島が何事か話しており、

刹那と木乃香がはしゃいでいる。

学園長の背中側からなので表情は伺えないが、

雰囲気的に険悪とは思えない感じだった。

 

「実際、どれくらいのレベルを想定してるんですか?

 長瀬さんや桜咲さんが負けたという情報しか無いんですよねー」

「あの真名がいくら積まれても御免だと言って来たからネ。

 少なくとも高畑センセイぐらいはあるだろうナ」

「タカミチか……どうにかけしかける方法は無いものか」

 

様々な物の溢れた研究室でモニターを見つめながら話し合う少女達は、

学園長室の三人とは対照的に、女子中学生とは思えない雰囲気を漂わせていた。

 

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