※この作品はR-18です。

からかい上手の高木さん〜戦い上手の高木さん〜   作:ナチュラル

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出会い

【h@033##uyq@bk7\4!!】

 

化け物の腕から血が噴射していた。

その血は、人間と同じ、赤の色をしていた。

化け物にも痛覚はあるのだろうか、言葉にもならない悲鳴を出して暴れていた。

その化け物の前に、短い刀と、小さな銃を持つ誰かが立っていた。

どんな姿をしているのか、どんな格好をしてるのかまでは見えなかった。

この時もまだ、意識は曖昧だ。

少なくとも、その影の大きさは、オレと同じぐらいの年頃の、【女の子】にも見えた。

まさか。

何度も疑った。

君が持つ刀や銃よりももっと大きいのを使って戦ってきた大人達が何人も死んだんだ。

君がその化け物にダメージを与えたのなんて、偶然だ。

君は、殺される。

オレは、彼女を助けたかったんじゃない。

オレが、もう見たくなかったからだ。

血を。

だから、オレは最後ぐらい安らかに眠りたい。

そんな一心で、擦れた声を頑張って出そうとする。

 

【・・ぃ・・げ・・・ぇ・・】

 

上手く声が出ない。

でもお願いだ。

もうオレを開放して欲しい。

苦しい思いは沢山なんだ。

君の、いや。

人の血を、もう見たくない。

 

【あ、生きてる】

 

彼女がオレに気付いてそんなことを呟いた。

生きてる、は少し違う。

もう死ぬんだ。

オレを助ける為に来たのだろうけど、良い迷惑なんだ。

速くオレの前から消えてくれ。

 

【隊長、一般人の生存確認しました。恐らく1人だけですが、テストが終わり次第救助します】

 

彼女が誰かと話すのが聞こえた。

通信、ってヤツなのか。

やはり、彼女も軍人か何かだったのだろう。

そもそも、テストって、何のテストなんだろうか。

まぁオレには関係無いか。

そんな悠長なこと言ってる間に敵に殺されるのが落ちだ。

早く、逃げて、そう思った瞬間の出来事だった。

 

【テスト終わりました。これより生存者を連れて帰還します】

 

何を言っているのか分からなかった。

一瞬考え込んで良く見てなかった。

ぼやけていても分かる。

その化け物は、粉々に破壊されていた。

今の一瞬で何が起こったのかなんて理解出来る筈もなかった。

ただ分かったのは

 

オレは、生きている。

生きている。

もう生きる意味なんて無いのに、生きている。

この人は、こんな死にぞこないを助けたのだ。

感謝なんて、しないからな。

彼女はオレの前でしゃがみ込んだ。

オレも残る力を全て使ってなんとかそこへ顔を上げる。

 

【血だらけ・・君大丈夫?】

 

大丈夫な訳、あるか。

 

【喋れないか、無理もないか】

 

オレにはもう何もない。

 

【隊長、今の戦闘データをしっかり【アレ】に組み込んでくださいね。】

 

また通信か。

 

【大丈夫だよ】

 

何が、大丈夫なんだよ。

 

【もうすぐ、平和になるから・・それまで生きて、ね?】

 

彼女は、どんな容姿で、どんな表情で、オレにそんな根拠のない台詞を吐いたか分からなかった。

でもこの時、少し考え方を変えてしまう。

大の大人が束になって勝てなかったあの化け物を、彼女は1人で倒して見せた。

彼女なら

彼女なら

ひょっとしたら

 

オレの知らない【平和】を作れるんじゃないか

 

そう、期待してしまった。

 

 

 

 

 

だからなのか・・・

 

 

 

 

 

その時、彼女の後ろから何かが動くのが見えた。

彼女はそのままオレの腕を自分の肩に回して、オレを抱えようとしていたのだろう。

しかし、そのせいでよりハッキリと見えてしまった。

粉々になった、あの化け物ではない。

また別の形をした化け物が、彼女の後ろにいた。

その化け物もやはり、笑っているように見えた。

この化け物が今から何をしてくるのかなんて、想像がつく。

死にたかったオレに再び死のチャンスが巡ってきた。

いや違う。

オレは、彼女を死なせる訳には行かなかった。

 

彼女ならきっと、オレの知らない平和を築いてくれる。

 

 

 

 

 

だからなのか。

 

 

 

 

 

さっきまでろくに出せなかった声を、残る力全て使って1つの言葉を作りだす事が出来た。

 

 

 

【危ない!!】

【!?】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バンバンバン

 

【uyq@s!?hct@#!!】

 

ザシュ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オレを抱えたままでありつつも、彼女は見事にその化け物も倒して見せた。

それを見て、さっきまで絶望していたのが嘘だったように。

オレは、笑ってしまう。

 

【はは、は】

【あ、君・・】

 

凄いや。

 

【凄い、や・・】

【え?】

 

君なら。

 

【君・・・な、ら・・】

【・・・】

 

世界を。

 

オレは、そのまま意識を失ってしまった。

次に目を覚ましたのは、翌日だったという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【助けられ、ちゃったや】

 

 

 

 

 

【・・あ、そうだ】

 

 

 

 

 

【とりあえず、血は拭いて上げたけど・・・】

 

 

 

 

 

【うーん、あんまかっこよくはないのかな、これ?あはは・・】

 

 

 

 

 

【まぁ、でも】

 

 

 

 

 

【私は、好きだな】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【まだ、お互い生きてたら】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【平和な世界で会おうね】

 

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