※この作品はR-18です。

運が全ての人生   作:メシキ

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なんだか調子が良いので初投稿




4話

 

 

 

「起きて~!ご主人様起きてくださ~い!」

 

ユーリィの声が聞こえる…もう朝なのか。

 

昨夜の疲れが残る腰を優しく撫でつつ起き上がる。アイシャを見ると腰を労わっていた。昨日の今日だ、無理もない。

 

「お、おはようございますご主人様///」

 

「お、おう…おはよう///」

 

あんな事があった後では互いに顔を合わせる事も恥ずかしい。

 

「お母さんもご主人様も風邪をひいたの?」

 

心配してくれるユーリィには悪いけれど風邪じゃあない。むしろ元気いっぱい胸いっぱいの濃厚な時間だった。

 

「何でもない。元気だよ」

 

「良かったぁ~」

 

「へっ…何があったかまる分かりだぜ。朝から塩っ辛い物が欲しくなる」

 

クロエには何があったのかバレバレみたい。別にバレても構わないけれどユーリィに言われないか心配になったところにクロエが耳打ちしてきた。

 

「別に言いやしないよ。ただ発情期になったらあんたに頼むからそのつもりで」

 

エルフにも発情期なんてものがあるんだ。ニンゲンなんて年中発情期だよ。特に今日みたいに快晴で陽気の良い日なんかは。

 

「おう、そんときゃよろしく」

 

「ご主人様、朝ごはん食べに行こう?」

 

「そのご主人様ってのは止めてくれ。もうユーリィたちは俺の奴隷じゃあないんだから」

 

「それじゃあ何て呼べばいいのかな?」

 

「ご主人様以外なら何でも良いかな。常識の範囲内で」

 

何処に行にしてもご主人様ではバツが悪い。この際だから名前で呼んでもらおうかな。

 

「お兄ちゃん!」

 

「俺年下なんだけど…」

 

ばあちゃんと孫レベルの歳の差があるのにお兄ちゃん…まぁ見た目年齢的には兄妹に見えなくもない。

 

「あなた…///」

 

「う…それはちょっと///」

 

昨夜のこともあるし強く言い返せない。この際だからそういった男女の仲でもいいと思う。アイシャさんは凄い美人で気立ても良いし、料理上手(希望)の洗濯上手(願望)、最後のおまけで床上手♪

 

「それじゃあトシキさん♪」

 

「まぁそれなら良いかな」

 

「トシキで良いよな」

 

一番普通で安心した。

 

……

 

…

 

そのあとは宿屋で食事を済ませてから市役所に行った。

 

宿屋の朝食は和風か洋風か選べたので全員洋風を選んだ。何が出てくるかと身構えたが思いのほか普通のメニューだった。万年草(ほうれん草っぽいなにか)のバターソテー、黒パン、どデカいステーキ、ミルクと普通の食事。ステーキの大きさは予想外だったけれどとても美味しかった。

 

特にアイシャとユーリィなんてステーキを頬張って涙を流していた。半年間だったけれどまともな食事をさせてもらえなかったのが窺える。

 

酷い話だ…三人とも望んで奴隷になった訳じゃあないのに。でもそんな酷い生活は今日でお終い。今日からは俺と同じ旅人として生きていくんだ。

 

……なんて考えは甘かった。

 

「お連れの方は奴隷でしょう?奴隷には人権がないから水晶の発行は出来ない決まりなんですよ」

 

「彼女たちは首輪もしてない。俺も奴隷扱いはしていない。それで良いでしょう!」

 

「でも首輪の痕があるし…登録はされていないみたいですが……」

 

「あの首輪の痕は俺の趣味です!お願いですから発行してくださいよ」

 

「でも稀にいるんですよ…登録されていないだけで奴隷商に掴まった可哀そうな奴隷が。もしかして彼女たちも」

 

あの奴隷商が彼女たちは市役所に届け出を出していないと言っていたから大丈夫だと思ったのに…。

 

