からかい上手の高木さん〜戦い上手の高木さん〜 作:ナチュラル
見えた。
格納庫。
しかし、これは。
到着した格納庫は、さっきまでとは違う、火の海に変わっていた。
さっきの爆発は、戦車が破壊されたことによって生まれた物だったのだろう。
あちこちに配置されていた戦車が何台も燃えている。
オレはふと気になって教官が言っていた【アレ】がある方へ足を運んだ。
【アレ】は、傷こそ無いものの、無残にも横を向いて倒れていた。
そのロボットの胸にあるであろうコックピットがハッチを空けたままオレの前に倒れていたのだ。
教官の言うとおり、1人乗りではない。
1つのハッチの先に、2つの座席が見えた。
その片方の座席に、人が1人いたのだ。
あのタカギと呼ばれた少女だ。
「やっぱりっ、くそ!」
オレは彼女の元へ駆け込んだ。
熱で熱くなったロボットの装甲を我慢して両手両足で駆け上り、そのロボットの胸の位置にまで到着する。
オレはその勢いのまま、彼女の元へ寄る。
彼女は、息はあったが頭から血を流していた。
そのまま気絶してしまっていた。
オレはそのまま彼女を抱き寄せ、呼びかける。
「君!しっかりして!」
「うっ・・」
すぐに意識が戻った。
良かった、と早い段階で落ち着くことが出来た。
彼女はゆっくりと瞼を開け、オレを見てくる。
「に、逃げ」
馬鹿言うな。
オレは怒鳴ってしまう。
「何言ってるんだよ!君はこのロボットのパイロットなんだろ!?君が死んだら、誰がオレ達を守ってくれるんだ!」
オレは、この時自覚は無かったが、大分情けない事を彼女に押し付けていたんだと思う。
これでも1軍人の男かと。
それを聞いて、重症を負っているのにも関わらず、彼女は笑った。
「ふ、ふふ、君、変なこと言うね?なら、私を助け、てくれる?」
何故こんな余裕なんだ、彼女は。
可笑しく思う反面、少し照れくさいことを言う彼女に対してこんな時だってのにオレは少し顔が赤くなってしまう。
しかしそのままオレは
「あーもう分かったよ!」
ポケットに入れていたあのハンカチを、彼女の顔に当て、一先ず血を拭き取った。
せっかくここまで洗ったのに、また汚してしまった。
でも、オレは間違った事は、していないはずだと、割り切った。
オレを救ってくれた彼女も、きっと許してくれる。そう思いたかった。
するとその途端、彼女、タカギと呼ばれたその少女はとても驚いた表情をオレに見せる。
「・・・はっ」
なんだ?
どうした?
何故そんなに驚く。
「君・・」
え?
オレの顔に何かついてるのか?
タカギと呼ばれたその少女は、さっきまで死に掛けていたような表情からは考えられないほど、その顔を変えていく。
それは、最終的に自信に満ち溢れたような、笑顔へと代わっていった。
「決めた!」
「え?」
彼女が元気な声でオレに問いかける。
「君、名前は!?」
「な、名前!?」
こんな時に、オレの名前なんてどうでもいいだろ?
「教えて!」
「!?」
彼女は急に起き上がって、オレの両肩をその両腕で掴んでオレに顔を近づける。
ち、近いよ・・と言う前に、オレはつい顔を赤くしたまま、自分の名を応えるのであった。
「ニ、ニシカタ・・だよ・・」
彼女は、再び微笑んで、今度はオレの手を握った。
「ニシカタ、くん。だね?私はタカギ!」
うん、さっき聞いた。
「ニシカタくん!お願い!」
「【もう1度】・・私を、助けて!」
「え?」