「水晶を失くしたのなら発行はできますよ。ですが彼女たちは初めて水晶を発行する。なのにどこの市役所にも住民データがない。それにあの右手は奴隷のモノだ」

 

「どうしてもダメですか?」

 

「悪いけどお役所仕事だ。もしも改ざんをして発行をしたのがバレたら俺が職を失っちまう。俺にも養わないといけない家族がいるんだ。分かってくれるか?」

 

「そう…ですよね。すみません、お騒がせしました…」

 

俺は無力だ…彼女たちに何もしてやれなかった。

 

「こ、こんな日もありますよトシキさん」

 

「私たちは大丈夫…だよ?」

 

「こんな事になるんじゃあないかと思ってたけどさ」

 

俺を励ましてくてれいるのかもしれないが、正直なところ本気で落ち込んでいる。まさか奴隷というだけでこんなにも扱いが酷いだなんて思ってもいなかった。

 

「くぅ…こうなったら金で買収しか…」

 

「そんなことする必要はないぞ」

 

「あんたには関係ないだろ!」

 

知ったような口をききやがって。なにが必要ないだ。俺には必要だってぇの。

 

「分かったらさっさとあっちに行ってくれ」

 

「そんな言い方することは無いだろう。私の事をもう忘れたのか?」

 

「ん?」

 

気品ある立ち振る舞い、高貴な香り、どこかで見た顔。……誰だ?

 

「はっはっは、その様子だと本当に忘れたようだな。昨日、君から黒曜石を買い取った者だよ」

 

よく見るとその通りだ。でも俺に何の用だろうか。もしかしてお金返せとか言うんじゃあないだろうな。

 

「彼女たちは君の奴隷なのかい?」

 

「う…ま、まぁ…世間的には…というか法律的には…というか…」

 

「そうか…実は金貨五十枚では安いと思っていたのだ。最初に金貨三十枚と言ったのは私がケチだったからだ。しかし領主たる私は君のような若者を騙してほしい物を手に入れるなんて恥ずべきことをした…後悔してもしきれない」

 

話がだんだんこんがらがって来たぞ。

 

「昨日から君に何か謝礼をしなくてはいけないと思っていた。そんなところに困った君が現れたという訳だ。どうか私に何かさせてくれないか?力になりたい」

 

おぉ…まさに天の助け。渡りに船とはこのことだ。遠慮せずに色々とお願いしよう。

 

「それじゃあ彼女たちに水晶を発行してください。それと奴隷の紋章も消してくれると助かります」

 

「任せたまえ。おおい、そこのキミ。新しい水晶をここへもって来なさい」

 

「は、はい領主様!!」

 

さっきまでの態度と打って変わってヘコへコしながら奥の方へ行った。

 

「奴隷の紋章ならギルドに行って登録をすれば勝手に消える。これから彼女たちは自由の身になる。ところで君は旅人の様だが家はないのか?」

 

「持っていないですね。でも貴方から貰ったお金もあるししばらくは大丈夫です」

 

「大丈夫ではない。根無し草のような生活をしていては不安で一杯だろう。どうかな、街の外に一軒家があるのだが使わないか?」

 

「そんな…そこまでしてもらう必要はありません。家くらい自分でどうにかします」

 

「どうせ使われない家だ。畑もあるしちょっとした基点になると思うのだが…それとこの金貨も持って行ってくれ。頼む、受け取ってくれ。そうでないと私は領主として失格だ」

 

そこまで言われて引き下がる俺じゃあない。むしろ持ち家のお金持ちとしてうっはうっはな人生のスタートだ。綺麗な女性三人に囲まれてお金にも恵まれている。こんなに幸福な事があるだろうか?いや、ない(反語)

 

「領主様のお心遣いに感服いたします。心してお受けいたします」

 

「そう、かしこまる必要はないよ。私は身近な領主でありたい」

 

その後はいくつかの書類にサインをして彼女たちを旅人として市役所とギルドに登録を済ませた。ついでにパーティにも登録したので水晶を使っての通信ができるようになった。

 

ちなみに後から聞いた話ではあの黒曜石はドラゴンの卵並みにレアなアイテムらしい。価値を知らないって恐ろしいな…都ではアレが金貨百枚前後で取引されている。……都で売ればよかった。

 

……

 

…

 

また大きな門をくぐり街の外へ出る。昨日来たときはあまり注目していなかったけれど壁の外にも露店が立ち並んでいる。

 

しばらく壁沿いを歩いていると大きな家が見えてくる。家の傍には巨木が青々と佇んでいて、策に囲まれた広大な庭には羊や山羊、牛が放牧されていた。

 

「でけぇ…まさかこんな凄い家に住めるなんて」

 

「まぁ、ご主人様と住むなら一人部屋くらい貰わないとな。お前と一緒にの部屋で寝たら妊娠しそうだ」

 

ワザとらしい嫌味を言っていても口角が上がっているのがバレバレだ。ユーリィもアイシャも喜んでいる。

 

「とりあえず掃除とか片付けをして住めるような状態にしようか」

 

「「「はい」」」

 

中に入ると思ったほど汚れてはいなかった。領主さんの話だと先月この家の家主が死んで空き家になった。でも身寄りがいない老人だったせいか市の持ち物になっていて新しい持ち主が見つかっていなかったところに俺たちが現れて今に至る。

 

埃は積もっているけれど家具は整理されていて今すぐにでも使えそうだ。

 

「見て見てお母さん。冷蔵庫だよ!私初めて見た!」

 

「え?これが冷蔵庫?」

 

ユーリィは大きな水の塊を指さしてはしゃいでいる。

 

「こんなに大きなのはあたしも初めて見たよ。それに寝室にはクーラーもあった。奴隷になった今のほうが昔よりも良い生活だぜ」

 

冷蔵庫にクーラー?異世界の生活だからもっと苦労するかと思ったけど意外と楽な生活ができそうだな。

 

「マジで冷蔵庫なのか?」

 

恐る恐る水球に手を入れる。水球の中はとても冷たくて気持ちが良い。手を出すと手は濡れていない。ふむ…やっぱりこれも魔法の力で造られているのかも。

 

水晶を使って調べると冷蔵庫の仕組みがすぐに出てきた。これじゃあまるでスマホだな…異世界スm(それ以上いけない

 

「魔法ってすごいな」

 

「トシキさん、これらは魔法じゃなくて魔術の産物ですよ?」

 

「え?魔法と魔術って違うの?」

 

「はい、とても似ていますが根本的に違っています」

 

魔術も魔法も同じものだと思っていた。それじゃあ俺がアノ時使ったのは何だったのだろうか。

 

「説明してくれるか?」

 

「魔術は魔力をみんなが使えるよう様々な媒介を使って多様かつ結晶化したものです。魔法陣や魔法紋、呪文などを媒介に発動する術の事を魔術と呼びます。ですので魔術は座学や実践を経て習得し練度を高めることができます」

 

俺が使ったのは魔術だったようだ。

 

「魔法というのは魔術と違って発動に媒介を必要とせず、発動者が想像するだけで発動します。ですので魔法は誰にでも使えるモノではなく先天的な才能に左右されます。純粋な魔力の放出なので魔術とは比較にならないくらい強力です。それに使える種族も限られていまして、魔力の強い種族にしか使えません。例外を除くとドラゴンや精霊などしか扱えません」

 

「例外って?」

 

「人間の王国の初代国王は魔法が使えたそうです。きっと生まれつき才能が有ったのでしょう。生まれつきの才能以外で魔法を使うためには身体の中に精霊を飼うかドラゴンや神族などを食べて魔法が使える者の魔力を己のモノにするしかありません」

 

「せ、精霊を飼う?」

 

そんな物騒な事をして大丈夫なのか?サナダムシを腸内に寄生させるのと同じ事なのか。でもデメリットもあると思うし試したいとは思えない。それならまだドラゴンを食べるほうが良さそう。美味しそうだし食べてみたいし。

 

「飼うというよりも契約ですね。精霊そのものに魔法を使ってもらう方法です。」

 

魔法と魔術って結構違いがあったんだな。俺の想像と大分違ったけれど普通に生活するなら魔法と魔術の違いもあまり関係ない。

 

「それじゃあ俺も魔法が使えるかもしれないな」

 

「トシキにドラゴンや神族が狩れるとは思えないな。あいつらは上から目線でムカつくけど強さ『だけ』はモノホンだから無理だろ」

 

『だけ』って…めちゃ強調している。何か嫌な思い出でもあるのだろうか?

 

「死ぬ生物なら必ず殺せる方法がある」

 

「ドラゴンハンターの言葉か?」

 

「いや、俺の言葉」

 

「お前かよ!」

 

『バシッ!』と頭をしばかれてしまった。痛くないので軽い突込みのつもりか顔もそんな怒っていない。

 

「お兄ちゃんは魔法を使いたいの?」

 

「使えたら便利だろ」

 

白い歯を見せ満面の笑みを浮かべた。

 

……

 

…

 

「それじゃあ俺は薪を探してくるよ。三人は夕食の材料を買ってきてくれ」

 

三人に財布を渡して俺は斧を持って森の中へ入っていった。埃を被っていた斧だけどオンボロではない。きちんと手入れが行き届いている。刃こぼれはもちろん錆び一つ見当たらない。

 

「~~♪~~~~♪」

 

鼻歌交じりに適当な枝を集める。松ぼっくりや細い枝は着火剤に丁度良い。しかしそればかりでは火は大きくならないので俺でも切り倒せそうな細い枯れ木を見つける。

 

「これくらいならイケそうだ」

 

斧で木を切り倒すのなんて初めてだから緊張する。バッターのように振りかぶってから思い切り刃をぶつけた。『カッ!』と景気の良い音と共に樹皮が弾ける。

 

「そいっ!」

 

何度も切り付けるけれど倒れる気配はない。やっぱり要領良くやらないと倒れる物も倒れなくなるのだろう。テレビで見たようにはいかないな。

 

切り付ける場所を少しずつ変えながら木を細くしていく。削り取るように木を切っていると『みしみし』と音をたて始めた。

 

ようやくここまで来たか…そりゃ!

 

トドメとばかりに最後の力を振り絞り思いのたけを枯れ木にぶつける。すると、もはやここまでと木も諦めたのか倒れてくれた。

 

後は細かい枝を切り落としてロープを繋いで引きずりながら家へ持って帰れるようにした。

 

「折角だし野草とかも採っていくか」

 

水晶を片手に食べる事のできる野草も集める。苦味やえぐみの少ないものばかりを選り好みして採取しているので数は少ない。

 

「た~~す~~け~~て~~!!」

 

何処からともなく響いて来た叫び声にも似た助けに驚いて抜こうとしていたネギ(?)が千切れてしまった。ネギ好きだからちゃんと根っこまで抜きたかったのに…。

 

「ちょっとあなた!妖精が助けてって言ってるでしょう!」

 

「妖精の要請ってことね」

 

シカトを決め込んでも良いと思ったけれど女の子だったし妖精を助けて悪い事も起きないだろう。

 

意を決して振り返ったらこちらに妖精とでかいイノシシが向かってきた。そして気が付いたら俺と妖精とイノシシは同じ方向に走っていた。

 

「なんでアンタまでこっちに来るのよ!?」

 

「あんなデカいイノシシは俺の範疇外だ」

 

一世一代の猛ダッシュで逃げる。俊敏性のステータスは高いので追い付かれることは無い。でも妖精さんに怒られてしまった。

 

「ちょ、一人で逃げるつもりならあんたの家まで付いて行くわよ」

 

「よし、分かった。何とかしよう」

 

手に入ったばかりの家が壊れるのは嫌だし家の近くにいる凶暴なイノシシを放ってはおけない。仕様がないので近くの木に登ってイノシシが下に来るのを待つ。

 

「よし、よし、よし……行くぞ…怖いけど…行くぞ~~~!!ぁぁぁぁあああああああ~~~~~!!」

 

綺麗にイノシシの背中に飛び乗る事が出来た。よし、ココまでは計画通り。そしてココで計画終わり。

 

「必死にしがみついているけれどかなり厳しいぞ」

 

とにかくどうにかしないと…どうにか……どうにかできねぇよ!なんだコンチクショウ!摩ってやれば良いのか?あぁん?

 

トシキはおおイノシシをさすった

 

おおイノシシはしょうきにもどった

 

「よぉしよしよし」

 

「凄い…凶暴なイノシシを手なずけちゃった」

 

「なんで摩っただけで…ん?」

 

手にナニかヒルのようなものが引っ付いている。なるほど、こいつが身体についていたから暴れていたわけだな。

 

「悪いけどこのヒルを取ってもらえるかな?無理やり引っぺがすと血が噴き出るから」

 

「助けてもらったお礼も兼ねてそれくらいはしてあげるわ」

 

妖精がヒルに触れると逃げ出すように手のひらから逃げて行った。傷痕からは少し血が出ていたけれど無理やり引きはがした時よりもマシだ。

 

「でもお礼がこれだけって言うのは味気ないわね。他にない?何でもしてあげるわよ?あ、エッチなこと以外でね。それか何か欲しい物とかない?あたしの鱗粉とかどうかしら?小瓶一個で金貨何十枚分の価値があるわよ」

 

「う~ん…それよりも俺と契約してほしいな。魔法使ってみたいし」

 

「あ、あんた何を言っているのか理解しているわよね?」

 

「もちのろん、俺は君と契約して魔法使いになる」

 

図らずも某インベーダーのようなセリフを吐いてしまった。

 

「確かに何でもするとは言ったけれどそれはあんまりだわ。契約するのは簡単よ…でも人間なんかと契約したことは私たち妖精にとっては屈辱なの。悪いけれど他を当たって」

 

「どうしてもダメか?」

 

「どうしてもダメよ」

 

「妖精は嘘つきなのか?」

 

「んな!?」

 

「あ~あぁ、エッチなこと以外は何でもしてくれるって言ったのになぁ~。妖精は嘘つきなんだなぁ~」

 

「う…言わせておけば……良いわよ…やってやろうじゃない!!契約だろうが何だろうがあんたが死ぬまで我慢すればいいんだもの!!」

 

ほんのちょっぴり挑発してやったらのってきた。ちょろい(確信

 

「おいおい…俺を呪い殺したりしないよな?」

 

「あたしはあんたの何十倍も長生きなのよ?気長に待つわ」

 

そう言って俺の左手にキスをする。すると右手同様に左手にも紋章が浮き上がって来た。

 

「これで終わりか?」

 

「えぇ、終わりよ。この紋章は魔力の供給と変換をするの。これであたしの魔力があんたに流れ込んであんたは魔法を使うってわけ。自己紹介が遅れたけどあたしは木の妖精『ドリアード』のガリアよ。あたしの母さんが大地の神様『ガイア』にちなんでつけてくれたんだけど名前負けしているわ」

 

「これで俺はどんなことができるようになったんだ?」

 

「はぁ…そんな事も知らずに契約したいとか言ってたの?要は想像よ、そ・う・ぞ・う。植物よ育て~とか美味しい実を着けろ~とか思えばいいのよ」

 

物は試しと枯れかかった木を触って青々しく茂った葉っぱを想像する。すると枯れた木は瞬く間に美味しそうな林檎の実をつけた。それだけじゃあない木の近くに生えている植物まで成長した。

 

「えぇ…すごぉ…」

 

「ふぅん、あんた才能あるわね」

 

火とか水とか攻撃に利用できそうな能力ではないけれど野菜とか果物を手に入れるのが簡単になったと思えばこれはこれで便利かも。まったく運が良いよ。

 

……

 

…

 

家に帰った俺を待っていたのは美味しそうな食事の数々と驚愕した三人の顔だった。

 

「あの…薪と野草を取ってきました。薪は納屋に置いてあります。それから野草はこれ」

 

ざる一杯の野草をアイシャに渡して席に着く。

 

「おいおい、さっき魔法の話したばかりだぞ…。もう魔法使いか?」

 

「すごーい、わたし妖精さんって初めて見た」

 

ユーリィとガリアは波長が合うのか初対面にも関わらず会話を弾ませている。奴隷だったユーリィに友達がいるのか分からないけどガリアと仲良くなってくれたならいい。

 

「どうやって妖精を手なずけたんだ?」

 

自分も真似をするとクロエは身を乗り出して訊いてきた。嘘をついても俺には利益が無いので正直に何があったのかを話す。クロエはやっぱり信じられないという顔をした。

 

「俺も信じられないよ」

 

「ふふ、トシキさんはとても素敵な方ですので妖精さんも力を貸してくれたのでしょう。トシキさんが採って来た野草はテンプーラにしました。さぁ、ご飯にしましょう」

 

アイシャも席についてみんなで食卓を囲む。ガリアも三人に自己紹介を済ませたのか俺の肩に留まった。

 

「それじゃあいただきます」

 

「「「「いただきます」」」」

 

各々、パンを食べたりテンプーラを食べたり賑やかな食事が始まった。妖精は何を食べるのか気になったので見るとパンや肉を噛み千切って頬張っている。まるでリスみたい。小さなスプーンに注がれたスープには顔を突っ込んでゴクゴクと飲んでいる。

 

「豪快だな」

 

「こんなに美味しい物はなかなか食べられないからね。妖精ってみんな素食なのよ。だからこんな豪華な夕食は何年ぶりかしら」

 

「そりゃあ良かった。アイシャもユーリィも美味しい食事を作ってくれてありがとう」

 

「あたしも作ったんだけどなぁ~」

 

「ごめんごめん、クロエもありがとう。こんな可愛い人たちに囲まれて美味しい食事を食べられるなんて俺は幸せ者だなぁ」

 

「そうだぜ、もっと感謝しろい」

 

「トシキさんに喜んで頂けて私も嬉しいです」

 

「お兄ちゃんの事を想いながら作ったの///」

 

今日はとても幸せな一日だった。明日は何をしようか。三人の弓矢作成のための材料を森に採りに行くか、それともクエストを受注してこの世界に関する情報を集めるか。どちらにせよ刀と魔法を使ってみたい。

 

特に魔法は使いたくてうずうずしている。某忍者漫画でも木遁は最強枠だったし、もしかしたら俺にもワンチャン有るんじゃないか?

 

ほんのちょっぴり危険だけど戦や討伐クエストで名を上げるには丁度良い能力なのかも。

 

 

 






今回も最後まで読んで頂いてありがとうございます

とんでもない事に気付きました

ISの方では最終的にどうするかを考えて書いています

でもこっちは何も考えていません

……どうしよう

次回予告

魔法使い(意味深)になれる可能性を失った矢先に魔法使いになったトシキ

幸運を糧にハーレムメンバーを順調に集めていく

娼館に入るフラグを建てたは良いけどこの小説はR-18じゃあない

作者も困ってんぞ、おい!

くそッタレ!読者に想像させるしかないのかコンチクショウ!

あーくやしーなー(棒

あーるじゅーはちかきたいなー(棒

………この際だし諦めてR-18にするか?(ボソッ

次回『はじめてのおつかい』

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